中国映画『グランドマスター』(原題・一代宗師)映画レビュー:「辰汐縁」の【張震チャン・チェン】のキレッキレの八極拳が胸熱!葉っぱさんは【梁朝偉トニー・レオン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
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今日は中国映画「グランド・マスター」(原題・一代宗師)を紹介するよ。
張震様アピール”草の根活動”の一環である。
そろそろネタもなくなってきて、この後はおとなしく「辰汐縁」の記事を書くしかあるまい。
↓相変わらずの邦題副題案件である。
「どれだけ愛を失えば、頂点に立てるのか?」
これはない、台本チラ見でつけたキャッチでは?
王家衛ウォン・カーウァイ監督さんの耽美な世界観を打ち出してほしいと切に願う。
しかもなぜグランドの後に「・」を付けるのかがわかんない。
“Grandmaster”なのだから。
ポスター見ると”ガチなクンフーアクション映画”と想像するが、実のところはかなーり趣が異なる。
大勢の敵を鬼神の如くなぎ倒してゆく無敵無双ぶりには目を見張らせられるが、こんなシーンでもウォン・カーウァイ映像は一味違う感じ。
なんかスタイリッシュだし、独特の美意識を感じる。
ストーリー展開も文芸調のまどろっこしさがあり、 “武術”というものを“人生”そのものに置き換えた普遍的な物語と言っていい。
本作が焦点を当ててる流派は主に4つ。
南派・詠春拳の葉問に梁朝偉トニー・レオン
北派・八卦掌の宮若梅に章子怡チャン・ツィイー
若梅が父の敵討ちを誓う北派・形意拳の馬三に張晉マックス・チャン
北派・八極拳の一線天に張震チャン・チェン
梁朝偉トニー・レオンの葉っぱさんぶりは、他の伝記とは違ってインテリで崇高な哲学者っぽさがしっくりしてて、なかなかのはまり役。
惚れ惚れするほどの戦いっぷりだが、奥さん放置の件は許しがたい。
雨の中に佇む、白い帽子に黒い中国服の葉っぱさんは、思いのほかかっこ良く、思わず唸る。
特筆したいのは、八卦掌の宮若梅役章子怡チャン・ツィイーである。
てこが女を褒めるのは珍事である。
文句をつけるとこが見当たらない奇跡。
西洋の華やかな美しさとは一味違う、アジア人独特の美しさがある。
まず美しい、そして強い。
幻想的な色彩美の中で華麗な武術は”戦う女の美しさ”を見事なまでに表現している。
毛皮のコートを着ながらの優雅なクンフーアクション。
彼女は、八卦掌の奥義“六十四手”をただ一人受け継ぐ者(NARUTOの日向ネジも継承してた・笑)だが、彼女の手が美しい。
眼差しが美しい。
表情ひとつ変えずこぼした、ひと筋の涙の秀麗なことと言ったら。
受け流しが美しい、まさに”柔らよく剛を制す”
”美しき闘う女”を演じ切っている。
てこのメインの八極拳:一線天(張震チャン・チェン)だが、、、。
めちゃ強なんだけど、並行して語られる話が良く分からないし、ぶっちゃけいらないのでは?というのが悲しい。
”ツィイーと列車で同乗”、が登場シーンだったので、二人の絡みがあるのかと密かに期待したがそれもなし。
葉っぱさんと面識がある訳でもなさそう。
英題が最初“Grandmasters”(複数形)だったので、”マスター”達の群像劇にしたかったのだろうか?
それならば、もう少し具体的なエピソードはあるべきでは?
扱いがあまりにも雑。
とかひとり悶々と考えてた。
この映画の為に葉っぱさんとツィイー、さらに彼らをも威圧する鋭利な存在感を放つ張震様は、『マトリックス』アクション監督ユエン・ウーピンの下、4年間におよぶトレーニングに身も心も捧げたらしい。
で、張震様は2012年八極拳の全国大会でまさかの優勝を勝ち取ってる驚きよ。
そう張震様は”できる男”なのだ💕
鋭い眼差しに、不整脈ドキっ💕
キレッキレのクンフーに、はぅっ💕
驚いたことに、本作ではほとんどセリフなし。
目で語る男、それが張震様。
所作で語る男、それが張震様。
キレッキレの八極拳が規格外のかっこよさ。
まさにカミソリのような切れ味抜群のクンフーにしびれる💕
この写真だけでも別の物語が生まれそうな”白薔薇理髪店”の男衆。
てこの顔も剃ってほしい😍
八卦掌のツィイーが敵討ちの為に兄弟子と戦うシーン。
確かにかっこいいが”その列車、何両あるんやーい”とつっこんだのはてこだけではあるまい。
そこは置いといて、、、
「カンフーは横か、縦か」負けて地面に倒されるか、立ったまま勝利を手にするか。
要するに、クンフーは流派がどうのこうのではなく、「勝つ」か「負けるか」の世界なんだ、という話。
葉っぱさんが語るクンフー哲学のかっこいい独白から始まる映画のわりに、今一つ葉っぱさんが戦う理由が描かれていない。
実際、葉っぱさんは自分の力を使う場面において、全然「横か、縦か」のクンフーをやらない。(強いけど)
その点、張震様のカミソリとツィイーは、哲学通りの生き方・戦い方をしていると言える。
武術とは”自分を知り 世間を知り 人生を知る”という言葉が印象的。
クンフーマスターズの武術家の”心”を見せてもらった。
とっても胸熱なクンフーマスターズの面々であった。