中国ドラマ『天龍八部〜レジェンドオブディステニー』(原題・天龙八部)ドラマレビュー其の2:22〜40集まで、金庸先生渾身の王道武侠・超英雄爆誕物語【楊祐寧/杨祐宁トニー・ヤン】【白澍バイ・シュー】【張天陽/张天阳チャン・ティエンヤン】【高泰宇ガオ・タイユー】【朱暁漁/朱晓渔チュウ・シャオユィ】【于栄光ユー・ロングァン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年5月3日

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今日は、中国ドラマ『天龍八部〜レジェンドオブディステニー』(原題・天龙八部)ドラマレビュー其の2:22〜40集まで、金庸先生渾身の王道武侠・超英雄爆誕物語、
を紹介するよ。
 
基本情報と其の1:1〜21集までのレビューは↓これだ。
読むが良い。
天龍八部とは今までに五回ドラマ化されている、愛され小説だ。
本作はその六回目となるドラマ化だ。
てこは2ヴァージョンしか見とらんが、段誉の惚れているアフロディーテ@王語嫣の扱いが2003版と2013版では違う。
それは金庸センセ自らがお隠れになる前に改編されたからだ。
本作は、普通に考えると改編ヴァージョンだと思うが、もしかしたら?もあるかもしれない。
皆はどちらがお好みだろうか。
てこはまぁ@王語嫣というキャラに思い入れがほぼないので、どちらでも構わないのだが。
特に今回の@王語嫣は造形もキャラ建てもいまひとつで、さらに思い入れが湧かない。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

天龍八部ってどんなドラマなん?

22〜30集まで

このタームの大まかな流れは、Yo!ヤン(ヨウヤン)が喬峯改@蕭峯と名乗ることに決め、己のアイデンティティと向き合い契丹(遼)へ流れ着く。
 
まずは、犯人探しを始めるヨウヤン&阿朱だが。
ほんとうにマジで江湖人の思い込みの強さったらない。
全ては”もう少し落ち着いて、物事を整理してごらん?”とアドヴァイスしたい。
 
馬大元の嫁@康敏↓によって画策された事で、ヨウヤンは丐幇マスターの座を追われただけでなく”凶悪犯”として武林に指名手配されちゃうほどの窮地に追い込まれているのだが。
そもそもの事件(30年前に偽情報でヨウヤンの実ままを殺し、実ぱぱを自害させた事件)の首謀者はいったい誰なのか、って事だ。
その首謀者こそが”ヨウヤンが〇〇である”とわざわざ書いた手紙を丐幇の前任マスターに送った為に、一連の事件が起きてしまった訳だ。
なので全ての謎は、その首謀者を突き止めればわかるのでは、と思いついたヨウヤン&阿朱は、首謀者探しを始めた。
 
しかし、手がかりを追って行くと、先々で人が死に手がかりは消えるし、全ての罪がヨウヤンに着せられている現状だ。
 
途中、謎の黒衣五人衆に囲まれて一殺陣見せてくれる。
これがいちいち武侠道に則っていて、ぶきょんちゅ(武侠沼人)には嬉しい作りだ。
 
”むむむっ・・・これがヨウヤンか”
”このヒーローたる戦いぶり、この男が数々の悪行をしたとは到底思えない”
”彼の気は慈愛に満ちていて、邪なものは感じられない”
”我らは皆何かの罠に嵌って、ヨウヤンを犯人だと誤解したのではないか?”
”ぃや、わからん”
”では拙者が降龍掌を受けてみて、その筋を見極めて見ようぞっ”
 
みたいな心の会話が出来る五人衆。
全てを悟り、後に涙するあーみぃとぅふぉーĒmítuó fó(阿弥陀仏)がことのほか切ない。
少林寺大チーフ@玄慈方丈【李昊翰リー・ホーハン】
 
その後、邪悪な女子に接触したは良いがまんまと騙された二人だ。
そしてひょんな事から、首謀者だとされている@段正淳(段誉のぱぱ)に出会う訳だが。
・・・
ほんとに困った段ぱぱで。
またもや隠し子が居って(それも姉妹、二人の女子)それが阿朱なんだな・・・
下半身がもっすごくやんちゃでもってもてな段ぱぱ。
 
筋道立てて考え、忌憚なく話し合っていれば、すぐに結論が出たはずなのに。
もぅ・・・フィーリングで動くからこういう事になる。
ヨウヤンもだが、阿朱もだ。
よりによって〇〇とか、一番ダメイジのでかいやつを選択しよってからに。
そうとも知らずヨウヤン・・・
 
”今はオレを待つ女が居る”
 
なんて言ってぽっと頬を赤らめてたのに。
ほっぺにちゅ♡だけで、にやにやが止まらないほど幸せそうだったのに。
ぁあ、もうこれ以上ヨウヤンを追い詰めないで・・・
愛する女子を己の手、渾身の”降龍掌”で葬る事になろうとは・・・(涙涙
 
そっからはこれまでの流れ(馬大元殺害〜全ての罪がヨウヤンに)の原因というか、黒幕が誰なのかがさっくりと暴露される。
ちょっと待ってたら阿朱がお隠れになることも無かったんだが。
後悔先に立たず。
 
江湖メンにアドヴァイスしたいこと
 
・コミュニケーションは大事だぞ、まずは聞け
・ロジックは軽んずるな、まずは考えろ
・しゃべる時は、何かに例えたり遠回しにではなく、端的にわかりやすく話せ
 
この三点だ。
 
このタームで新たに登場したのは阿朱の妹@阿紫(何泓姗)
紫禁城の安達祐実と言われている女子だ。(過去レビュー「錦心似玉(恋心は玉の如き)」)
今回の役は、可愛らしい容姿と裏腹に、心は邪悪で凶暴、残虐で傲慢でプライドが高く・・・続く、と散々なキャラ設定である。
姉の阿朱は、花の様な美人で心も美しく清廉潔白、機転も効く賢い女子という妹とは真逆設定。
この対比は、金庸センセの十八番だが今回もいろいろとエグいっす。
 
てこ的には、後宮で悪さを企む陰湿な女子より、阿紫のキャラの方が中の人にお似合いで、いいキャスティングだったかと。
まぁ、この女子も天真爛漫で生き続けるにはカルマがでかすぎで、後ろ暗い事をやりまくってる女子なので。
これから大変なことが待ち受けているので、皆も楽しみに待つが良い。
 
ヨウヤンは、この邪な心を持つ女子が愛する阿朱の妹であり、死ぬ間際に妹の幸せを託されたので。
捨て置くことも出来ずにだらだらしてるうちに、うっかり瀕死の重傷を負わせてしまい。
そこで身を寄せたのが、女真の完顔のところだ。
アクダ(完顔阿骨打)といえば、彼こそがこの後(1115年)に金国を建国したその人だ。
で、熊、もとい虎!w、退治で知り合って、流れで居候する事になったのだが。
そこにたまたま狩に来ていた@耶律洪基、待ってましたの【于栄光ユー・ロングァン】登場。
ぇ、声高っw
で、互いの身の上も知らぬのに、例によって意気投合〜からの義兄弟の誓い。
 
「オレは13歳年上だーーーーーー
はーーーーはっはっ!」
 
「兄者っ!!!!」
 
「はーーーーーはっはっ!」
 
「はーーーーーーーーーはっはっ!」
 
この辺は、もう皆も慣れて来たと思うんで生暖かい目で見守ってくれたら幸いだ。
 
ヨウヤンと阿紫がちょっと遠出した時に、またもやばったり再会。
〜からの遼の反乱をヨウヤンがあっさり解決。
反乱言うて栄光大先輩んちのお家騒動なんだが、そこいら辺は華麗にスルーした仕様だ。
で、その功績でヨウヤンは南院大王に封じられる。
 
「ぃや、自分ムリっすよ、学もないし・・・」
 
「お礼がしたいんだ。
大王が嫌なら、もう渡せるのは玉座しかないっ」
 
と強気の栄光大先輩に逆らえるわけもないし、とりま顔立てとこう、って感じでヨウヤンも受け入れるのだが。
 
そもそも、遼相手につい最近戦ったばかりだし、実際にヨウヤンに屠られた上司や部下がいる遼サイド。
反発も多いし、その変のやりくりが大変でヨウヤンも栄光大先輩も大忙しだ。
 
自分探しであんだけ悩んでたけど、わりとあっさり契丹人になってる件はどのヴァージョンでもモヤるのだが。
それ以上に嫌なのが、今回のヨウヤンの契丹衣装だ。
冠も悪趣味だが、毛皮がもっすごく趣味が悪い。
なんの毛皮だろうか。
白黒のモッフな生き物・・・
 
で、ヨウヤンが忙しいもんで、阿紫が暇にかまけて悪さをし始めるのだが。
これがほんとにエグい。
ろくなことせんの、阿紫って。
無邪気な顔でもっすごく邪悪なことしよるのだ。
 
敵討ちに来たはずが、阿紫に一目惚れしちまった男子が、もっすごく困難な状況になっていくのだ。
@游坦之【杜厚佳ドゥ・ホウジャァ】
 
仮面は付けられるは、ムカデやキモい氷蚕に刺されるは、阿紫んとこの師匠(星宿老怪)に弟子にされるは、と波乱万丈の気の毒すぎる展開だ。
 
ヨウヤンたちがそんなこんなでぐずついてるうちに、ヨウヤンの無実を訴える大理国皇帝のお手紙持って段誉が再び中原にやってくる。

31〜40集まで

このタームは、待ちに待ったお待ちかねの辟邪こと@虚竹【張天陽/张天阳チャン・ティエンヤン】(と仮面男子@游坦之の)メインタームだ。
 
逍遥派、現マスター@蘇星河が、自分のマスター@無崖子が30年前に指した(碁)ままお隠れになり、以降30年の間、この盤を破ろう(解こう)と臥薪嘗胆の日々だったが、
 
「この碁、誰が解けん?」
 
と、各界の著名人たちを招いた大会みたいなのを開催していた。
そこへ集まったのは、段誉もおるし、大燕国の幻の皇太子@慕容復(&アフロディーテ@王語嫣)もおるのだが。
大概、こういった場所で拗らせ始めるのは古参勢と相場は決まっていて。
ここでも例外なく、クセの強い古参(悪人顔)が拗らせる。
 
邪悪な女子@阿紫のマスターで毒を操る@星宿老怪は、なんと@蘇星河と師弟関係であり、つまりは逍遥派マスター@無崖子の直弟子だ。
大マスターの弟子は、一人は善良で、一人は邪悪、というこれも武侠デフォなので豆知識として覚えておくと良いだろう。
この邪悪な方が、逍遥派を出て邪悪門派を立ち上げ、この囲碁大会を混乱させている。
要するに、同門のお家騒動、痴話喧嘩、兄弟喧嘩に多くのものが巻き込まれてると言うことだ、有り体に言うと。
 
で、辟邪こと@虚竹がうっかり成り行きで囲碁を解いてしまったのだ。
で、死んだはずの大マスター@無崖子は、この囲碁を解けた者に後を託せる様に70年溜めて来たチャクラを渡そうと、概念となって?待っていた。
・・・
想像通り、その70年チャクラを受け継いだのは我らが辟邪だ。
やったね、辟邪。
でも、言うとります、まじめっこ辟邪。
 
「ぇ・・ぇ・・・で、でも・・・ぁ・・・ぁ・・・」
 
ちいかわかっ!(怒
 
要するに、自分は少林寺の者だから他の宗派の弟子になる事はできない、という事だ。
そんな言ってるけど、星宿老怪(星宿派掌門@丁春秋)のせいで少林寺先輩がお隠れに・・・
そうこうしてる内に、虚竹と阿紫が出会い〜からの阿紫失明〜からの仮面男子@游坦之が助けにくる〜、と怒涛の展開だ。
たまたま死なずに生きて、星宿老怪の弟子に収まってた仮面男子。
たまたま大好きな阿紫を見かけて、こっそり隠れて見てた。
傷を負った阿紫と仮面男子が逃走中に出会ったのが、
これまた”たまたま”通りかかった丐幇の@全冠清【趙振廷/赵振廷チャオ・チェンシン】だ。
悪さ企むゲス男子だ♡
こいつの企みで、仮面男子はなんと丐幇マスターとなってしまう。
 
次から次へと新キャラが出て来て、しかしそれらが微妙に絡み合ってる流れ。
色々なピースを各所に置き、いずれそれらが繋がる時がやってくるのだ。
辛抱強く待ちたまえ、視聴者諸君よ。
 
虚竹の方も怒涛の流れというか、流れに身を任せてたらとうとう突き抜けキャラ@天山童姥と出会う。
今回の少女ヴァージョンは↓だ。
 
一週間したら17歳くらいになれる、という17歳ヴァージョンがこちら↓
虚竹の髪も伸びちゃった。
 
で、天山童姥は訳あって李秋水に追われ、西夏の皇宮に逃げ込み、虚竹に修行をつけようとするのだが。
またもや虚竹がちいかわ化して、肉は喰わねぇ、少林寺以外は修練しねぇ、とかいろいろ駄々こねてる。
禁欲生活がなんぼのもんじゃっ!とお怒りの天山童姥姐さん。
いよいよ情欲の罠を仕掛けて来て・・・
いともあっさり落ちてる可愛いチェリーボウイ虚竹に乾杯!
 
李秋水という姐さんと天山童姥姐さんは師妹関係で、なんと逍遥派!なんですね。
おわかりですか?
大マスター@無崖子を師兄と慕う師姉と師妹なんですよー。
で、つまるところお二人の姐さんは”恋敵”なんですねー。
↑こんな白髪のお年寄りだが、お若い頃はいけいけのもってもて男子だったのだ。
 
「私の方が好きだった」
 
「ぃや、私の方が好きだった」
 
とずーーーーーーっとケンカしてた、っていう愛のお話だったのだ。
その姉妹喧嘩に巻き込まれ、結局は逍遥派の掌門となり霊鷲宮宮主となる。

天龍八部22〜40集まで見た感想

辟邪こと虚竹【張天陽/张天阳チャン・ティエンヤン】タームは、ヨウヤンタームに比べたら格段に短い。
邪な女子たち、例えば阿紫が仮面男子にしている悪行などを少し端折り、虚竹の方に尺を割いて欲しかったが。
まぁ、許容範囲だ。
 
それにしても辟邪の演技力の凄さよ。
見てるものをイラつかせるほど、ちいかわみを出しておいてからの〜キメ技&キメポーズ。
経験値の高さを物語るしっかりとしたアクションだ。(ついでに見事な肌肉も惜しげもなく晒してくれるサーヴィスぶりに感謝したい)
この辺はヨウヤンより格段に上だろう(武侠アクション)
そして、驚くべき”顔芸”スキルの高さだ。
皆もその目で確かめてほしい。
 
さてさて、40集までに積み重ね続けて来た”点”がようやくうっすらと”線”に見える様になって来た。
皆がそれぞれ独自に歩んでる様で、実はそれは絡まってたりする。
段誉が洞窟で女神(石像)に出会ったが、それを作ったのは@無崖子だった。
当の段誉はその事は知らないが、虚竹と桃源の誓いを果たし晴れて義兄弟と相成った。
友達の友達は皆〜、と同じ法則が義兄弟界でも成り立つので、
すなわちヨウヤン・段誉・辟邪、の三人はもう義兄弟だ、という認識で間違いない。
 
今のところこれといった見せ場もなく、どちらかというとゲス道を歩んでいる大燕国の幻の皇太子@慕容復だが。
強さもメンタルも大侠には程遠い悲しき男子に描かれている。
本来@慕容復というキャラは、強烈なインパクトを与えるキャラクターであり、てこの推しキャラなのである。
中の人(【高泰宇ガオ・タイユー】)のせいではないが、キャラの作り込みがいまひとつ足らない。
コミ障で豆腐メンタルでありながら、それを隠し通す実は芯の強い(悪い方の)愛すべきキャラクターなのだ。
残り10集での挽回に期待したい。
 
阿朱が少林寺から盗んだ奥義書は、巡り巡って仮面男子の手に渡ってたのだが。
仮面男子は、それが一体何の奥義書なのかを知らずに修練していた。
阿紫からの仕打ち(毒)に耐える為だったのだが。
それが、鳩(@鳩摩智)の手に渡っている。
今後それも火種になる事だろう。
 
この様に積み重ねて来たものが形になりそうなのだが、その形を否応なしに崩すのが天龍八部だ。
劇的に崩壊していく様をさまざまな心境で見守る、それが天龍八部なのだ。