中国ドラマ『三国志 司馬懿 軍師連盟』(原題・大军师司马懿之军师联盟/虎啸龙吟)其の1《曹操ターム》ドラマレビュー:ムサ叔萌えドラ優勝作品!北方三国志とどう違う?【李晨リー・チェン】【章賀ジャン・フェー】【翟天臨ジャイ・ティェンリン】【陸思宇/陆思宇ルー・スーユー】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年8月8日

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今日は、中国ドラマ『三国志 司馬懿 軍師連盟』(原題・大军师司马懿之军师联盟/虎啸龙吟)其の1《曹操ターム》ドラマレビュー:ムサ叔萌えドラ優勝作品!北方三国志とどう違う?、
を紹介するよ。
 
ぇえ、ぇえ、とうとう書きますヨ。
4年寝かせました、、、
3巡ほどしました、、、
ぁあ、反省したい。
次からは”見たらすぐ書く”を実行したい、、、
 
中華本土では2部構成。
第1部:「大军师司马懿之军师联盟」2017年、全42集
第2部:「虎啸龙吟」2017年、全44集
 
日本では第1部は夏、第2部は12月ごろに播出されて、数ヶ月後に2部が見れるなんてまるで奇跡♡と喜んだ記憶がある。
現在、U-NEXT、Amazonプライムで無料配信中なので見るがいい。
もちろん日本語字幕付きである。
ぃいなぁ、、、
 
で、原題に注目して欲しいのだが。
「三国志」などとは書かれていない。
あくまで「大軍師司馬懿」である。
とりあえず”三国志”ってつけとけば見るやろ?って安直さにがっかりである。
まぁ、見るけどね。
 
日本での配信パッケージは↓
ぅん、びみょーにダサいね。
真ん中の司馬懿の赤の衣装は、作中では晩年の覚醒時、おそらく80集くらいに着てたやつだと思うんだが。
若めの頃の司馬懿は、茶色とか灰色とかアースカラーの衣装がほとんどで、この衣装は着てないと思うんだよね。
日本発売におけるパッケージの作り方がうっすらとわかっちゃった瞬間である。
ちなみに↓は中華本土の第2部スチール
ふむ、やっぱりこっちのがぇえね。
 
「三国志」とあるように、ベースは「三国志演義」であるが、その中でも司馬家、特に司馬懿にフォーカスしたドラマである。
司馬懿といえば、”蜀”の宿敵”魏”の軍師であり、諸葛亮を死に追いつめた犯人である。
てこは別に諸葛亮がお気に入りではないのだが、それ以上に”司馬懿”には1ミリの思い入れもない。
吉川版でも割と散々な書かれ方(狡猾・粘着)なのだが、総じて地味。
北方版はもっとひどくてそこそこフォーカスはしてあるものの「気持ち悪い」レベル。
なのでダレトク?などと思ってたのだが。
中華では日本人とは違う解釈があるのやもしれん、と思い直し視聴開始。
 
始まってみると、斬新な”司馬懿像”に軽い衝撃を受け。
そして、わんさか、うじゃうじゃ、とコレでもかと出てくる
ムサ叔(むさくるしいおやじ)に萌えるドラマ優勝作品、であると言うことに気づいた。
 
登場人物が非常に多いのだが、ほぼ全員この”ムサ叔”な訳で。
”ムサ叔”たちの胸熱が伝わってきて「なにこれ、クッソおもしろいんだがーーーーー」なのである。
 
全86集のボリュームに加え、登場人物も実に多い。
それらのほとんどが胸熱のムサ叔であるからして。
長くなるのは間違いないので、今回は
イー:曹操ターム
アル:曹丕ターム
サン:曹叡&曹爽ターム
と3部構成としたい。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

大軍師司馬懿《曹操ターム》

「三国志」と冠がついているものの、上述した通り”司馬家”にフォーカスした物語なので。
要は”魏”のお話である。
 
日本人における三国志の定義は、”蜀の劉備元徳を正義”とし”魏の曹操を悪”とする。
すなわち”悪者”と言われている”魏”がどんな国だったのか、
そして悪者リーダーと言われている曹操の目線を知ることができる物語である。
 
ここで、明記しておきたいことがある。
それは、ハンパない人口増減を繰り返すシナの歴史においての、この時代の総人口である。
物語の時代背景は後漢末期である。
紀元前後6000万人
前漢(武帝時代)3000万人
後漢創始時(光武帝)1500万人
2世紀半ば(156年)には5000万人に回復
後漢末(230年台)から三国時代
魏・250万人
呉・150万人
蜀・90万人
3国合計しても500万人未満。(←イマココ)
なんと”十分の一”である。
1割減ったんじゃなくて1割になっちゃってるのである。
 
その中で、どうやって”曹操軍30万”などという軍隊がなし得たのか?
三国とも人間が少ないので辺境で”人間狩り”をしたわけだが、魏が一番大々的にやっている。
 
しかし、人狩りはしたものの、兵糧はどうするか?
人は少ない上に、働ける人間は戦へ行く為、田畑を世話する人がいない、という悪循環を繰り返していた時代なのである。
 
人間の元となることの最重要課題である”食”、この為の政策が抜きん出ていたのが諸葛亮孔明である。
中華なレオナルドダヴィンチである彼は、
国力をつけるには、まずは”食”と言うことでいち早く屯田を始め、農機具も発案し、少ない兵で戦えるように兵の質を上げる為にとことん修練させた。
そして馬である。
馬の質を上げる為に、交配を繰り返し、より良い血統を作り上げるべき努力をしている。
屯田については、本作でも鄧艾が屯田を行うが、蜀ではもっと前から実施している。
一般人の生活は蜀が一番ましだったと言われている。
 
ところで、”人間狩り”であるが。
後にはもっと体裁がいいように受け入れ態勢を整え、魏には北方の異民族が大勢受け入れられる結果となる。
ほぼ絶滅状態の漢人を補う為に迎え入れたわけなので、シナの北方は異民族だらけの土地となる。
 
魏はその後、265年に晋(司馬炎・司馬懿の孫)に乗っ取られ、晋も内紛をおこし316年に滅びる。
その後五胡十六国時代を経て北魏が誕生するが。
その北魏は鮮卑族の王朝である。
皇帝が死んだら、嫁はその親族とまた結婚できる、というよくわからないルールは鮮卑族のものである。
そして異民族だが正統であると声高に叫んでいる。
要するに、魏の北方受け入れのせいで人種が入り乱れて、よもや何が”正統”なのかわからなくなってしまったのである。
 
っと、話を戻すが、何を言いたいかと言うと、どこもかしこも疲れ切ってた時代であること。
ドラマでの城内の風景は実際と相当違うだろうし。
なんせ人が少ないから。
曹丕の好物の葡萄もあったかどうか定かではないし(おそらくなかったと思う)
焼肉はね、あったと思う。
狩りで生き物を獲れたなら、”葉っぱに包んで土をかぶせて蒸し焼きにする”と言うのが北方三国志にも記述がある。(張飛の得意料理)
おそらくは、野菜の切れ端と僅かな穀類が入った粥がオーソドックスで、麺や饅頭はスペシャルの部類であろうと思う。
誰も彼もが疲れ切ってた時代なのに、上の奴らは戦ばっかりして、おまけに後継者争いを繰り広げてて、下々の民にしたら、いい迷惑、勝手にやって迷惑かけんな、って時代である、ということである。
 
と、ここまでが前置きだが、長かったっすか?
すいませんね、ほんと。

こっから、ドラマレビューはじまるよ!

↑いきなりから、てこお気にの4人である♡
そう、何度も言ってしつこいようだが、司馬懿に思い入れは1ミリもない。
諸葛亮に比べて格段に影の薄い司馬懿であるが。
字名は仲達。
ぱぱんは司馬防で、”達”のつく兄弟8人(”司馬八達”と称される)の次男。
 
この司馬懿については北方三国志で面白い記述がある。
司馬懿は“鷹眼狼顧”の持ち主で、首が180°回転できる、というもの。
古代シナでは、首が180°まわるのは狼で、その相の持ち主は残忍で計略に長けると認識されていた。
司馬懿がその相の持ち主と聞いて、曹操は面白半分に後ろから呼び止めたところ、本当に180°首を回転させて返事をして驚かせた、というくだりがある。
ドラマでは、そんな摩訶不思議面白人間としてではなく、もっとドラマティックに描かれていた。
帰り際に、後ろから碁石を投げつけられて振り向いて睨みつける、である。
”おもしろい”とか”変態”ではなく、あくまでも”キレっキレ男”設定なのである。
そして、そこに「鷹の目のごとしのこの男は、腹の中は読めないぞ、的なことを感じ取れ」という圧のBGMが流れるのである。
どこまでも、朴訥としていて善良で、義侠の心も持ち、しかし表には微塵も出さず、頭脳は格別に聡明でもある、という破格の”出来過ぎくん”設定かよクッソ、なのである。(失礼・ぺこり)
 
中の人は、呉秀波ウー・ショウポー。
アラフィフの彼は、ある時から白髪染めをしなくなった。
堂々とした銀髪姿に”萌叔”と喜ばれもてはやされた遅咲きの俳優。
本作は主演のみならずプロデュースも手がけ、若い頃から死ぬ73歳までを1人で演じ切る。
《曹操ターム》における司馬懿は、30代くらいに見える。
 
司馬懿の説明はこんくらいにして。
こっからは、てこの好きな曹操チームの面々を紹介しよう。
まずは曹操だが。
中の人は于和偉/于和伟ユー・ハーウェイ。
 
彼は「三国志Three Kingdoms」(原題・三國)では@劉備玄徳。
1997年「曹操」では@荀彧。
「項羽と劉邦」(原題・楚漢伝奇)では@始皇帝。
最近では「上陽賦」(原題・上阳赋)では@帝位を虎視眈々と狙う者。
直近では「覚醒年代」これは建党ドラマだった。
 
彼が演ずるのは、総じて一筋縄では行かない切れ者で、人としての魅力に溢れてる人物が多い。
そして、良い人役より断然悪い人役の方が魅力が大きい。
本作も例外ではなく、悪役の代表格といえる曹操を好演している。
 
ちなみに、中の人は司馬懿の中の人より3歳若い。
司馬懿より年下って、信じられる?
司馬懿・曹操の中の人の演技力たるや、ヤングでは行き着くことのできない領域に達しているのである。
 
曹操という人間は規格外の魅力に溢れている。
宦官の家系に生まれたことが、幼い頃から心に影を落としていた曹操。
「実力だけの世界がもうそこまできている」
そう感じ取った彼は、董卓の元で虎視眈々と成り上がりを目指す。
 
50人の義勇兵として涿(たく)県をでた劉備と、スタートはさほど変わらない。
ドラマスタート時は赤壁後で、既に成り上がりを果たし、さらには三国統一を狙う男としての登場である。
司馬懿が主役だから、しょうがないと言えばそれまでだが。
曹操という男を知るには、やはり赤壁までを知らねばならない。
ここまで来るのに何があったのかを知らねば、彼の美学を知ることは不可能なのである。
 
劉備にあって、曹操に無いもの。
それは”大義名分”である。
この時代の男にとって、剣を持って戦うには必ず”大義名分”が必要である。
それがなければ、ただの荒くれ者、不義理な謀反者に成り下がってしまうのである。
 
劉備の大義名分とは”漢王朝の復活”である。
中原奪回”これが宿願で、孔明死すまで一貫していた命題である。
劉備が死しても尚、彼の志を継ぎ、その命題に命を賭してまで愚直に邁進した諸葛亮。
自分が死んだあとも、自分の意思を継ぐものがいた劉備は幸せ者と言える。
 
対する曹操はそれ(大義名分)がない。
彼が願うのはただ一つ”覇者”になること、それだけである。
 
この、曹操の願望を知る2人の家臣、それが郭嘉と荀彧である。
この2人の心の中は同じようでいて実は大いに異なる。
 
郭嘉は、”曹操”の忠臣であり、曹操の願望を熟知しており、曹操こそが覇者になれる、そう信じている者である。
中の人は曹磊ツァオ・レイ。
てこはこれがお初だったが、その後「山海情」「覚醒年代」と立て続けに見た。
2021はおそらくブレイクで(遅咲きだなぁ)数多くのドラマ・映画に出演している。
たしか「大宋宫词」にも出てたと思う。
 
郭嘉は、曹操が信頼する軍師であり心の友でもある。
司馬懿のことは「劉備に取られるくらいならいっそ殺しましょう」と言っている。
これは、吉川・北方三国志でも同じである。
しかし彼は病を得、早逝してしまう。
 
「今の帝の血は消した方がいい」曹操がそう考えていたことを郭嘉は知っている。
ただ、曹操はこの国を統一するまでは帝になろうとしないであろう。
そういう男なのだ。
妥協はしない。
徹底して戦い、全土を従服させて、はじめて帝の資質がある、と考える男なのだと。
郭嘉だけは、全てを理解していたのであった。
 
もう1人の家臣、荀彧。
荀彧は、”魏”の忠臣であり、曹操に仕えたのは「漢王朝を復活させる」という彼の言葉を信じたからである。
そう、生きている場所が違うだけで、荀彧の志とは劉備のそれと一致しているのである。
なんの因果だろうか。
荀彧がもしも蜀の者であったならば。
劉備と夜を徹して漢王朝への熱い思いを語り合う。
関羽・張飛・趙雲・諸葛亮と炉を囲み策を練る。
実現していたなら、確実に歴史は変わっていたであろう。
そう考えずにはいられないのだ。
 
荀彧は、曹操が天下を収めることを望んではいたが、あくまでそれは丞相としてである。
丞相として、帝を支えて欲しかったのである。
曹操が「魏王」を名乗った時、荀彧の頭には、胸には、一体何が巡ったであろう。
中の人は王勁鬆/王劲松ワン・ジンソン。
もぅいろいろとお馴染みの彼のことは、みんな一度ならず見てるはず。
てこが見たのだけでも
「琅琊榜」「麻雀」「大唐荣耀(麗王別妃)」「天下长安」「天乩之白蛇传说」「破冰行动」「扫黑行动」
ほかもたくさんある。
 
ドラマでは、魏王を名乗った曹操の元を静かに去った荀彧は、死を賜ることを察していた。
「死は喜んで受け入れようぞ、だがひとつ置き土産をしていってやろうか」
なんて胸熱なムサ叔であろうか。
自分の死を利用して、ある仕込みをしていたのである。
 
小説はどうだったかというと、死のタイミングと理由は一緒だが、こちらは自死(自害)である。
魏王に、という朝廷の決定に対し異論を唱えていた荀彧に曹操が刺客を差し伸べたと勘違いし、潔く毒をあおったのである。
 
ここで、マニアであるてこが何年にもわたり研究し考察してきた曹操の気持ちを説明しよう。
ぇ、いらない?
でも、説明させてほしい(懇願)
 
魏公の話は、荀彧がもっと強く反対したならば曹操も辞退したかもしれない。
しかし、そんなやりとりをするには、もうお互いの肚の内を見せすぎていた。
話し合いをしても解決しないと思った時、荀彧は考え込んだはずである。
そんな時に、監視とも思える警護がついたのである。
 
荀彧としては、当然の選択だったはずだ。
投獄の恥辱など、荀彧の誇りが許すはずもない。
殺すべくして殺したのだ、と曹操は後悔したに違いない。
 
”服従か死か”
そういう、自分の人への接し方を、最もよく知っていたのは荀彧、お前であろう。
それでも尚、”なぜ”という思いがこみ上げてくる。
若い頃から一緒に戦った。
俺の闘いがなんなのか、なんのためなのか、誰より理解してくれていたではないか。
ただ、、、
帝に対する考え方が、根っこのところで違ってただけだ、、、
 
なぜ、毒をあおいだのか。
一度だけでも、自分と話し合うべきだとは思わなかったのか。
恐るべき男だった。
いつも曹操の先を読んでいた。
そういう男がそばにいるというだけで、曹操はいつも緊張していた。
二千石の食邑を与えても喜びもしなかった。
そういうところで、荀彧は生き、闘っていた。
 
”服従か死か”
それとは違う思いで接してきたただ1人の人間、それが荀彧、お前だったんだぞーーーーーーーーーーーー
by曹操心の声
 
荀彧は、どういう思いで自らの命を絶ったのか。
怒りか、絶望か、諦念か、曹操に対する抗議か。
それともまるで別の、支え切れないほどの人生のむなしさに襲われたのか。
本当の心は荀彧しかわからない
byてこ心の声
 
この辺にしときますか、、、
 
で、荀彧の仕掛けで苦しい立場になるお二人。
まずは曹丕と皇太子の座を争う曹植。
中の人は王仁君ワン・レンジュン。
「香蜜沉沉烬如霜(霜花の姫)」@水神、「新笑傲江湖(月下の恋歌)」@平一指
そこはかとなく漂うホスト臭(失礼・ぺこり)がこの役柄にぴったり。
 
曹丕(長兄)曹彰(次兄)と共に帝王学を叩き込まれ、文武両道で特に詩吟や音楽、絵画にたける粋人。
曹操に最も愛されてたのは、彼らの異母兄弟の曹冲であるが、病のため早逝する。
次兄の曹彰は武道オンリーの脳筋属性で皇太子レースからは外れてるため、実質、曹丕VS曹植の争いとなる。
 
その曹植の後ろ盾となるのが、我らが楊脩である。(わくわく)
中の人は翟天臨/翟天临ジャイ・ティェンリン。
「兰陵王(蘭陵王)」は@高偉で、ゲスな皇帝を好演。
「原生之罪-ORIGINAL SIN-(オリジナル・シン)」では堂々の主角@池震であの尹正と共演。
 
ゲスな役をやらせたら天下一品(そうでない役もです、念の為)
今回も期待に違わず、切れ者だけどこすっからく、薄っぺらい感じをこれでもかと表現した中の人の演技力に脱帽である。
権謀術数も司馬懿には敵わず、荀彧らのアレもあり次第に追い詰められてゆく曹植陣営。
実の所、曹植は曹丕に敵わず、と思ってはいても、楊家のために、そして主人と従った曹植のために、できる限りのことはした楊修なのである。
 
小説の方はどうであろうか。
そもそも、司馬懿についても、影が薄く、術数以外の記述はとくにないのである。
楊修はもっとない。
殺されるタイミングと、理由は小説と一緒だが、重みが全くない。(小説の方は)
ドラマでは、司馬懿との友情もあったように描かれてるがそんな話は小説ではないし。
ドラマでは、それなりなエピソードで思わず涙を呼ぶほどであるが、小説では「斬り捨てよ」のただ一言であった。
こうも言われてる。
「曹植はこんな男をそばに置いて、曹丕と後継を争ったのか」と。
間違っても”惜しい男だった”などとは言われていない。
 
そういった記憶(小説)があるので、正直、翟天临が楊修?といささか不満だったが。
見てみると、ドラマでは司馬家に濡れ衣着せたり、曹丕を貶めるためにこっすい陰謀をしたりと。
「んもぅ、楊修っ」ってみんながキリキリするほどの悪さをしており、役柄的には非常によかったと思うし満足である。
 
ここでまた、マニアてこ考察を入れていいですか。
ぇ、いらない?
でも言わせてください(懇願②)
 
楊修が処刑されたこの戦、益州”定軍山の戦い”は曹操軍40万人を従軍させた非常に大きい意味を持たせるはずの戦いであった。
孫権軍を合肥で破り、益州の劉備を打つべく漢中の侵略を目論んでいたのである。
まずは豊かな土地である益州を取る。
その舞台は定軍山、地形の利を利用すれば容易に落とせる。
はずだった。
、、、。
定軍山を直近から見て曹操は不意に全身から汗を吹き出す。
地形の隙だと思っていた二つがきれいに消えている。
斜面のありようも、かなり変わっている。
諸葛亮、まずその名を思い出した。
そーなんですよ。
孔明は、なんと地形まで変えちゃって、万全の体制で迎え撃つ準備をしてたわけである。
 
曹操が劉備に羨望を覚えるとすれば、それは麾下に抱えた武将たちであろう。
軍師諸葛亮だけでなく、関羽・張飛・趙雲。
それに加えて馬超という名だたる将軍たちである。
自分のもとへ来れば、もっと大きな、そして意味のある仕事をさせてあげられるのに。
劉備がどんな状態になっても、中心にいた武将で裏切った者はいなかった。
劉備にあって曹操にないもの、それは一体なんなのだろうか、、、、。
 
40万の軍がいるのに定軍山ひとつをどうしても落とせない。
この戦そのものが、どこかで間違っていなかったのか。
自分の戦が、守りに入っているのではないだろうか。
そんな根本をも揺らがすような不安を感じたのは、初めてかもしれない、、、。
by曹操心の声
 
こんな事情で、「ぇえい、役立たずめ」
と、言わばとばっちりな感じで処刑された、それが楊修である。
愛する荀彧を失い、さらに戦で自信喪失、つまりめちゃセンチメンタル週間だったのである。
 
じゃあ、曹操の麾下に抱えた武将たちとは誰、と気になるであろう。
紹介しよう。
まずは曹真、曹操の甥っ子。
中の人は、章賀ジャン・フェー。
アラフォーの彼だが、おそらくてこは本ドラマがお初。
搜狗百科をサーチすると、色々と出演作はあるようだが、ブレイクには程遠い感じである。
本作では出番も多く、もっと注目されていいと思うのだが。
 
将軍で戦しか能がない脳筋属性かと思いきや、なかなか悪賢いことも考えられる賢(かしこ)クラスな男子である。
曹丕の後ろ盾となり、なんとか曹丕を皇太子に据えて甘い汁を吸いたいと、強く願っている男。
曹丕が司馬懿を重用するのが気に入らない。
理由は「司馬懿はうさんくさいから」
まったくもって同感、激しく同意しますよ、曹真さん。
 
次が夏侯惇おじさん、片目の狼ですよ。
初登場時にすでに片目の狼になっとるが。
これは呂布討伐の際の名誉の負傷である。
ここにもいた、胸熱なムサ叔、その名は”夏侯惇”。
よこしまな考えを持つ曹操の親戚たちの中では、数少ないリベラル派。
曹操が魏王を名乗るときも「劉備を倒してから帝位につくべきだと反論した」とも言われている。
が、しかし、彼もまた、血縁者からの訴えは聞き捨てならぬ男なのであった。
 
ドラマでは司馬懿と話し合い中に脳卒中で倒れてたが。
北方三国志では、曹操が死んだ2日後にあと追うようにひっそりとお亡くなりになっている。
そんなところも好きだった♡
 
中の人は楊涵斌ヤン・ハンビン。
アラフィフのかれは正真正銘の萌叔で、若い頃はバッキバキの肌肉が自慢のイケメンだった模様。
長いキャリアを持つが、ブレイクもせず、話題作にもあまり縁がない様子。
がんばれ夏侯惇!
 
そして、なんと言ってもこの人、許褚である。
中の人は、李龍リー・ロン。
 
北方版では”虎痴”(こち)と呼ばれて(巨漢で虎のように猛々しいが、ぼーっとしてたから)、曹操は彼を非常に信用し重用していたが。
赤壁の敗走も無事帰ってこれたのは虎痴がいたからである。
小説では、いつ何時もそばを離れず、寡黙に、そして俊敏に曹操を警護する彼。
時に曹操は、戦の悩みや作戦を相談したり、意見を聞いたりもしている。
しかし、ドラマでは、腕っ節だけが強いボディガードな扱いであった悲しみ。
 
彼は、曹操に帰服してからは、曹操没後も曹丕、曹叡と、生涯を曹操一族に全霊の忠義を持って仕えた武将である。
身長8尺(184㎝)腰周り10囲(120㎝)という堂々たる体躯だったらしいから、中の人とピッタリ。
でも、ビジュアルもイケメンだったらしいのでそこは、、、ちょっと違う。
 
で、次がお待ちかねの汲布くん。
小説にはない設定の、司馬懿の嫁を密かに想っている校事府の校事。
正直、司馬懿の嫁を好き、って設定は余計だとは思うが。
司馬懿を主役にするには、都合のいいように帳尻を合わす事柄が必要で。
例えば、秘密を教えてもらうとか、秘密裏に秘密を盗んできてもらうとか、秘密に伝えてもらう、とか。
要するに”秘密”要員として必要だった。
 
中の人は、陸思宇/陆思宇ルー・スーユー。
沈黙的真相〜ロングナイト」@侯貴平/侯贵平。
古装の方がイケメン度2割増。
185㎝のプロポーションが繰り出す剣捌きは見栄えがし、加えて甘めのマスクのギャップ萌えである。
「破冰行动(破氷行動)」にも出てるが、ブレイクには程遠い感じ。
コレからも見守ってゆきたいイケメンである。
がんばれ汲布!

大軍師司馬懿《曹操ターム》てこが見た感想

まさしく”王者はここにあり”曹操の最期である。
 
ほんと、もうここで終了でいいんだよ、ほんとに。
劉備より先に死ぬとか、だめじゃん曹操。
華佗センセ殺すからやで?
 
ちなみに、てこ選出”三国志ヒーロー”の第2位の関羽は、この時もう既にお亡くなりになっておる。
第3位は孫策(孫権の兄)で、早々にお亡くなりに。
そう、1位・2位・3位、トップ3がもういないのである。
例えていうなら、サッカーの試合で、ワントップ・キャプテン・キーパーがいないのに試合続行、と同じ状況である。
試合にならんのだよ、、、。
 
曹丕とか、なんの思い入れもないんだが。
↑との恋模様とかも一切いらないし。
中の人は唐艺昕、張若昀/张若昀の嫁ってだけで荒ぶる案件なのに。
 
加えて、司馬懿の床入り事情なんて、1ミリも興味ないんだが。
中の人(張鈞甯)にはなんの罪もないが、正直司馬懿がモテるとかいらなくね?
まぁ、でも実際に司馬懿には3人の妻がいて、この↑の側室と一番仲睦まじかったというのは本当らしい。
 
司馬懿の息子?
子元(師)と子上(昭)、この2人に期待するしかあるまい。
あとは意馬(亀)かな。
 
小説の曹操の最期は、側室たちを侍らせたドラマのような軽々しさはなく。
曹操は、自分が死んでも誰一人後を追うことを禁じた。
土に還る時がきた、、、
何を思う。
済んだことは、済んだことだ。
後悔もない。
喜びも、悔しさもない。
充分に生きてきた。
そう思うだけでいいではないか。
土に還ろう、、、。
 
sayonara曹操、byてこ(号泣)※この記事はひよこさんに捧げる