中国ドラマ『江湖英雄伝』(原題・説英雄誰是英雄/说英雄谁是英雄)ドラマレビュー其の2:義兄弟の絆はフォーエヴァー【曾舜晞ツォン・シュンシー】【劉寧宇/刘宇宁リゥ・ユーニン】【陳楚河/陈楚河バロン・チェン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は、中国ドラマ『説英雄誰是英雄』(原題・说英雄谁是英雄)ドラマレビュー其の2:義兄弟の絆はフォーエヴァー、
を紹介するよ。
基本情報
監督:李木戈
脚本:霜城
原著:《説英雄、誰是英雄》温瑞安著
全38集
2022/5〜騰訊視頻にて播放
『四大名捕』の原作者としても馴染みの深い、新鋭武侠作家・温瑞安センセーの小説が元になってるドラマだ。
その『四大名捕』に登場している「六分半堂」と「金風細雨樓」がここでは堂々の主役となっているわけだ。
最終的には『四大名捕』につながる筋道になるのだろうか?
今までの流れの速さから考えるとムリな気がするてこである。
其の1も↓読むがいい。
今回は其の2なので26集〜ラストまでのレビューとなる。
楽しい時間もいつかは終わる。
ずっと続いてほしいが最終回はイヤでもやってくるのだ。
今回はラストまでの流れと、てこ監修”イケメン備忘録”で完結とする。
其の1でのピックアップキャストのおふたりがどんな最期を遂げたのか、皆さんも楽しみに観るがいい。
注:当ブログは大いなるネタバレを含みます。
閲覧の際は、十分にお気をつけください。
我のブログも相当なネタバレだからどの口が言うって感じかもしれないが。
ブログは取捨選択の余地があるが、ツイッターはそうはいかない。
見たくないのに見えてしまって困る時がある。
決定的なシーンの画像は貼らないでほしい。
(面と向かってリプライする勇気がないのでここで言う)
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
説英雄誰是英雄 26集〜ラストまで
アニキの彼女@雷純が黒化したところで、パワーバランスが崩れ始めた。
彼女に何が起きたのか。
ぱぱが死んだ、という事実だけでこうも変わるものだろうか?
(※1回目の事件のことは方応看しか知らない、2回目の事件のことは狄飛驚しか知らない)
この時のまわりの男どもの頭の中はというと。
・アニキ:何とかしたいが、状況が複雑だし、金風細雨楼の事も考えねばならん。
・愁飛:よくわかんないけど、俺はどんな雷純でも好き♡支えたい♡
・狄飛驚(トン兄さん):くっそー、ぜってー調べてやる、ぜっーたい何かあったし。
・小石:ヒーローになるにはどーしたらいいんだろう?良いことしなきゃだな。
・方応看(孫):ぱぱ(蔡京)に認められたい、見ててくださいぱぱ、ぼくがんばります。
見てくれ。
5人5様だ。
腕の立つ5人だが、頭の中は全く別のことを考えている。
これぞ江湖。
それぞれが独自の世界観を持ってる困ったやつらなのだ。
基本、江湖の人間は人の話は聞かないし、協調性もない。
例えば、義兄弟3人だけでも話し合って方向性を決めれば、ここまで拗れないのに。
まぁ、ムリなんだが。
それぞれが思ったことを勝手にやり始め、一番下手打ったのが小石だ。
ヒーロー願望だだ漏れボウイが、蔡京に与した様に見せかけて〜
からの朝廷の官吏@傅宗書をやっつけてしまうという思い切った事をしてしまうのだ。
悪徳官吏をやっつけた、ってんで小石は”英雄”と持て囃される様になったが。
その波紋は大きい。
お尋ね者になった小石だが、小石を扇動したのは金風細雨楼だろう、ってことで。
アニキを捕まえに刑部と黒化した@雷純率いる六分半堂が乗り込んでくる。
そこに
「金風細雨楼のマスターはおれ(愁飛)だ」
と身代わりで牢屋に入る事に。
こーゆーのもモロ武侠でうれしい仕様だ。
こっから舞台は義兄弟それぞれの3箇所となる。
・アニキ:金風細雨楼でパワーゲームを制御しつつ愁飛救出作戦を練る。
・愁飛:拷問され薬を打たれ様子がおかしくなってくる。
・小石:恋人の@温柔と愛の逃避行。
小石は。お尋ね者で追われる身とは言え、愛する女もそばにいるし。
崖落ちでパワーアップするし。
武侠だから、ヤング育成物語でもある訳で。
小石は偶然習得した技が、亡きぱぱの奥義だったとか。
亡骸(ミイラ)と魂の交信だ。
たとえこの身が滅ぼうとも・・・魂は・・・フォーエヴァー・・・
もう・・・武侠なのだ。
小石の前途はどー見ても揚々だ。
そうに決まってる。
逃避行中に手合わせしたのはなんと!戚少商大侠だ。
小石を捕まえに来たんだが、大侠は《逆水寒》の主役だ。
てこの、ひまわりの種を食べる手が止まった瞬間だ。
ちなみに、小石がやっつけた傅宗書も《逆水寒》の登場人物だ。
こうゆうのを見せられると、なるほど脈々と繋がっているわけか、と考えさせられるわけで。
相当なヴォリュームの背景があると推測されるのに、全38集で描き切れるのかが俄然心配になってくるてこである。
これはやはり原著を取り寄せねばならぬのか・・・
うーむ。
で、話を戻すが。
どう見ても一番苦しいのは愁飛やんなぁ・・・
しかも牢屋で小石が死んだと聞かされる。
ダーク愁飛爆誕!の瞬間だ。
ぁあ・・・恐れていたことが現実に。
アニキ軍団がようよう救出に行ったそこには・・・
裏切りのダーク愁飛の姿が現れる。
ダーク愁飛は、吹っ切れた様にヒール一色になる。
そこには、小石と暮らした日の面影はない。
顔つきまで変わっちまって。
蔡京に頼んでアニキの彼女@雷純を嫁にもらうし。
悪さしまくってますよ、アニキなんとかして下さい。
指名手配とは言え悪徳官吏をやっつけた小石は、江湖では立派な英雄小侠だ。
師匠のもとで@温柔との結婚式もあげて幸せいっぱい。
2人の明暗がくっきりと描きだされて来た。
そして・・・
小石を捕まえようと追って来た方応看(孫)。
それを追って来た狄飛驚(トン兄さん)。
今こそ息の根を止めてやってください、兄さん。
あ゛ーーーーーーーーーー
師匠がお隠れになったのは自分のせいだと、どこかへ行ってしまう@温柔。
どこへ、と思ってたけど都に戻って来てたし。
なら一緒でぇえやん?なぁ?
余談だが、師匠を射抜いた矢を放つ@元十三(中の人、陳之輝)のムサ叔加減もサイコーにイカしてた。
あの男に矢も持したらいかん・・・、っていう師匠の言葉がサイコーに重い。
最後の2本同時はちょっと姿勢を正して見てしまったてこだ。
証拠を持って都に戻る小石。
しかし戻った都は小石の想像を超えた事態になっていた。
盃を交わした大哥が小哥に殺されたと言う。
愁飛が?
まさか・・・うそだろ?
クライマックスの肝は二つだ。
イー:諸悪の根源である蔡京をやっつける
アル:義兄弟のケジメ
涙なしでは見ることは出来ない。
説英雄誰是英雄てこ監修”イケメン備忘録”
俺はヒーローになるってばよ、な男子@王小石【曾舜晞ツォン・シュンシー】
【曾舜晞ツォン・シュンシー】だ。
てこの好みではないが間違いなくイケメンだ。
トレーニングもしっかりしている様で、流石に「倚天屠龍記」で主役張っただけあるという殺陣。
なかなかの見応えであった。
序盤の天真爛漫さは、回を追うごとに薄れて行き。
もう最後はいっぱしの大侠の風格が出て来よった。
1人だけ先を行くなよ、小石よ。
一緒に世界中を回ろう、って言ってた小哥は今闇の中だ。
小石よ、怒っちゃいけないぞ?
愁飛を責めちゃいけないぞ?
って諭してあげたいが、残念ながらてこはそばに居ない。(当然だ)
だから諭せない。
結果は・・・
あ゛ーーーーーーーーーー
パインの缶詰食べたいのかなぁ。
1997年10月09日生まれの24歳、181㎝、59kg。
2014に《fresh極客少年団》というグループでデビューした様だ。
「終極筆記」「雁帰西窓月」「古董局中局之掠宝清単」「嘉南伝」
直近は「蓮花楼」で@成毅と共演なので大騒ぎになりそうだ。
なんでこうなっちゃったんだろう・・・な男子@白愁飛【劉寧宇/刘宇宁リゥ・ユーニン】
【劉寧宇/刘宇宁リゥ・ユーニン】だ。
今回の@白愁飛という役はまじでおいしい役だったと思う。
アニキと違い、ちゃんとした背景を持たない無名の小輩。
なんとか名を上げて英雄になりたい。
スタートは一緒だったはずの小石。
でも彼は知っていたはずだ。
小石が自分とは違うと言う事に。
ぱぱとままは居なくても、師匠に愛情たっぷりに育ててもらい。
武芸以外の根本が自分とは違うと言う事に。
てこもネガティブシンキングだし、眩しい太陽属性の善人は苦手だ。
なのでそういう方とは距離を置く様にしている。
自分が嫌な人間に思えて来て落ち込むからだ。
だからこそ愁飛の気持ちがわりとわかってしまうのだ。
たとえソウルメイトの小石が死んでしまおうと。
好きな女がアニキを好きであろうと。
道を踏み外すべきではなかった。
・・・
後悔先に立たず。
「でもさ、おれ踏み外しちゃったんだ。
だからさ、もう仕方ないじゃん?
だからさ、もう後に引けないじゃん?
中途半端は、裏切ることよりもっと嫌いなんだよ、俺」
っていうのわかるだろうか。
プライド、なのだ。
正しいか、正しくないか、ではないのだ、基準が。
もちろん、心で思ってるそれを言葉などにもしようはずもない。
彼の心をわかってくれるのは誰1人としていないのか。
いや、居るんだ、1人だけ。
だけどそれを知るのは天国でだ・・・
ぃや、ほんと逝き際で全部もってった感。
正直、殺陣は微妙だった。
※ここで、念を押しときたいのだが。
てこが批判めいた事を発言する時、それはキライだからではない。
むしろ逆だ。
有り余るあふれるほどの愛が発言させる、と言う事をご理解いただきたい。
(わりと誤解されてブロックされたりするんですよね・・・)
寧宇はなんと189㎝もある大男だ。
しかし、その大きな体躯を生かした殺陣ではない。
姿勢が若干悪いのか?
キメポーズがアニキや舜晞に比べると見劣りする。
しかしそれを感じさせないほどのキャラクターの強さ。
間違いなく本作は彼の代表作になるだろうし、日本上陸もするだろう。
願わくばもうずーっとムサ路線でシリアス俳優になってほしい。
1990年1月8日生まれの32歳、189㎝、70kg。
《摩登兄弟楽隊》(モダンブラザーズ?)のリードヴォーカルだ。
ドラマの主題歌なんかをわりと歌っている。
「山河令」の主題歌《天問》も歌っているのは彼だ。
本作のED曲《可追》と挿入歌《淩雲寂》も歌っているので、お美しい歌声を皆も聴くがいい。
「終極筆記」「長歌行」「紫川」「安楽伝」「天行健」「做自己的光」「楽遊原」(待播含む)
サイコーなアニキな男子@蘇夢枕【陳楚河/陈楚河バロン・チェン】
お待たせしました。
@蘇夢枕【陳楚河/陈楚河バロン・チェン】です。
全力で褒めちぎろうと思いまっす!
アニキは、江湖二大派閥の一つ金風細雨楼のマスターの息子というスペシャルなアイデンティティを持つプリンスだ。
ぱぱ亡き後は、アニキが金風細雨楼マスターになる。
才能あふれる若き小輩たちを見て、若き自分の頃を思い出し、
これからの苦悩もあり、自分の希望を託せるのでは。
何より、この若者たちを守りたい、そういう気持ちで義兄弟の盃を交わす。
しかし、何と言うことか。
アニキはちーこの頃から難病と戦っている設定だ。
咳き込む。
血を吐く。
気を失う。
・・・
ぁあ、なんという素晴らしき設定。
センセーありがとうございます。
それなのに、一転殺陣はそれはそれはお見事で。
かっこぇえカメラワークと勝ち確BGMでいやがおうにも気持ちが高ぶる。
キメ顔も寸分の隙もない。
↓は金風細雨楼のマスター就任時だ。
しかしこのキメ顔も長くは続かない。
その後お約束の
「こほっ・・こほっ」
だ。
しかし、みなさんお気付きだろうか。
この咳も回を追うごとにひどくなり
「ごほっ・・・ぐごほっ・・・」
と進化している事に。
そうアニキはどんな演技でも一切手を抜かない。
いつでも1000%勝負の漢なのだ。
そしてアニキの衣装は赤だ。
それも多様な赤だ。
親しい者にしか見せない、時折しか見れないレアな笑顔も見てほしい。
どっどっどっくん、と、てこの不整脈が物語る息が止まるほどのもっすごい魅力だ。
さぁ、・・・
こっからケジメについての考察を始めるよ。
大いなるネタバレだが語らずにはいられない。
今回のメインイヴェントだ。
まずアニキが愁飛にやっつけられて秘密ドアから逃げ延びた、あの戦いについてだ。
ずっとそばでサポートしてくれていた@楊無邪にアニキはある言葉を授ける。
「いいな、絶対だぞ」
と念を押しているのだ。
↑@楊無邪(中の人、于濱/于滨)
血を吐き、病状が悪化はしていても愁飛にやられる様な男ではない、アニキは。
わざとだ。
おわかりか。
愁飛にこれ以上、後悔する様な事をさせたくなかったのだ。
”大哥殺し”という大罪を、愁飛に着せたくなかったのだ。
自分に課せられた責務とは、弟たちを正しい道へ導く事なのだ。
そのためには、しなければいけないことがある。
しかし、自分の体はもう思う様に動かないのだ。
「くっそーーーー
ポンコツな俺の体めーーーー
とりま出直す・・・」
という退場なのだ。
決して負けて逃げたんじゃないからね。
〜からの秘密通路から輿に乗って再登場のアニキ。
どうやって生き延びたのか?とかのツッコミは不要だ。
ここはそんな些事に拘るとこじゃないのだ。
”ケジメ”の方が重要なのだ。
さぁ、なんだかんだで全員集合。
義兄弟3人に@温柔と@雷純みんな集まった。
小石と愁飛の決闘はほんとに皆さんその目で見て欲しいのでここでは書かない。
ただ結果として愁飛はお隠れになる。
どんな逝き方だったのかもここでは書かない。
ただ、アニキは・・・
大事な大事な弟を一人ぼっちにさせることは出来ないのだ。
「黄泉への旅は俺と一緒だぞ
旅行きたかったんだろう?
行こうぜ
おっきな世界見ようぜ、一緒に」(注:こんなことは一言も言ってません、念のため、すべててこの妄想です)
作りものではないおおらかさ。
全てのものを取り込んでしまう豊かな包容力。
武道の力も心も何もかも規格外な大きすぎる漢だった、アニキは。
こんなステキすぎるアニキを、是非みなさんも見てやってください。
1978年5月9日生まれの44歳、179㎝、68kg。
中国文化大学卒業。
「流星蝴蝶剣」「天涯明月刀」「愛上哥們」「護宝聯盟」「斗破蒼穹」
皆さんにお願いですがアニキの@折顔は忘れてください。「三生三世枕上書」
「重啓之極海聴雷1・2」「仙剣奇侠伝4」(待播)
説英雄誰是英雄てこが見た感想
終わってみれば『四大名捕』というバックグラウンドを全く無視した王小石が英雄になるまで物語であった。
ぃや、いいんですよ、それでも。
楽しめたから。
しかし、小石がフォーカスされるのは主人公だから良いとしても。
愁飛の背景はもっとしっかりと描いてもらわんと困る。
ただの野心だだ漏れのわがままボウイになってしまうではないか。
鬱屈としたものを持つ羽目になった、なんらかのエピが一つでもあれば、と残念に思う。
それと@雷純の扱い方にモヤる。
全般的に女に対してのバイヤスは感じるのだが。
例えば↓@朱小腰(中の人、曾一萱)
彼女を懲らしめるために顔に傷をつける。
さらには貧民長屋みたいなとこに裸同然で放り込まれる。
ひどくない?
例えば↓@雷媚(中の人、範桢)
彼女はスパイをしながら親の敵討ちを目論んでる女だ。
彼女の武器は”色仕掛け”だ。
ひどくない?
この様に女性に対する様々なバイヤスを感じるのだが。
極め付けがアニキの彼女@雷純である。
彼女が闇堕ちするきっかけも不愉快だし、最後の選択も不愉快だ。
彼女は聡明で強い。
だから例え愛する男がこの世からいなくなってもしっかりと1人で生きていけるはずだ。
そんな未来を感じさせてくれたらよかったものを。
そんな不満もあるし、38集に収めれる技量がなかったのだな、とも思う。
とは言うものの、しっかりとした武侠だったし。
立ち回りも概ね満足だし。
最後におまけみたいに大侠絡めて来たし。
喜ばせてくれる。
駆け抜けれる全38集であった事には違いない。
そしてなんと言ってもアニキだ。
アニキさえいれば大抵のことは我慢できるはずである。