中国ドラマ『風起隴西』(风起陇西)ドラマレビュー其の1:三国志スパイ合戦開幕”白亭”脱出なるか〜まで【陳坤/陈坤チェン・クン】【白宇バイ・ユー】【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2022年5月16日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『風起隴西/风起陇西』ドラマレビュー其の1:三国志スパイ合戦開幕”白亭”脱出なるか〜まで、
を紹介するよ。
 
2022/4/27から配信開始5/7には終了というハイスピードの全24集。
そして翌8日からレビュー執筆開始という珍事である。
いつもなら、ダラクラと試聴したうえに、グダグダと何度か見返し。
しばらく寝かせた後もう1巡、などでようやく重い腰を上げるてこなのだが。
なんかこれは早く書いたほうがいい気がした。
なので、他を放り出してとりあえず書くことにする。
 
原著はまたもやぼよん先生(馬伯庸マー・ボーヨン)である。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの神作家で、実写化成功大人気な作家である。
 
てこはもちろん原著は読んだりはしてないが、それは割とヴォリュームがある本のようだ。
しかしドラマは全24集である。
中華な古装ドラマにおいては昔は80集超えなども普通だったが。
最近の風潮として少し短くしようね、ってのがあり40集弱が増えてきている。
しかし古装で24集といえば軽めのラヴコメ路線である。
ヴォリュームのある原著をどうやって24集というコンパクト設計に出来得たのかが懸念材料ではある。
 
始まってみると、1集ごとに副題がついている。
2集目でサブタイトル『趁火打劫』。
これで、はっと気付いたのだが、これは兵法三十六計の一つである。
ということは、原著はchapter36まであったのではなかろうか。
何が端折られたのか知りたい。
知るには原著を読まねばならぬのか・・・
とか思ってたのだが。
サーチしてみると原著とは随分と違う脚本で、原著にはない登場人物も居るという。
なので読む必要はないかもしれない。
 
物語は三国志演義を背景とし、主に間諜活動にフォーカスした物語である。
とはいえ三国志演義でも間諜もあるにはあるし、重要といえば重要だがメインではない。
本作が間諜がメインであるということは、歴史ものではあるがオリジナル要素が多いということである。
何が言いたいかというと、
たとえ三国志に疎くてもぜんっぜん問題なく見れるドラマであると言うことだ。
 
髭付きがわんさかでてくるし(ほぼ全員髭)、キラキラさが1ミリもなく、しかも三国志か・・・
などと思って視聴を躊躇したりしないための注意喚起である。
 
ところで、このドラマは間諜(スパイ)ものなので、当然謎がいっぱいである。
なので極力ネタバレは避けたい。
なので、今回のレビューは。
↑で三国志に疎くとも〜とか書いてるが
三国志を非常に好むてこが、諜報のことも熱く語っている『北方三国志』と照らし合わせる回、としたい。
 
注:2022/5/13追記、お詫び・訂正
今更ながら気付いたことがある。
荀詡は義弟ではなく義兄だ。
なんとなく実年齢のバイアスがかかったのか、思い込んでいた。
記事をそこだけしれっと書き直すのもアリだが、ここでお詫びしたい。(直さない)
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

風起隴西ってどんなドラマなん?”白亭”脱出なるか〜まで

物語は、228年第一次北伐、”泣いて馬謖を斬る”から始まる。
 
三国志に疎くても〜などと書いたが、この辺は三国志を知ってないとわからない胸熱さである。
諸葛亮は馬謖を我が子同然のように可愛がり、期待を込めて育成してきた逸材なのに。
そんな馬謖を、なぜ諸葛亮は斬首にしなければならなかったのか。
ここに熱すぎる胸の内があるのである。
その胸の内は三国志を読んだものにしかわかり得ない。
思い入れがあるてこは、それを思い出すだけで泣けてきてしまうのだが。
思い入れのない方はここは華麗にスルーして構わない。
しかし、ぜひ我も知りたい、と思う方は三国志を読むがいい。
(読み物お勧めは「三国志 司馬懿 軍師連盟」完結編の最後に記述があるので参考まで)
 
この北伐失敗は”蜀に間違った情報が流れたせいである”、ってのが肝だから。
諸葛亮の胸の内はたいして重要じゃないのである、物語の性質上。
この情報は、魏に潜伏中のスパイ:コードネーム”白亭”から送られてきたから間違いないはず
ぃや、でも結果嘘情報だったから白亭が裏切ったんじゃ?
蜀:じゃぁ調べてみよう
白亭の義理の弟を偵察&暗殺のために魏に送り出す
 
ってのが初期設定である。
 
メインとなる背景は蜀の諜報機関”司聞曹”である。
 
三国志演技でも諜報活動はある程度描かれている。
離間計などは間諜がコツコツと付箋を貼る作業に依存しているし。
三国志演義翻案ものの『北方三国志』は、史実には出てこないオリジナルの間諜集団が登場する。
北方三国志における蜀の間諜は応累である。
応累は呉との戦でお亡くなりになるが、その息子2人はぱぱの意志を継ぎ諸葛亮の北伐を支えている。
ということはである。
このドラマにおける”司聞曹”とは応累の息子が作ったものということである。
なのでそこのキャプテンの@馮膺(にえ先輩・聶遠)は応累の息子ってことでいいんじゃないだろうか。
応累の息子ってだけで、善認定したいてこであるが。
いろいろと不穏なのは間違いない。
(因みに史実には馮膺どころか司聞曹などという機関も存在しない。)
浮ついたところがひとつもない渋さだ、などと思ってたら美人計にあっさり引っかかる。
流石です♡
 
で、そのコードネーム”白亭”こと@陳恭こそが陳坤殿下である。
そして、白亭の裏切りを調査&暗殺指令を受けるのが@荀詡こと白宇。
荀詡んちは代々間諜家業のようで、妹も間諜である。
その妹と結婚してるのが陳恭なので、2人は義兄弟である。
 
諸葛亮孔明は李光洁。
てこがわりと推している古参株で、正真正銘のムサ叔である。
 
228年といえば、劉備も曹操もついでに曹丕も既にお亡くなりになっている。
蜀は劉禅、魏は曹叡の時代である。
 
ここで、てこの三国志愛からくる話をぶっ込みたいのだが。
ぇ、いらない?・・・させて下さい(懇願)
 
それは、劉備が作中では”故皇帝”と呼ばれていることに関してである。
 
玄徳は筵編みをしていた貧乏人であった。
男として生まれたならば、何かを成し遂げたい。
その志を同じくする関羽・張飛と桃源の誓いを交わす。
しかし3人は、そうは言ったものの何を成し遂げるべきなのか皆目見当がつかない。
とりま黄巾の乱がおきて、農民たちが苦しんでるからいっちょそれに乗っかってみるか、
から始まった3人の旅。
董卓が頭角を表した頃に、ようやく目標が定まる。
それが”漢王朝復活”である。
これが彼ら3人の最後まで揺るぐことのない大義名分となる訳だ。
 
曹操が皇帝を名乗るのを荀彧が最後まで反対していたように。
玄徳もまた自らが皇帝と名乗ることは拒否していたのである。
まぁ、曹丕が皇帝を名乗った時に皆に説得され”蜀漢”の皇帝ということにはなったが。
実際、諸葛亮も”劉備様”と呼んでいた。
それが今や”故皇帝””前皇帝”である。
 
何が言いたいかというと、時代は変わってしまった、ということである。
大義名分は同じでも、心意気が全く違う、温度差が大きいのである。
昔とかわらぬ劉備元徳の遺志を継ぐものは、今や諸葛亮孔明と出てこないけど趙雲(229没)の2人だけなのである。
 
てこがこんな無意味とも思える話をぶっ込んでるのは、こういったバックグラウンドを理解して視聴してほしいからである。
北伐を間違ったものだ、と考えてほしくないからである。
正しいか、正しくないか、ではないのだ。
勝つか、負けるか、などでもないのだ、決して。
信念の問題なのだ。
”中原奪回・漢王朝復興”の玄徳の遺志を貫く。
どんな状況でも愚直に努力を惜しまない男、それが諸葛亮孔明なのである。
 
諸葛亮の下で働いているのが@楊儀(中の人、俞灏明)
今までが濃ゆいキャラが多かったせいか、本作もなんかやらかすんじゃないかと。
そう勘ぐってしまうのであるが。
@馮膺(にえ先輩)とのこそこそひそひそな感じが、
この2人って?なにか企んでそう。
 
因みに楊儀は史実でも実在している人物である。
元々は曹操に仕えていたが、下っ端だし成り上がれないので関羽のところにやってきた男である。
玄徳にも気に入られ、孔明にも認められるが、同僚からの人気はない、そんな男である。
「蜀書」楊儀伝には、心の狭い人だったと記載されている。
ここ↑重要なのでよく覚えといてほしい。
 
で、その諸葛亮の存在が面白くないと思ってる人間もいる。
↑が@李厳(中の人、尹鋳勝)
どうやら現皇帝の劉禅も諸葛亮をウザがってる設定のよう。
それをいいことになんとか諸葛亮を落としたいと思ってる男である。
琴を弾きながら曹操作詞の詩吟を歌う姿がキモい、いい味出してるむさ叔である。
 
李厳という人物は実在していて、劉備の遺言を聞いたのも史実である。
死に際に呼んだのは孔明と李厳のふたりである。
なぜ李厳だったのか。
他にも優秀で信頼のおける臣下、例えば趙雲がいたのに。
それは、李厳が劉璋の元家臣であったことが関係している。
玄徳が建国した”蜀漢”とは意外にも一枚岩の結束ではなかったという事実である。
 
そして、孔明の足を引っ張るのは史実も一緒である。
3回目の北伐で勝利した後これからって時に、李厳の嘘情報のせいで撤退を余儀なくさせられる。
中原奪回を目の前で諦めざるを得なかったのは李厳の邪な心のせいである。
可愛がってた馬謖は処刑したが、李厳は平民に落とされただけであった。
そう、忖度で。
 
李厳の話とか、どーでもいいですかね?すいませんね、ほんと。
こんな調子で書いてたらいつまで経っても進まないよなぁ。
 
白亭が潜伏している魏にも諜報機関がある。
魏は白亭を追い、陳恭は正体を隠して逃げ切って、なんとか裏切り者じゃないよ、って証明したい。
魏の諜報部員@糜冲が王驍である。
三生三世シリーズの@司命星君である。
パステルのひらひら着てるより断然こっちのがいいよねぇ。
司命さんは、殿下が白亭だと思っててわりとしつこい。
 
北方三国志における魏の間諜は”五錮ごこの者”と呼ばれる集団で、そこのキャプテンは石岐という。
この石岐という男は曹操の時代から仕えているミステリアス設定で、生い立ちとか一切謎であった。
 
石岐ポジションが司命さんかな、などと思ってたのだが。
いつも殿下にしてやられてるし、わりとポンコツなので違うかも〜
と思ってたら後で(16集あたり)ほんとの石岐ポジの人が出てきた。
魏にもめちゃマジもんの間諜組織がちゃんと存在していたことが明らかになる。
 
で、殿下と義弟は魏で再会し、現状を報告し合う。
 
・正体を隠したまま魏を出る方法
・義弟もどうにかして魏を出ないといけない
・裏切り者じゃない証拠が必要
 
↑を検討し合う。
街亭〜情報のすり替えは、蜀に魏の間諜がいることに間違い無いだろう。
それは一体誰なのか?
出てくる人のほとんどが間諜だから、みんな怪しい。
 
魏ではある作戦が展開されようとしていた。
そこで殿下は起死回生の案を思いつく。
その拠点となるのが”五仙道”という宗教団体のアジトである。
そこのキャプテンが我らが【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】である。
これが初登場シーンである。
この杖をダンダンとならし、信者が崇め立てる図。
フレディかと思った。
このカリスマ教祖様@黄預が暁晨である。
そして、殿下の妻@翟悦が既に潜入し、黄預の未来の妻の位置を獲得していたというおまけ付きである。
 
糜冲になりすまして五仙道に潜入した殿下はそこで蜀に潜入してる魏の間諜の存在を確信する。
そしてそいつのコードネームは”燭龍”というらしい。
殿下と義弟の策が成功すれば、
 
・燭龍を特定でき、殿下の冤罪が証明できる
・魏の作戦を壊滅させられる
 
という一石二鳥なのである。
 
ここで五仙道について考えてみよう。
五仙道という宗教団体は史実には存在しない架空のものである。
三国志に出てくる宗教団体は二つある。
太平道と五斗米道である。
 
漢中にアジトがあり、魏に与している点から五仙道は五斗米道と考えて間違いないだろう。
教祖は張陵(ちょうりょう)、その死後は子供の張衡(ちょうこう)、孫の張魯(ちょうろ)に受け継がれている。
張魯は漢中に宗教王国を作り、30年近く、独立を保つ。
張魯を征伐する力のなかった後漢王朝は、彼らに貢物を献上する義務のみ与えて、独立政権を許した。
その後215年に張魯は曹操に降伏する。
しかしそのあとも、支配下で活動は続けられていた。
今、まさにココ↑なのである。
 
魏のいう事を(いやいやながら)聞きながらもいずれ王国を復活させようと。
とりま蜀やっつけて、魏が呉をやっつける頃までに団体おっきくして魏をやっつけようと。
そう目論んでる野心だだ漏れの男子なのである。
 
ただ、張魯にしては若いので息子?あたりかなぁ。
暁晨とダブル主演のふたりは完結編で特集するのでここでは深くは触れないが。
教祖@黄預が成功する未来が1ミリもない。
聞けば、原著にないキャラクターが教祖@黄預だというではないか。
殿下も心配だけど、暁晨も心配なので、心中穏やかではいられないてこである。
案の定、やらかしますよ、教祖。
 
でも、冷静に考えて。
教祖の立場なら当たり前の行動なのだ、あれは。
だから皆も(殿下も)教祖を恨まないでやってほしい。
悪いのは燭龍だし。
間諜のくせに尾行に気付かない義弟のポンコツさのせいなのであり、教祖は騙されてた被害者なんだぞ、って言いたい。
 
物語は、蜀・魏・漢中(五仙道)を細かく入れ替えて進むので忙しい。
蜀では、義弟が暗号文すり替えの真相を探っている。
ぼよん先生の仕掛け好きがここでも見られる。
暗号解読ボードである。
意外とアナログで逆にリアルに感じる絶妙さ。
 
司聞曹を掌握し、諸葛亮をやり込めたいと考える李厳はにえ先輩を燭龍仕立て上げる。
本物の燭龍はというと〜
という感じで、あっちもこっちも騙し合いが展開されており。
誰も彼も怪しいし、信じていいの?ってなる状況。
 
さて、魏の秘密作戦なのだが。
それは何かというと。
蜀の軍事機密を盗み出す事である。
その受け渡しに燭龍本人が来るという。
白亭こと陳恭(殿下)は、機密を盗み出しそれを魏ではなく蜀に持ち帰る、燭龍という土産付きで。
という作戦を開始することになる。
 
諸葛亮孔明という男は、中華なレオナルドダビンチなのである。
画期的な組織図を作ったと思えば、農機具も発明する。
そして武器発明にも余念がない。
少ない人数で勝つにはどうしたらいい?
殺傷能力の高い武器を発明しよう。
人が足りないなら1人の力を大きくすればいいんじゃない?
馬か。
騎馬隊を強くしよう。
蜀の馬に対する情熱は非常に高かった。
 
魏が狙ってるのは、スペシャル武器”連弩”の設計図である。

風起隴西 ”白亭”脱出なるか〜までてこが見た感想

だいだいここまでで15集くらいか。
 
悲劇的な展開もあるが、これといった見せ場は今のところない。
皆がそれぞれ自分のすべき事を間諜らしく黙々とやっている感じ。
本来間諜とは私情は持たないのが鉄則だが、私情に左右されそうな人間もいる。
その不確定要素が間諜の1番の難関である。
 
不確定要素を抑えられる最大のものは”信念”である。
その信念が何なのか、で結果は大きく違うものになるだろう。
 
殿下の
義弟の
暁晨の
皆それぞれの心にある信念とはいったい何であろうか。
残り9集で明らかになるだろう。