中国ドラマ『烈火士官学校 ~ステキ男子とイケメン女子』(原題・烈火軍校/烈火军校)ドラマレビュー:うるるん男装士官学校滞在記☆【許凱/许凯シュー・カイ】【李程彬リー・チャンビン】【尹正イン・ジェン】【劉潤南/刘润南リュウ・ルンナン】【蒙恩モン・エン】【邵兵シャオ・ビン】【林佑威リン・ヨウウェイ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
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今日は、中国ドラマ『烈火士官学校 ~ステキ男子とイケメン女子』(原題・烈火军校)ドラマレビュー:うるるん男装士官学校滞在記☆
を紹介するよ。
于正プロデュース
演出・恵楷棟
脚本・潇湘冬児
全48集
主演・白鹿、許凱、李程彬、尹正、吴佳怡、王一哲、高雨児、ZERO-G蒙恩
なんと、日本上陸は100パーないだろうと思っていたのに。
ららさん(LaLaTV)で8月OAらしい。
”中国イケメン特集”らしい。
・・・
まぁ、イケメンだけれども。
ついでにイケ叔もいるけども。
いくらイケメンが好物とは言っても、反日見て”きゃーきゃー”言うのはなぁ・・・
と思っているあなたに捧げるレビューだ。
反日ドラマの定義としては、
主に日中戦争時代の日本軍をヒール、中国の八路軍(共産党軍)を善玉とした中国ドラマ、であろう。
で、本作は1911年なので若干ずれてる。
ずれたとしても母国が日本に侵略される脅威に立ち向かうわけだからつまるところ日本軍はヒールだ。
歴史がそうなのだから仕方のないことだ。
例えば日本も世界大戦中は外来語の使用を禁止したり”アメ○”などと呼ばっていた歴史があるのと一緒だ。
要は敵国なのだ、あちらにとって日本とは。
中国共産党は、思想統制の一環として史実に反する反日ドラマや映画を製作してきたわけだが。
エンタメ界は、需要に対しアクションやラヴを大いに取り入れた反日ドラマを制作してきた。
結果、荒唐無稽で現実離れしており、そういった突っ込みどころの満載な抗日ドラマが”抗日神劇”と呼ばれるようになった、という背景がある。
そして、抗日ドラマは、中国最大の偽物製造産業だ、と言うような批判も出るようになる。
そんな世論を受け当局も
「反日ドラマは制作禁止ね」
というお触れを出した。
制作者もそれを踏まえての作品作りであるし。
”抗日ドラマが愛国コメディである”との観点に同意し、敢えてコメディにしている風にも感じられる本作である。
例えば、于正というPは衣装や舞台セットは時代検証を念入りにして臨むPなのだが。
それにしては、作中で出てくる日本人の衣装の様子がおかしすぎる。
日本人は普段着に袴は履かないし、着物に肩パットも入れない。
わざわざ中国で、お揃いの侍ルックで悪さをするわけがないであろう。
そんなことは百も承知で、敢えてギャグにするためにあんなコスチュームにしてるのだと思える。
「鬓辺不是海棠紅」視聴時は、”日本人の描写に悪意を感じる”などとレビューしていたのだが。
今思えば、あれも敢えての”ギャグ仕様”だったのかもしれない。
同様に、当の士官学校の生徒達の制服も様子がおかしい。
かっこよすぎなのだ。
当時軍服や制服がこんなかっこぇえわけがない。
とてもスタイリッシュだ。
しかし、反面クラシックカーなどの再現は相当の拘りを感じたりする。
ちなみにどーでもいい話をぶっこむが。
ずっと洋服の肩についてるのなんだか分かんなかったてこだが。
このドラマで判明した。
↑時にはベルトを装着。
↑時には帽子も装着。
なるほど〜
話が逸れたが、
何が言いたいのかと言うと、このドラマは反日ドラマではあるが”愛国コメディ”であると言うことだ。
この時代に日本軍が恨まれるのは仕方のないことだし、
制作者に悪意がないなら、こちら(見る側)も悪意は持たずに視聴したい、という事だ。
で、于正P作品なので例の如く出演者は顔見知りが大挙だし。
許凱はもちろんだが、なんてたって尹正も居るのだ。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
烈火士官学校ってどんなドラマなん?
烈火士官学校に入学するはずだった兄ちゃんが事故で亡くなり、代わりに男装入学する女@謝襄(白鹿)。
1911辛亥革命以来、袁世凱が力を増す一方で治安の悪化と他国からの外圧が増した。
奉安省は官民の共同出資で、日本軍によって閉鎖されている烈火士官学校の再開を決めた。
日本は対華21ヶ条を締結させ、より日本の権益を要求したいと動いてるという背景の中で、
・仲間たちとの友情
・クラスメイトとの恋
・愛国心
を描いたドラマである。
長身イケメンに挟まれてるのが@謝襄(白鹿)だ。
・・・
イケメン女子ではあるが、男には見えない。
もういいけど。
そこに文句言ってたら始まらんから。
で、男①が@顧燕帧(許凱)なのだが。
遊び人の坊で、あまりにも言うこと聞かないんでぱぱがコネで士官学校に強制入学させたという初期設定だ。
ポテンシャルはあるのだが、寝坊とか飲酒とか素行が悪いオレ様だ。
こんな出来損ないの坊が、愛する人と母国を守るために成長してく。
最初こそ、女でありながら過酷な訓練に耐える頑張る姿の描写はあるが。
それは段々と少なくなっていく。
その分、ラヴの行く末を丹念に描いているのかといえば、それも違う。
たくさんの登場人物がいるのもその理由の一つだが。
一番は時代背景の説明に時間を食っている印象だ。
わかりやすく説明すると
・侵略者日本は一番わかりやすいヒール
・それに対抗する中華民国政府&愛国者達
・日本に乗っかって甘い汁を吸おうとしている奸臣。
・状況を見極めながらの実業家
・王権復活希望者
・革命軍
こういった込み入った背景の中、時には士官学校が警備を任されたり。
時には捕虜開放任務が課せられたり。
士官学校に罪を着せようと画策されたり。
と、実に都合のいい感じで物語は進み。
途中、バイブレーターたちのラヴなどもぶっ込みながら進むが。
実のところ、あまり興味深い話はない。
舞台がほとんど士官学校なら、
”身バレしちゃう”
”オレはなんでこいつが気になるんだ?(男なのに)”
なんかでハラハラ・ドキドキ、でふつーに楽しめたかもしれないが。
そこいらの描写はごく僅かだ。
士官学校以外のエピソードがたくさんある。
なので思いの外”きゃ〜きゃ〜”したり”きゅん”となったりは少ないのだ。
しかも肝心のヒロインである@謝襄(白鹿)のガードがことの他固い。
どっちつかずだし、@顧燕帧(許凱)を好きだと言う自覚もない。
ちなみに全48集中、許凱がようやく告ったのは31集だ。
ちなみにキスシーンも1度もない。
ハグが1回(マジ告りの時)だけだ。
それでも@謝襄は態度を軟化させることはない。
ずーっと”ツン”だ。
強気だ。
そんな彼女に”ワン”といって尻尾を振ってる@許凱は可愛さ1000%ではあるが。
皆が見たかったCP像とは格段に違ったであろう。
それと、最後まで@謝襄が烈火士官学校に拘る理由が今ひとつであった。
死の真相を探るとか、大きな野望や目標がある訳ではないのが納得いかない。
兄の遺志を継いで、という名目だが。
その割には、時には女に戻ってデエトしたり。
一貫性のない思考はモヤりますね?
これといった面白いエピソードがないのでスキップしたいのだが。
いつ尹正が出てくるかわからんからきっちり見た。
尹正がお隠れになってからは心置きなくスキップできると思っていた。
しかし、そこいら辺からは急にシリアス街道へ突入なので。
皮肉なことに今度はスキップできない、というジレンマである。
最悪のタイミングで身バレし、罪を着せられ処刑を待つ身になるヒロイン。
死んだと思われていたヒロインは不死鳥の如く舞い戻り仲間を救う。
そして、嵌められた烈火士官学校が一矢報いるために、秘密作戦が決行される。
その作戦の結果は如何に、
というのがクライマックスの肝だ。
烈火士官学校てこ監修pickupキャスト
しっぽフリフリかわいい男子@顧燕帧【許凱/许凯シュー・カイ】
いつでも完璧ルックの許凱だ。
今回の造形ももちろん神級にステキだ。
しかし中身の設定はいささか残念な男子なのだ。
甘やかされてる高級官僚の一人息子で、金持ちの坊そのものだ。
士官学校入学後も、毎夜抜け出して飲酒しているし、寝坊してプールの罰も受けている。
ヒロインとは同室なのだが、わりと早いうちに
「こいつ、女だ」
ってわかってからの”好き好き攻撃”が可愛すぎる。
相手は身バレしてると思ってないので、そのセオリーのすれ違いはふつーに面白い。
于正Pの粋な脚色で、助けたかったのに助けたのは別の男、でジレンマもぶっ込み。
またある時は、助けたかったのに自力で逃げてきたヒロイン、〜からの気を失う男、という斬新さもぶっ込んでくる。
ふつー、気を失うのは決まってヒロインだ。
しかし気を失うのは可愛い許凱だ。(ありがとうございます)
こーゆー、セオリーから若干外れてる脚色は于正ならではで面白い。
こんなきれーな生き物が本当に実在するのだろうか?とマジで思ってしまうほど美しい許凱。
彼を見るだけが目的、という方の気持ちもわかる美しさであった。
完璧な男前な男子@沈君山【李程彬リー・チャンビン】
男②の【李程彬リー・チャンビン】だ。
てこブログではお初明星である。
彼は「大唐女法医」の男①の@蕭頌だ。(記事は気長に・・・ぺこり)
1987年11月22日生まれの34歳と意外にもアラサー男子だが、学生役になんの抵抗もないイケメンだ。
身長も184㎝で、許凱と並んでも遜色はない。
今回の役どころは実業家沈ファミリーの次男で、文武両道なハイスペック男子である。
ヒロインがピンチの時にヒーローよろしく参上するのが彼だ。
最初はその気はなかったが、@顧燕帧(許凱)に変な事言われてから妙に意識するようになり。
「オレってばもしかして好きなのか?そんなはずない・・・」
と悩み。
その後
「やっぱなー、女だった!」
うきうきってなる。
しかし、諸々の事情で(家がどうとか、日本がどうとか)告ることも、振られることも叶わず。
彼の気持ちだけが宙に浮いてるかわいそうな男子でもある。
でもだいじょぶだ。
彼なら(こんなかっこぇえのだから)必ず彼女はできる。
もう男装するような突き抜けた女は忘れた方が身の為だ。
世が世なら・・・な男子@承瑞貝勒【尹正イン・ジェン】
【尹正イン・ジェン】だ、拍手で迎えよう(パチパチ)
彼の初登場は第8集だ。
オルガンを優雅に弾いている。
彼は名前から察するに、世が世なら八旗の1人に成り得る男である。
彼は宦官が持ち去り売り捌いたと言われる清王朝の玉璽を探している。
王朝復活希望者だ。
そんな希望に縋られては困ると言う民国政府や日本軍もこの玉璽は手に入れたいと思っている、という背景だ。
日本商会会長織田さんの養女の@顕栄は彼の異母兄妹でもある。
ミステリアスに登場した割には、出番も少ないし。
これと言った見せ場もない。
その上死亡退場という悲しい仕様だ。
てこは、貝勒がなんかしてくれるんじゃないかと、
ギャフンと言わしてくれるんじゃないかと、
それはそれは楽しみにしてたのだが・・・
無念だ。
↑はままのお葬式の時に、復讐するぞ!って思ってる恨みのこもる姿だ。
尹正の眼力は相変わらず魅力的だった。
スネ夫な男子@李文忠【劉潤南/刘润南リュウ・ルンナン】
【劉潤南/刘润南リュウ・ルンナン】だ。
てこブログではすでにランクイン済みの男子である。
「斗羅大陸」の@ソーセージ&ブラックキゥイの男子だ。
再会を喜びたい。
本作の役どころは、士官学校の同級生だ。
最初っから、田舎者をバカにする”スネ夫枠”である。
親の七光りで狡く、@謝襄のことを暴こうと必死な嫌われ者だ。
しかしそんな彼も、根っからの悪人ではなく。
最後は愛国心を持ち、烈火士官学校生徒として恥ずかしくない生き方をしたい、と成長も見せてくれる。
悲しき脚色もあり、同級生の中では一番旨みのある配役だったと思う。
そんな役ができて満足だ。
今回はセリフも出番もたくさんだったよ!な男子@朱彦霖【蒙恩モン・エン】
【ZERO-G蒙恩モン・エン】だ。
彼もてこブログでは既にランクイン済みのNewカマーである。
「国子監来了箇女弟子」の卓文遠のお付きの従者の@景木だ。
そん時は、総合出演時間10分未満。
セリフは
「ざい」(在)
「みんばい」(明白)
くらいだった。
しかし今回はそれに比べたら格段に出番は多い。
セリフもたくさんだし。
最後はもっすごいいい仕事もしているし。
ラストも”生きてた!よかった!”ってなる。
待播を楽しみにしているNewカマーだ。
メソメソな教官な男子@郭書亭【邵兵シャオ・ビン】
【邵兵シャオ・ビン】
いつも酔ってて無精髭のムサさがステキな叔である。
好きな女が死んだことから未だに立ち直れない、愚かな大人である。
しかし、彼も胸熱な生徒たちと一緒に成長してゆく。
終盤は無精髭も綺麗に剃り、華麗なイケ叔に変身した。
1968年2月15日生まれの驚きのアラフィフである。
ステキだ♡
179㎝、79kgの見事な体躯をお持ちだが、お若い頃は
↓こんな魅力的な肌肉も披露している。
ステキだ♡
愛∞な男子@吕中忻【林佑威リン・ヨウウェイ】
【林佑威リン・ヨウウェイ】だ。
「愛∞無限」のドクター役だった彼だ。
「狼殿下」のお兄ちゃん@楚有圭でもある。
ゲスな兄ちゃんだったがイカすコスチュームを着こなしていた。
今回は教官(チーフポジション)で、おっかなくて厳しい大先輩風だ。
最後は拷問〜からの、それでも母国は裏切らない、という愛国心を見せてくれた。
この教官バディは、いろいろと背景が絡み合ってて。
↑の邵兵さんが好きだった女性と結婚予定だったが、訳あって婚儀の日にお相手の女性はお亡くなりに。
その女性を忘れられずに邵兵さんは今でも飲んだくれてるのだが。
こちらはスッキリと割り切った感じでできる上司ぶりだ。
三角関係だったのだろうに・・・とか、いろいろ勘繰る視聴者である。
映画・ドラマ共に出演作はコンスタントにあるようだが。
やはり主役とまではいかない様子。
これからも陰ながら応援するのでいい味出して欲しい。
烈火士官学校てこが見た感想
ヒロインの@謝襄(白鹿)は置いといたとして。
男①の@顧燕帧(許凱)の成長ぶりは目覚ましい。
それは、彼だけでなく他の生徒もだ。
生徒だけじゃなくて教官もだ。
人間だけじゃなく、学校そのものの存在意義も変化する。
なのでこのドラマは”烈火士官学校成長記”と言っていいだろう。
なぜこの時代背景にしたのか。
男装というジャンルも目新しくはなく、現に既に@花盛り〜の古装版も一つと言わずある。
なので時代背景に少しパンチを効かせたのかとも思う。
于正のままが”抗日神劇”のファンだというのもあるのかもしれない。
”愛国コメディ”である、と書いたが、それでも
「んー、これは・・・」
というようなシーンもない訳ではない。
できればOAの際はカットを望むが、結果は蓋を開けてみなければわからない。
正直不安だ。
しかしながら、反日ドラマに出演したからと言って反日俳優とレッテルを貼るような単純な方は居ないだろうが。
あちらの国ではその方が生きやすいのは確かだ。
逆だと大変なことになるであろうから。
しかし、それでがっかりするのは間違いである。
あちらで芸能活動をするには、こちらでは考えられないような苦労があるのだ。
不自由を強いられる表現の場で、表現を生業にする者達の苦労はいかほどかと。
想像を絶する物ではないだろうか。
我々の国は遠く離れ平和だ。
この平和に甘んじているものは軽々しく発言してはならない領域があるのではないかと思う。