中国ドラマ『風起洛陽 ~神都に翔ける蒼き炎』(原題・風起洛陽/风起洛阳)ドラマレビュー其の3:ファイナル30〜39集まで【黄軒/黄轩ホアン・シュエン】【王一博ワン・イーボー】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年1月8日

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今日は、中国ドラマ『風起洛陽 ~神都に翔ける蒼き炎』(原題・風起洛陽/风起洛阳)ドラマレビュー其の3:ファイナル30〜39集まで、
を紹介するよ。
 
其の1:1〜15集まで
其の2:16〜29集まで
今回でとうとう完結、いよいよファイナルである。
 
ぼよん先生(馬伯庸マー・ボーヨン)の作品はわりと斬新な仕掛けが多い。
例えば諜報機関である地下警察みたいなとこの仕掛け。
そういった仕掛けの描写が面白いし興味深い。
@長安〜でも外の目と内部との連携の仕方とか、高見台のパネルとか。
無線の代わりに生身の人間が汗をかくシステムは、当たり前といえば当たり前だが。
古(いにしえ)の諜報活動をより身近に理解させ興味を持たせると言う点で、非常に有効的である。
 
で、本作のそれはピタゴラスイッチ的な仕掛けで、最終的に黄金色に輝く蓮の花がパカっと開く。
その花芯の部分に大事な情報が書かれた紙が入っている。
・・・
一見”すっげー”とか思うけど。
よく考えるとよくわからない。
・・・
どのような選別で、あの選ばれし黄金の蓮の中に入れる秘密になり得るのか。
いや、その辺はどうでもいいのであろうが。
とりま”もっすごく最先端な秘密組織”みたいなイメイジは湧くという効果はある。
 
そして今絶賛播出中の@風起隴西も例外ではない。
ぼよん先生はおそらく諜報が好きなのであろう。
こちらはスパイスとしての諜報ではなく、諜報がメインの物語であるのだが。
そこに暗号システムの説明があり。
意外にアナログな方法であり、逆にそれがリアルさを感じるという絶妙さである。 
 
で、今回でいよいよファイナルなのであるが。
ぼよん先生の作品には誰1人として無駄な登場人物はいない、と今までも書いてきたが。
やっぱり今回もそうでした。
ぇえぇえ、びっくりしますよ、まじで。
これから観る方におかれましては、謎解きを大いに楽しんでいただきたいので極力ネタバレは避けたいとは思うが。
どうしても少しはバレることもある、そこんとこよろしく。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

風起洛陽ってどんなドラマなん?30〜39集まで

悲報!
な、な、なんとてこpickupキャストのうち2人がお亡くなりに・・・
そして1人は重体に・・・
というとんでもない急展開である。
 
爆弾を作ってて、目的はどうやら聖人暗殺のようだと気付いた兄貴たち。
爆発回避のために奔走する。
理系オタク男子の二郎が頭脳担当(暗号解読)。
聯坊就職した兄貴が拳担当。
で、無事に爆発と暗殺は回避されたかに見えたのだが。
 
思わぬところで爆発は起きてしまう。
そう、闇グループ春秋道には更なる計画がありそうだ。
 
春秋道のリーダーが誰かは分かったが、(それも意外な人物)どうも小物感が漂う男なのだ。
案の定、裏に本当のボスがいそうである。
この辺で、てこもある違和感に気付く。
それは兄貴と二郎の出番が少なくなってね?ってことである。
本当の黒幕がどんなに不穏であるかをじわじわと視聴者に植え付ける方式である。
 
出番は減ったが、兄貴も二郎もしっかりアクションは起こしている。
 
二郎は、重大決心で聖人に拝謁しに行くのであるが。
其の2ではてこがうるさいと言ってた嫁も、事態がシリアスになってくるとようやくおとなしくなってきた。
二郎の決心がどんな決心かを嫁もしっかり理解しており、しかもその決心を後押しするような。
そんな立派な嫁に成長してしまった。
よかったね、二郎。
兄貴は、どうもおかしい、という勘を元に秘密裏に探り始める。
その推理の理論的なことよ♡
点だった推理が段々とつながり線になっていく。
 
ってかすごいのはその黒幕である。
黒幕が長い長い年月をかけて貼ってきた伏線。
この粘着さ、執念。
良くも悪くも、こんな突き抜けた思考を持つものは魅力的である。
 
クライマックスは、もう兄貴が黒幕が誰か知ってそうなので。
黒幕の目論見は失敗することは目に見えているのでヤキモキはしない。
真のクライマックスは別のところにある。
事が起きる前日の夜の兄貴・二郎(と+嫁)の別れの会食である。
何のことない会話なのだが、見てる方は
「ぜーったい、なにかあるよね?」
って思って見てるはず。
案の定、ネタバラシの時にその内容が明らかになるのだが。
あの会話の中にこんな♡が込められていたのかと。
胸熱になるのである。
 
クライマックスの肝は
・黒幕は誰
・ふたつのCPの行く末

風起洛陽てこ監修”イケメン備忘録”

柵を断ち切れない男子@高秉烛【黄軒/黄轩ホアン・シュエン】

前半は↑のワイルドスタイル。
後半は↓の公務員スタイル。
断然ワイルドスタイルのがかっこぇえが、どっちも佳き、結局のところ。
 
前半はもれなく犯人に間違われたりして、よく追いかけられてた。
手がかり見つけてその人物に近づくと”死んでる”みたいな。
切羽詰まった感じで直向きに調べ回ってたのも胸熱。
後半は、就職して捜査もしやすくなったし。
追われることも無くなった。
不良井の出で、不良人なのに職場の同僚が文句も言わずに兄貴の指示に従うのは違和感があったが。
腕が立つだけでなく、聡明な頭脳も持ってる無双設定は非常に満足である。
 
酒に弱いのか、墓ではいつも酔っ払って。
それを武思月に見せつける、という恋愛常套手段と、吊橋効果を組み合わせてラヴまでゲットするという。
ほんとに隙のないキャラクターなのである。
 
復讐のことばかり考えている冷血な男子ではなく。
いろんな柵を断ち切れない(不良井で暮らす人たち)情の深い男子でもある。
そんな男子はやはり七情六欲を断ち切る事など出来るはずもなく。
武思月を深く愛するに至るのである。
兄貴のあの慟哭は見る者の涙を誘う、そんな演技であった。
な、な、なんと!
これは尹超氏撮影であるが。
おとなりは段にいさん♡(段奕宏)
 
1985年3月3日生まれの37歳、177㎝、60kg。
北京舞踏学院卒業。
 
ドラマ
芈月传」「女医·明妃传」「九州·海上牧云记」「亲爱的翻译官」「山海情」「瞄准」他多数
映画

理系オタクな男子@百里弘毅(二郎)【王一博ワン・イーボー】

不愛想に見えるがただのコミ障な理系オタクな男子である。
まずは不良人でありながらも力強く生きる兄貴に少なからず影響を受け。
そして、空気を読めずにそれでも自分を慕ってまとわりついてくる嫁に影響を受け。
段々と、人並みの思考とはどんなものかを吸収してゆく二郎。
聡明なゆえにインプットも上質だ。
元々が誠実で善良な男子なのだから、まともな言動さえできればそこにいるのはハイスペックな男子である。
 
ぱぱの事件から始まり。
次郎にとって非常に困難で悲劇的な流れである。
しかし悲劇に浸って灰になったりはせず、自分がすべきことは何なのかを模索する。
それがいじらしく応援したくなるのである。
 
いーぼとしての(俳優として)出来はと言うと。
個性派の脇にがっつりと囲まれてはいるものの、一緒に画面に映るのはもっぱら黄軒(兄貴)であった。
黄軒の演技は見事と言う他なく、一匹狼の流れ者なアウトローぶりも素晴らしいが。
好きな女の事になるとあまあまスウィートなギャップも素晴らしく。
絞り出される低音ヴォイスにノックアウトなのだが。
そんな兄貴に遜色なく、十分に渡り合っていたと思う。
 
力みすぎない自然体で飄々とした理系オタク男子を良演していたし。
かと思うとウブで不器用な愛情表現をぶっ込んできたりしてなんとも罪深い。
善良で正義感あふれているが、人間らしく葛藤する姿など、最初の二郎では考えられないほどの成長である。
そんな成長ぶりを、決して多くはない出演時間で表現できている事を評価したい。
1997年8月5日生まれの24歳、180㎝、59㎏。
 
翰林演芸芸術高等学校出身。
陈情令」「我的奇怪朋友」「有翡

風起洛陽てこが見た感想

初めは↑こんなだった2人が
最後は親友として別れを惜しむまでに成長。
 
結局兄貴の故郷の不良井の人々は、洛陽を救った功労者として街に出ることを許される。
兄貴の宿願が叶ったわけだ。
だけど柵を断ち切ることのできない情の深い男である兄貴は洛陽の街を去る事ができない。
周りのものをばっさばっさ切り捨てて生きてそうな男なのに。
実のところは細かいところも捨て置けない思いやり満タンな男子なのである。
弟分のしゃおちーと仲良く暮らしていくのだろうか。
今後兄貴に幸せが訪れますように。
 
対照的に二郎は誰とも交わって生きていけそうもなかったのに。
あったかいラヴに恵まれて。
嫁と仲良く一緒に洛陽の街を去る事になる。
 
しかしこの2人(兄貴と二郎)は明らかなCPである。
性別を超えたCPであるからして、この繋がりは永遠であり尊いものである。
なので今後どんな再会が待っているかを想像するのは自由だ。
 
このドラマは、テンポも良くアクションも多めで疾走感があって非常に面白かったし。
ラストも綺麗にまとまっていたのだが。
不良井の人間の差別のされ方や。
二郎の兄が右手の指が1本多い奇形でオフィシャルには認められない存在だったとか。
皇帝が女性であることへの嫌悪感など。
いろいろなバイヤスが感じられる作品であったのだが。
今の世も同じようなバイヤスで溢れているのが現状である。
いつも意識して生きるべきだし、
できることならバイヤスを取り外す努力をしていかねば、と思った次第である。