中国ドラマ『長安二十四時』(原題・长安十二时辰/長安十二時辰)ドラマレビュー其の1:長安破壊作戦回避なるか〜24集まで【雷佳音レイ・ジャーイン】【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】【蔡鷺ツァイ・ルー】【蘆芳生ルー・ファンション】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
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今日は、中国ドラマ『長安二十四時』(原題・长安十二时辰/長安十二時辰)ドラマレビュー其の1:長安破壊作戦回避なるか〜24集まで、
を紹介するよ。
さてと・・・
ようやくですよ、ようやくレビューを書くことにした。
3年です、3年寝かせました。
もう今更書くのもなぁ、って感じだったのだが。
ここへきて第2季の話が持ち上がり。
ぇ!?
これってまた峰兄さん(祖峰ズー・フォン)書いてるん!?
とか思って狼狽えてたら
”Ⅱ”だけ付け足したのでは?という当たり前な助言で、あっさり
「そうなのか、だよな・・・」となってる訳だが。
取ってつけた”Ⅱ”ではあるがなかなかの信憑性である。
なので、重い腰をようやく上げたてこである。
なぜ今まで書かなかったかというと、どう書いたらいいかわからなくなるのと、思い入れが大き過ぎて収拾がつかなくなるからである。
今までも好きなものほど書けないし、書いたら長くなる傾向にある。
なので覚悟して読むがいい。
タイトルの『長安十二時辰』は和訳すると邦題の『長安二十四時』となる。
古(いにしえ)の古時間の数え方で↓を参考にしてほしい。
これを見ると、お化けの出没情報が多い”丑三つ時”(うしみつどき)とは午前3時ということがわかるね。
で、物語の最初は↓なので
”巳”の真ん中なので、朝10時スタートである。
で、こっから24時間の話を全48集で語るので、1集につき30分間の出来事を描くということだ。
アメリカドラマ「24」から得たヒントであることは間違い無いだろう。
まぁ、問題ない。
面白ければ文句はない。
原著はここんとこてこブログでは古参のぼよん先生(馬伯庸マー・ボーヨン)。
「三国機密」はいささか毛色が違うので未レビューだ。
これはきっと今後もレビューはしないだろう。(なぜならもう見ないからだ)
監督は曹盾さんで、「九州·海上牧雲記」の監督さんだ。
このドラマも未だにレビューできてない物の一つだ。
監督さん繋がりで、牧雲記の俳優がわりと多く出演している。
このドラマはフィクションではあるが。
登場人物の何人かは実在の歴史上の人物が反映されており、時代は明確に把握することができる。
また、劇中で見られる長安の街並みはてこが想像していたイメイジと酷似しており非常に興奮した。
史実が背景にあるフィクションであるから、よりリアルに想像できそれが作品全体に深みをもたらす結果となる。
唐代は日本でも馴染みが深く、研究者も多い時代である。
この時代のあれこれなどを語りつつレビューしたいと思う。
尚、2019の作品でもう3年も前なので今更ネタバレでも問題ないかとは思うが。
本レビューは、大いなるネタバレを含むので、読まれる方はご注意をお願いしたい。
ついでにてこは中文視聴であるからして実は間違ってるとことかもあるかもしれない、そこんとこよろしく。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
目次
長安十二時辰ってどんなドラマなん?まずは時代背景から説明しようか?
まずは時代検証から始めようか。
ドラマ中”天保三載”とあるが、この元号は”天宝3年”(744)のことである。
この”載”は、3年に年次表記を「年」から「載」に改めたので要するるに”年”である。
つまりは、中国・唐の玄宗(9代目・李隆基)の治世後半に使用された元号ということだ。(742〜756)
唐の時代は約300年にわたり続く。
漢詩の世界では「初唐(618〜100年)」「盛唐(713〜50年)」「中唐(766〜70年)」「晩唐(836〜907)」の4期に区分している。
「初唐」
唐の太宗・李世民は中国屈指の明君とされている。
武勇だけではなく、内政でも「貞観の治」は帝王学のバイブルとされていたし。
3代目高宗は朝鮮半島を新羅一国に統一させており、朝鮮半島や東方にも勢力を広げていく。
百済を支援してた我が祖国日本も対岸の火事ではない。
「やっべー、唐」
「はやくうちらも国強化してしっかりしなきゃだぞ」
ってな感じで、今日の東アジアの原型は唐の時代に出来上がったと言って過言ではない。
このドラマの時代は「盛唐」でもっとも栄えていた時期である。
初唐の時代に拡大された広大な勢力範囲により、多元国家になった唐。
拡大された最も大きい領域が突厥と呼ばれるトルコ系の遊牧民が支配していた地である。
南北朝時代は突厥の軍事力は強力で北周や北斉を属国とみなしていた時期もあったが。
この頃は完全にパワーバランスが変化し、突厥が中原に屈する形になる。
突厥の民は遊牧だけでは生活が成り立たないので、主にシルクロードを掌握しそこの商業民とタイアップしていたようだ。
その担い手になったのがソグド商人である。
西方のカスピ海の東側にアラル海があり、そこにパミール高原からアム川とシル川という2本の大河が流れ込んでいるオアシス地域があるのだが。
かつて古代ペルシア帝国が広く進出した際、この地域にペルシア系の人々が住み着き現地の人と混交し、その人々がソグド人と呼ばれ、その地域はソグディアナと呼ばれるようになった。
つまり、この地域はイラン・ペルシア系の商業民の居住地であり。
地理的にも中央アジアの中核のオアシスであり、東西南北からいろんなものが集まる場所であり。
巨大な財閥・多国籍企業のような存在であり。
唐で軍事的経済的に最も重要な役割を果たしたのがソグド人だったとも言える。
そこに流布したのが仏教である。
ほぼ同時期に、西方ではイスラームが台頭してイランまで併合する。
しかしイランにはイスラーム以外の宗教を守りたい人が多数いた。
もちろんペルシア系なのでゾロアスター教(拝火教)もあるし、西方からネストリウス派キリスト教(景教)も入っていた。
彼らが中央アジアに逃げ出し、ソグディアナ辿り着いたが、そこにはインド伝来の仏教も伝わってきた。
そうした複雑な宗教の人々が、さらに深く唐と関わるようになった。
つまり、思想界・宗教界でも非常に多元的なことが唐の特徴であったわけだ。
さらに、分業体制という意味でも、政治・経済・文化のみならず、そこにトルコ系遊牧民も軍事とソグド系の商業が加わり。
唐が一時的に繁栄を極めたのは、この多元性をうまく噛み合わせて、一つにまとめられたからである。
てこが、こんなどーでもいいと思われる唐の話を長々としているのは。
こういった知識があると、このドラマがより理解できるからである。
なので、まだまだ続くが説明させてください(懇願)
例えば、周一圍は突厥部出身のようだったし。
長安の町にはゾロアスター教と思われる軍団もいたし。
途中から雷佳音と行動をともにするのは景教の牧師で自称ペルシア王子である。
見慣れないコインは他国の存在も考えられるのである。
なので説明は続けさせてください。
話を唐のあれこれに戻すが。
国際都市として栄えた長安であったが、さまざまな宗教も持ち込み、玄宗皇帝は多くの寺院を立てた。
(感謝したい、恩返しがしたい、と自称ペルシア王子も言ってましたね)
漢詩の世界で杜甫や李白が活躍するのもこの頃である。
これがまさに唐の最盛期である。
多元的な文化・特性を組み合わせ、それぞれに利益をもたらしながら全体として大きな力を発揮する、というのが唐の基本的なシステムだったのだが。
そうなると各勢力の利害を調整するための統合機関が必要となる。
そここそが1番の問題だったのだ。
だってそこが一番旨みが大きい場所だから。
統合機関がうまく機能しない場合、それぞれが少しでも多くの利益が出るように動くのは当たり前であるし。
逆に統合機関がうまく機能しては困る人間も出てくるのである。
玄宗とは則天武后の孫である。
玄宗はおばあちゃんがお亡くなりになったあと、その残党をクーデターで倒して即位した(712)。
おばあちゃんは仏教を利用して国家の統一を図ったわけだが。
自分は仏教には頼らず政策課題に立ち向かおうと意欲満々で。
出だしは上々だったのだが、次第にうまくいかなくなってくる。
理由はいくつかあって。
則天武后を否定したので、仏教ではなく土俗的な儒教をベースに改革を進めたのもその一つ。
それが多元化や国際化に対応しきれなかった一因であろう。
さらに楊貴妃問題である。
ドラマではすでに
「楊貴妃と余生を楽しみたいんだよう、おれは
もうお仕事したくない」
と聖人が言っている、というのが初期設定であった。
他国とのパワーバランスも大変なのに、国内もうまくまとまらないし。
節度使たちも素直なのはいないし。
で、美女を前に現実逃避してたら虎視眈々と軍事力を増やしてきた節度使がクーデターを起こす。
それが”安史の乱”である。(755〜763)
節度使は安禄山で胡人(ソグド人)である。
さぁ、こっからようやくレビュー始まるよ〜24集まで
物語は上元節・旧暦の1月15日。
誰でも長安城に出入り出来、長安が最も賑わい、長安の最も長い1日である。
この長安と長安に住む人々を守るヒーローが、アメリカドラマ「24」でジャック・バウワーポジションの@張小敬【雷佳音レイ・ジャーイン】である。
小敬Xiǎo jìngなのでシャオジンだが、ここではジャックと呼ぶことにする。
ジャックは、大量&上司殺人の罪の死刑囚である。
で、唐のFBIみたいなことをしてる”靖安司”という機関でキャプテンをしてる@李必。
李必Lǐ bìなのでリービーだが。
頭に乗っけてるの道冠が↑テニスボールみたいだから、ここではテニスボールと呼ぶことにする。
テニスボールは、本日長安にテロリストの狼衛が潜んでる情報をゲットした。
そこに職場の主事である@徐賓が、己が編み出したデータ解析ツール大案牘術でサーチすると。
”ジャック”という死刑囚がいるが非常に使える男だ、と。
この男なら事件を解決できるだろう、と。
そうテニスボールを唆し、ジャックは事件解決できたら無罪放免してあげるよ、って流れでしゃばに復活。
ってのが初期設定である。
そう唆したのが@徐賓↓Xú bīnでチュービンだけど、例の解析ツールが首飾りになってトレードマークなのでここでは首飾りと呼ぶ。
中の人、趙魏ジャオ・ウェイで、牧雲記では@墨禹辰である。
で、この職場”靖安司”(架空)はいろいろと面白いところで。
長安の街の細密なジオラマを完備している。
この↑ジオラマを前にシュミレーションしたりしてるようだ。
そして長安の街に何個か建ってる火の見櫓みたいな高望台が↓これだ。
中では、聴覚で大太鼓を叩きモールス信号的に情報を伝え。
視覚的にはマス目をパズル式に動かすことで情報を伝えられるらしい。
この伝達人の造形がいい。
背中に2本ながーい羽を付けているのだ。
なんだかとってもいいよね。
この人が街を走ってたら、
「ぁ、なんか伝達中なんだ」
って街中の人がわかるので、街の人は伝達人が走りやすいように道を開けてくれるのだ。
伝達人は体力知力共に優秀な選び抜かれた人材が何人かいるのだが。
↑の@陸三の中の人は、なんと日本人で岡村秀さんとう俳優らしい。
あと時計係は@龐霊というらしいが
勤務は24hで一度もトイレに立ってはいけないらしい。
紛れもないブラック職場だ。
しかし本人は48hまでは我慢できると豪語していた。
しかしそれに対して@姚汝能は
「うっそだー
少なくても、俺、今日3回くらいお前が席外したの見たぜ?
お○っこだろ?
そうだろ?」
って言ってました。
これ重要なので最後まで覚えといてくださいね、みなさん。
それにしてもこの長安の街の造形がすごい。
当時の唐の繁栄を端的に表しているのが、東洋史学の重鎮である石田幹之助先生の有名な著書《長安の春》である。
すでに絶版だが、先生の平易にして美しい名文で、当時の長安の風景を描写されている。
西域好きなら知らぬものはいない名著である。
講談社学術文庫版の解説は井上靖さんが書かれていて、小説《天平の甍》を書くにあたって参考にされたそうだ。
たとえば、そこにはこんなことが書いてある。
京城東壁の中門、春明門のあたりに立って見渡すと(略)鬈髪高鼻(けんぱつこうび)、紫髯緑眼(しぜんりよくがん)の胡人(こじん)の往来も亦稀ではない。春明門のほとりで西域の胡人に会ったという話は、唐の世には珍しい伝えではなかった。熱沓の区、東市の所在もすぐ近いこととて、たとえ西市に一籌(いつちゆう)を輸(ゆ)するとしても、流寓(るぐう)の外人はこのあたりにも少くはなかったろう。所謂タムガチの都クムダンの城(長安城の胡名)に大唐の天子を天可汗と仰いで、商販の利に集い寄る西胡の數はかなり多いものであつた。
こんな文章を読んで長安に思いを馳せていたてこが、このドラマで大いに興奮したのがわかるだろうか。
自分が想像していたイメイジとさほど変わらぬ其れをドラマで見れるという驚きと喜び。
当時の長安城の原図が↓これだ。
そしてドラマ公式が出している長安城は↓これだ。
ほぼ一致だ。
なので、もうこれが本物の唐代の長安ってことでいいと思うんだ。
で、ドラマに話を戻すと(すみませんね、ほんと)
まずはジャックはなんで死刑囚なのか、ってところなんだが。
ジャックは烽燧堡の戦いとやらのおよそ300人いた兵士の9人の生き残りのうちの1人。
ジャックはその戦で”第8団”に所属。
第8団のリーダーは足が若干不自由なものの長安に戻り商売をしていた。
しかし、地上げに会い抗議ののちに殺されてしまう。
それで頭に血が上ったジャックは大騒ぎしてしまい、残されたリーダーの娘に影響がないことを条件に死刑囚となった。
それまでは、一応ジャックも公務員で。
不良人で構成されている巡査チームみたいなとこで働いていてたらしい。
その不良人チームは主に汚れ仕事とか面倒な仕事を押し付けられてたようで。
時には怪しげな暴力団組織への潜入捜査などもあったようだ。
貧しいが、一応公務員だし、若い者への面倒見もいいし、なんてたって漢気のある正義マン。
みなに頼りにされるリーダーだし、闇界隈での顔もある程度効く、っていう設定である。
ほんのちょっとの手がかりだが、いちおー手がかりはあるので。
それを元にがむしゃらに走って手当たり次第調べていくジャックなんだが。
途中@葛の旦那、ってのが出てくる。
めちゃ無理言ってくるんだけど、この叔。
「ぇ、情報ほしいん?」
「なにくれる?」
@小乙は↓中の人、鄭偉
おまえか・・・
お前だったのか。
彼は牧雲記では@碩風和葉のちーこの時をやってた子だ。
しかし葛の旦那の要求は止まるところを知らない。
ほんとに欲深いんだから、旦那・・・
ジャックが身内を売ったことがあっという間に巷に広がり、ジャックはみんなにがっかりされる羽目に。
ジャック指つめっちゃってるのにさ・・・
そーゆー情報はいかないってゆうね・・・なんかな
「ジャックさん・・・
おれら信じてたんっすけど。
こんなことになって残念です。
ここで縁切らせてもらいます・・・
「今までありがとうございましたっ・・・っく」
みたいなのがあって。
ここでまず一つ違和感を感じる。
・情報が伝わるのが早すぎで、明らかな悪意を感じる
という点である。
ビハインドを感じる理由ってのがきっちり設定されたましたよ。
そこにあるのは”朝廷の勢力争い”である。
玄宗が美女を前に現実逃避してる現状の中、後継者は順当にいけば皇太子なのだが。
玄宗がめんどくさいこと言い出してて。
「血縁とかかんけーなくない?
能力のある奴がやればいいやん?」
とか言い出すから、邪な考えを持つ者が出てくるわけ。
現時点でいろいろ考えてるのは
イー:皇太子
アル:林九郎
サン:永王(代十六子)
・・・
とか説明しようかとも思ったけどやめた。
要は、ジャックはどっからどー見ても善人なんだが、いろんな思惑のせいで悪者にされる、っていう。
よくあるやきもき設定ってことである。
「24」でもなんだが、いろんな人間が邪なこと考えてるので。
いろんな方面に間者(スパイ)が潜んでるのである。
そりゃもう秒で伝わる秘密事項。
秘密でもなんでもなくなるこの状況。
で、誰がスパイなのか、ってのが肝なんだがこれがさっぱりわからない、って設定である。
ついでに悪いことは全部ジャックにかぶってもらおう、って流れになる設定でもある。
スルーしそうになるけど。
この葛の旦那タームでびっくり情報があるのでお伝えしときたい。
実は初見の時、事前情報で出演者リストで彭冠英(牧雲記@牧雲合戈)が居て。
てこはすんごく楽しみにしてたのである。
でも終わっても出てこない。
ぇ?ガセだったのか?
で、サーチして見たら
!!!!!
この葛の旦那タームに出演してた驚きよ。
なんと↓これなの!
ぇえ!!!???
たしかに。
たしかにそう。
でも気付かなかった、ごめん殿下。
やっぱりここでももっすごいゲスな男だったので、役柄は満足だけど。
ボコられすぎてて顔がわかんないし・・・
この後出番もないし・・・
例えば彼のファンダムは
「ぇ、これ?これだけ?」
って、もっすごく悲しかっただろうな、と思うのである。
テニスボールは皇太子を支援していて、皇太子には他にも後援会があるのだが。
徒党を組むあたりも聖人にとっては気に入らん、ってとこだろうか。
皇太子は
「長安の街を守れれば死刑囚だろうがなんだろうがなんだってやって?」
ってスタンス。
で、それに対抗してる勢力が林九郎である。
↑またこの人、尹鑄勝イン・ジューション。
拗らせる枠ならお任せください、って感じの叔。
(「風起隴西」でも@李厳を熱演)
こんなちんまく体育座りをしているが、非常に腹黒く冷酷無比である。
それなのに花が好きなようで。
屋敷の中はお花で一杯だ。
部屋にはお花たちのために常時、蒸気が立ち籠めているが人間のアンチエイジングにも役立っているようで。
なので林九郎のお肌はぴちっとしている。
この男、聖人のことは崇めたてているが本心かどうかはわからない。
とりま皇太子はなんとしても排除しなければ、ともう不穏なことを考え続けやり続けてる老害である。
おそらくモデルは李林甫で一応王族である。
20年近く宰相をやってて安禄山を唆して安史の乱を引き起こす裏ボスはこの人だから。
で、九郎んちには秒で靖安司の情報や、ジャックが今何してるかの情報が入ってくる。
どうやら靖安司には”三女”なる間者がいるようだ。(三女、氵と女、ですよみなさん?)
ぼよん先生の作品は、誰1人として無意味な登場人物は居ないので。
みなそれなりの役目を持ちそれなりの背景を持っているのだ。
だから見てるものはそれを前提に考えるので、結果全員怪しい、という結論に達する。
九郎は皇太子が手柄を取るのはなんとしてでも回避したいので靖安司に横槍を入れる。
「死刑囚使うとか頭おかしいん?」
テニスボールにしてみれば、
朝廷の権力争いも大事だろうが、長安の安全の方がもっと重要だろう?と。
清廉潔白な清流属性の天才青年テニスボールは
「全責任はわたしが」
と言うわけだが。
いくら天才でも、海千山千の九郎に勝てるとは思えない。
案の定苦労の連続のテニスボールなのである。
ジャックはそんな上の方の話は知る由もないので、ただただがむしゃらに捜査中。
上のパワーゲームが微妙なせいで、ジャックの立ち位置も常時変動。
ジャックを捕まえたい九郎、ジャックをサポートしたいテニスボール。
追われたり、追われなかったり。
でもジャックは、とりま逃げといた方が良さげ、って感じでいっつも逃げなから戦って、それで捜査も続けるってもはや天才の領域。
ジャックは細い手がかりを元に捜査していくのだが、行き着くとそこには必ず”第8団”の影がある。
そしてたどり着いたのは伏火雷という爆薬だ。
初見では気付かなかったが、おそらくジャックはこの伏火雷を見た時から影に潜む犯人が誰なのか知っていたはずなのだ。
”そんなはずはない”
”違っててくれ”
そんな想いで戦っているのかと、そう思うと胸熱で泣けてくる。
物語は第一の佳境へと突入する。
長安爆発、である。
テロリスト計画として、馬車3台分の伏火雷に引火する手筈という計画だが実はそれはダミーである。
本当の大爆発は別で準備中なのだが。
目眩し作戦を任されたのは@狼衛である。
敵を惹きつけて敵軍を爆発で一網打尽にする計画なのだ。
その計画にまんまと嵌ってしまう脳筋属性の崔器。
自責の念で押し潰されないか心配。
他の2台の馬車を追うジャック。
しかしその爆発はジャックのおかげで回避できた。
この件で身を張って長安を守ったことでわりとヒーロー扱いされるようになるジャック。
靖安司の人々も”疑ってごめん”みたいな空気が流れてきて安心したのも束の間。
事件解決だからまた牢屋に出戻り。
とかやってたら、伏火雷は馬車3台じゃなくて他に300樽あることが判明。
そして、ひょんな流れからテロリストの女を捕らえてしまい。
靖安司に女は拘束されていた。
・・・
そこへ@龍波Lóng bōなのでろんぼー(怒りのアフガン改怒りの長安)【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】降臨。
靖安司炎上である。
この物語は実に多くの登場人物がいる。
冒頭で英雄譚だと、長安を守るヒーローものだと書いたが。
実は違う。
それぞれが皆抱える心の中の光と闇。
誰しもが抱えている光と闇。
それにどう決着をつけるか、どう落とし前をつけるのか。
それぞれが皆己と対峙する様を描いた群像劇なのである。
主役はジャックではないのだ。
登場するすべての者が主役なのである。
そして、この靖安司炎上タームの主役は間違いなく@崔器であったことをここに明記しておこう。
(あまりに胸熱だったので↓でpickupする)
靖安司が炎上し、テニスボールは逃亡生活に突入。
ジャックはとうに逃亡現在進行中。
敵は伏火雷を使いどこぞを爆発させようとしているのは明らかだ。
目的と場所を見つけ出さなければならない。
午前2時にお祭りのメインイベントがありそれまでに見つけないとイベントが台無しになってしまうぞ、
って背景で〜25へと続く。
長安十二時辰てこ監修キャストpickup
にいちゃん・・・俺頑張ったけどダメだったんだ・・・な男子@崔器【蔡鷺ツァイ・ルー】
テニスボールからの指令で狼衛に接触するも敢えなく撃沈してしまった崔六郎の弟である。
必死に働き弟のために軍籍を買ってくれたにいちゃん。
にいちゃんのためにも、俺ビッグになりてぇんだ、な男子である。
頭脳の方はいささか残念な脳筋属性である。
ジャックのことをはなから信じておらず反抗的な態度だったのが。
行動を共にしてるうちに(自分を庇ってくれたりしたし)ジャックが筋の通った正義なんじゃね、実は、とか薄々感じてる男である。
正直に、誰に、ぃやにいちゃんに恥じない生き方をしたい。
俺はなる、正義の人に、とか思ってたのに。
近づく悪魔の囁き。
「出世できるよ〜?言う通りにしたら」
悩む崔。
せめぎ合う光と影。
・・・
一度は裏切った。
それが最善だと思った。
でも気持ちが良くないんだ、にいちゃん。
おれ偉くなれなくてもいいかな、にいちゃん。
最後は恥ずかしい気持ちは持ちたくないんだよ。
後悔しないでにいちゃんのとこに行きたいんだ・・・
〜からの↓である。
思い出しただけで泣ける。
崔器よ、お前は英雄だ
彼は舌足らずで滑舌が悪いのだが口唇口蓋裂という設定だ、実は。
この口唇口蓋裂とは、先天性異常であり、つまり生まれた時から彼と彼の家族は苦労してきたはずだ。
しかし、にいちゃんの弟を想う気持ちの大きさを考えると愛されてきたに違いない。
だからこそ、にいちゃんの苦労に報いたい気持ちが大きかったんだろうと。
そんな細かいことまで想像できちゃう仕様なのだ。
実に細かい。
中の人、蔡鷺さんは牧雲記では@赫蘭鐵轅である。
こちらも脳筋属性だったが、いつでも自信満々。
心も体も強い漢であり、魅力的な漢である。
大変だ。
4月初めに盲腸で手術入院してた模様。
でも5月初めには↓
走ってるみたいだから、元気そう。よかた。
良い人か悪い人か今んとこわかんない男子@姚汝能【蘆芳生ルー・ファンション】
「将軍在上」も「海上牧雲記」でも皇帝陛下だったのでもう呼び名はぴーしゃでいいですか。
今回の役は皇太子の側近でテニスボールの幼馴染。
おじいちゃんは英雄だったようだが、ぱぱの代で没落したようだ。
なんとか活躍して昇進し家名を上げたいとそう願ってる男である。
役者としてのキャリアを考えるとなんか裏がある役どころなのかとも思ってしまう疑心暗鬼な視聴者である。
クールでビジネスライクな感じを出してるので、冷酷か。
でも、テニスボールの従者の女奴婢に対する態度。
冷酷そうに見えて”好き”がだだ漏れてるんだが。
実は彼の血潮も正義に煮えたぎってるのだろうか。
とか思ってたら、@崔器に悪魔の囁きをしたのはぴーしゃである。
なんだよ、裏切り者か?
とまったく読めない腹の中。
ここにも己の中にある光と影に苦しみもがく男がひとり。
そんな彼の行く末が心配でならない。
1978年11月5日生まれの43歳、181㎝、65kg。
千葉大学→北京電影学院卒業。
そう彼は日本に11年在住して千葉大学を卒業している。
彼の微博を覗くと新作のスチールがあった。
これは「天启异闻录(天啓異聞録)」で@黄軒が主役のやつだと思う(たぶん)
もひとつ「广州十三行(広州十三行)」という主演もあるようだ。
これは@朱亜文が出てるやつじゃないかと思う(たぶん)
楽しみだ。
長安十二時辰〜24集まで てこが見た感想
まだ↑のろんぼー(龍波)怒りの長安こと、うちのじょー兄さん(周一囲)には言及していないが。
完結編ではねっちりと語るので待つが良い。
今の所、ろんぼーはめちゃ悪そうなカリスマリーダーみが満載で、孤高の男ぶりがステキである。
セリフもほぼない。
ろんぼー兄貴に惚れてるんだろうな、この女、な部下のことも容赦無く首を締め上げる。
触る者みな傷つける尖ったナイフな男なのだ、兄貴は。
ジャック演じる【雷佳音レイ・ジャーイン】
ろんぼー兄貴演じる【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】
このビッグな2人の役作り対決が本当に見応えがあるのである。
ジャックは原著を読んだ中華本土の感想では野獣のようなイメイジなのだそうだ。
しかしレイ先輩の演じるジャックは野獣ではない。
寡黙でいてそしてナイーヴだ。
全編を通してそのイメイジは一貫しており、役作りに余念がなかったという事であろう。
ろんぼー兄貴は、前半と終わってみてからのイメイジが激変するのだが。
オーラがすごい。
言葉は少ないが目で語る。
目は口ほどにものを言う、というのを実感するのである。
そのカリスマ性は全編を通して一貫しており、やはりじょー兄さんも役作りに余念がなかったと言う事だ。
つまり余念がない✖️余念がない=死角なし、って公式が成り立つのである。
物語は午前2時のメインイヴェント”超大型燈樓祭り”に向けて時は着々と過ぎていく。
最終目的は何なのか。
そしてそれはどこに仕掛けられているのか。
事件の黒幕は誰なのか。
って感じで進むのである。