中国ドラマ『長安二十四時』(原題・长安十二时辰/長安十二時辰)ドラマレビュー其の2:長安の一番長い1日〜ラストまで【雷佳音レイ・ジャーイン】【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は、中国ドラマ『長安二十四時』(原題・长安十二时辰/長安十二時辰)ドラマレビュー其の2:長安の一番長い1日〜ラストまで、
を紹介するよ。
〜24集までの其の1は↓なので読むが良い。
原著者のぼよん先生(馬伯庸マー・ボーヨン)は「風起洛陽」でも唐代のお話を書いている。
しかしその舞台となるのは長安ではなく洛陽だ。
では、(長安でないなら)あちらは全くのフィクションなのかと言われればそうではない。
あちらは、本作よりは少し前の時代で則天武后と思われる女性が聖人をやっておられる。
あちらもフィクションではあるが実在する事実が背景にあるというスタンスだ。
ここでてこの隋唐知識を少しお話ししよう。
ぇ?いらない?
まぁ、そう言わんと(させてください・懇願)
実は隋の時代は首都を2つ持っていたのだ。
長安と洛陽である。
長安は秦や漢の時代から首都であり続けている都市である。
もともと高地で農業の生産力が高かったからである。
後に耕作地の中心は低地に移り。長安周辺の生産性は相対的に低下するが、それでも首都のままである。
むしろ経済の中心では無くなった事で、政治・軍事に専念しやすくなったとも考えられる。
しかし、長安は山の中なので全土まで目が行き届かない。
そこで隋の文帝は都をもう一つ作ることにした。
それが洛陽である。
隋・唐は以降ずっと二つの都市を維持する。
西の都が長安、東の都が洛陽という形である。
文帝の息子が山暮らしを嫌ったと言うのも理由の一つだ。
ちなみに息子の煬帝は暗君とされているが、実はそうでもないよ、ってことをココで説明しているので興味のある方は読むがいい(中国史「悪名たかき隋の煬帝」はホントに暗君なん?時代劇から見る皇帝を考察してみよう)
実は隋が長安以外に都を持った理由はもう一つある。
これが歴史的には重要な事柄なのだが。
隋は長安では恨みを買っていたと言うことだ。
隋は北周王朝から政権を奪って誕生したわけだが。
その時に文帝は北周の皇族一族を根絶やしにしている。
当然ながら、北周の元政権構成員からは反感を買ったはずで。
そういう人が多く残る長安で円滑に政治を担うのは難しかったのである。
隋の混乱を解決する形で台頭したのが唐である。
その政権は、隋の失敗を反面教師として発足した。
隋が逃げ出した長安も、唐は逃げずに本拠に構えた。
その後。
則天武后はいろいろと訳ありで即位したのはみなさん承知だと思うので割愛するが。
690年に自ら皇帝として即位、聖神皇帝と称し国号を周(武周)に改め都を洛陽として”神都”と改称した。
なのであちらは長安じゃなくて洛陽だよ、
そして世界観も当然違うよ、
という何とも長い説明だった。(反省)
で、本題のドラマは第一関門を回避はしたが、靖安司も炎上。
テニスボールは逃亡を余儀なくされ。
しかし長安には300樽もの伏火雷(爆薬)が運び込まれていると言う。
一体どこで爆発は起きるのか。
目的は何なのか。
黒幕は誰なのか。
とたくさんの?を背負っての〜ラストまで、である。
注意:本レビューは大いなるネタバレを含むので読む際は十分お気をつけください。
さらに、てこは中文視聴であるからして間違いなんかもあるかもよ、そこんとこよろしく。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
長安十二時辰〜メイン爆発回避なるか?42集まで
どう考えても↑これしかないやんなぁ・・・
”太上玄元燈樓”である。
これが今夜のメインイヴェント。
超大型燈樓の手前には聖人がお控えになっているのだから。
もう目的は聖人を殺る目的ってわかんないもんかな。
まぁ、それは置いといて。
テニスボールは逃亡していなくなったので、即、九郎が靖安司を掌握すべく動き出す。
そこにちょろちょろと出入りするのがこのウザい2人だ。
このドラマは浮ついたところがひとつもなく、きらきらなラヴ要素などは1ミリも見つからないのだが。
なぜかこの2人だけはねっとりしたロマンスみが漂うのである。
この2人は実在してる人物で、作中で本人が夢を語った通りに史実として残っている。(ご夫婦で)
で、テニスボールの従者の女奴婢(@檀棋:中の人、熱依扎レイザ)を生き埋めにする時、彼女に
「ロクな死に方しないよ、あんた」
って言われてたけど。
ほんとにそうなるんだよね、史実では。
この後出世して権力を持ち専横を極め、とうとう大歷12年(777)に元載一族は捉えられ即日極刑となる運命である。
自宅ではふくよかな女性だけを雇ってる男でもある。
ジャックは手がかりを求め迷走中。
あるところでは、ジャックが全て仕組んだことにすれば簡単、ってことで。
相変わらず逃げまくりながら戦いながらの捜査中。
途中景教の自称ペルシア王子とバディを組み戦いながらの茨の道。
しかし何一つうまくいかない。
追いかければ追いかけるほどうまくいかない。
”第8団”の同士である丁老三を殺したと勘違いされ。
縁を切られたはずの不良人たちに助けられ。
でも助けてくれた不良人は全員軍に殺されてしまった。
もう手に負えない。
逃げるしかない。
テニスボールは迷走中。
大事にしていた靖安司は炎上し、仲間が大勢犠牲となる。
信じていた師匠がもしかしたら事件に関係しているのかもしれない。
自分が信念を持って支持してきた皇太子のなんとも不甲斐ないことよ。
もう手に負えない。
諦めたい。
女奴婢はごんずー(テニスボール)を探していた。
靖安司が炎上し、ごんずーが行方をくらました。
困ってるに違いない。
助けねば。
でもどうすれば?
どこにいるのかさえわかならい。
・・・
3人の心に諦めの気持ちが広がり、急激に疲労を感じたその時。
聞こえてきたモースル信号♪どぉどんがどんどんby太鼓
「退くな、前身あるのみ」
それは3人の耳に、目に、届いていた。
27集は神回である。
どこへ行ってもつきまとう”第8団”の影。
少しずつ当時の仲間の様子もわかってきた。
そうだよ、諸悪の根源はおそらく”烽燧堡の戦い”にあるはずなのだ。
どうやら誰かの手柄のために捨て駒にされて。
食料も武器もないあの地獄の籠城。
生き残った仲間の誰かが犯人だし、生き残りにろんぼー怒りの長安は間違いなくいるはずだ。
そして語られる辛い日々。
そこで自分を失い矢にいられてしまう青年がいた。
暗くて見えにくいが牧雲記のちーこ時代の@穆如寒江だ。
彼は生きて戻りお役人になっていた。
そんな彼から聞く後日譚。
辛すぎる現実である。
あの戦のせいで何人もの同士が死んだ。
もはや数さえ覚えていない。
国のために戦ったはずなのに、国のためではなかったのか。
何のための犠牲だったのだ・・・
ジャックは思っていたはずである。
「なぁ、お前もそう思って国に仕返ししてるのか?
そうなのか?
やめてくれ、
やめてくれよそんなこと。
長安は・・・
長安はみんなが帰りたがってた、あの時みんなで願ってた場所なんだぞ?
なぁ・・・蕭規よう・・・」
と。
2回以上見た者ならば気付くはずだが。
何度も言うが、おそらく伏火雷を長安で初めて見た時から、これは蕭規(ろんぼー)だ、ってわかってたはずなのである。
この時点では、まだ首謀者は明らかにされていないが。
ジャックはもうとっくに気付いてたはずなのである。
ろんぼー=蕭規、ということに。
まずあそこ(烽燧堡)にいた者しか、この爆薬のことは知らない。
そして、生き残れたのはあいつの作った爆弾のおかげだったんだから・・・ってのがあるんだから。
この作品の重要な萌えポイントはここにあるのである。
大好きだった義兄弟とも言える男を己の手で葬ることになるのではないか、という恐れ。
それでも自分は長安の民を第一に考えることができるのか、という疑問。
どうしてこうなってしまったのか、こうならない道があったはずなのに、というジレンマ。
もしも2人とも生き残れるなら・・・きっと・・・という希望。
己の心は決まっているが、いざとなった時にこの手を下せるのか、という不安。
この、心に抱えてるものに大いに萌えていただきたい。
涙腺が壊れてしまうこと必至である。
ところでみなさん、みなさんがわりとイラついてるこの娘である。
@聞染(中の人、王鶴潤ワン・ホールン)
”第8団”のリーダーの娘である。
第8団はリーダーの話す物語が大好きで。
リーダーの話で泣いて笑って慰め合い勇気ももらう、そんな偉大なリーダーの娘だ。
大事にしないわけがない。
この女がテロリストとも知り合いって言うんだから、もう間違いないわけ。
ジャックもそう思ってるわけ。
でも言わないんだよねジャック。
「甘やかし過ぎた」
ってジャックも言ってたけど。
ほんとそれ。
↑@魚腸(中の人、李媛リー・ユエン)も生きててほっとしたろうなぁ。
もし殺してたらとんでもない修羅場だったろうなぁ。
でも魚腸だけは、この娘が将来枷になるって予感してたけどね。
女の勘ってやつ。
第8団の皆が全員この娘の幸せを願っていたのになぁ・・・
ろんぼーはジャックに宣戦布告とも言える贈り物を用意した。
爆発物の残骸である。
でもこれって、ある意味ラヴレターなんだよね
”おれを捕まえて止めてくれ”なんじゃ・・・
っていちいち泣ける。
で、細工とか詳しい鍛冶屋がいるからそこ行ってみよう、ってことで行ったら。
”阿倍仲麻呂”なんて名前が出てきよった。
阿倍仲麻呂の従者だったらしい@晁分である。
孫悟空ばりのもみあげで、ちょい赤髪なのがなんとも萌える。
芸が細かい制作陣。
彼が靖安司のなかにある細密な長安のジオラマを作った設定だ。
そこへ、九郎軍がしゃしゃり出てくるのだが。
その時の戦いが美しい。
そして戦うジャックに
「この刀はお前には長すぎる」
と、かっきーんと刀をぶった斬るゆーみんぱいせんのいぶし銀のかっこよさったら。
堪らねぇっすよ、まじで。
一方テニスボールはと言うと。
迷走中にほんとに様子がおかしくなって。
役立たずなポンコツ気味になってくるのだ。
女奴婢を助けたことぐらいか、彼の功績は。
そもそも、のこのこと九郎んちに行くって選択が愚かだし。
大燈樓の入り口まで行って”そんなじゃ見つかるって”っとてこが懸念した通り秒でろんぼーに捕まってるし。
”天才”がまったく生かされてない展開である。
ろんぼーの行動も謎。
大燈樓さえ計画通りに爆発さえすれば、目的は達成できたはずなのだ。
それなのに彼は現場を後にし聖人と対峙する道を選ぶ。
・・・
2回以上見たものなら理解できるはずだ。
ろんぼーの真意を。
爆発させたくなかったのではないだろうか。
本当は。
否。
そうてこが思いたいだけかもしれない。
しかし。
しかし何度も何度も粘着に考えたがそうとしか思えないのである。
実際に、大燈樓は爆発はせず炎上したのみであった。
そうだよ、ジャックが頑張ったから。
でもそれを見たろんぼーはがっかりしたのだろうか?
否。
逆に嬉しかったのではないだろうか。
ほんとに泣けてくるのだが。
退くに退けないこの想い。
俺を止めれるのは兄貴、あんたしかいないんだ・・・
って辛さがわかるだろうか?
いや、わかってほしい、皆にも。
長安十二時辰〜ラストまで
クライマックス大燈樓爆発なるか〜ラストまでは。
言わばラフマニノフピアノ協奏曲第2番のラスト数分と同じである。
ドラマティックであり終わりそうで終わらない、
クライマックスが何度も続き。
これでもか、これでもか、と追い込んでいくあの感じ。
もうてこの心臓は持ちません。
大燈樓爆発は未遂に終わり、炎上しただけであった。
そこでランボーは聖人を人質に逃避行を始める。
ジャックはろんぼーの仲間だぞ、ってアピールのために、女奴婢を人質にして同行。
お分かりか。
逃避行メンバー
・ろんぼー
・聖人
・ジャック
・女奴婢
この4人である。
なんというケミ感。
完璧に舞台が整いつつある。
巷では事件の真相に迫る人間も出現している。
@程参だ。
この男は物語の初っ端から出番があり。
ずーっと牢屋に入れられてた男だ。(お腹を空かしていた)
馬を殺されて騒いでたら牢屋に入れられてしまったのである。
この男は(ずーっと牢屋にいるので)入れ替わり立ち替わり入ってくる牢屋に入れられた人間に助言し続けていた男である。
で、牢屋から出てどんすか謎を解いて行くのだが。
本来ならばその役割はテニスボールが担うはずだったのでは、と荒ぶりたい。
べつにテニスボールが推しではないのだが。
彼の扱いには非常にモヤるのだ。
なんで薬で眠らされにゃならんのよ?
いいじゃん、テニスボールで。
なんでやらせてあげなかったのだろう?
ここいら辺に見解があると言う方はぜひてこに教えて欲しい。
納得させてくれ。
(※師匠の思いやり、とかそーゆー当たり前の見解じゃないやつお願いします)
そして来る、あの男たちの決着の時が。
そう、このドラマの真のクライマックスは大燈樓爆発などではないのだ。
ジャックVSろんぼー対決、これが真のクライマックスなのである。
ただし、”戦い”ではない。
”喧嘩”だ。
実のところは兄弟喧嘩だ、間違いなく。
2人を見てる聖人の瞳もそれを物語っているのだ。(だから2回は見て、推奨)
何がしたいんだ
俺は長安に人殺しに来たんだよ(おまえを助けに来たんだよ)
殺せよ、俺を
・・・
殺せないーーーーーんですよっ。
わかってるくせに、ジャック。
わかるかな、この真意。
みんな、1回じゃわかんないから少なくとも2回は必ず見て欲しい。
全ての謎が解けた時。
誰の企みでその意味が何かをわかった時。
その時にろんぼーの真意が理解できる。
この男はジャックを死なせたくなかった、のである。
その信念のために計画に乗っただけであると言うことを。
皆に理解して欲しいのである。
表面的には英雄はジャックだけれども
その英雄を生かしたのはランボーなのである。
ろんぼーの深すぎる愛を皆にも理解して欲しい。
ろんぼー、最後の言葉。
「俺の目をお前に預けておく」
激流の涙だ。
この、預けた目で、お前の見る長安の平和を俺に見せてくれ、ってことですよ、みなさん。
思い出すだけで胸が苦し押し潰され涙が溢れ出てくるのである。
長安十二時辰 てこ監修”イケメン備忘録”
ジャック・バウワーな男子@張小敬【雷佳音レイ・ジャーイン】
出だしは良くない。
麻原彰晃かと見紛うむさ苦しすぎる死刑囚である。(左ジャック・右テニスボール)
こんな男を全編見続けられるか?なんて心配はナッシングだ。
てこが全身全霊をかけて保証しよう。
この男は紛れもない最上級の男である、と断言する。
言葉少ないが滲み出る優しさ、懐の深さ。
無骨だが滲み出る包容力、無償の愛。
しかし、一度戦えばその姿まさに虎の如し。
無双だ。
不器用な男かと思えば、気になる女がいれば躊躇なく口説き落とす。
テニスボールの従者の女奴婢に対し
「また俺のこと見てるだろ
見たいのか?
俺のこと」
なにそれ。
言われてみたい。
てこなら10000%秒で答える。
「はい、見たいです」
と。
まぁ、そんな話はどーでもいいが。
ジャックはなぜそんなに長安に拘るのか。
不自然なほどに長安にとどまろうとするジャックに違和感を感じるだろうか?
しかし、2巡した者なら理解できるはずだ。
ジャックの長安への想いを。
てこがレビュー其の1で、主役はジャックではなく全ての人だ、と書いたが。
それには”長安”という街も含まれる。
そう、”長安”という街自体が主役の一つであると言うことだ。
それほどまでにジャックの長安への想いは尊いのである。
中の人、レイ様(雷佳音レイ・ジャーイン)は30半ばでようやくブレイクしたわりと遅咲きの苦労人だが。
レイ様はいわゆるイケメンからは若干ズレている。
しかも若くない。
それは本人も自覚しているようだ。
だからこそ、これからの役者スタイルに大いに悩んでいたと言う。
そして、昨今の中華なドラマ内情を考えて欲しい。
皇帝、将軍、ラヴ史劇。
そんなドラマが大挙しているこの時勢に、ジャック(張小敬)のような役に巡り会えたのは、奇跡に近い配役ではないだろうかと思うのだ。
レイ様のルックではもちろんきらきらうふふな作風にはあきらか不向きであるし。
よしんば出たとしても、塩評判に違いない。
例えば、てこがこよなく推しているハオにいさん(秦昊)など「驪妃(錦繍南歌)」などというものに出演してしまい。
案の定”男①はおじさんだし”、と塩評判で、非常に遺憾である。
じゃぁ、どんなのがいいのよ(古装で)って考えると。
デューク東郷の古(いにしえ)版とか、子連れ狼の中華版とか、宮本武蔵の中華版とか。
・・・
じゃあ武侠系か、とも思うが意外と武侠は徒党を組むし武侠でも一匹狼スタイルがいいなぁ。
と考えれば考えるほどに、ほんとに本作のジャック役はマストだ。
紛れもないレイ様の代表作であるし、その後の活躍も目覚ましい。
特に映画のお仕事が激増しており実に嬉しい。
1983年8月29日生まれの38歳、184㎝、70kg。
上海戯劇学院卒業。
「修羅 黒衣の反逆(繍春刀II)」にも出てるんですよね、彼。
そして「九州縹緲録(九州缥缈录)」で彼の出演情報があったが出演は確認できなかった。
一気に売れっ子大物スタアか・・・
ドラマ
「精英律師」「在一起」「我們的新時代」「功勲」「人世間」「相逢時節」他多数
映画
「記憶砕片」「超時空同居」「吹哨人」「刺殺小説家」「懸崖之上」「古董局中局」
どーですか、本作後の作品をざっと並べてみた。
目覚ましいご活躍だ。
できる限り視聴しレビューしたい。
ろんぼー怒りの長安な男子@龍波【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】
俺がろんぼー(龍波)だ、文句あっか!って【周一圍/周一囲ジョウ・イーウェイ】ことじょー兄さんですよ♡
前半はカリスマオーラ全開(後半もカリスマだけど)で、
「皆殺しじゃーーーーー」
みたいなサイコさも醸し出し、
「命?なんだそれ。
価値あるのか?」(注・言ってないですよ、実際には。あくまでイメイジです)
みたいな冷酷さ。
自分に惚れてるだろう女にも容赦無く首を絞め
「愛?なんだそれ。
俺が欲しいのは絶対服従、だ。
役に立ちさえすれば捨てない」
みたいな徹底した感情無視の効率主義。
炎をバックに歩く様は堂に入りすぎてターミネーターみたいになってた。
かっこぇえ。
言葉は少ないし、声を荒げることも無い。
怒ってても言葉は穏やかだ。
それが逆に怖い。
後半は今までの冷酷効率主義のカリスマが、
実は愛情深く、正義であり、独自の信念を持つ者だと。
次第にろんぼーの為人が明らかになっていく。
後付けだったのだ、あくまで爆発も聖人暗殺も。
大事な者を助けたかった。
だからあの男の計画に乗ったのだ。
しかし、最終的にろんぼーは”第8団”の旗手に戻るのだ。
心の葛藤が終わった瞬間である。
この真理がわかるだろうか。
聖人がまだ”兵士”であることを信じ、そして願い、それがこの決断となるのである。
もう最初からヒールだった。
だから終わりは容易に想像できた。
しかしあまりにも悲しい。
この愚直で不器用なこんな熱い心を持つ者が。
こんな死を遂げなければならないことに、本当に心が痛むのである。
今後、ろんぼーは忘れられないヒールとして語り継がれることだろう。
中の人、ジョー兄さんは実は若く見えるがジャックより1つ年上だ。
キャリアなんかは兄さんの方が格段に長い古参株である。
兄さんが日本で知られるようになったのは日中合作の「蒼穹の昴(蒼穹之昴)」だろう。
素晴らしい辮髪ビューティーであった。
しかし、出演作品は実に多いのだが日本での知名度はそんなに高くない。
なぜならば日本に入ってこないからだ。
牧雲記は上陸済みであるが、思いの外人気度は低い。
最近(2021)に何がどうなったかは知らんが「上陽賦(上阳赋)」などというラヴ史劇に出演した。
なぜこんなものに・・・と絶望していた。
どうやら主演女優のつぃいー姐さん(章子怡)のご指名だったようだ。
ならば仕方あるまい、と思いてこも視聴しレビューもした。
ついでにBSでOAもされ、
「きゃー痺れるわ」
「色気がすごい」
とか騒がれてましたよ・・・
まぁ、確かにかっこぇえけども。
しかし、やはり兄さんの魅力は下品さの中の上品さ、という上品であり下品、という間(あわい)さなのである。
なので、牧雲記の@和葉は(レビューできてないが)当たり役だったのだ。
それをろんぼーは上書きしたと確信している。
兄さんの「少林問道(少林问道)」も好きすぎてレビュー出来ずにいるが見た方がいいだろう。
これは「私が選ぶ中国ドラマ9選」にも選出されている名作だ。
記事もいつか必ず書こうと思ってはいるのだ。
てこが(これまた)こよなく推している張震様が主演の映画「ブレイド・マスター(繍春刀)」にも出演している。
兄さんはすでに大スタアではあるが、本作の後も相変わらずご活躍中である。
↓に本作以降の作品をpickupしとこう。
1982年8月24日生まれの39歳、186㎝、65kg。
北京電影学院卒業。
ドラマ
「在一起」「煥臉」「風声」「大唐狄公案」「球状閃電」(待播含む)
映画
「解放·終局営救」「勇敢的妳」「掃黒行働」「痞子愛人」(待播含む)
エリートなのに・・・な男子@李必【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】
テニスボールこと李必の【易烊千璽/易烊千玺イー・ヤンチェンシー】である。
彼の役どころは実在の人物で唐朝の宰相の李泌(722-789)だと思われる。
北周由来の人物だ。
史実では、安史の乱の後、皇帝(肅宗)に懇願され隠居から戻ったが役職にはつかず、今で言うエグゼクテブフェローみたいなもんをやってた。(有識者ご意見番)
その後もいろいろあるものの、朝廷とは付かず離れずで。
最終的に唐朝4代に仕えたことになる。
本作でも史実通りに若いながらも頭脳明晰なエリート。
清廉潔白な正義感あふれる清流属性の青年だ。
齢23歳と格段に若い彼が(実年齢は撮影時驚きの17歳)ぱぱやおじいちゃま年代の海千山千の妖怪たちと渡り合う。
そして時には口先三寸で相手を騙し、長安の安寧を守るべく粉骨砕身・・・
するはずだった。
だったのだが。
結果的には、若いのには無理だった、って結論を導かれる結末だ。
彼にとっては”若気の至り”であり力及ばず妖怪には太刀打ちできず、って結果である。
なぜ彼に白羽の矢が立ったのか。
李必のモデルと思われる李泌は神童の誉たかき男だったようなので。
若い男を起用したい、と言うのは理解できる。
どうやら彼(易烊千璽)は”TFBOYS”とかゆうアイドルグループの一員らしい。
ならば視聴率稼ぎなのだろうか、などとも思ったが。
アイドルとは思えないほどきらきらは封印していたし。
結論として、アイドルとか視聴率とかではなく、素直に彼の演技力を評価しての起用だったのだと思う。
サーチしてみるとそれもそのはず。
2018年に名門である中央戲劇学院に主席合格を果たしている天才エリートであった。
このエリートは演技力は申し分ないのだろうが、やはり大先輩たちの演技に固唾を飲み。
おそらくはぴりぴり緊張しプレッシャーも相当であったろう。
それが役柄の李必と重なり、易烊千璽専用キャラクターとして確立出来たのでは、と想像する。
非常に良かったと思います、彼。
だからこそ、これと言った見せ場がなかった事が残念に思えるのである。
最後の謎解きは李必にやらせて欲しかったなぁ。
皇太子サイドは、結局本人も参謀も役に立たず。
師匠と宦官の妖怪コンビの思惑の方が何枚も上手だったのである。
中の人、易烊千璽の出演作品で特に印象深いのは「少年的妳(少年の君)」だ。
これまた思いが強すぎてレビュー出来ていない作品の一つなのだが。
涙腺が壊れてしまう作品だ。
これで彼の実力がよくわかると思うので見て欲しい。
U-NEXTとかWOWOW(オンデマンド)で見れる。(たぶん)
彼はアイドルユニットの一員ではあるが、ユニットはそのままでピン活動が許されるようになる。
本作も少年の君もきらきらな姿は一切封印している。
しかしアイドルなのだから、それ相応の格好をさせればそこにはきらきらルックな彼が存在するのである。
ほら、こんな現代装ならばふつーにイケメンルックだ。
さらには↓こんな長髪な江口洋介スタイルだってやっぱりかっこぇえよ。
2000年11月28日生まれの21歳、176㎝、体重未公表。
中央戲劇学院在学中。
ドラマ
「熱血同行」では@阿易をやってた。(記事は気長に・・・)
「青雲志」では@小七だった気がするけど。(違うかもしれない)
映画
「冷血狂宴」「送妳一朵小紅花」「世間有她」「長津湖」「長津湖之水門橋」「奇跡·笨小孩」(待播含む)
ぃやぁ、どーですか。
このご活躍ぶり。
↑に挙げた作品はほぼ主演ですね。
これからどう成長するのか見守っていきたい明星である。
長安十二時辰 てこが見た感想
24時間という題名だが、タイムリミットにハラハラするサスペンスではない。
其の1でも書いたように、この物語はあくまで一人一人の人間の、うちに秘めた光と闇に対峙する姿を描いた群像劇である。
主役は登場人物皆であり、そして”長安の街”そのものも主役の一つである。
この物語にセオリーの”ラスボス”は存在しない。
それでもラスボスは?と問われれば
名もない人々のいろいろな思いが少しずつ少しずつ積み重なった結果がラスボスだ、とそう答えるしかあるまい。
言い換えれば、誰も罪人はいないし、全てが罪人だ、とも言える。
とにかく気持ちのいいドラマではなく、心に重くのしかかる何かがある作品だ。
なので、きゅんを求めたりきらきらうふふを求めている方々は視聴が進まないだろう。
しかしそれでいいのだ。
求めるものを見ればいいのだ。
この作品が苦手でも、だから変人と言うわけでもない。
人それぞれだ。
しかし、このレビューをここまで読んでくれた方はおそらくご同輩だ。
ナカーマだ、きっと。
なので是非お願いしたいのは、”少なくとも2回は観て”という事である。(お願いします)
綺麗に終わってる気もするが、疑問もそれなりに残している。
その重要な謎はなんと言っても紙工場から発見された謎のコインだろう。
このコインは@姚汝能に渡されたものと一緒だ。
この謎はおそらく第2季に持ち越しだ。
ジャック、また熱い戦いを見せてくれ。
そしてテニスボールの華麗なリベンジを見たいもんだ。
ろんぼーは・・・もう・・・居ない・・・(実は生きてたっ、とかないよね?ないなーーーーー)
「安史の乱」から唐は解体へ
しつこくも、また歴史のお話を補足せていただきたく。(懇願)
作中でも1回くらい名前が出た安禄山だが。
このすぐ後に安史の乱が勃発する。
安禄山は其の1でくどいほど説明したソグド人である。
要するに胡人と漢人の争いであり、結局のところ、唐は多元的な政治状況をうまく捌けなかったことを意味する。
隋と唐の最終的な挫折を象徴する事件だったと言える。
固有の唐の北部には「安禄山支配域」(↓の赤○部)がある。
わかりずらいが、北京・開封・洛陽が含まれている地域だ。
ここには以後もトルコ系の軍閥が居座ることになる。
さらにその外側には、突厥の後に台頭した強力なトルコ系遊牧国家ウイグルが迫り、
唐はほとんどその属国のような立場に追いやられる。
西側では吐蕃(チベット)も勢力を拡大しつつある。
唐自体はまだ100年以上存続するが、多元化の加速は避けられない状況である。
安史の乱以降、治安意地の名目で各地にほぼ独立した軍閥が登場し。
このうち北部の中原・黄河流域は、唐を滅ぼした後梁をはじめとする五つの王朝が受け継ぐのだが。
内情は断絶王朝などもあるのでほんとに5つあったかは確実ではない。
南方では十の小国が濫立し。
”五代十国”時代という乱世が始まるのである。