中国・香港合作映画『少年の君』(原題・少年的你)映画レビュー:2人のささやかな願いとは・・・【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】【尹昉イン・ファン】【黃覺/黃覚/黄觉ホアン・ジュエ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2022年6月17日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国・香港合作映画『少年の君』(原題・少年的你)映画レビュー:ささやかな2人の願いとは・・・
を紹介するよ。
 
監督の曾国祥デレク・ツァンは1979年生まれの香港人で、香港の大物俳優曾志偉エリック・ツァンの息子だ。
俳優としてわりと多くの香港映画に出演している。
2015に監督として参加した映画「七月与安生」(七月と安生・ソウルメイト)は多くの映画賞を受賞した。
「少年の君」は「七月と安生」の制作スタッフが多数参加している。
@七月〜の安生を演じた周冬雨ジョウ・ドンユーが続投で本作のヒロインを務めている。
 
原作小説は玖月晞の《少年的妳,如此美麗》
 
2019年ベルリン国際映画祭でワールドプレミア公開される予定だった。
しかし「技術的な問題」とやらで突如上映がキャンセルされた。
で、6月を予定していた中国国内での上映も公開延期される事態に。
過激ないじめ描写などが検閲にひっかかったなどと言われていた。
そのような事情にも関わらず同年10月に公開されるや15億5600万元(約240億円)の大ヒットを記録した話題作。
 
作中では「安橋市」という架空の都市が舞台だが、そこは”鉄の街重慶”だ。
重慶は莫大な人口の内陸都市で、盆地と山岳地帯に跨る独特の地形を持つ坂の多い街だ。
ここを舞台に、中国の苛烈な大学受験、閉鎖的な校内でのいじめを扱った異色青春映画である。
 
ちなみにてこは(フライヤーを探して確認したら)2021夏にル・シネマ(渋谷)で見たようだ。
わりと早いうちから感極まり、ティッシュを使い果たした後の嗚咽号泣に見かねた近くに座ってたおっさんが(失礼・ぺこり)未開封のポケットティッシュを施してくれた。
この場を借りてお礼を言いたい。
ありがとうございました。
 
しかし、名前のカタカナ表記はやめた方がいいと思う。
漢字にしようよ?
 
そして今現在(2022/6)は、U-NEXTで見れる。
わうさん(WOWOW)のオンデマンドでも見れるようだ。
自室で籠って1人部屋で見るなら泣き放題だから思う存分泣くがいい。
 
注:てこレビューは大いなるネタバレを含んでいるので読む際は十分にお気をつけください。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

少年の君ってどんな映画なん?

前半は少年少女たちの過酷な青春が語られ、残り三分の一は唐突にミステリーとなる。
 
前半は大学受験間際の@陳念チェン・ニエン(周冬雨ジョウ・ドンユー)が延々と虐められる展開が続く。
まず驚くのが陳念が通う高校の様子だ。
ちなみに授業の様子はほとんど無く、ほぼ自習だ。
こんな机じゃ効率が悪そうだ。
この高校は浪人生もいるようで、要は切羽詰まった人間が多いせいか陰湿ないじめが横行しているという背景だ。
画面後ろでぼやけてるが、いじめてる女は@山河令だ。(中の人、周也)
 
この幸薄い寡黙な少女@陳念チェン・ニエン(周冬雨ジョウ・ドンユー)は友達もおらず、学校では喋ることも笑うこともほとんどない。
しかし芯は強く、そしてままに心配をかけない優しい子だ。
ぱぱはおらず、ままは詐欺まがいのものを売っていて、借金取りが家にくるのでどっか違うところに身を隠してる。
要は、受験間際のこの大事な時期にこの高校生は、1人で壮絶ないじめに耐え、借金取りから逃れるために薄暗い部屋で勉強し、1人で暮らしているのだ。
不幸加減がパネぇが、それでも救いは頭がいいと言う事だ。
北京大学にさえ入れたなら人生が変わる、と信じれるものがあるからまだ救いがある。
 
それでも耐えきれないほどのいじめと、時には身の危険を感じるほどの恐怖を味わう出来事もあり。
スラム街でたまたまアクシデントに巻き込まれた時に知り合った男にボディガードを頼むことにする。
 
と書くと、とても簡単な感じだが。
そうではない。
その男は@劉北山リュウ・ペイシャン(易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー)だ。
作中では@小北シャオペイと呼ばれている、そう通称だ。
小北はあだ名であり、名前ではない。
小北はチンピラで、下級階層で学歴もない。
彼もまたぱぱはおらず、他の男と暮らしてたままは、息子のせいで男が逃げたと虐待をしていた。
13の時にままはいなくなった。
以来ストリートチルドレンとして底辺の生活をしてきた。
こっちも不幸加減がパネぇが、こっちは陳念と違って(大学入学という夢もない)救いなど1ミリもない。
 
学歴もない、と軽蔑し下に見てはいるものの。
子供ながら孤独な一人暮らしを余儀なくされている二人は自然と接近する。
 
君が世界を守るなら、俺がお前を守る。(妳保護世界,我保護妳・・・)
 
小北はそう言い、付かず離れず、いつも後ろから守ってくれる。
最初は恐る恐る警戒していた陳念も、彼の心の中の暖かさに気付いてゆくのだ。
この二人乗りのシーンは何度もあるが、2人の距離がどんどん近づいていく。
最初は掴まりもしなかったのが、どんどん陳念が小北に依存してくのがわかる。
しかし、てこは、2人の距離が縮まれば縮まるほど切なくなるのだ。
なぜなら、彼らの未来に明るさがこれっぽちも想像できないからだ。
 
「痛い?なんて・・・
初めて聞かれたよ・・・」
と言う小北が哀れで切なくとんでもなく愛おしい。
 
「いつか、ふたりで並んで歩きたい・・・」
と言う陳念のささやかな願いが純粋で切なくとんでもなく愛おしい。
 
彼らのピュアな魂の交錯が激しく胸を打つ。
もういじめもなくなって、まともな仕事をして、大学も受かって。
2人で幸せに生きてほしい。
そう願うが、何一つ叶いそうにないこの辛すぎる現実。
それを当の本人たちがしっかり自覚しているのが、尚のこと辛い。
 
小北にはこれまで夢も救いもなかった。
小北が初めて持った夢、それは”陳念そのもの”である。
彼女が前を向いて進むことこそが彼の望むことであり。
彼女が進んでさえいれば、自分はその後ろを守ることができると言う夢。
なんて尊い2人なのだろう。
 
そしてとうとう事件は起きる。
いじめっこ@山河令の死体遺棄事件発生である。
この犯人は誰なのか、ってところは・・・
もうこれでもか、これでもか、と何度もてこを涙涙へと誘う展開でほんとうに辛い。
 
おそらくは真相に気付いてると思われるデカ(刑事)がふたり。
まずは@老楊【黃覚/黄觉ホアン・ジュエ】
@中午陽光ものに欠かせない大御所だ。
「山海情」や直近では「開端(开端)」で苦悩する犯人の夫でいぶし銀。
その前は「長相守(双花伝)」でもいぶし銀。
なので期待してたが、ほとんど出番もないので見せ場もない。
 
もう1人のデカの方が重要人物だった。
@鄭易【尹昉イン・ファン】である。
こいつがなかなかの渋とさで若い2人を追い詰めていくのだ。
「もう・・・やめてあげて」
とも思うけど、てこは大人だから。
このデカの言うことも痛いほどわかるわけ。
「君らには未来があるはずなんだ」(言ってないけど、こんな事は、念の為)
って気持ちは真理なんだ、ほんとはね。
 
追い詰められていく2人。
「俺を信じられるか?」
と小北。
「うん、先に行って待ってる」
と陳念。
 
クライマックスの肝は
・大学受験はどうなった?
・犯人は?
・2人の行く末
この3点である。

少年の君てこ監修”イケメン備忘録”

オレも一緒に・・・な男子@劉北山/小北【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】

@小北こと【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】通称チェンシーだ。
皆さんもチェンシーって呼んでいいですよ♡
 
皆さんは「長安十二時辰(長安二十四時)」は見ただろうか?
チェンシーは重要な役どころの@李必役をやっている。
驚くだろう?
全くの別人だ。
 
@長安〜と同じ頃、彼が齢17の時の作品だ。
驚くべき事実だ。
17歳にしてこれほどまでに別人になれるものだろうか。
 
例えばヒロイン役の周冬雨は撮影当時26歳ぐらいで、それはそれで妖怪じみた事なのだが。
どう見てもチェンシーのが年上に見えるであろう。(歳の差9歳だぜ?)
@長安〜の時は若き鬼才が海千山千の妖怪たちと同等にやり合いながらも苦悩しながらも戦い、そして頓挫し挫折を味わうエリート。
方やこちらでは底辺を彷徨うアウトローなチンピラである。
 
これが同じ人間が演じているとは到底思えないほどの技量を是非その目で確かめてほしい。
絶対に損はしないはずだ。
 
本作の@小北とは、ストリートチルドレンのチンピラでまともな職などつけるはずもなく。
いつも命をすり減らすような仕事しかない。
それでも生きている。
死ぬ理由もないから。
でも生きる理由もできたし。
死ぬ理由もできた。
 
それが本当に切なく辛く小北の想いが尊い。
おそらく監督が非常に重要視していたと思われる断髪式シーンは。
小北も無言で自分の頭を刈り上げる。
とんでもないイケメンムーブだ。
これで心が動かない人間はきっと鉄の心を持つ者だけだろう。
 
この作品を見終わったら、ほとんどの確率で
”これは恋?”
と自問自答してしまうほど小北という人間に魅力を感じるはずだ。
 
それはつまりチェンシーという一明星に魅力があると言うことなのだろうか。
いや、そんなはずはない。
だっててこの好みとは微妙に違うし。
きらきらさもさほどでもないし(失礼・ぺこり)
そこはかとなく漂うオーラなどもあるわけでなし(失礼・ぺこり)
・・・
それなのに気になる、それがチェンシー。
 
まだ結論には至ってないが。
気になるなら納得いくまで観てみよう、と思っているてこなのである。
 
張国栄レスリー・チャンがお隠れになった後、てこを癒してくれた男前は数多くいれど。
それでもてこが心から推せる俳優というのは、実はさほど多くない。
その1人になれるポテンシャルを持っているかもしれないと、密かに心躍らせている俳優の1人であることは間違い無いだろう。
しかも若い。
こんなに若いならてこが死ぬまで推せることが可能なのではないだろうか。
 
チェンシーのことを少し紹介しとこうか。
彼は中国最強のボーイズグループ「TFBOYS」の最年少メンバー。
2000年11月28日生まれの21歳だ。
ミレニアムベイビーだ。
「千璽/千玺」は二千年を祝する意味だからそんな意味だろう。
ちなみにあちらでは珍しい3文字名前で、姓は易、名前が烊千璽だ。
 
身長体重は秘密だ。(177〜8㎝くらいじゃないかと計算している、注・てこが物理的に算出)
結成したのが2013だ。
今からおよそ10年前だ。
明らかにボーイズアイドルの先駆けである。
なので当時大人気だった。
3人グループの中で一番ぱっとしない(失礼・ぺこり)し、若干色黒だしルックも甘くない。
ちなみに一番左がチェンシーだ。
 
で、ピン活動が許された時に方向性を考えたのであろう。
アイドルとしての寿命は微妙だし、ダンスや楽器も得意なチェンシーが進学先に決めたのは演技の学校である。2018に名門の中央戲劇学院を受験し、見事合格、それも主席合格だ。
嘘みたいなほんとの話だ。
現在も在学中である。
 
ドラマ
「熱血同行」では@阿易をやってた。(記事は気長に・・・)
「青雲志」では@小七だった気がするけど。(違うかもしれない)
映画
「冷血狂宴」「送妳一朵小紅花」「世間有她」「長津湖」「長津湖之水門橋」「奇跡·笨小孩」(待播含む)
 
ここに挙げた出演作品はほぼ主演もしくは主演的だ。
こんだけあるので、じっくりと検証していきたいと思っているところだ。

しつこいデカ(刑事)は実はダンサーな男子@鄭易【尹昉イン・ファン】

デカ(刑事)の【尹昉イン・ファン】以後呼び名はファンクでよろしく♡
 
当時はファンクはてこにはお初で、その後「和平の船」(殿下主演の)で見かけた。
捜狗百科によると、
ファングはちーこの時からバレエをやっていた。
でも師範大学に入りサラリーマンとなる。
やっぱダンスだろ、ってなり北京当代芭蕾舞園に就職する。
2012独立、主にダンスパフォーマンスを生業とする。
2014「藍色骨頭(蓝色骨头)」で銀幕デビュー。
 
以来、映画のみならずドラマにもコンスタントに出演している異色俳優である。
 
この作品でもわかるように独特の間合いがあり、しかもぷっくりした唇もcuteだ。
しかもダンサーであるからストイックな肉体をお持ちだ。
さて、このアーティストなファンクの本作の役どころは、若い2人を追い詰めるデカ(刑事)だ。
 
「子供の頃は寝るのが怖かった。
怖い夢を見るのが嫌だったから。
大人になったら寝てばかりいるんだ。
見たくないものが多すぎてさ・・・」
 
なんて憂いたことカッコつけて言ってるデカだ。
大人なてこなら
「ダメだぞ。
見たいものばかり見てたらダメだぞ」
って速攻注意するけど。
相手は高校生だから。
素直だからすっかり騙されて”この刑事さんなら助けてくれるかも”とか思っちゃうんだよね。
おかげで教師が辞めさせられたり大事になっちまって。
・・・
若い2人を驚くほどのしつこさで追い詰めるけど。
もうやめてあげて・・・って思うけど。
結果このデカのした事は正しい。
 
正しいけど最後に御大(黃覚)に
「成長したな」
って褒められるのはなんか違うと思う。
1986年8月27日生まれの35歳、179㎝、68kg。
北京師範大学卒業。
↑は2022/7/1に公開の最新映画「妳是我的春天」のようだ。
ヒロインは本作と同じ周冬雨だ。
 
待播でてこが楽しみにしている「天下長河」にも出演しているようなので楽しみに待つ。

少年の君てこが見た感想

この物語のプロローグは、大人になった陳念が語学教室で英語を教えているところから始まる。
なので、本編は回顧録と言う事だ。
これを見る限り、今は普通に暮らしていると言う事だ。
しかしその教えている英語が意味深で。
しかも思い出す表情が悲しすぎで。
あの人はもう居ないんじゃ・・・って思うわけである。
これが念頭にある場合。
 
・犯人は陳念じゃないのか
・しかし陳念だった場合、なら小北は罪を被るのか
 
などとぐるぐる考えながら視聴する事となるし。
2人の明るい未来など1ミリも想像することができない。
故に辛く切なく尊いと感じる訳だが。
 
そして最後の面会室での2人のはにかんだ泣き笑い。
「バレちゃったのか?」
「ん、バレちゃったの」
「そうか」
「うん」
ちなみにこんなセリフは一言も言ってないし、劇中の彼らは無言で泣き笑いをするだけだ。
しかし、そこには確かにソウルの交錯が存在した。
 
そしてデカのおかげで、少なくとも陳念は後悔し苦悩する事はないだろう。
しかし、それでも若い2人の今後を思うだけで胸が苦しくなり。
もうこの面会から移送までは嗚咽号泣タームなのである。
 
しかしエピローグで視聴者は救われることになる。
これは重大なネタバレなので読む方は気をつけてほしいのだが。
この映画はハピエンなのだ。
知らなかった。
知らずに見ると辛い映画だ。
しかし、基本は希望が満ちている映画だったのだ。
それがタイトルにつながるのかもしれない。
 
ただ一つてこが残念に思うのは。
ラストに中国におけるいじめや自殺の減少への取り組み的な説明が入ることだ。
これこそが公開するための苦肉の策だったのだろうが。
国家のいじめ防止対策のPR映画の様相で残念に思う。
 
社会問題へのメッセージ性を持ちながらもサスペンス風味をぶっ込み。
全体的によく構成された作品だった。
 
メッセージ性も高く話題作ではあったが。
ここまでヒットしたのは間違い無くアイドルと認識されているチェンシー(易烊千璽)の予想を良い意味で裏切る好演によるものであるのは間違い無いだろう。

華流映画

Posted by teco