中国ドラマ『斛珠<コクジュ>夫人~真珠の涙~』(原題・斛珠夫人)ドラマレビュー其の1:九州シリーズだけどちゃんと終われるん?【陳偉霆/陈伟霆ウィリアム・チャン】【徐開騁/徐开骋シュー・カイチェン】【王森ワン・セン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年1月26日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『斛珠夫人』ドラマレビュー其の1:九州シリーズだけどちゃんと終われるん?
を紹介するよ。
 
今までてこが視聴した九州シリーズは
「海上牧雲記」「縹緲録」「天空城」の3作品。
@天空はあまりにアレで途中放置なので実質2作品だが。
@牧雲記がひどい終わり方で、しかも続編も作られる風もなく、こんな思いはもうしたくないと切望する。
きっちり終わって欲しい、そう切に願う。
 
九州シリーズとは、原作は中国を代表する神7(セブン)作家が描く架空の歴史世界“九州”を舞台にした小説である。
 
九州世界の物語では8つの王朝が盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(by平家物語)をしてゆくのだが。
縹緲録→胤朝
縹緲録の姫野→燮朝
牧雲記→端朝
斛珠夫人→微朝(イマココ)
 
九州世界は、架空なので設定もいろいろ架空である。
人間(人族)の他に、
・羽族
・魅族
・河洛
・鮫族
・巨人族(たぶん)
がいて、本作は鮫族の役割が大きい。
 
原題の斛珠夫人の”斛”は日本語で言うところの”斗”、容量の単位である。
一斛は十斗である。
要は”十斗の真珠の夫人”ということなのでマダムパールである。
 
で、本作はクランクアップから待つこと1年、2021・11月にめでたく播出。
なぜ播出に1年もかかったのかは謎だが、まぁ見れたから良しとするが。
 
最初はいそいそとリアタイだったのだが、序盤、例のごとくの
「師傅〜師傅〜師傅〜」
が嫌で、しかもぃやな予感しかしないもんで。
@風紀〜とか@雪中〜とか優先しちゃって放置になってたが。
とっくに大結局になってるしとりあえず見とかないと、と視聴再開。
 
今回は、ざっと流れをレビューし、次回はキャストフォーカスでてこ監修”イケメン備忘録”。
全2回構成としたい。
中文視聴なので間違いもあろうが、大いなるネタバレになることもあるのでそこんとこよろしく。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

斛珠夫人ってどんなドラマなん?【プロローグターム】

架空世界だから、人魚もいていいが。
この造形がいまいちだと感じたのはてこだけではあるまい。
 
ま、それはおいといて。
この人魚の涙だけが本物の真珠になるらしい。
@方海市(楊冪)の村では真珠を年貢に納めなきゃならんのだが、本物の真珠とは人魚の涙だから。
漁は命懸けである。
海市は父と叔父と漁に出るが、父と叔父はサメに襲われ命を落とす。
大波に飲まれた海市だが、人魚の加護を受け生き延びる。
 
生き延びたはいいが、村に戻ったら政府の役人が村を焼き払おうとする。
逃げる海市は偶然通りかかった男@方諸(陳偉霆)に保護される。
霽風館は男子しか入れないため、男装し方諸の弟子として生活することとなる、ってのが初期設定。
中華な古装には珍しくとっても美しい子役である。
凛とした清潔感のある彼女であるが、願わくば今後も工事などせず自然な美しさを生かしてほしい。
で、思うのが。
方諸ってこんとき幾つくらいなのであろうか。
海市は小5くらい(10〜11歳)方諸は30歳くらい?
とか思ってたら、後に海市が
「少ししか歳が違わない」
などと言ってたんだが。
ということは18歳くらいの設定なのだろうか?
でもジフェンパビリオン(霽風館)の完成度からいって、18歳でアレだけのパビリオンを構築できるのだろうか、などと徒然考えたてこである。
 
この少女姿に惚れ惚れしてたのも束の間、早くも2集で”数年後”である。
兄弟子の@方卓英(王森)が子役の時と全然イメイジのちがうキラキラしてない肌肉男子を持ってきたのを評価したい。
そう、本ドラマの男①と男②が相当レヴェルが高い、色んな意味で。
これらに画面で見劣りしないためには、やはり今時の綺麗めのイケメンでは勝負にならんだろう。
しかも役名3つもあるんで、波乱万丈人生確定である。
この体格差、なぜ女だとバレない?胸も大きいのに。
・・・
愚問か。
 
「師傅〜師傅〜師傅〜」
海市がいちいちうるさい。
視聴意欲が下がる。
下がるが、ギリのところで↓の図を投入しててこを繋ぎ止める絶妙さ。
この2人、なんやら険悪ムード漂ってるがほんとは好き同士(←ヤメレ)ってバレてますヨ。
左が我の推し@帝旭/褚仲旭(徐開騁)である。
サイコでメンヘラで、妙に高テンションで嫁に来た@緹蘭をイジメまくってますネ。
ステキです♡
方諸と帝旭にはどうやらリンクがあるようで。
帝旭が怪我をしても痛がってるのは方諸なので、身代わり人形みたいなものか。
人魚、加護の魔法、身代わりリンク、とプロローグはファンタジー色が強い感じ。
正直な話、ラヴはほどほどでいいんですよ、ほんとに。
それに、あれでしょ?
中華な古装界隈ではタブーなんでしょ、師弟愛。
禁断の愛なんじゃないの?
・・・
愚問か。
架空世界だから、そんな疑問は持ってはいけないのだな。
そんなてこの気持ちなどお構いなく↓のような事態が続くわけである。
もともと方諸にその気はなかったのだ。
純粋な弟子、もしくは娘のようなものであったろうに。
海市の方は、邪な恋心などを事もあろうに師傅に抱くとは、誠にけしからん話である。
恋心を抱くなら兄弟子にであろう?順当に考えれば。
 
師傅の方諸も海市の育て方を間違った。
武芸は厳しく教えたが、肝心のところは甘やかしたからこんな事に。
海市が何かするたびに陰日向で彼女を見守り助けてきたせいで、我慢を知らぬ勘違い女になってしまってる。
初めは
「自分も任務をこなしたい」
って駄々コネから
「師傅〜、好き」
って駄々コネに変化する。
ようはずーっと駄々コネ娘であることを明記しておこう。

斛珠夫人ってどんなドラマなん?【科挙&黄泉関ターム】

ずっとオフィシャルな場では仮面の方諸だったが、諸々の理由で(海市助けた時顔バレしちゃったとか)実は@方鏨明でした、となる。
 
方鏨明と帝旭と紫簪(帝旭がこよなく愛した今は亡き妻)は幼い頃からの幼馴染。
3人のほほん青春ライフを送っていたが、儀王反逆事件が勃発。
宗室が殺され(その時紫簪死亡)やむなく帝旭が帝位につき、方鏨明は身代わりの契りを結ぶ事となる。
 
聞けば聞くほどもう方鏨明✖️帝旭ストーリーでいいのに。
しかしやはり軸はラヴなので。
でもしかし、三角関係とかウザいのは居らず、
↓方鏨明✖️海市
↓帝旭✖️緹蘭
↓方卓英(海市の兄弟子)✖️柘榴(刺繍パビリオンの盲目女性)
↑の3つのラヴラインを、朝廷内の陰謀や九州世界の政治パワーゲームを背景に描く流れ。
 
とりまこのタームでのヴィランは、皇帝の右腕である方鏨明&ジフェンパビリオンを潰したいという者のよう。
スパイ活動とか、面白く興味深く見れるのだが、
@牧雲記などのようなスケール感がいまひとつ感じられないのは、やはり主題がラヴだからではないだろうか。
ラヴの奥行きとは意外に浅いものなのではないだろうか、などと思い至ったてこである。
 
海市がウザいのは相変わらずだが、やはり圧巻のアクションなのである。
もちろんスタントの方が優秀なのであろうが、それでもいちいちポーズが決まってるし。
角度とか、キメ顔とか、文句のつけどこが見当たらない。
やはりあの、かの陳偉霆の相方を務めるにはこのくらいの女優でなきゃ無理なのだろう、と思わざるを得ない上出来感。
でも声がなぁ・・・(本人声です、ちなみに)
あと相変わらず、酒に呑まれて酔った勢い(ふり)で告ったり、抱きついたり。
師傅師傅うるさかったり。
強引に告って困らせたりして、てこをイラつかせるが。
このアクションを見るとぐうの音もでないのであった。
 
そして、もうほぼ落ちてる師傅。
言葉と行動が激しく矛盾してる師傅。
自分の戦場も都のことも投げ出して、辛抱たまらず助けに来ちゃいましたとさ。
もう↑のタイミングとかもうギャグレベルなのだが、視聴者は優しいのでスルーしてあげる流れなのである。
「もう早くくっついて」
という視聴者の思いを知って製作側は、次なる試練をぶっ込みますよ、セオリーとして。
 
そうそう序盤に紹介し忘れた(失礼・ぺこり)
↑@韓申にいさんがでとります(秦時麗人明月心・麗姫と始皇帝参照のこと)
序盤に、皇帝の弟と、新しく皇帝の嫁になる緹蘭を護衛して連れてきた将軍であるが。
どうやら密やかに緹蘭に恋心を抱いてるようでもあり。
どうやら密やかに皇帝の弟になんやら邪な企みをさせようとしている風にも見えた。
この辺のフラグが後に影響してくるのだろうか。
 
てことしては@韓申にいさんは大いに活躍して欲しいのだが。
フォーカスのされ方が残念この上ない状況で。
警備に扮装して何してるかと思えば、公主が帝旭にいじめられてつらそうにしてるのを覗くというキモさ。
ほのかな恋ゴゴロなどで道を誤るでないぞ、と釘をさしたい。
↑兄弟子にそっくりな北方の野人を黄泉関の戦いで見つける海市。
帰ってきてから兄弟子に
「めっちゃそっくりな人がいたんだけど、知ってる?」
そのあとの@方卓英の微妙な顔つきから察すると、既に彼は自分の出自は知っていそう。
おそらくあちらの国の皇子とか、そんな感じだろうね。

斛珠夫人ってどんなドラマなん?【ニセ公主ターム】

このドラマって、肝心なところの白黒をつけずに曖昧なままとりあえず続く、って体裁なのだが。
例えば、ずっと悪さしてた@蘇鳴なんかもとりま逃げてその後?だし。
ひとり怪しい部下がいたり、宮中でいかにも怪しい動きをしてる宦官もおるのだが。
メインCPも、とうとう方諸がおちたか・・・と思わせといて、海市を拒絶してる方諸に?だし。
そんなもやもやを払拭すべく、製作陣が新キャラを投入する巧妙さ。
紹介しよう。
@周幼度、中の人黄俊捷である。
来ましたよ、きらきら系が。
 
きらきら枠なのにひどい扱いですよ、報われない枠でさえない。
方諸(方鏨明)の心をざわつかせるためのスパイス要員である。
そんなスパイス要員の彼だが、メインCPにとっては彼こそがMVPである。
身代わりリンクという重大な秘密を持っていてなかなか踏み切れない方諸(方鏨明)なのだが。
彼の話を聞いて、海市を受け入れて一緒に運命をともにしようと決意したのだから。
でも、こんな流れにしなくていいと思う。
方諸(方鏨明)が、あまりにも何度も何度も拒否るから何らかの動きを出したかったのだろうが。
悲しいのは、当の海市が彼の慕情に全く気付いてない事。
もやる、もやるわーーーー。
他も、ニセ公主タームは納得いかないことだらけ。
中華な古装の婚儀はうまくいかないのはもはやデフォルトであるので。
なんらか起きるのはわかってたけども。
不思議なのは、ニセ公主は方諸(方鏨明)に惚れちまったはずでは?って事である。
自分が犯人って丸わかりな方法で皇帝に毒を盛るのだが。
バレたらその後は斬首ものだし、方諸(方鏨明)とのハネムーンもおしゃかだろ?
詰めの甘い脚本である。
クランクアップから1年、真面目に待って楽しみにしてた視聴者がおるのだからもっとまともな脚本にして欲しい。
要はね、ここの肝はニセ公主の企みとか陰謀ではなく、
お互いが好きなメインCPなのに、違う女と結婚しなくてはならなくなった、という
イー:死んだ魚の目の花婿来るかーー、って喜ぶ
アル:海市、切ないね〜〜、って不憫がる
以上の2点が目的なエピであるのだ。
こんな脚本は認めない、断じて。
 
で、ずーーーっと棚上げされてた兄弟子@方卓英の方だが。
これまた面倒なやり方のシナリオを方諸(方鏨明)が作る。
方諸(方鏨明)は誠に聡明で、3手ぃや5手先まで読んでシナリオを作ってる。
実際、ニセ公主の件も海市に知らせてないだけで、
「全ては計画通り」(by夜神月)みたいな流れなんだよね。
で、↓の@方卓英の愛する女は自害(と見せかけて実は生きてるって例のやつ)
もう自分が冷静でいられなくなる唯一の弱点も無くなって、心置きなく北方へ帰ることができる@方卓英である。
そう、知らないのは海市だけ。
だから余計なことすんなよ?海市?って視聴者を代表して発言しとこう。

斛珠夫人ってどんなドラマなん?【毒殺ターム】

㊗️34集にてプロポーズである。
長かった、実に長い道のりであった。
 
やっぱりラヴストーリーなんだよなぁ・・・と再認識する流れ。
もうすっかりこのドラマが”九州シリーズ”だということさえ忘れてしまう。
たまーに、首都が”天啓”だと聞くと、ぁあそうだったな、と思い出す程度。
 
ここへ来て、ようやく身代わりリンクのシステムもわかってきた。
誰でも身代わりになれる訳ではなく、方家の者だけができる血継限界(byナルト)であるようだ。
こんな斬新で面白いネタと、九州世界というアヴノーマルな背景があるのにも関わらず、ただのラヴストーリーにしてしまうとは。
実に残念、誠に残念。
 
説明しよう。
ようやくプロポーズして、その夜ささやかな2人きりの婚儀。
まさに床入り、って時に。
帝旭が毒盛られちまったんですよ。
帝旭はぴんぴんしてるが、身代わりリンクの方諸(方鏨明)がダメージ大で”残りわずかな命”というヒロイン設定。
〜からの、髪の毛ばっさぁ〜〜〜の身バレ(実は海市女だよって)発動。
 
余命わずかだから、海市を守るために帝旭の嫁にしたら安全?っていう無理くりな流れである。
盛られた毒は、実に稀な毒なので解毒は不可能、
だったはずが、実はそうではなく、なんとか解毒できるかも、っていう要するに勇み足(早とちり)なんだよね。
でも既に、海市は帝旭の妃になってるから、結局のところ方諸(方鏨明)との未来は期待できない、という切ない流れにしたかったのだと思う。
 
でもね、てこは違うところに萌えてしまった。
海市が身バレした時にかけていた首飾り(方諸(方鏨明)の弓の指抜き)、
それを見た瞬間に全てを察する帝旭、ここに萌えるわけよ。
そして一瞬交わる方諸(方鏨明)と帝旭の目線、ここに萌えるわけよ。
この一瞬で通じるお互いの胸の内、ここに萌えるわけよ。
 
あぁーーーほんとに残念でならない。
なぜここに普通のラヴを持ってきたのか。
方諸(方鏨明)✖️帝旭=とてつもない萌えがあったはずなのに。
そこに愛は確実に存在してたはずなのに。
何故に普通なラヴストーリーにしてしもたのか・・・
そこが残念でならない。
 
さらに、一気にファンタジー色が濃くなる流れ。
・・・
おそらく、原著はもっと違う流れなのではないだろうか。
だって神7(セブン)だよ?
面白いはずだよね?
脚本、全ては脚本のせい。
 
実は、これまで悲恋フラグしか立ってなかったのだが、ここへ来て一気にハピエン大結局が見えてきてしもた。
実は(其の2)メインCPのイチャコラが気に食わなくて、悲恋を熱望してるてこが居たのはヒミツなのだが。
人魚エキスで解毒にワンチャン、って感じでクライマックスへ。
 
ついでに31集から人が変わったようにラスボス感満載の皇帝弟の@褚季昶(中の人、叶筱玮)
なんか@一生一世に出てた気がするけど。

斛珠夫人ってどんなドラマなん?【クライマックスターム】

てことしては
↑のふたりを気にしたいとこだが。
残念ながら
↑このお二人の行く末とか
↑の北方に行った兄弟子@方卓英の行く末とか
↑てこにとっては、もはやどーでも良くなってるメインCPの行く末など。
方諸(方鏨明)の人魚エキスによる解毒は成功するのか。
皇帝弟の謀反の行く末。
九州世界のパワーゲームの行く末。
 
などが見どころであるのだが。
この結末は其の2にて語ろうと思う。
そしててこのライフワークであるてこ監修”イケメン備忘録”
そしててこが見た感想で完結とする。
ので楽しみに待つがいい。