小説『悪童たち』(壊小孩/坏小孩)中国ドラマ「バッド・キッズ隠秘之罪・隠秘的角落」原作:小説レビュー:紫金陳ズージンチェン作・稲村文吾訳 〈ハヤカワ・ミステリ文庫〉あらすじ・感想付きで紹介※ネタバレあり
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今日は、小説『悪童たち』(坏小孩)中国ドラマ「バッド・キッズ隠秘之罪・隠秘的角落」原作:小説レビュー:紫金陳ズージンチェン作・稲村文吾訳 〈ハヤカワ・ミステリ文庫〉感想付きで紹介
を紹介するよ。
ぇえ、ぇえ、初めての試みです。
てこ監修”イケメン備忘録”は?と思ったあなた、ごめんなさい・ぺこり。
たまにはこんなこともありあます。
ってか、今後は本レビューも時々やろうかな、と。
とは言うものの、てこはいつも特定の本を繰り返し読んでおるので、今更レビューなどは書く気にならない。
特定の作家の久々の新書は、おそらく好きすぎて書けない。
だがしかし、今回のように〇〇の原作、と言うことなら話は別である。
まずドラマのモヤる案件を解消するのが目的であるため、そこには文学的な好みや作家の好みなどは干渉できない。
これは非常に重要な事で、たとえいかにソレ(本)がつまらなく、時間の無駄に思えても”大義名分”があれば読み進める事ができると言う事である。
だがしかし、しかしである(2回目のしかし)
今回はなんとドラマはみてない。
見てないのに、原著発売の呟きを見て
「へー、バッドキッズの原作かぁ、なんかけっこうみんな読んでるなぁ」
で自分も読んでみた、というとってもミーハーなてこであることはヒミツである。
なので、今回はドラマのモヤる案件はない、なんせ見てないから。
まっさらな気持ちで読んだ本のレビューである。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
悪童たちってどんな本なん?
完全犯罪の現場を目撃した子供たちは、殺人犯を強請ろうと画策するが……中国で大ヒットしたドラマ化原作。華文サスペンスの傑作
とまぁ、↑がハヤカワ・ミステリ文庫さんの作品紹介である。
華文サスペンス?
、、、。
中2の夏休み、学年1位成績の優等生である朱朝陽ジューチャオヤンの悩みは背が伸びないことと、両親の離婚が悩み事。
父親は別の家庭を築いており、自分のための養育費をくれないばかりか気にさえかけてもらえない。
母親は働き先が忙しくたまにしか帰宅しないため家でも一人。
そこへ、小学校時代の親友丁浩ディンハオと、2歳年下のガール普普ブーブーが孤児院を逃げ出して来て匿うハメになる。
この3人の少年少女が要するに”悪童たち”に様変わって行く物語である。
こう書くと、いかにも面白そうな感じだが、実際はいまいちである。
”完全犯罪”とあるが、そんな大したものじゃあなかったし、子供たちに見られる可能性を考えてない時点で、この犯罪者のレベルも自ずと察する事ができよう。
正直、序盤で萎えたのに読み進めた理由は。
イー:ハヤカワ・ミステリ文庫の文字はポイントが大きく書体が見やすい(新潮文庫さんは見習うべきである)
アル:中華な思考回路に興味津々
説明しよう。(アルについて)
・前妻の子にたいして(父親・後家ともに)のあまりの非道ぶり、これは同じ人間として理解も想像もできなかった。
・ダメージを与える手段としてブーブーが考えついたことは”う○こをなすりつける”であること。
”主人公が洗面器いっぱいのう○こを浴びせられる”というのもあった。
よくよく考えても、洗面器にう○こをためることは、ここ日本ではかなりの難易度であるし、前妻の子うんぬん〜は常識的・人道的に考えてもありえない行動である。
結論として、文化の違い?ということに達したが、そんなこんなを考えて読むうちに事件が起きる。
ほんとにてこの読み通りに物語は進み、ほんとに萎えます。
長い前振り、フラグ立てておいて〜のお膳立てからの事件発生。
でもこっからですよ、作家の腕の見せ所は。
、、、。
キーマンである元捜査官である”大学教授・厳良イエンリアンVS悪童・朱朝陽ジューチャオヤンの頭脳対決”というのを期待していたわけだが。
、、、なかったね。
冒頭で”完全犯罪”なるものを犯した男もやはり見掛け倒しの人物像であったし。
教授はもっとキレる人物像であるべきであるし。
1番は、悪童朱朝陽に夜神月(やがみらいと)的な切れ味が1ミリもないのが問題。
めちゃめちゃIQ高くって、もう100手くらい先まで想定してて、ていうのがない、まったく。
あ、ここ、のちに教授が食いつくとこじゃね?のとこも安定のスルー。
最終的には教授は気づくのだが、遅い、気づくのが。
「ぇ、めちゃキレる頭持ってて”L”みたいなキャラじゃないのかよ、クッソ」ってかんじですよ、全く。
悪童たちのドラマ版って?「バッド・キッズ隠秘之罪・隠秘的角落」
↑なるほど、こんな感じか。
せつない子供たち3人の家族・学校・職場などの日常からにスポットをあてて、その日常に事件が進行するミステリ調の様。
教授@厳良は↓
ドラマでは数学教師、張東昇になってる模様。
秦昊チン・ハオである。
そこで気づいた。
「バーニングアイス-無証之罪」の男主は@厳良(秦昊チン・ハオ)であると。
なんと原作者は同じ紫金陳ズージンチェンであった。
〈推理乃王〉シリーズ3部作
イー:無償之罪
アル:悪童たち
サン:長夜難明(沈黙的真相の原作)
沈黙的真相↓
こうしてみると「バッドキッド隠秘的角落」だけ未視聴。
なんと全シリーズがドラマ化済である。
なんと旬な作家であろうか。
@無償之罪も@沈黙的真相もずっしりと存在感のある作品だった。
@隠秘的角落もドラマの評判はすこぶるよろしいようである。
悪童たち、てこが見た感想
正直に言うと東野圭吾の下位互換。(ほんとすみません・ぺこり)
まぁ、東野圭吾も5冊くらいしか読んでおらんが。
彼の人気は映像化の成功によるところが大きいのではないかと思う。
近頃の中華なエンタメ界は進化がめざましく知的財産に関するビッグビーム到来中である。
綿密な脚本と高度な映像、高水準の映像化によりまさしく
”青は藍より出し藍より青く”ではないだろうか。
(※青:ドラマ版 藍:原作)
もちろんドラマ版をみていないので、見ていたらまた違う感想があるかもしれないが。
”原作”としては読めるが”サスペンス”や”ミステリ”としてはいまいちであった。