中国映画『父に捧ぐ物語』(原題・我和我的父輩)映画レビュー:2022中国映画週間上映作品1作目【呉磊/吴磊ウー・レイ】【黄軒/黄轩ホワン・シュエン】【欧豪オウ・ハオ】【祖峰ズー・フォン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国映画『父に捧ぐ物語』(原題・我和我的父輩)映画レビュー:2022中国映画週間上映作品1作目、
を紹介するよ。
 
中国本土では2021/9/30〜公開された映画だが、2022/10/18〜2022中国映画週間上映作品に選ばれた。
てこはすでにRakuten Vikiにて視聴済みだったが、しっかりとした日本語訳も見たかったのでTOHOシネマズ日本橋さんまで出向いて見てきた。
 
こないだの「長津湖(1950)」に比べるとお客様も少し多い。
良い事だ。
中国映画週間のパンフレットは1000円で販売していた。(てこは買わんけども)
TOHOシネマズさんの”プレミアムキャラメルポップコーン”はまさにプレミアム級にキャラメルがコーティングされていて、ちょびっとチキンとのコンビは無限ループだ。
しかし、一袋で1000カロリー超えの魔食でもあるので皆さんもお気をつけ下さい。
 
本作は、新人監督を含めた四人の監督それぞれが作るショートストーリーを一本の映画にまとめたものだ。
まとめると言っても、ストーリーに繋がりはない。
 
それぞれの時代背景は、
①1942年
②1969年
③1970年代後半
④2021年(2050年未来)
とおよそ60年間の時代の移り変わりを見る事ができる。
 
世界観は、四篇の統一感はない。
主題は”父と子”で、”親父(おやじ)”とか”お父さん”とか”パパ”とかのいろんな父親が登場する。
この映画を作るにあたっての当局からの条件は、
 
・それぞれ感動させる
・父=国家、となる仕様
 
であろう。
我和我的シリーズだし、そうゆうお国なので素直に受け入れようと思う。
ただ今回は総監督みたいなポジが居ないので、思いの外統一感がない印象を受けるけど。
行き着く場所は決まってるし、結局行き着いているので、まぁいいか。
 
今回は、四篇それぞれのpickupキャストを紹介しながらレビューする事とする。
なので、てこ監修”イケメン備忘録”はお休みだ。
まぁ、すでにランクイン済み男子なので問題ないだろう。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

episode1「乗風」

監督:呉京ウー・ジン
脚本:俞白眉、張彦
出演:呉京、呉磊、張天愛、李光潔 、余皑磊、魏晨、阿楠
 
1942年“五一”反“掃蕩”期間の冀中騎兵団のお話だ。
呉京は「長津湖(1950)」でも戦ってたが(朝鮮戦争)、今回は第二次世界大戦(太平洋戦争)だ。
今回は親父さんでやっぱり隊長だ。
で、息子も同じ騎馬隊の一員だ。
この息子が【呉磊/吴磊ウー・レイ】♡だ。
まずは↑この呉磊の坊主ビューティを見てくれ♡
これだけで日本橋まで来た甲斐があったと思わせるほどのルックだった。
 
で、キーデザインのスチール見て欲しいのだが。
もっすごく大勢の騎馬隊なんだが。
CGか実写かはてこはわからんが、主要人物たちはもちろん本物のお馬さんに乗ってる。
この乗馬スキルが流石なのだ。
呉京は言わずもがなだが。
呉磊は川とか足場の悪い場所でも、もっすごくかっこよくお馬を乗りこなしてるんだよね。
ステキング♡
 
戦闘機VSお馬さん
どう考えてもぶが悪いこの対決。
それでも、銃撃をくぐり抜け走り、敵を引きつけてライフルで戦闘機(飛行中)を撃つ。
ほんとに?
そんな事って可能なん?
とか思うけど。
1950もだったが、中国軍っていつもこんな感じだ。
相手は、戦闘機・戦車・大砲という装備に対し、中国側は刀を片手にお馬さんに乗ってる。
機関銃連射・大砲どっかーんで、みるみる味方は倒れていく。
でも中国側は”根性”と”数”で勝負だ。
近くまで行けたら爆弾を投げ入れる戦術だ。
”冀中旗”を馬上リレーで渡し、最後は大日本帝国の旗を薙ぎ倒し、旗めくのは赤い旗だ。
 
ここまで来るには、隊長(呉京)の苦渋の決断があった訳で。
愛しい我が子を犠牲にし守るのは国土と国民だ。
お前の犠牲は無駄ではなかったぞ、と。
装備は負けるけど、根性では負けないぞ、と。
この根性こそが国民性なのだぞ、と。
という帰結だ。
 
主演の呉京は本作で監督も務めている。
戦争ものは出演経験も多いし、すでに監督業も古参なので安定のうまさを感じた。
騎兵団の軸となる”馬”にさりげなくフォーカスし、馬だけが帰ってくるシーンは心臓がきゅっとなり演出の妙を感じた。
 
息子役の呉磊は、親父に憧れてるけど素直になれない若さや、
未来を信じるピュア心が胸を打ついい演技だったと思う。
数百人の日本兵を前に
 
「今日死ぬとは限らない」
 
なんて、なんで思える?
この状況で生き延びるとか、どう考えても無理だ。
 
こんなにも若く未来ある若者が、愚直に父(国)を信じて疑わないという危険な思想だ。
父と国は別物だぞ、と忠告してあげたい。

episode2「詩」

監督:章子怡チャン・ツィイー
脚本:李媛
出演:章子怡、黄軒、袁近輝,陳道明、海清、任思諾、彭昱暢
 
中国初の人工地球衛星「東方紅一号」の打ち上げを背景に、1969年のゴビ(たぶん)の奥地の研究所の社宅に住む一家のお話だ。
 
その社宅がヤバい。
雨漏りどころじゃなくて、家ん中が川みたいになるレベルだ。
まぁ、そうゆう話じゃなくて家族の絆のお話なんだが。
 
子供たちは、両親の仕事がなんなのか知らない。
おそらくは、国家機密なんだろうし家族と言えども機密は秘密だ。
でも家族で住めるだけ幸せかもしれない。
 
で、なんでゴビなんかでやってるかというと、実験失敗で爆発するから、だ。
ちょいちょい爆発がある様で、爆発が起きても子供たちに危機感はない。
その爆発に自分の家族が関係しているとは思ってないからだ。
危機と鬼気が迫る現場で、身を削り国のために尽くす研究者や作業員たちと、
朴訥と呑気に暮らす子供達の生活と、
その対比がシュールで虚しくも悲しい。
それがゴビの渇いた砂嵐の風景と重なって物悲しさが倍増する。
 
お父さんは【黄軒/黄轩ホワン・シュエン】♡だ。
エンジンの研究者の理系男子ぱぱだ。
黄軒は、アウトローなアニキも似合うが、この素朴メガネ男子(かけてないけど)みたいなのがイメイジ通りだし、めっぽうお似合いだ。(朝ドラの昭和イケメン男子風)
 
どんな仕事をしてるの?という子の質問に
 
「ソラ(宇宙)に詩を書いてるんだよ」
 
などと言うメローな男子だ。
彼は、実験中の爆発で早々にお隠れになる。
 
その後、”私がお父さんよ”と言ってのけるお母さんがつぃいー姐さんだ。
お父さんになりすまして詩を書き、お父さんの詩だと言って子に渡すのだ。
 
しかもね。
お父さんが死んだ、と理解した時の子の言葉が衝撃的で。
 
「〇〇のお父さんも、今のお父さんも・・・」
 
まじかよ。
ひどすぎる設備の研究施設だ。
輝かしい偉業の陰には、こういった無理すぎる難題をブラックな環境で解決しようと苦しむ民が居るのだ。
全てを根性論で解決しようとする方針はやはり賛成しかねる。
 
この作品は、つぃいー姐さんの初監督作品だ。
”詩”というタイトル通り、ポエムな感じでまとまっており最後はドラマティックに終わっている。
これがお父さんからの”最後の詩”だというそれを聞いていると。
子に対する想いと言うよりは、国に対する想いの方をより強く感じ少し興醒めする。
しかし、その最後には御大様がご出演で。
有無を言わさぬ存在感で、我々を圧倒し何も言えなくなる仕様にする反則技を使ってきた。
御大様↑@陳道明が青年哥哥としてご出演だ。
 
つぃいー姐さんの細やかな感情の流れを表現する演技の様に、作品全体にその雰囲気はあった。
演じるだけじゃなく、作品全部を自分流にしたい姐さんの野望の一歩を見た。

episode3「鴨先知」

監督:徐崢シュー・ジェン
脚本:徐峥、華瑋琳
出演:徐崢、韓昊霖、宋佳、欧豪、陶虹、賈氷
 
1970 年代後半の上海。
改革開放の春風が吹き、各界が発展と革新を求めて準備を進めてた時代。
趙平陽は時代の流れを利用して、中国初のテレビコマーシャルを撮影し革新の波の代表者となる。
この趙ファミリーのお話だ。
 
子役の昊霖くんと徐崢の組み合わせが、「奪冠」(我和我的祖国)と同じだし、子役の役どころも同じ様な感じなので既視感だった。
要は、うだつの上がらない、口先だけのお調子者と思われてるお父さんの平陽のサクセスストーリーだ。
しかし、さすがの徐崢で。
わりと多い登場人物それぞれのキャラクターがしっかりと立っているし、当時の上海の街並みもそれなりに忠実だ。
前評判に違わぬ面白さではあったし、なんと言ってもやはり国の偉大さを語ってはいるが御涙頂戴ではなかった点を評価したい。
 
あと徐崢の顔の広さなのかは知らんが、たぶんいーもう(張藝謀)が出てた。
欧豪が喋ってたTV局の偉い人はおそらくいーもうだと思う。
 
中国初のコマーシャルを作った監督となる男は【欧豪オウ・ハオ】♡だ。
特に旨味はない役だが、もういいの、見れるだけで。
彼が主演しているとんでもドラマ「天意」もゆねく(U-NEXT)でとうとう見放題になったので、皆も見るがいい。
民初奇人伝」はまだP課金の様だ。
 
エピローグではなんとこの方に出会える。
↑左、峰兄さん【祖峰ズー・フォン】♡だ。
昊霖くんが成長し、嫁に万茜さんという豪華さだ。
 
他にも古参勢が大勢出演しており(宁理さんとかも居たなぁ)いろいろと流石な感じだった。

episode4「少年行」

監督:沈腾シェン・トン
脚本:林炳宝
出演:沈騰、洪烈、馬麗、艾倫、辣目洋子、常遠、張小斐
 
2021年に帰還する使命を帯びた2050年のロボットが、科学者を夢見る少年と出会うお話。
 
主演の沈腾の初監督作品である。
このロボットを、なんでも出来るし気に入ってすぐに「ぱぱ」と呼ぶ子が、
↓洪烈くんだ。
父親が居ない、といじめられる事もあった。
でもこんなすんごい人がぱぱなんだぜーーーー!っていう笑顔だ。
 
父兄参観日で登場した学校の女教師が洋子ちゃんだ。
古装しか見た事なかったが、スーツ姿の洋子ちゃんはふくよかさよりはグラマーな女子、ってかんじでふつーに可愛らしかった。
ダイエットしたのか、古装はよりふくよかに見えるだけなのかは不明だ。
 
ロボットだけど、感情はないはずだけど、だけど、だけど、のベタ流れだ。
でもいろいろと面白く見れる。
お母さん役の@馬麗の吹っ切れてる演技も素晴らしいし、子供も同級生とかその父さんとか。
餃子レースで餃子食べちゃうお父さんとか、
とにかくみんな技ありで面白い。
 
でもロボットは未来に帰る日がやってくる。
そして2050年。
そこには〇〇の〇〇が・・・
という感動的な話なのだが。
・・・
中国という国は、タイムトラベルを実現させようとしているらしい。
凄い国だね、中国って!っていうお話だった・・・。
まじか。
てこの記憶が確かならば、わりと最近タイムワープもののドラマや映画はだめだよ、というお達しが出たはずだ。
しかし需要があるなら何としてでも供給したいという根性のあるお国柄なので。
手を変え品を変え。
異世界転生だったり、パラレルワールド的なお話だったり。
〜というのは、実は主人公が書いたお話でした、的な体裁にしてたのに?
こんなに大々的にタイムトラベルを推奨するとは。
 
それまでの三作のように、”国”ではなく個人的な”親子の情”の流れで来たので締めにはいいなぁ、などと思ってたのに。
最後までやはり”国”だった。

我和我的父輩、てこが見た感想

結局のところは愛国映画なのだが、中国映画週間なのだしいいだろう。
四作ともに、見所もあり面白かった。
 
我和我的シリーズは三部作だが(たぶん)ちょっともういいかな、って気分にはなって来た。
同じ帰結なので”もうわかった”と言いたい感じではある。
とは言うものの。
やはり”演員が見たい欲求”には勝てないてこだ。
この様なオムニバス式だと、主役級がわんさか出演するし。
この様な赤い映画は本国での公開も、春節とか国慶節とかのタイミングで公開なので何かと話題性も高いので。
気になるよねぇ。
 
新しい監督さんの作品が、こういう機会に見れるのも佳きだ。
今回初メガホンの二人、つぃいー姐さんと沈腾はどちらも役者としても大成功を収めている。
監督としてはこれからだろう。
次回作も楽しみに待ちたいと思う。
 
ってことで、お次は「奇蹟·笨小孩」(奇跡の眺め/素晴らしき眺め)のチェンシーだ♡

華流映画

Posted by teco