中国ドラマ『与君歌〜乱世に舞う運命の姉妹』(原題・与君歌)ドラマレビュー:耐えしのぶ男と女・吐血合戦【成毅チョン・イー】【韓棟/韩栋ハン・ドン】【李俊逸リー・ジュンイー】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
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今日は、中国ドラマ『与君歌』ドラマレビュー:耐えしのぶ男と女・吐血合戦、
を紹介するよ。
【基本情報】
監督:劉国楠(「大唐栄耀(麗王別妃)」)
脚本:十四阙
P:鐘凱特、高新傑、王珊、王碧筝
原著:剣器行(飛花)
主演:成毅、張予曦、韓棟、宣璐、何晟銘
プラットフォーム:芒果TV、2021年8月8日〜
45分✖️48集
てこブログ古参勢はうっすら気付いてると思うが、
そうだ、いー【成毅チョン・イー】繋がりだ。
単純かつちょろいてこは「沈香如屑·沈香重華(其の2)」でまんまといーにロックオンされているのだ。
しかし、本当に素晴らしかったのだ。(語彙力)
なので、今更ながら途中放置だったいー作品を完走すべく、重い腰を上げたのだ。
この後は、「長安諾」に再チャレンジするつもりだ。
このドラマは、内容はともかく近頃のいー人気から考えて、日本上陸の可能性は極めて高い。
ドラマの評価ではなく、人気俳優作品を輸入するのはやはり愚策と言える。
例えば、佳き俳優でもつまらない作品にならば評価は自ずと下がる。
逆に言えば、俳優にさほど魅力がなかったとしても、佳き作品ならば評価は上がる。
重要なのは、俳優ではなく作品の中身だ。
実は、中華なドラマは佳き俳優はゴマンとおるが、佳き作品は思いの外少ない。
例えば気に入った作品があり、その監督やPを追いかけても二匹目のドジョウはいない場合もある。
佳き俳優✖️佳き作品=レアモノ、という事だ。
希少種なのだ。
本作「与君歌」はどうであろうか。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
与君歌ってどんなドラマなん?
一人の男と一人の女が、ひたすらに耐え忍ぶドラマだ。
一人の男とはすなわちいー【成毅チョン・イー】だ。(皇帝・齊焱)
しかし一人の女とは女①の@程若魚ではなく、女②の@仇煙織(中の人、宣璐)だ。
いー(皇帝)と恋に落ちるのは↑の女じゃない、女①の程若魚(中の人、張予曦)だ。
この女①は全編にわたりてこをイラつかせたし、
このCPに1ミリも萌える部分がなかったので、女①の画像は貼らない。
必要性を感じないからだ。
それに比べ、↑の女②は全編を通して悩み、耐え忍び続けだ。
不憫だ。
事の発端は↓の宦官だ。
諸悪の根源だ。
@仇子梁(中の人、何晟銘/何晟铭ホー・シェンミン)だ。
説明しよう。
大興王朝では↑の宦官@仇子梁が権力を持ち、朝廷内を牛耳り不正が横行していた。
この力を持ちすぎな宦官を倒すために”朝露之变”を起こすが敢えなく失敗。
皇帝(前皇帝)は捕らえられ、乱を扇動した宰相、王揚は二人の孫娘と逃走。
しかし、いー(前皇帝の弟)の矢に三人は倒れる。
八年後、皇帝が崩御しいーが即位。
しかし、いー(皇帝)は例の宦官を”ぐらんぱ”と呼び、実権はぐらんぱが握っている。
さらには、実の兄を殺し玉座を略奪したと噂されている、
という初期設定だ。
しかし、これは王揚と前皇帝による土壇場の起死回生アイディアであった。
「この策によってすべての者から軽蔑される、一人での戦いだ。
心してかかれ」
という、師匠王揚の言葉と、
「誰も信じてはならぬ。
大興王朝を取り戻すのだ・・・」
という兄(前皇帝)の言葉を胸に、ひとりぼっちの戦いを始める。
悩み、耐え忍び続けるいー。
不憫だ。
耐え忍び、ぐらんぱを倒すべく着々と布石を打ついー。
そんな時に現れたのが女①だ。
皇帝を陰日向で守る皇帝専属護衛”執剣人”として参上する。
古参勢ならすぐに察すると思うが、いーが矢で射抜いた王揚の孫娘の一人がこの女①だ。
要するに、自分と姉とじいちゃんを射抜いた男と恋に落ちるデフォルト禁断の恋だ。
しかし女①は、ぽんこつ猪なので記憶喪失でそこら辺の大事なことを忘れている。
嫌なことは全部すっきり忘れて、充実ライフを満喫中の女①だ。
良く言えば天真爛漫だが、悪く言えば脳筋な自分中心なわがまま人間だ。
「やったーーー、”執剣人”に選ばれたどーーー」
「ぴーしゃ、私が代わりに毒飲んでやったでーーー
褒めてーーーーー♡」
と、まったく脳筋なぽんこつだ。
で、ぴーしゃを守るとか張り切っては失敗し、ぴーしゃに助けられること数えきれず。
正義感を振りかざしては、ぴーしゃの計画を次々とぶっ壊していく。
こんなぽんこつ猪に振り回されてるうちに、案の定惹かれていくぴーしゃだ。
いーは、夜な夜な弓の訓練を繰り返す。
それは、射抜いても死なないように射る練習だ。
その甲斐あって、孫娘も将軍も死なずに生きている。
・・・
ならマスター王揚も生きてて良さげだが、そこは失敗したのか?っていうつっこみは各自自由にして構わない。
ここは、そんな切ない宿命を生きてるいーの不憫さを堪能するシーンである。
実際、この序盤の不憫さの演技は流石だ。
しかし、面倒なのはぴーしゃの思慮深さだ。
てこが気に入らない女①とくっつくのは嫌だが、
「自分の近くにいたら女①に危険が及ぶので遠ざけたい」
という思考は実にめんどくさい。
前半、誰が敵で何を目論んでるのか謎な上に、脳筋なぽんこつ猪に”察しろ”的な教示をしても伝わるわけがないのだから、余計に面倒だ。
全般的にこんがらがった状況なので、ラヴ案件はもうさっくり決めて欲しい、という切実な願いが理解できるだろうか。
12集くらいで、女①は@将軍韓岳に拉致される。
ぉーい、将軍よ。
そいつは王揚んとこの孫娘やでーーー
身内やぞ。
殺したらあかんやつやでーーー
という視聴者の声とは裏腹に、ぴーしゃがもっすごい血相変えて探し出す。
怪我した女①を見てうるうるしてるぴーしゃ。
もうすっかりご執心の様子だ。
しかし、大将軍タームで@仇煙織のアイデンティティもはっきりとする。
ここまで、ぴーしゃVSぐらんぱ、だったのだが。
ぐらんぱVSリベンジ組(@仇煙織)という図式も見えてくるのだが。
リベンジ組は、ぴーしゃも仇として見ているので
ぴーしゃVSリベンジ組、も同時勃発である。
将軍案件で浮かび上がるのは、第三者の存在である。
おそらく↓この人だろう。
はんどんパイセンだ。
@斉宸・珖王、ぴーしゃのぱぱの弟、すなわち叔父さま。
先帝の遺詔には後継者に珖王を指名している、という噂もあり。
彼はイイ人なのか、玉座を狙ってる不穏な人なのか最後までわからない仕様だ。
誰がどんな計画でやってるか全く読めない展開の中で、ぴーしゃはどんどん弱っていく。
最初こそ、武芸の腕も立つ無双ぶりだったが、なんでかはちょっと良く理解できなかったが、どうやら不治の病に冒されているらしく、戦っては吐血、咳き込んでは喀血を繰り返すようになっていく。
中盤になっても、これといった大きな展開はなく、水面下での攻防が繰り広げられている、
というのは建前で。
このドラマの弱点こそがそれであるのだが。
いろんなグループが、打倒ぐらんぱorぴーしゃ、で画策してるらしいが。
それがなんなのかがさっぱり見えてこない、という点である。
ラヴ重視ではなく、王朝復活のための権謀術数は本来てこの好物なのだ。
しかしそこを1ミリも描かないとは、何事か。
いくらいーがかっこぇえとしても、それで48集楽しめる訳がない。
ラヴもさほどではなく、権謀術数もなし。
一体何に尺を使っているのだろうか。
そこで思い返してみたが、”百里の道も一足から”だ。
要は積み重ねだ。
何を積み重ねたか。
それは”歌”だ。
悲しげなBGMとともに流れるおもひでシーン(回想)だ。
こういったシーンが1集で2〜4回は投入されている。
時間の無駄遣いだ。
罪深い事だ・・・
いつまで経っても女①は記憶を取り戻さないし、今のところわかっているのは
・ぴーしゃの意思
・女②の目的
中盤で↑これだけだ。
しかし、二人とも意思と目的は分かっているが、計画は全く明かされていないし、もしかしたら計画などないのでは、とまで思ってしまうほど内容がない。
しかし、最初っからなにかと不穏だった↓この女の目的ははっきりした。
ぐらんぱに勝るこわれっぷりで、ヴィランとしてイイ仕事をしていた。
最後の散り方があっけなく、とても不本意だったろう。
この叔母のおかげで、女①は自分のアイデンティティを知ったが未だ記憶はない。
ただ、自分の家族が愛するぴーしゃの手により壊された、という事実は認識できた。
しかしそれで彼への愛や信頼は崩れることはなかった、という流れなのだが。
いつからただの脳筋な天真爛漫娘から、思慮深さも備わった?と荒ぶりたい。
そのような魅力的なキャラではなかった、断じて。
せいぜい感じるのが
「恋は盲目」
くらいだったのはてこだけではあるまい。(ぇ、てこだけ?)
クライマックスの肝は
・ぐらんぱ決着
・第三の人物とは?イイ人orワルい人?
の二点だ。
与君歌てこ監修”イケメン備忘録”
苦しみ耐えた男子@齊焱【成毅チョン・イー】
【成毅チョン・イー】今回も皇帝陛下だ♡
序盤こそ忍びルックで捜査したり、無双武術の披露もあったが。
中盤からは定番の寝巻きルックだ。
もっぱら寝台(ベッド)でうなされたり、咳き込んで喀血だ。
心の内を悟られぬように、いつでも”すんっ”とした無表情なのだが。
時折見せる、女①への愛情や葛藤の表情演技が今回も秀逸だ。
登場人物の中では、一番為人をフォーカスしていたが、初恋(許嫁)の件は正直普通すぎてがっかりだ。
ふつーの青少年のように恋をし、裏切られてるとは。
ぐらんぱ曰く、
「齊焱は幼い頃から非凡だった」
と言わせるくらいなのだから、もっと劇的な初恋エピなのかと期待した自分を叱りたい。
さらには、先帝が崩御するまでの八年間を、何してたのかを聞きたいし、描いて欲しかった。
というのは、いーの罪ではなく製作側の罪だから。
いーにはなんの落ち度もない、念の為。
美しさは相変わらず満点だが、男主①としての存在感は「沈香如屑·沈香重華」ほどカリスマ感には及ばす、
不憫さも「長安諾」には及ばない。(「琉璃」は今後も視聴する予定はないので比較対象外だ)
いーにとっては、いい作品だったとは言い難い。
1990年5月17日生まれの32歳、181㎝、67kg。
中央演劇学院卒業。
琉璃、長安諾、青雲志、怒海潜沙&秦嶺神樹、営救汪星人、詭愛、女生宿舎、一年級·畢業季、沈香如屑·沈香重華〜他多数
待播:蓮花楼、底線、南風知我意
貫禄たっぷりな男子@斉宸・珖王【韓棟/韩栋ハン・ドン】
【韓棟/韩栋ハン・ドン】ことはんどんパイセンだ。
てこブログでは「射鵰英雄伝」でランクイン済みではあるが、その後何度も見かけるがランクインならず、を繰り返している俳優だ。
すっかり哥哥世代を卒業し大哥世代を飛び越え叔世代へとジャンプした感がある。
本作は@長安〜よりも少しふくよかで、貫禄たっぷり感を出してきた。
役作りなのか、それとも単にぽっちゃりしたのかは謎だ。
いーに比べて、ライトがきついのかテカりが気になったが、
相変わらずの不穏さである。(褒めてます、念の為)
パイセンが演じると、どんな善行でも不穏フラグに感じてしまうバイヤス。
最後までイイ人かワルい人か判断に困る設定で、しかもパイセンだから。
多くの視聴者が
「実はラスボスか」
と思っていたのは間違いないだろう。
それを知ってか知らずか、極端にセリフが少ない。
最後の48集大結局の、自分の思いの丈をぶつける時でさえ抑えた口調・演技。
未だに底が見えない俳優だ。
ぴーしゃに比べ、パイセンは八年間ねっちり策を練り、
でも、例の武術を取り入れ嘘薬でぐらんぱをやっつける作戦、を決行中ならば、ただ待ってれば良かったのでは、と思うのは余計だろうか。
しかし、こんだけ多くの配下を従え信頼され、それでも帝位に興味はない、とか言われても・・・
説得力に欠ける、しかもパイセンだし。
それに比べ、ぴーしゃの拙いことよのぉ、とがっくししてしまうてこなのであった。
1980年11月11日生まれの41歳、180㎝、68kg。
てこと同じ誕生日だ♡
ちなみに”ちんあなごの日”であり、渋沢栄一の命日でもある。
中南大学土木工学科卒業。
美人無涙、天竜八部、愛情悠悠薬草香、新水浒伝、鹿鼎記〜他多数
待播:玉骨遥、公訴精英
報われない枠だけど最後に報われた男子@厳修【李俊逸リー・ジュンイー】
【李俊逸リー・ジュンイー】だ。(呼び名ジャスティン)
㊗️てこブログお初明星である。
ジャスティンも「長安諾」組であり、そっちよりはこっちの方が役は良かった。
女②を陰日向でサポートするうちに、密やかな恋心も芽生えていた。
しかし、彼女の目的を知っているし、それをサポートするのが自分の役目だと。
ジレンマと葛藤する男だ。
別にてこ好みのルックではないし、鼻が鋭すぎてて怖いんだが。
唯一このドラマでのほっこりパートだったのだ。
「実は・・・」(女②)
「ぃやだ、ぃやだ、聞きたくない、ってか仕事あるんで、失礼しまっす。(ぴゅーって居なくなる)」
みたいなの。
あと、女②の退場劇
「来世では・・・」
だが・・・
この言葉を唯一の支えに、彼は今後も生きていくわけだが。
こんなの気休めだ。
今だ、今現在が大事なんだぞ?
「やーだ。
来世とかやだ。
今、幸せになりたいから、もう仇うちとかやめて」
って言って欲しい。
我慢しなきゃならん奴が我慢せずに、我慢しなくてイイ人が我慢するのを見るのはストレ〜スなんだな。(by熱血司祭)
1996年2月29日生まれの26歳、182㎝、63kg。
サンフランシスコ大学卒業。
彼は、2019デビュウのNewカマーだった。
そのデビュウ作はなんと「烈火士官学校」だ。
まじか、↑これだ。
他は琉璃、長安諾
今後の活躍に期待しよう。
与君歌てこが見た感想
ぐらんぱ退場劇は白髪乱れ髪で”怖っ”ってなる。
相変わらず、水面下での計画の詳細は1ミリも明らかにされることはない。
しかし、皆が話し合って事を進めていたら八年もかからなかった気がする。
それと遺詔の件だが。
元は女①のぬいぐるみに入ってたのが、どの段階で姉の手に渡ったのか。
今ひとつ理解できなかった。
しかし、最後はぴーしゃが優勝ってことで終了したので、百歩譲って許してもいい。
ラヴでもない歴史でもない権謀術数でもない、実に中途半端な物語を48集も見てしまった。
主題などを考えるのも面倒だし、メインCPに感情移入もできない。
何を見せられてるのかもはやわからない。
いーを愛でることは出来るが、いーに惚れ直すような作品ではない。
そして、ラストショットの女①の満面の笑顔はいったい何であろうか。
計画もすべてが曖昧で、何一つ明確に語られる事のなかったドラマだが。
最後の最後に、またしても
「ぴーしゃ存命?」
を匂わすなど。
腹立たしいにも程がある。
言いたい事は明確に、これをお願いしたい作品だった。