韓国ドラマ『マウス~ある殺人者の系譜』(原題・마우스)ドラマレビュー:プレデターを追え!【イ・スンギ】【イ・ヒジュン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は、韓国ドラマ『マウス~ある殺人者の系譜』(原題・마우스)ドラマレビュー:プレデターを追え!
を紹介するよ。
【基本情報】
監督(演出):チェ・ジュンベ「ここに来て抱きしめて」
脚本:チェ・ラン「ブラック~恋する死神~」「神様がくれた14日間」
キャスト:イ・スンギ、イ・ヒジュン、パク・ジュヒョン、キョン・スジン、アン・ジェウク、ピオ(Block B)
放送:2021/3/3〜tvN
全20話
近頃、中文翻訳に疲れ日本語字幕で楽しめる韓流に甘えているてこである。
脳みそを休めたい、そんな時ってあるよね。
「ボイス4」ギョムことソン・スンホン
↓
「チリサン」ジフンおっぱことチュ・ジフン
一昔前にてこを大いに癒してくれた男前たちを、再び観たい欲求。
〜からのイ・スンギの登場だ。
過去レビュー「ファユギ」は、なんとてこブログ第1発目の記事だ。
”ブログ書こっかな・・・”のきっかけとなった男子と言っても過言ではない男子という事だ。
今読み返すまでもなくわりと酷いレビューだろうが、今回でスンギのイメイジをアップデイトできるように、今回も全力で褒めちぎる所存だ。
そして、ドラマだが。
もっすごく面白かったっす。(語彙力)
ボイス、チリサンもサスペンスだったが、本作は引けをとらない、ぃや上回る面白さだったと思う。
てこブログは、いうまでもななく今までもネタバレ満載ではあるものの。
ここぞというところはネタばらししないように心掛けてきた。
しかし、本作はネタばらしなしではほぼ何も書けない性質のドラマだ。
今現在、どこぞでOAされていて楽しんでいる方は、本レビューは視聴後に読むことをおススメしたい。
閲覧される方も、十分にお気をつけて読んでいただきたい。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
※画像引用は全てドラマ『マウス』韓国公式サイトからです。
マウスってどんなドラマなん?
サイコパスの中でも僅か1%しか存在しないと言われる最上位層、それが”プレデター”だ。
そのプレデターを追い詰めやっつけるお話だ。
サイコパスとは作られるものではなくて、生まれる(natural born)ものである。
環境とか外的要因ではなく、生まれつき持っている先天性の脳疾患である。
mirror neuronのない脳、いわゆるサイコパス脳を持つものがサイコパスになり、その確率(サイコパスになる)は99%だという。
残り1%は”天才”だ。
mirror neuronとやらが無いと、他人の苦痛なども感じ取れないし、
罪悪感や後悔、同情心などもないので、罪に問われたとしても改心したり贖罪への期待はできないらしい。
こんなのが世に出たら大変なので、胎児のうちに遺伝子検査をし
”サイコパス遺伝子を持った者は強制的に中絶ね、法律”を作ろうよ、
「はーぃ、賛成」
「ぃや、反対」
で、結局のところ否決された。
この時、サイコパス遺伝子を持つ胎児を腹に宿す妊婦が二人居た・・・
一人は、サイコパス”ヘッドハンター”のちーこ。
もう一人は、遺伝子研究所に勤めるぱぱと看護婦のままのちーこ。
ってのが初期設定だ。
物語前半は、
・ヘッドハンターにぱぱままを殺され、兄も障害者にされてしまった生き残りの弟@コ・ムチ刑事。
いずれ自分も刑務所に入って、ぱぱままを殺害した”ヘッドハンター”に復讐しようと思っている。
・伝説の恐怖サイコパス”ヘッドハンター”の嫁がままだというお医者さん@ソン・ヨハン。
几帳面で冷酷coolムーブで、いかにも感を醸し出してる男子だ。
・両親は他界、叔母夫婦に引き取られ育てられた、心やさしきひよこおまわり(新人警官)@チョン・バルム。
猫の死体を見ただけで吐いたり、怪我した鳥をほっとけない清流属性の模範男子。
この三人が軸となって進む。
サイコパスによると思われる連続殺人事件が発生していて、状況からして犯人はおそらくヘッドハンターの息子のDr.ヨハンだろうと。
ヨハンVSみんな、みたいな感じで一丸となって頑張ってるのだが、そこに漂うのは違和感だ。
・ムチデカ(刑事)があまりにも脳筋で、酒臭が漂ってきそうなほど飲んだくれたり、やさぐれたり、怒鳴ったりしててぃや。
・Dr.ヨハンの黄昏方に違和感
・何より、主役のはずのバルムの出番が少なすぎ、ってか存在感空気
以上のことから全体的に違和感を感じるのだ。
何がどうとははっきり言えないが”なんかおかしい・・・”ってやつである。
Dr.ヨハンはヘッドハンターの子なのでサイコパス認定だ。
しかし、サイコパスとは他人に興味がないはずでは?
木漏れ日で哀愁を感じるなど、サイコパスにはあるまじき感情では?という違和感。
もう一人のサイコパス遺伝ちーこは、おそらくバルムだ。
バルムのままは
「この子は絶対心優しい子になるはず。
遺伝子検査は絶対じゃ無い、って私が証明するわ」
とか妊娠中に言ってたので。
残り1%の天才だったのかな、
でもそれにしちゃ天才感がないなぁ、という違和感。
はれもに(お婆さん)事件のとき、バルムも犯人も同じような格好だし、
肝心の顔がよく見えない設定なのが、後のなんらかの布石では、とか。
女子高生@オ・ボンイが襲われた時に負わせた腕の傷を確認しない違和感とか。
この女子高生もわりとうざい。
可哀想ではあるが、”バルムオッパ”連発するのがウザい。
ていうか、子供はお酒を買えなくしたら良いよね、韓国も。
PD@チェ・ホンジュもなにかとウザい。
何がうざいって、何か知ってそうなのに、肝心な事を言わないのでイラついた。
お前だろ?
おんに(おねいさん)殺されたの、おまいの茶番のせいやろ?なぁ?
それなのに、最後には泣かせてくる。
自分だけ生き残って合わす顔なかった?
何それ。
犯罪者の子には絶対させない?
何それ。
実に気に入らない。
ウザさしかない女子だ。
このPDは、Dr.ヨハンと付き合ってて、そのちーこを腹に宿している。
引き継がれる血統。
ここにまた新たな悲劇が起こるのか、とかそんななの?って違和感。
尺の配分もおかしい。
半分くらい(10話)くらいまでに犯人はほぼ特定されるが、どれひとつ事件を解決できていない。
誘拐されてた子は結局放置か?
なんの裏付けもなく被疑者死亡でかたがつくのもおかしい。
今後どうするの、って心配は無用だ、諸君。
待ちに待っていた逆転劇が、後半始まることとなる。
バルムは、Dr.ヨハンに頭をかち割れて息も絶え絶え。
最後の一振り、のすんでのところで、Dr.ヨハンはムチデカに撃たれ昏倒。
犯人と戦ったヒーローバルムを死なせるわけにはいかん、ということで秘密裏に行ったのが”脳移植”だ。
Dr.ヨハンの脳を、バルムに移植したらしい。
ちなみに世界初だって、だよね。
猫の死体で吐くような清流属性バルムの頭に、サイコパスDr.ヨハンの脳を移植する。
バルムはこれで眠ってたサイコパス遺伝子が活性化するのか、とかそんな期待。
長い眠りから覚めたバルムは、いの一番に飼ってた小鳥を捻り潰して捨てた。
「ようやく静かになった・・・」
どうやらサイコパスバルム降臨のようだ。
ぃやぁ、この時をてこはずっーーーーと待っていた。
待ち焦がれたサイコパススンギだ。
見目麗しい男前が、優しく健気な男子を演じるのを見るのはもちろん眼福だ。
ヒーローよろしく颯爽とヒロインを助けにくる男前も眼福だ。
しかしてこが見てみたいのは、やさぐれたアウトローとか、クリミナルマインドに苦しむ男子だ。
今まさに、てこの願いが一つ叶った瞬間だ。
これは・・・なんだ・・・
この感覚は・・・なんなんだ・・・
や、柔らかい首・・・
こ・ろ・し・た・い♡んだ・・・・
などと呟き苦しんでいるその姿の尊いことよ。
だめぇーーーー、そっち行っちゃだめだよ、バルムーーーー
という視聴者の声とは裏腹に、一歩また一歩とサイコパスへの道を歩むバルムだ。
実は、脳移植後記憶を無くしていたバルムだが、ちょっとずつ思い出してきている。
この記憶が実に興味深いのだ。
バルムの記憶なのか、Dr.ヨハンの記憶なのかがはっきりしない。
ちーこ時代の記憶も実に興味深い。
自分を殺そうとしているままの記憶。
しかし、よくよく思い出したり巻き戻して見直すと。
二人のままに殺されそうになってるんだよね。
・・・!!!???
思い出す→頭痛くなる→調べる→少しわかる、みたいなのが5話くらい続くんだけど。
そのうちに賢い視聴者なら気付くはず。
”サイコパスってバルムじゃん?”ってね。
眠ってたサイコパス遺伝子とかじゃなく。
明らかになる真実にてこも驚きを隠せない。
散々出張ってた子役。
この子役も実は・・・
実に細かい布石が、所々に置かれていて。
段々とそれが明らかになていく時。
全てが霧が晴れるようにスッキリと事実が受け入れられる、そんな仕様となっている。
Dr.ヨハンが退場してからは、事件は起きるもののその謎解きというよりは
・バルムが自分に向き合う
・全ては大きな力によって支配されていた可能性があり、それを調べる
この二点に集中した作りとなっている。
バルムは、少しずつ衝撃的な事実を知る事となる。
さらには自分が、サイコパスの中でも最上位層と言われる”プレデター”である事実を知ることになるのだ。
全てが明らかになった時、傷つく者の実に多いことか。
・弟のような男子に、ただ一人残った兄を殺されたムチデカ
・愛してたオッパが、最愛のはれもにを殺した犯人だった
・Dr.ヨハンを信じられなかったPDホンジュ
・全てはお前のせい、と思えるヘッドハンター嫁
・何より気の毒なDr.ヨハン
・俺か?俺がサイコパスなのかーーーー
と実に多岐に渡る。
ぃや、一番悪いのはヘッドハンターと、コントロールし利用しようと企んだ組織だがな。
セオリーなら。
クライマックスの肝にラスボス対決があって。
大事な人が拉致られたりられなかったりして、でも必ずもっすごいピンチ背景で。
誰かが犠牲になったりならなかったりして、それでも正義は勝つ、みたいなラストなのだが。
このドラマはバルムのバルムによるバルムのためのドラマであるからして。
そもそもの主役がヴィランな訳だし。
クライマックスの肝はただ一つ。
”バルムはどうなるか”
この一点に尽きるのだ。
実にいい。
マウスてこ監修”イケメン備忘録”
プレデターな男子@チョン・バルム【イ・スンギ】
お久しぶりの【イ・スンギ】だ♡
このレヴェルの男子は、いつでもてこに必ず幸せを運んできてくれる。
期待を裏切らない男子だ。
スンギを初めてみたのは「華麗なる遺産」だった。
相手役のヒロインはトンイ女子だったと思う。
気に入らなかった。
だからレビューしてないのはわかる。
でも「九尾狐クミホ」はヒロインも嫌いなタイプじゃないしレビューしても良さそうなもんだがしてない。
「九家の書」も「バカボンド」も。
なんでレビューしてないかは自分でもわからない。(反省)
今回は、清流属性の模範男子ひよこおまわりとか・・・クッソおもろない・・・とか最初思ってて。
でも、ヴィランフラグがたつと
ヴィランスンギ、見たいけど見たくない・・・
みたいな裏腹想いが交錯して、なんとも居心地が悪かった。
真の姿がわかってからは、開き直りというかなんというか。
心も落ち着き思う存分楽しめた。
まず前半は、普通にイケメンのスンギを愛でるだけだが。
見て欲しいのは後半だ。
それも回想編の、清流属性を演じてた時のプレデタームーブだ。
もうもっすごくワルい顔してんの。
あまりのゲスさに引き気味になる程だ。
屈託なくプレデターを演じていて、そこには邪念がない。
よく思われたい、誤解されたくない、好感度、そんな邪念は完全に封印されている。
まさにプレデターそのものだ。
〜からの訳あってクリミナルマインドに苦しむ姿。
なんなん?
こっちまで苦しくなるんだけど。
プレデターなんだから、同情とかしたくないのに。
あまりに苦しんでるから・・・
記憶喪失のせいで、本来の自分がどんなだったか忘れちゃってるバルム。
記憶が戻ったが、脳にはDr.ヨハンの脳みそが入ってるが故に。
本来の純粋なプレデターバルムの思考ではなくなってしまった。
要するに、事故前と後では別人格のバルムという事だ。
この演じ分けがすごい。
演技力などが心配材料・・・とか言われてたり言われてなかったりするが。
結論として、心配はいらない。
まぁ見てくださいって。
1987年1月13日生まれの35歳、182㎝、70kg。
東国大学教大学院国際通商学卒業。
2004に歌手としてデビュウ。
「ファユギ」「噂のチル姫」「華麗なる遺産」「僕の彼女は九尾狐」「ユナ」「九家の書」「イ・ダイン」「法に則って愛せ」
破天荒な男子@コ・ムチ【イ・ヒジュン】
㊗️てこブログお初【イ・ヒジュン】だ。
イイ感じのむさ叔だ。
オッパ世代ではなくアズッシ世代だ、イイね。
綺麗すぎない味わい深いタイプのむさ叔だ。
韓流は流石だ。
イケメン層が多種多様だ。
ムチデカことヒジュンあずっしの今回の役どころは、この悪役顔を生かした、
一見犯罪者に見間違うルックの過剰鎮圧、違法捜査の暴力デカ(刑事)だ。
初っ端から酔っぱらってるし、いつも大声で怒鳴り散らすし、脳筋でファジーだ。
でも、情に厚く性根は善良な不器用男子(高倉健)だ。
捜査は、ほぼ勘に頼っている。
注意深くないので、大事なことを見逃したり見落としたりする。
そして根拠なく自分を信じてる。
真実を見つけようとしてそうでいて、実は自分の行動の正当化を第一目標にしている愚か者男子だ。
実に愛おしい愚か者なのだ。
Dr.ヨハンじゃねぇのか・・・
ぃやぃやぃや・・・
そんなはずないって
そるま(まさか)・・・
バルムなのか・・・
ぃやぃやぃや・・・
そんなはずないって
と、いつも現実逃避しているがために、捜査が遠回りになってしまってた。
結局、ムチデカの宿願は自身で果たすことは叶わなかった。
叶えてくれたのは・・・
ムチデカの複雑な心情を考えると、今後のムチデカを心配せずには居られない。
でも、間違ってもPD女子に告る事などないように念を刺しておきたい。
「だめだぞ、ムチや。
あの女はダメだ、やめとけ」
↑画像は2019のものだ。
役作りのために21kgの減量したら、雑誌の表紙になるほどイケボディになったのだ。
本作ではこれほどではなさげだが、それなりなボディコンディションな気がする。
2021作品なので上の画像よりは少しだけ大人になっているのだが、
あずっしはこう見えても1979年6月29日生まれの43歳だ。
二十代に見えるほどの若々しさだ。
21kgの減量とは、
映画「KCIA 南山の部長たち」で警護室長役を演じるため、3ヶ月で21kg太り。
撮影後、ドラマ「キマイラ」の撮影に入るため、再び3ヶ月で21キロ痩せた、という内情だ。
どうだ、すごいだろう。
なんてストイック♡
言わずもがなの演技力は、スンギでは太刀打ち不可能だったんだよね、実のところ。
ぃやぁ、素晴らしかったっす、あずっし。
これキャスティングが逆で、スンギが熱血デカであずっしがプレデターなら、似て非なるドラマになっただろうなぁ、とか思って見てた。
主な出演作:「王女の男」「乱暴なロマンス」「棚ぼたのあなた」「田禹治」「職場の神」「シークレット・サンシャイン」「火車」「チャ刑事」「風邪」「結婚前夜」「海霧」「キム・オクビン」「オ!ムニ」「キマイラ」
マウスてこが見た感想
なぜプレデターなのに、感情があるのか。
それがこのドラマの肝だ。
人間としての大事な感情を理解することが不可能なために。
どれほどの罰を受けようと、彼ら(サイコパス)は懺悔することはない。
しかし、プレデターでも感情を持ってしまったが故に。
自分がしたことに苦痛を感じ、後悔し、項垂れる。
彼らが贖罪することこそが、真の刑罰である、と。
そゆことを描きたかったのだろうと思う。
強制堕胎法案や脳移植という背景は力技だとは思うが。
主題をきっちり表現してあり、現実味はないが十分にこの問題を考える機会を持たせることができたと思う。
被害者、被害者遺族の心の傷、サイコパスという存在への理解、さらには被疑者家族の傷。
そう言ったものが、サイコパスの贖罪で解決されたり帳消しになるとは思えないが。
それでも、その贖罪が唯一の救いになるのは確かだろう。