中国ドラマ『唐朝詭事録』(原題・唐朝诡事录)ドラマレビュー:D様の弟子とD様の弟子になれなかった男子が”世にも奇妙な物語”に挑む!【楊旭文/杨旭文ヤン・シューウェン】【楊志剛/杨志刚ヤン・チーガン】【石悦安鑫シュユエアンシン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年8月28日

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今日は、中国ドラマ『唐朝詭事録』(原題・唐朝诡事录)ドラマレビュー:D様の弟子とD様の弟子になれなかった男子が”世にも奇妙な物語”に挑む!
を紹介するよ。
 
【基本情報】
 
総合P:郭靖宇
監督:柏杉(総導演)、信鵬(B組導演)
脚本:魏風華
P:楊蓓(総制片人) 薛鑫(総制片人) 王氷(制片人) 王暁燕(制片人)
原著:魏風華著《唐朝詭事録》
主演:楊旭文、楊志剛、郜思雯、陳創、石悦安鑫、孫雪寧
プラットフォーム:愛奇藝、2022年9月27日〜
45分✖️36集
 
人気の唐代の神探もので、原著者の魏風華の脚本によるドラマだ。
唐代神探と言えば”D様”(狄仁杰Dírénjié)だ。
主人公のひとり@蘇無名はD様の最後の弟子という設定。
岩波文庫から出版されている《唐宋伝奇集・下》は、唐・宋代の世にも奇妙な物語集なのだが、その中でわりと毛色の違う一編が収録されている。
それが『則天武后の宝物ー蘇無名』だ。
明智小五郎的に推理して盗まれたお宝を取り戻すお話だ。
この蘇無名だと思う。(実在してなさげだが)
 
総合Pの郭靖宇さんは「射鵰英雄伝2017」の監督さんで、その時の郭靖役の【楊旭文/杨旭文ヤン・シューウェン】が主役のひとり@盧凌風を演じる。
 
このドラマはD様の弟子とD様の弟子になれなかった男子のW主演で、郭靖はD様の弟子になれなかった方の男子だ。
D様の弟子男子が上述の@蘇無名だ。
その無名を演じる楊志剛さんは、「大秦帝国之崛起(大秦帝国の夜明け)」の@芈原↓だと思うが、
北京舞踏学院に在籍したが(1998)”在哥哥郭靖宇的鼓励下”→北京電影学院に入学した(1999)とな?

ん?
兄の郭靖宇に勧められて?
なんと、総合Pの郭靖宇さんの実弟の様だ。(知らんかった)
苗字ちがうけど・・・ひとりっこ政策の?ごにょごにょ?
 
で、D様と言えば『神探狄仁杰』なのだが。
これは3季まであるんだが、D様が↓梁冠華さん。(20年前もふくよかだった)
バディが@李元芳↓張子健さんで、
健さんは、本作ではヒロインのぱぱ役でご出演されている。
 
この様にD様(狄仁杰)ものは、老若とか、のっぽとちっさとか、ふくよかと小柄とか、の凸凹コンビが鉄板だ。
本作は”熟&鮮”コンビ仕様だ。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

唐朝詭事録ってどんなドラマなん?

時代背景だが。
唐代のいつ頃?って話だけど。
演員表見ても、皇上、太子、公主、とあり名前を特定していない。
天后は武則天さまだろう。
武則天さまをままと呼ぶんだから、この公主は太平公主に違いないだろう。
と言う事は、太子とは後の玄宗だろう。
と言う事は、皇上とは2度目即位の睿宗と言う事になる、必然的に。
と言う事は、(睿宗の2度目の在位は短い)710〜712年の間だと特定できる。
 
しかし、だから何?って話で、役名が皇上や太子や公主なんだからそんな細かい事は気にしなくて良いんだよ、都は長安、第2の都は洛陽で、武則天亡き後の唐代だ、ってくらいわかれば問題ないよ、って仕様だ。
なので歴史に詳しくなくとも気にしないで観ようね、みんな。
 
って事でレビューを始めよう。
冒頭は、”あれ?てこってば間違って「妖猫伝」見ちゃってる?”と思っちまうほど妖猫伝で、謎の死を遂げる長安県尉シーンから始まる。
タイトルでわかる様に”世にも奇妙な物語”なので、幽霊とか妖怪とかの仕業?って思わす不思議な事件の探偵ものだ。
しかし、D様の信条は”世の中に幽霊も妖怪も居ない、そこにあるのは真実だけだ”なので。
D様の意思を継ぐものは、不思議に見えるものに隠れている真実を見つけるために臥薪嘗胆を続ける訳だ。
綿密に考えられた原著をもとに、その原著者が脚本も手がけているので。
ロジックを破綻させずに摩訶不思議な世界観を壊す事なく現実的に綺麗に解決していく様は、見ていて非常に小気味よく面白い。
全36集で8つの事件を捜査するが、てこの直感はひとつも当たる事なく。
見事に想像した人とは違う犯人だった。
 
謎の死を遂げた長安県尉の後任で赴任してきたのが、D様の最後の弟子@蘇無名【楊志剛/杨志刚ヤン・チーガン】
とぼけた感じで、実はきれっきれの頭脳の持ち主、みたいな設定。
 
もひとりの主役が郭靖こと【楊旭文/杨旭文ヤン・シューウェン】が演じる@盧凌風。
25歳の若輩ながら、金吾衛を率いる中郎将。
もうぐずでのろまな郭靖なんて言わせない、そんなデキる男子設定だ。
しかし、人柄は・・・
名門の出でえばってるし、真面目で融通の効かない朴念仁。
有能で太子にエコ贔屓されてるので、上役からはよく思われてなさげ。

①「長安紅茶事件」

最初の事件「長安紅茶事件」をそれぞれ調べているが。
 
「ほぅ?D様の弟子?
そりゃぁ、さぞかしデキるんだろうなぁ?
(まぁ、でも俺の方が何倍も有能だけどな)」
 
って心の声まで漏れちゃってる郭靖に対し、無名さんは。
 
「まぁ、その、ハイ。
私はD様の直弟子でして、ハイ。
まぁ、優秀ってほどじゃないですけど、まぁ、直弟子ですしね。
つまりは有能って・・・ごにょごにょ」
 
みたいな、喰えない感じ。
 
で、無名の思惑をぶっ壊すようなフライング行為で計画を台無しにしちゃったり(郭靖が)。
でも虎とも戦えちゃう無双だったり(郭靖が)。
結局は亀の甲より年の功、って感じで、郭靖は無名にいい様に使われ始めちゃってます。
無名は、郭靖へのあたりは厳しいが、育成目的な思惑もあるのかな、などと思われる節もあるような、ないような。
 
紅茶事件は片付いたけど、郭靖は長安追放、無名も左遷。
この背景には、朝廷の権力争い(公主VS太子)があるのだが。
細かい事情はこの時点ではわからない。
でもまぁ、こんな↓感じで、郭靖は無名の従者となって無名の赴任地南洲へ向かうことに。
なかなかのケミです。
 
途中の宿で、郭靖が蛇に絡まれたりして。
そこはみんな「血ぃ、飲むんか?そうなのか!?」
と一様に盛り上がったはずだ。
 
そこは置いといて。
郭靖を好きで好きでしょうがなくって、長安から追いかけてきた女子がおるのだが。
その女子が↓裴喜君(中の人、郜思雯)で本作のヒロインだ。
この女子は、ヒロインなのにうるさくもなく、わがままも言わず、役に立つことしかしない奇跡の様なヒロインだ。
賢い女子で、郭靖を落とすにはまず無名から、(と思ったかは知らんが少しは思ってたはず)無名と義兄妹となる。
そのお嬢のお付きの従者が、@薛環【石悦安鑫シュユエアンシン】
チビ夜華(「三生三世十里桃花」)だ。
こんな↑ちーこだったのに、いろいろと整い始めてる男子に成長している。
 
今回の役どころは、孤児で学もないが独学で武術を稽古しており、郭靖に憧れて弟子入りをお願いするポジティブ男子だ。
真面目で勤勉、そしてなんてったってかわゆだ。
 
もうひとり、@費鶏師(中の人、陳創さん)↓ってのがおって。
このおっちゃんは、闇市みたいなとこに住んでるおっちゃんなんだが。
めちゃ高ポテ(高ポテンシャル)男子で、実に博識だし、医術の腕もすごい。
後の事件の後は”華佗の生まれ変わり”認定を受けるほどの男子だ。
 
この5人が”チームD”みたいな感じで、協力し合いながら数々の怪奇事件を解決していく。
これがなかなか良いチームでね。
チームで捜査してるうちに、郭靖もちょっと笑いのわかる男子にアップデイトされるし。
ごめんなさい、とか、教えてください、とか素直かっ♡ってほっこりする。

②「石橋図」

次が「石橋図」事件。
石橋図という絵に描かれてる者が次々と殺される事件。
4人ずっ友友情物語だが、これにも人間って・・・って思う様なオチがついている。
↑は4人ずっ友のひとりで茶道の達人役の王勁松さん。

③「甘棠駅怪談」

次が、蛇に絡まれた宿での事件「甘棠駅怪談」事件だ。
これはね、もうどう考えても↓の男子が犯人以外に考えられないが、何かと疑問の湧く展開でしてね。
あきらかに怪しく、そして幽霊ほどの色白の男子(中の人、周駿超)
彼が犯人なのは間違い無いけど、誰かと話してる風もあったので。
他にも居るとは思ってたが、まさか〇〇子だとか、まじで想像を遥かに超えるからくりだった。

④「黄梅殺」

次が、「黄梅殺」事件。
科挙を目指す男子たちのいざこざでの殺人事件。
犯人と思しき男子は【韓承羽/韩承羽ハン・チョンユー】。
登場時にすでにわりと壊れてて、夢なのか現実なのかよくわかってない男子。
一緒におべんきょしてた仲間も殺されて、妻も殺されて。
でも殺ったのっておれ?ってどぎまぎしてる男子だ。
 
ぃやぁ、あいかわらず渋い演技の韓承羽。
歴としたイケメンルックなのに、それを完全封印し壊れ始めた男子を見事に演じていた。
 
この事件で驚くのは、犯人の動機だ。
ぇ?
って耳を疑ったよね。
おべんきょなんて興味なかったのに、おべんきょしてたらもっすごく楽しくって。
自分なら科挙一発合格、って夢見ちゃう。
これもまた、人間って・・・って話だった。

⑤「衆生堂」

で、こんな頑張ったんで。
郭靖ついにフリーターから脱却、橘県の県令に抜擢された。
そこで起きたのが「衆生堂」事件だ。
連続強姦殺人事件が起き、ついでに未解決事件もある橘県。
さらには、同僚が非協力的。
まぁ、郭靖が張り切りすぎでウザいのが原因なので自業自得み。
で社宅から追い出されて賃貸したのが「衆生堂」だ。
ここは幽霊が出ると噂の建物だ。
 
郭靖は、弟子のチビ夜華とふたりで捜査するもピンチ。
風呂敷に包まれた死体が次々と発見されるも捜査は行き詰まり。
そこへチームDの到着だ。
もうこの頃には、チームはエンパシーで繋がってるのでニヤついて観れば良いだけだ。
幽霊の正体とはこれいかに。
 
この事件も、チームDの協力で無事に解決し、町の人々にも感謝され。
この頃には、郭靖は序盤の思い上がり感も消え、どっから見ても好青年。
前途揚々かと思いきや、いろいろとあってまたも官職を追われる。
でも無名は昇格。
ヒロイン女子との間にも進展があり、良い感じになるも。
こんな自分じゃ足枷になる、とひとり姿を消したりもするけど。
次の事件の時には、やっぱりどこからともなくやってくる郭靖なのであった。

⑥「鼍神」

で、無名の赴任先である寧湖で起きるのが「鼍神」事件だ。
”鼍”ってのはワニ↓だ。
このワニがもっすごく大きくてもっすごく機敏でもっすごく強い。
このワニ神様を祀る派が権力を振るう町のようだ。
このタームでチームDに新規加入女子が居り、その女子は後に無名の嫁になる女子だ。
ワニ神派を糾弾しようとしたところを暗殺された(とされる)お役人の娘だ。
 
ワニ神なんて居るかーーーー、って捜査するチームD。
ワニ神の正体、そしてその目的はこれいかに。

⑦「人面花」

残る案件はふたつってとこで舞台は洛陽に移る。
ここで「人面花」事件が起きる。
洛陽女子たちの顔面が崩れ死んでいく事件が起きる。
人面花毒に公主も侵されてる、と公主は無名に捜査依頼。
太子は大事な叔母が大変だ、と郭靖に捜査を依頼。
朝廷の権力争いに焦点が絞られてきた感じだが、捜査する無名も郭靖も今までの事件と同じスタンスで臨む。
このタームで登場する不思議生き物はクマだ。
やはりこの生き物も、機敏だし強い。
こんなと互角に戦う郭靖ってまじ無双♡
 
このタームで、郭靖の出自にちょっとしたサプライズをぶっ込んで来る。
5歳くらいからの記憶しかないようだが、”自分は孤児だった”などと話し始めるではないか。
そこに公主が援助してる寺子屋みたいな、誰でも学べる施設なんかも出てきて
・・・ぇ?
ってみんな思うはず。
そいえば、”似てる・・・、あなたおいくつ?”とか言ってたしなぁ、公主。
 
この事件解決で、郭靖はわりと偉いセクションに抜擢され。
舞台は長安へと移る。

ラスト案件「参天楼」

最後の事件「参天楼」事件だ。
 
公主が建てた18階建ての参天楼に皇上がさらに上乗せして33階建てにしたと言う、超高層ランドマーク。
このスチールだと33階どころか18階にも満たないが、中2階型式とかで・・・ごにょごにょ・・・
 
このランドマーク落成式を盛大に祝いたい皇上。
日本からの使者の造型はもうスルーでいいけど、おそらく他国の使者も同じ様な感じなんだろうな、などと思ったり。
その落成式に皇上の命を狙う奴がいると言う情報。
そやつの名は”沙斯”。
こやつはD様と因縁のある輩で、D様お隠れの前の最後の仕事で逃げられた魔術師&アサシン男子である。
 
D様の意思を継ぐ無名は、”沙斯”と聞いちゃ黙ってらんねぇ、とこっそり公務をサボって長安入り。
これバレたら斬首ものらしいっすよ。
しかし敵も天晴れで、幻術みたいな変化の術を使い、他の人間に瓜二つになれたり鳥や虎にもなれると言う・・・
さらには、何だアレは!?
鳥か、飛行機か、スーパーマンか!?
・・・
木製の鳥から矢が放たれると言う、見たことのない画期的な機器まで登場。
もういいですよ、好きにやって、と心の広い視聴者。
 
クライマックスの肝は、
 
・”沙斯”は誰?
・”沙斯”をやっつけられるか?
 
この2点だ。

唐朝詭事録てこ監修”イケメン備忘録”

オレの成長見てくれよ!な男子@盧凌風【楊旭文/杨旭文ヤン・シューウェン】

てこ激推しメン、郭靖こと【楊旭文/杨旭文ヤン・シューウェン】だ♡
 
郭靖とは2017版の「射鵰英雄伝~レジェンドオブヒーロー」の主役の名だ。
彼は2014デビュウまもなく金庸センセの↑伝説小説の主役に抜擢される。
撮影時は21〜2歳だったと思う。
その初々しさが、郭靖というキャラクターと同期し魅力を倍増させる結果となった。
以後、てこの中の永遠の郭靖は胡歌なんだが、楊旭文は永遠に郭靖、と位置付けられてしまったのだ。
 
その後、郭靖はその・・・ちょっと問題をごにょごにょ・・・したりしてお仕事も随分と少ない。
しかし2021あたりから出演作もちらほら出始め、去年(2022/11)に「我的秘密室友」で見事にアップデイトされた郭靖を拝むことが出来た。
てこはそれはそれは感激したものだ。
あの郭靖が・・・こんなオトナのイケメンムーブに・・・と。
と感激したそのわずか2週間くらい前にブロードキャストされたのが本作『唐朝詭事録』なのだ。
わかるだろうか。
ずっと慈しみたいと思っていた郭靖。
しかし郭靖が活躍する姿をずっと見ることが叶わなかったが、ようやく見れる日が来た。
ちょっとおしりがむずむずする喜び。
しかも2作品も。
2作品を分けて配信してくれたら長く楽しめるのに・・・などと思ったりも少しだけしたが。
どちらから見るべきか・・・
とても悩んだ。
で、てこは美味しいものは最初に食べるタイプなのでコスチューム劇(本作)を最初に見たのだ。
興奮冷めやらずたっぷりと3巡ほどし、ようやく現代劇の密室〜を見てさらに感激し興奮してレビューした。
その後、ぐだぎだと事あるごとに見直したりして、もう何巡したかわからんほどになった今ようやく重い腰をあげてレビューしている、という郭靖歴史なのだった。
 
本作の郭靖は・・・
もうっ100点満点合格って感じで贔屓目かもしれんが激オススメしても誰も反論できんだろ、という具合の郭靖である。
 
郭靖とは真逆のおらおらブームでドヤる郭靖。
D様の弟子を断られたのが傷ついてる、実はガラスのハートの郭靖。
それがコンプレックスとなり、立派になろうとして出来たのが朴念仁の郭靖。
人の温かさに触れ、関わりが深くなるにつれ滲み出てくる人間性、それが”素直”という郭靖。
人知れず努力し続けた武術は無双の郭靖。
おれの打戯は天下一品なのが郭靖。
もう♡を100000個くらいあげたいほどの郭靖だ。
 
本作の郭靖は見るべきキャラクターである。
皆も心してみてくれ。
微博:杨旭文
 
1994年4月2日生まれの28歳、188㎝、74kg。
中央戯劇学院卒業。
 
「青雲志Ⅰ・Ⅱ」「射雕英雄傳」「鐘馗捉妖記」「金牌投資人」「反恐特戦隊之天狼」「北轍南轅」「半暖時光」「我的秘密室友」「今日宜加油」
待播は「紫川」

唐朝詭事録てこがみた感想

落成式の宴は、わりと面白く、普通に見て面白かったし。
出し物のたびに”こいつか、こいつが沙斯”かと訝んで観た。
待ちに待ったからくり暴露は、茶番みが強いがそれで嫌な感じはしないし。
むしろそれで良い、と思えるのが本作の不思議のひとつだ。
 
ここまで観て思うのは、この数々のつっこみ(んなわけあるかいっ)があってこそ、ほっこり観れるという図式だ。
伝奇でありながら、残酷なシーンは皆無だし(明らかに意図して映像にしていない)必ずと言って良いほど救いの場を設けている本作品。
悲劇の帰結など、誰も望んでいないしそうなるはずはない、という確固たる確信が見続けている者に生まれているはずだ。
謎解きには必ず二転三転する捻りが加えられているし、ストーリー運びのテンポがすこぶる良く鼻歌を歌いたくなるレベルの上機嫌さなのだ。
ココっ!て時にチームDが駆けつけて、”郭靖!ほらっ、槍よ、受け取って!”の鉄板のやりとりは、もう鉄板すぎて逆に清々しくさえ感じ、心底郭靖の活躍に期待する我。
さぁ、ここで無名の演説始まるよ〜、って言うお約束も、もはや尊い。
つまり、もっすごく気に入った訳だ、てこは。
だから、悪口言うとこ見つかんないよね。
 
ほっこり見れるからこそ、チビ夜華を送り出す時にじんわりきたり。
最後の最後に郭靖が、D様の弟子に認定される時なんてわりと盛大に涙出たしね、我。
 
本作中で100歳にもなる美魔女も登場して荒唐無稽な気もするが、そこそが唐代小説の特色でもあると思う。
著者は唐代小説を多く読み研究している気がする。
加えて、女子のおでこの飾りの素材がなんとか〜とか、細かい話が楽しかった。
 
D様の存在感は大きいがD様ものとまではいかず、かといって神探ものの王道ではなく、アクションもそれはそれは郭靖の打戯は見応え十分だが全体的にはそれほどでもなく、奇伝だし水上歩行したり空も飛べるがファンタジーでもない。
新しい”唐朝詭事録スタイル”というジャンルが確立されたという認識でいいと思う。
早くも2季への期待が高まるが、3月には『唐朝詭事録西行』開机というニュースも飛び込み、嬉しさが隠しきれないてこなのだった。