中国映画『レッドクリフPARTⅠ・PARTⅡ』映画レビュー:赤壁の戦い「宸夕縁」の【張震チャン・チェン】が孫権 諸葛亮はレジェンド枠の【金城武】登場:キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は中国映画「レッドクリフPARTⅠ・PARTⅡ」を紹介するよ。
「三国志」赤壁エピソードの映画化である。
呉宇森ジョン・ウー監督なのでハトが必ず出てくる仕様。
「宸夕縁」というラヴ史劇に出演してしまった張震様の為に、いろんな張震様作品を紹介するという”草の根活動”中のてこ。
孫権役は気に入らないが、諸葛亮役がてこレジェンド枠の金城武様なのと、三国志マニアであるからして、ついでに大いに語ろうかと思いこの作品を紹介することにした。
因みに、てこ認定”レジェンド枠”は3枠ある。
1つは武様、あと2つは誰だと思う?
おいおい記事にしようと思う。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
張震様が写ってるポスターの少ない悲しみ。
周瑜は張震様でいいのに、、、。
周瑜は誰かっていうと梁朝偉トニー・レオン。
しょうがないね、葉っぱさん(イップマン)だもんねぇ。
(因みに葉っぱさん「グランド・マスター」でも張震様はカミソリ役でかっこ良く主演)
2008~2009年作品だし、13年も前だもんねぇ。
まだまだ若造年頃だから、、、。(諸葛亮の金城武も”若すぎる”と批判があったらしい)
最初は周瑜がチョウ・ユンファの予定だったらしい。オドロキ!
劇団ひとりさんみたいなあのお人、よりはいいよね、、、。
avex枠?で中村獅童も出演。
メチャ気合入ってて、歌舞伎バリの演技でやりすぎ感は否めない。
何故か前説が日本語ナレーションで”ぇえ!?もしかして日本語吹替なん?”と焦ったが、フツーに前説も字幕でよいのでは?(金城様は本人声ではなかったが、、、残念)
さぁ、こっから「三国志」語りを始める。
てこは村上版・吉川版・北方版、あわせて軽く10回は読破してるマニアである。
「三国志」とは3世紀の中国の三国(魏・呉・蜀)が舞台で、日本だと弥生時代・卑弥呼・邪馬台国時代である。
ハンパない人口激減を繰り返すシナの歴史であるが、後漢の156年に5000万人弱であった人口が、3国に分裂した230年代には、魏250万、呉150万、蜀90万、合計しても500万人足らず。
なんと10分の1。
戦争が始まれば徴兵され田畑が放置、食料難、加えての干ばつ&イナゴ到来の大飢饉。
「三国志」も「水滸伝」も人食いの話があり、「三国志」には、町を出たら誰もいないなどの情景描写がある。
誇張ではなく本当にそうだった悲惨な時代である。
そんな中での曹操軍80万?うそやろ?って感じ。
映画では悠遊自適な感じで蹴鞠観戦してるけど、事実は兵糧も乏しく兵たちは疲労困憊してたはずである。
実は「三国志」とは2種類あり、
曹魏を正統とする陳寿の史記『三国志』と、蜀漢を正統とする歴史小説『三国志演義』がある。
日本人が三国志に触れた時代は早く、空海の文章にすでに諸葛亮の記述が現れる。
鎌倉時代には『太平記』に、劉備と孔明の「水魚の交わり」を踏まえた記述が見られる。
このことから日本は、古来『三国志演義』により、蜀漢への判官贔屓をしながら、三国志を受けいれてきたと言える。
更に、日本人に三国志像を決定付けたのは”吉川三国志”であろう。
第2次大戦中に執筆された歴史小説でありながら、「吉川三国志」は忠君一色ではなく、「曹操に始まり孔明に終わる2大英雄」というテェマで、曹操のスケールの大きな人間像と、孔明の抜群の才知と忠誠心を描き出し、曹操と孔明を中心に三国を見る日本人の三国志像を決定づけた。
そうなんです。
てこはこの”吉川三国志”を貪るように読み倒したのであるからして、てこの”三国志イチ押しメン”は曹操なのである。
で、次点が関羽、3位周瑜、4位孫策、5位趙雲、、、続く
その後、割と大人になってから”北方三国志”を読み、義兄弟三人の桃園の誓いが吉川版ほどきらびやかに描かれてはおらず、ただ血盟の誓いであることは伝わってきて。
”いいわぁ、この感じ”ってことで何回も読破するに至る。
「赤壁の戦い」は曹操VS周瑜の戦いなので期待高ぶった訳だが、なぜか周瑜&諸葛亮が仲良しコンビになってる悲しみ。
仲悪いのに親友みたく描かれてる違和感。
周瑜は後に、”あの者がいると枕を高くして寝られん”ってことで諸葛亮暗殺指令出すんですけど?
で、なんですか?
曹操、あんまりのキャラ設定なのだが、、、
”悪=曹操”という方程式なのだろうがPARTⅠの人物像はひどすぎ。
ただのエロおやじに描かれてる悲劇。
女を奪うための戦じゃないから、断じて!
映画は”長坂の戦い”(曹操VS劉備)からスタート。
趙雲が奥方様から赤子をたくされ、抱っこしながら戦う有名エピソード。
趙雲役の胡軍フー・ジュンが良演、ステキすぎでしたね。
”長坂の戦い~赤壁の戦い”の直前までがPartⅠ、実際に赤壁の火蓋が切って落とされるのはPartⅡ。
つまり本編の前フリが一本の映画になっているということ。
しっかりハトも出てくる。
割と重要な情報のやり取りの要な存在。
もぅ、いろいろと「三国志演義」と違うので、マニアは心穏やかではいられない。
・10万本の矢を得るエピソードはこのタイミングではない案件
・”苦肉の策”はいずこへ案件
・水軍は呉さんにお任せで、諸葛亮は地上戦担当のはず案件
・天候を読むエピソードもこのタイミングではない案件
・小喬は曹操と面識などない案件
と、挙げればキリがないが、”八卦の陣”が映像で見れたのは感激である👍
ホントに亀の甲なのな!
金城様演ずる諸葛孔明は、ぇえぇえ、とてもお美しく、優雅であった。
ほこりまみれの戦場でも白の衣が清々しい。
ただお1人かつらじゃないうなじに不整脈ドキっ💕
風を呼ぶ仕草が神々しく、はぅっ💕
最後、お産を助けた仔馬の名が”萌萌”
はて、いみわからん。
場所に因んで、とか言ってるけど”荊州”の”荊”と”萌”って何つながり?
せいぜい、草冠ぐらいしか思いつかないが。
張震様演ずる孫権。
ちょっと気が弱いお坊ちゃまなのである。
違う配役がよかったのに、、、
でも奮起してから↑こんなりりしい瞳で見つめて不整脈ドキっ💕
↓レジェンド枠金城様との夢のツーショットに、はぅっ💕
最後までいいとこなく↓こん時も曹操を射れない孫権くん。
現在の張震様なら、曹操役でも周瑜役でも問題なくこなせるはず。
リメイク版を作ってほしい。
劉備玄徳の、茫洋としていて、それなりに武芸ができ、実戦の経験がなかったものの妙にクソ度胸があり、 のような描写もなく、わらじ編みをさせるとか。
ちょっと納得いかない扱われ方である。
因みに劉備の前職はわらじ編みではなく、筵(むしろ)編みですからっ。
関羽・張飛・趙雲も見せ場が少ないし。
ただ、赤壁地上戦でお馬さんがダダーッっとなだれ込んできた作戦は、三国志マニアだけが理解できるシーン。
関羽さんの槍ってすんごい重いの知ってた?
青龍偃月刀と言い、八十二斤(50kg弱)もあるんだよ!
黄蓋(こうがい)じいさんの扱われ方も納得いかない。
ホントは”苦肉の策”は黄蓋じいさんが仕掛けたのに、、、。
”苦肉の策”の代わりに”美人局”とか。
ラストの曹操を逃がすシーンも、なんか美しい感じに描かれてるが、ホントは命からがら敗走して、そこでも胸熱エピソードがあるのだが、、、。
皆に大人気の諸葛亮と美男薄命な周瑜がわかりやすい悪役に挑むっていう、単純な流れにしたかったのだろう。
いいとこどりもここまでくると逆に清々しい。
皆が喜ぶ(孔明贔屓)エピソードをつなぎ合わせ、皆が喜ぶ友情(周瑜&諸葛亮)と皆が喜ぶ愛(周瑜&小喬&曹操)を絡め、莫大な費用100億!をかけた集団戦シーンで煙に巻く、見事なジョン・ウー監督の手腕である。
そもそも「三国志演義」は歴史小説であるから、どこまでが真実でどこまでがフィクションかわからない。
なので、映画ならなおさらである。
ちょいちょい、流れをぶった切る小喬(林志玲リン・チーリン)のシーンはイラついたが、あーでもない・こーでもない、と呟きながらみるのはとても楽しかった。