中国ドラマ『恋心は玉の如き』(原題・錦心似玉/锦心似玉)ドラマレビュー:妻は職業婦人!?明朝時代のメオトのあり方を学べ!【鍾漢良/钟汉良ウォレス・チョン】【唐暁天/唐晓天タン・シャオティエン】【任宇レン・ユウ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年7月26日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『恋心は玉の如き』(原題・錦心似玉/锦心似玉)ドラマレビュー:妻は職業婦人!?明朝時代のメオトのあり方を学べ!
を紹介するよ。
 
ふむ、今回の邦題は非常にイイね。
”錦心”を”こいごごろ”とは、なんともニクい、グッジョブ。
 
全45集のこのドラマ、播出されたのが確か春頃?だったか(たぶん)
久々の鍾漢良ウォレス・チョンの古装であるし「見ねば」と思ってはいたのだが。
どうやら”メオトもの”のようであるし、と言うことは女どもの悪辣さを見せられるのか、、、とか。
加えて”あなたへのおススメ”みたいので、ガツガツしたキスシーンが流れてきたので。
ぇー、イチャコラ見せられるのか、、、などとガチなイチャコラドラマだと躊躇してるうちに今年も残り2ヶ月となる。
で、ようやく重い腰をあげた訳である。
 
全くもって誤解でした。
まぁ、結局はイチャコラになるのだが、それまで行き着くまで長いし、さほどいちゃついてない。
 
悪辣女どもの悪巧みは満載ではあるものの、さほどしつこくないし。
なんと言っても
悪巧み→暴かれる→ザマァ、という構造なので、悪巧みは言わば必要悪である訳で。
なので、こればかりは仕方がないのである。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

锦心似玉ってどんなドラマなん?

明朝時代のメオトのあれこれを知るドラマ、である。
 
ステータスハラスメント問題(正妻・側室・嫡子・庶子etc,,,)に加えて、
”女はこうあるべき”的なジェンダーハラスメント問題を背景に、理想的なメオト像を探す、という流れ。
 
女主の@羅十一娘(中の人、譚松餐タン・ユンソン)の母は側室で、正妻に虐げられ辺境の農村に送られて母娘2人で暮らしており、娘は生活を助けるために手に職(刺繍)をつけた、ってのが設定。
 
要するに、この時代の女にしては珍しく、家庭に入ることは望んでおらず独立心が強い女である、ってことである。
なので、結婚などしたくないってんで結婚前に逃げようとするその日に、待ち合わせ場所で母が殺されてしまう。
ままんの死の秘密が嫁ぎ先にあるようだ、とかなんとかで結局嫁入りするのだが。
、、、、。
逃げればぇえやん?」である。
逃げたって、ただ一つの懸念である母親がもうお亡くなりになってしまったのだから、もう己1人で生きていけばよろしい。
 
説明しよう。
 
イー:幸せな家庭を築くためではなく、利己的な動機(母の死の真相を探る)での結婚
アル:そのうちに「ぇ、期待してなかったのに、この夫って意外にかっこぇえ、やさしいし」などと思い始める
サン:皆に迷惑かけてるのに刺繍屋の仕事を意地でもやめない
 
な?
そんな刺繍したいんなら結婚などせずに、逃げて好きなことして暮らしたらよかったやん?
なのである。
非常に欲張りな女である。
 
母殺しの犯人さがしとか言ってるけど、要は居心地がよかった訳だろ?
居心地悪くって、夫がブサイクだったり、DV夫だったり、わからず屋だったりしたら、犯人探しなどほっぽってさっさと離婚するような、そんな女に感じられちゃうわけよ、てこにはね。
結婚させられた相手がイケメンで優しくて自分を愛してくれて、おまけにお金持ちでラッキーだったね!!(怒)
 
で、賢いの。
そう、タチが悪い。
賢いから、そうそうは毒婦たちの悪巧みにも引っかからないし、内助の功でお手柄になる流れ。
しかも、けなげなことしたりしていたずらにヒロイン感出してくる。
ぃや、ヒロインなのだけれどもな。
悪事を暴いてる時のドヤ顔も気に入らない。
鼻穴ふくらますな(ぃや自前か)
 
まぁ、ヒロインの悪口はこれくらいにしておこうか。
 
まず初めにげんなりするのは、夫には既に側室が3人、子供は2人(前正室の子1・側室の子1)
これはいや、マジで。
現代に生きれてよかった、と切実に思う。
更に夫の弟の嫁までおって、小姑付き。
加えて大奥様(夫の母・姑)がめちゃ年寄りで、祖母レベル。
 
悪辣女どもチームヴィランズの筆頭は
↑@喬蓮房(中の人、何泓姗)
そうですよ、紫禁城の安達祐実。
朕の前で琵琶弾いてた子である。
いろいろと企んでは失敗・玉砕を繰り返し、最後はなんやら悟って数珠ってた。(※数珠る=尼寺行き)
 
1人のヴィランで全45集をこじらせるのは流石に無理があるので、そこは数を用意しました、という仕様。
次から次へと、ヴィランが湧いてくる。
ほかの側室もいろいろと思うところがあるし、更に実家異母姉妹案件やら、徐ファミリーの宿敵である区ファミリーとの確執やらで。
次々と罠が仕掛けられる。
 
まぁ、ちょっとはやられてそれなりのダメージは喰らうのであるが。
それを上回る仕返しをきっちりするのがこのメオト。
最初のうちは、てこもそれなりにやきもきしてたが、何回かのすったもんだを見てるうちに
「〜と思わせといて、実は罠仕掛けてるんだろ?」
「〜と思わせといて、実は演技やろ?」
と終盤はほぼ百発百中であったわい。
で、気づいた。
このドラマは、
ヴィランズがギャフンと言うのを、わくわくして待つドラマであるということに。
 
ヴィランズが1人去り、次のヴィランが沸いてまた去り、・・・以下略、これを相当数繰り返し最後に行き着くラスボスは誰なのか。
添え物程度だった朝廷問題もラストに向けて、少しだけフォーカスされてきたし。
その辺も絡めると、やはりセオリーの”斬首セレモニー”が始まる予感。
ラスボスはあのお方であろうか。
 
って感じでクライマックスへ。

锦心似玉てこ監修”イケメン備忘録”

オトナな男子@徐令宜【鍾漢良/钟汉良ウォレス・チョン】

はぅ、、、お美しや、、、。
役柄とかいります?
いらんよね?
いる?
、、、。
夫役。(一言)
冷たい、とかの前評判ではあるものの、側室は2人とも身籠ったし、死んだ前妻も子を産んでるし。
きっちりやることはやっとる。
ま、”いちおー夫としての勤めははたすが俺にそれ以上のものは期待せんでくれ”ってスタンスから、十一娘を娶り愛に目覚めてゆき、最終的には”家族愛”を悟る、って流れ。
 
でも正直流れとかどーでも良い。
彼が画面に登場したら、どんなシチュエーションであろうが、場が華やぐし、落ち着くし、いつでもてこの眼にはスロウモーションなのだから。
こんなにも艶っぽいオトナな男子なのに、ぎらつきやぬらつきな脂っこさが1ミリもない奇跡。
 
「妻のために」この一念を胸に、誠実に行動してくれる、まさに夫の鏡である。
なぜにこのような役を引き受けたのか。
ぃや、もう寸分の隙もない素晴らしき夫を演じ切ってくれたし、
正直な話、このドラマで彼の魅力に気づいた方も多かろう。
 
しかし、しかしである。
てことしては、このような”昼ドラ”調のドラマではなく、もちろんラヴ史劇などでもなく、
やはりハードボイルド古装(ラヴなし)が見たいのである。
例えば、武侠とか、武侠とか、武侠とか・・・以下略。
王様はいや、なぜなら髪型が嫌いだから。
あの冠みたいな長い長いキラキラした髪留めみたいなのが嫌い。
コスチュームも煌びやかだから嫌い。
だからサムライ(侍)がいいなぁ、、、。(遠い目)
 
天龍八部の時とビジュアルがさほど変わってないのも驚き。
しかしボディの完成度と演技力は上乗せって、んもぅ最強レベルである。
1974年11月30日生まれの46歳、183㎝、70kg。
「天龙八部」「何以笙箫默(マイ・サンシャインなんとか〜)」「孤芳不自赏(孤高の花)」「一路繁花相送(メモリーズ・オブなんとか〜)
現代劇はどれも途中放置、なので孤芳不自赏以来の古装であった。

区ブラザーズ兄さん@区励行【任宇レン・ユウ】

実は、、、
てこは疲れてたのか、どうかしてたのかは知らんが。
なぜだか↑のこの人が気になって、気になって仕方がない。
彼を見ていると、とても辛くなってくるのだ。
 
初期設定をざっくり説明すると、
徐ファミリーの宿敵である区ファミリーの長男である。
区ぱぱんは、彼を長男だからとすんなり世子に任命することはなく、はっきりとは言わないがどうやら次男(庶子)に期待をかけてるっぽい、って設定。
 
「ぇ?なんで?ぼく、ぱぱの言いつけ守ってきたよ?」
「ぇ?区ファミリーのこと第一に考えてきたよ?」
「ぇ?才能がない分、ぼく努力してきたよ?」
「ぇ?ぼく嫡子なのに?それでも庶子の弟がいいの?」
 
なぁなぁ、区のおやじさんよ。
エコ贔屓はいかん。
こんな心を傷つけるような子育てはいかんのよ。
彼は褒めて伸びるタイプだったのに。
見極めを誤るとこーゆー子になりがちである。
 
なんか、もう辛すぎる流れなんだよね。
頑張ってるけどうまくいかなかったり、凡ミスしたり。
陛下から板打ち20回とか喰らうわけよ。
情けなさMaxで、それでも妻は優しく慰めてくれる。
 
ヴィランで必要悪なのだが、実に真面目で女遊びもせず、妻を非常に愛し、そして愛され。
いわゆる一般的な善悪は理解しているが、区ファミリーにとっての最善をいつも目指している訳で。
それが一般的には悪行と言われるものだと、本人も自覚している。
大事なのは、権力や金を欲しているのはあくまで区ぱぱんであり、長男の彼ではないという事である。
彼が悪さをしている理由は、間違っても彼自身の私利私欲のためではない、ということに思い至った時に、てこのハートは脈打ち始めたのである。
 
庶子である弟は、この後備忘録で詳しく紹介するが。
庶子だが、多彩で優秀な善良設定で”悪である兄を退治する”構図が出来上がっている訳だが。
皆に問いたい。
「区にいさんが良心の呵責に苦しまなかったとお思いか?」である。
 
それでも因果は巡る。
カルマである。
因果応報の法則が発動する。
41集無念の退場劇。
きちんと見せ場があったことに感謝したい。
 
ロス感がぱねぇ、、、。
視聴意欲がだだ下がりのてこであった。
1986年1月9日生まれの35歳、178㎝、68kg。
北京电影学院卒業。
 
なんと「军师联盟(司馬懿)」に出てるとな?
全くもって、完全に気がついてない。
「大秦赋(始皇帝なんとか〜)」はちょうど今、どこぞで(BSあたり)放送中なので是非みてほしい。
 
正直、出演作もさほどじゃないし、イケおじなどと騒がれることもなく今に至る。
しかしながら、今後遅咲きのイケおじブレイクも夢じゃないポテンシャルを感じる。
久々に出会うベテランNewカマーである。
てこの眼に狂いはない、いつでもどこまでも。

区ブラザース弟@林世顕/区彦行【唐暁天/唐晓天タン・シャオティエン】

はぃ、これ↑がにいさんを闇落ちさせた原因の一つである弟の@区彦行である。
このビジュアルもさることながら、詩歌の才にも長け心根も善良という、にいさんとの格差が恨めしい設定である。
 
十一娘とは、早々に1集で出会う。
もはや古装デフォとなる”ヒロイン川に落ちる”を助けた縁で知り合うのだが、この時に一目惚れする。
その後、これまたデフォの”たまたま再会”を繰り返すうちに、女主の刺繍の師匠の店のオーナーだ、とか偶然が重なる。
区ファミリー宿敵の息子の嫁だとは、つゆ知らず恋に落ちるのだが。
人妻と聞いてショックで闇落ち?
しないよ、清流住みの住人の如しで清廉な男子だから。
 
マジでいい役、クッソ(失礼・ぺこり)
 
ラストまでオイシイとこ持っていきやがった。
ただね、、、
この女↑@琥珀にロックオンされちまったから。
この毒婦に侵されないことを願う。
 
遠く離れても十一娘を影から想い、ねっちりと慕い続け無記名の絵などを届けてくれたりしたらいいじゃないだろうか。
1991年6月2日生まれの30歳、188㎝、63kg。
北京服装学院卒業。
 
俳優デビュー(映画・ドラマ)は2017年であるからNewカマーと言えるが結構な作品に出演。
「独鈷皇后」では悲劇の皇子@楊勇をやってた。
既に男①デビューも果たしている。
「殿下攻略」「我的小確幸」
ほかも「玉楼春」「云襄传」とか、いろいろありそう。
もうプチブレイクかもしれん。

锦心似玉てこが見た感想

実にさまざまなハラスメントがあったこの時代。
この時代に、いかにして自分らしく生きれるか、という問題に立ち向かった女の話である。
 
徐ファミリーのことを考えても、最後まで刺繍屋通いをやめれない十一娘。
刺繍をやめたら、自分でいられなくなる。
自分の足で立とうとする自我。
 
これで面白くない訳ないよね。
てこはまったく共感できないけど。
おそらくそれは、てこ自身が好きなように生きてきたからであろう。
わがままに生きてきた人間は、わがままに生きてきたことに対する負い目や後悔があるから、わがままに生きていく人間を諌めたくなるのであるが。
ほとんどの人間はわがままを言わず、何かしらに我慢したり、何かしらを犠牲にして生きてるに違いない。
何を言いたいかというと、要はまっとうな人はほぼ共感できるはずである、という事だ。
 
とは言うものの。
やはり終わってみて思うのだが。
3人いた側室は、数珠・追放・死亡である。
膿を出して、風通しはよくなったものの、十一娘がいなかったら彼女たちの運命は明らか違ったはずである。
彼女たちの犠牲の上に、十一娘・徐ファミリーの幸せがあるのである。
そのことに十一娘は気付かないといけないのである。
 
ところでジェンダーハラスメントであるが。
「女は〜あるべき」
「女のくせに」
は、まぁよくある話だが。
本作には男ヴァージョンもしっかり組み入れられている。
↑徐家の3男@徐令寛(中の人、崔尔康)である。
家のことは兄に頼りっきりで、仕事もせずに京劇に耽っているぼんである。
「男なら士官になって出世しなさい」と口うるさく言われてた。
”男なら”ではなくて、生きるために働かねば、と諭してほしいね、まったく。
 
実に面白く丁寧に作られたよいドラマだと思うし。
なんと言っても、包容力太陽系の如しな@鍾漢良が演じる夫のかっこよさったらパネぇわけで。
あえて避けてきた”昼ドラもの”も悪くないと思い始めたてこである。