中国ドラマ『長風渡』(原題・长风渡)ドラマレビュー其の1(1〜20集くらいまで):棚からぼたもち!?最高の結婚・熱き血潮のヤングたちが国を救うのだ!【白敬亭バイ・ジンティン】【劉学義/刘学义リウ・シュエイー】【張昊唯/张昊唯チャン・ハオウェイ】【張睿/张睿チャン・ルイ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年9月29日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『長風渡』(原題・长风渡)ドラマレビュー:棚からぼたもち!?最高の結婚・熱き血潮のヤングたちが国を救うのだ、
を紹介するよ。
 
【基本情報】
 
監督:尹涛
脚本:白錦錦
P:楊蓓(総)李行健(総) 于飛、馮楽、路鈺偉
原著:墨書白《長風渡》
主演:白敬亭、宋軼、劉学義、張昊唯、張睿、趙子琪
プラットフォーム:愛奇藝、2023年6月18日〜
45分✖️40集
 
白くん【白敬亭バイ・ジンティン】の最新古装劇だ。
監督さんが「少年歌行」と同じなので、わりと出演者も被ってる。
つまりきらきらルックのイケメンが大勢出ている夢の様な古装劇だが。
てこは以前より声高に主張していることがあって、それは美叔や美爺の存在意義についてなのだが。
美叔・美爺の存在が、イケメンたちの存在感をより強調することが出来るのである。
ヤングなきらきらなイケメンどもは、もちろん単体でも輝けるが、作品がおもろなかったら元も子もない。
イケメンでカヴァー出来る範囲はわりと広い為騙されて見てしまうが、おもんなかったら(面白くなかったら)ようよう完走したとしても記憶には残らない。
しかし、美叔・美爺らのおかげで作品に趣が出たり奥行きが増すケースがあり、
きらきら画面ではないのに、彼ら古参のスキルのせいでうっかり泣いちまったりする場合、その作品は記憶に残ることとなる。
 
例えば本作の美叔枠筆頭であるじゃん兄さん【章呈赫ジャン・チャンクゥ】は曹操の甥っ子曹真(「大軍師司馬懿之軍師聯盟」参照のこと)の中の人だが。
何中華さん【何中華/何中华フゥ・ジャンファ】との心が震えるほどのスペシャルケミを見せてくれる。
双方共にとんでもない胸熱ムーブがあり、それはそれはてこを感心させたものだ。
いい年したおっさんふたり、大哥呼びしてイチャコラする様も見逃せない案件だ。
 
そして本作は主要メンバ(ってかほぼ皆)原音っす!
ちょっとっ、こんな声なん?w、みたいな人も居て、楽しめると思うぜ。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

長風渡(1〜20集くらいまで)ってどんなドラマなん?

不本意ながら結婚したメインおふたりの結婚生活を軸に、
古参VS若手の構図で、熱き想い溢れる若手が古参を抑え国を担うまでに成長していく世代交代を描いた物語だ。
 
最近わりと多い先婚後愛仕様。
互いに意にそぐわない婚姻ではあるが、ヒロインの方は実家での生活が悲惨だったので条件の良い嫁ぎ先に嫁げるのだから良しとしよう、などと思っていて。
しかし白くんの方は、妻にするなら愛する人を、と夢見る夢男くんで。
ほとぼり冷めたら離婚しよーぜ、などと初夜でぶちかます愚かな男子だ。
ひどい男子だ。
嫁入りした女子が気の毒。
とか言いつつ。
しばらくすれば(わりと早めから)何やかんやで男子にも良い所もあるし、何かと意識し合い、いずれ間違いなく熱烈モーレツに愛し合う様になるのは間違いない。
 
絶望し数珠行き(尼寺)しようと覚悟したところへ、義理ママに連れられ嫁ぎ先顧ファミリーの経営する多くのお店を見て回る義理ママと嫁。
女子であり妻で母親で、その上バリキャリである義理ママを見て目から鱗のヒロインだ。
側室にいじめられてる実家の実ままとは大違いな生き方の義理ママである。
早速生きる目的が見えて来て、さらには夫に
 
女子だってやりたい事とか目標とかあってもいいと思う
 
という啓発をされ、早速その気になって顧ファミリーのビジネスを学び始める。
単純ですぐその気になる性格は新興宗教などに引っかかりやすそうな気もするが、
まぁ無双嫁設定なので。
脳みそも優秀で機転も効くし理解も早いし、何と言っても善良で正義の女子だし、もっすごいポジティブシンキング女子なのだ。
とんとん拍子でビジネスを成功させて行く。
あまりに簡単に成功するので、非常に嘘くさい。
もちろん邪魔をする者も居るが必要悪なので、つまりより成功するためのフラグだ。
 
10集くらいまで、ビジネス話が続き。
これは月花(那年花開月正圓)みたいなドラマなのかと。
それにしても簡単に行き過ぎだろ。
などと半ばリタイア寸前だった。
でもリタイアはしない。
だっててこは白くんは激推しメンだが、チャラ男に見えて実は漢気あふれる男子だと言う事は見えて来てはいるが未だこれといった見せ場もない。(赤王を蹴り飛ばした事くらいしか見せ場はない)
白くんの勇姿を見るまでは止めるわけにはいかない。
さらに、筆頭ヴィランがこれまたてこ激推しのしゅえっち【劉学義/刘学义リウ・シュエイー】だから。
しゅえっちは、なんでかは知らんがもっすごく顧ファミリーを憎んでて、特に白くんをやっつける気まんまんの男子なのだ。
赤王のぱぱに取り入って、なんやら邪な事を画策してはいるが、今のところ失敗続きだ。
 
ところでこのドラマの舞台背景となっているのは大夏国という国だ。
司馬遷の《史記》に登場する大夏だろうか。
んな訳ないよね、紀元前2世紀の話な訳ないから架空だ。
でも赤王のぱぱは徉州の節度使だとキャスト表に書いてある。
節度使といえば唐代に発現しそのうち乱立し、五代十国時代の諸国は節度使が樹立したものだった気がする。
 
で、しゅえっちは赤王ぱぱに初接触の際
 
「あなたは龍に興味がおありの様で・・・」
 
などと言っていて、つまりは一介の節度使が玉座を狙っていて、その行為は驚く事ではない、という事なのだと思う。
要するにこの舞台世界はいつの時代か定かではないが、おそらくは唐〜五代十国時代の年代に似た世界で。
玉座は世襲ではなく強い者が勝ち取れるシステムという事になるよな、などとぐるぐる考えていたてこだ。
正直意味がわからない。
 
まぁいい。
先に進もう。
ぁ、ちなみにさっきから赤王赤王言ってる件は「少年歌行」を参照してくれればわかる。(【鄧凱/邓凯ダン・カイ】)
 
で、ヒロインは顧ファミリーの小夫人として、邪魔が入ったり困難はあるもののキャリアを積み重ねていき。
白くんは科挙勉しながらも陰日向で嫁を支え、何やかんやでふたりの距離も近づき、
離婚、なんて言葉を出した事に早くも後悔の念を抱いている、ってのが10集くらいまで。
 
しかし、そっから大事件が起き人生がひっくり返ってしまう。
例の赤王のぱぱである徉州の節度使が、顧ファミリーの朝廷での後ろ盾が失脚し同じ様に失脚した梁王謀反に乗じて反乱を企てたのだ。
もちろんしゅえっちによる筋書きによるものだ。
なので実に酷い計画なのだ。
その計画で、顧ファミリー以下、名だたる士族(葉ファミリー)や商家を悉く潰して灰にしてしまう。
 
そうそう、そういえばいぇファミリー(葉家)の長男は、もともとはヒロインと結婚するはずだった街1番の秀才くんだ。
それが、白黒(「且試天下」)での唯一のヴィランラスボスを務めた【張昊唯/张昊唯チャン・ハオウェイ】だった。
黒白では、こんなお綺麗な男子だったのか、と二度見した男子だが。
今回は、なんと原音がわりと痺れる掠れ声、と二度聴きしてしまった男子だ。
ちょっと動揺し好きになりかけてしまった(あぶねぇあぶねぇ・・・)
 
今回の役柄は可もなく不可もなく。
ヒロインと結婚できると喜んで帰省したら、ヒロインは別の男に嫁いでた。
でも特に荒ぶる事もなく、淡々と現実を受け止めまた学校へ戻っていった男子だ。
今回の悲劇の惨殺中も遠く離れた学校に居たので、殺戮は逃れたがおばあさまも殺され妹は赤王のぱぱ(節度使)に囚われ嫁にされそうになっているために、やむなく赤王のぱぱの下で働いている設定だ。
しかし、心は国を想う善良で正義の男子なので、後に白くんたちに説得され仲間となって戦う、っていうわりとありふれておもんない設定だった。
 
で、顧ファミリーは船で悠州へ脱出する計画を立ててたのだが、そうはさせるか、と赤王&ぱぱが乗り込んできて〜
からの、白くんの戦いムーブだ。
ここでの涙ポインツは、やはり師傅だろう。(中の人、言杰さん)
白くんも師傅ももっすごい遣い手で強いが、敵の数がぱねぇ。
もうここまでか、って時に馬でヒロイン駆けつける。
師傅はごんずー(白くん)逃すためにひとり残って敵と戦い〜
ぁあこの忠義がてこの涙を誘うのだ。
 
逃げ切った白くんだが、しゅえっちがまたもやいらん事しよってからに。
白くんの悪友3人組のひとりを公開処刑するという。
恐らくそれを止めに白くんが来るだろうと、そう言う計画のしゅえっちって、ほんとに邪悪♡
この真ん中の悪友(中の人、郭昊鈞くん)の今までのチャラさを帳消しにするかっこよさで。
なんという絆かっ、とこれまたてこを泣かせる涙ポインツとなった。
 
親友も死に、人伝に顧ぱぱも殺されたと聞き、敵討ちに、と勇足の白くんを嫁が止める。
 
ままが待ってるのよ
生きて帰らなきゃ
 
って事で、ふたりの逃避行が始まる。
荒屋で科挙1位合格の知らせを知るが、大事な人が死にすぎた。
喜びと悲しみを胸に、悠州への悲惨で辛い旅の始まりだ。
 
大夏国の現状は、皇帝も体調が優れず疑心暗鬼病も併発、太子も鳴かず飛ばずの凡人風で、国庫は空っぽ。
水害やら旱魃やらで国民の生活はもっすごく苦しそうだ。
何がなんでも白くんを捕まえたいしゅえっちは、ふたりを賞金首にしてしまい、飢えた農民・難民に追われる羽目に。
そして砂漠の旅。
さばくでいちゃこらして↑こんなことしてる訳じゃなくて。
死にそうになってる嫁に口移しで自分の血を飲ませてるとこだ。
そして白くんもとうとう意識を失い・・・
・・・
しかし、こざっぱりして目覚める白くん。
そう、ゆもこと【張睿/张睿チャン・ルイ】のファインプレーである。(ゆもは「沉香如屑·沉香重華」参照のこと)
ゆもは、徉州で顧ファミリーの商いの相手として出会ったが、本当は周将軍の三男だ。
女子ながらビジネスを切り盛りしてるヒロインを信頼し、夫の白くんの漢気と正義感にも感心し。
3人で義兄弟となってる間柄。
大哥ですよ。
ゆもにいさんは、徉州の不穏な動きのニュースを聞き心配で馬を走らせてたら、行き倒れてたふたりを見つけ保護してくれてた。
ぃやぁファインプレーだけどもうまく行きすぎ。
まぁいいですけど。
 
話は前後するが、ヒロインの実ママは顧ファミリーの船で一緒に悠州へ逃げる計画だったのだが。
それを聞きつけた意地悪側室も、自分らも連れてってくれと頼むんで同行してたのだが。
案の定、意地悪側室から
 
実ママは殺されてしまった
 
と聞かされる。
これは本当か?
恐らくは、殺したのは意地悪側室だろう。
そして恐らくは生きているはずだ。
この時点で真相は明らかにされていない。
いずれ訪れるであろうカルマに期待が膨らむところだ。
 
またもや話は前後するが、徉州事変のちょい前にしゅえっちのちーこ時代回想ムーブがぶっこまれている。
どうやらヒロインとはちーこ時代に会っている様で。
なんやら辛いちーこ時代の様だが、それがなぜなのかは未だに明らかにされてはいない。
 
しゅえっちが赤王のぱぱ(節度使)にコンタクトしたのは、顧ファミリーをぶっ潰すことが目的で。
つまりいぇファミリー(葉家)ほか、惨殺されたファミリーは言わばとばっちりで家が滅亡したと言う事だ。
そこまでに憎む理由って一体なんだろう?
顧ぱぱは善良そのものな感じの美叔だったし、でもしゅえっちの苗字にはなんらか知ってそうな顔はしてた。
と悶々と考えていたてこなのだった。
 
で、なんとか皆が待つ悠州に到着し、再会を喜び、
しかし亡くした人を思い悲しくもなり。
とはいえ、大勢の仕様人を抱える顧ファミリー。
なんとかここ悠州でビジネスを展開しなくちゃ、っていうところが20集までだ。

長風渡(1〜20集くらいまで)てこが見た感想

最初に、不本意ながら結婚したメインおふたりの結婚生活を軸に、世代交代で〜云々と書いたが。
20集までには、そういった(世代交代)の流れはなく。
ヒロイン事情(ビジネス)を軸に、メオトの絆が深まってくところに焦点が置かれており。
しかしそのビジネスもとんとん拍子すぎるし、月花のような手に汗握る試練などもなく。
ちょっとした肩透かしを喰らった感じだ。
 
さらに、朝廷がなにかと不穏で〜とは言うが、具体的な事はよくわからない仕様だ。
例えば今回の徉州事変は、梁王が謀反を起こしそれに乗じた形だが。
しゅえっちの計画の全貌を考えるといろいろと納得がいかない。
梁王に謀反を起こさせる様に仕向けたのがしゅえっちって事なんだろうか?
どうやって?という部分がすっぽりと抜けている。
ビジネスの話もそうだが、プロセスが蔑ろにされてるために茶番みが強い。
 
まぁそうは言いつつも、顧ファミリーに討ち入って来た赤王&赤王ぱぱ勢をぶった斬る様や、追い詰められて、
もはや・・・これまで・・・
と言う様なシーンは念入りに作られていて見応えがあるのも事実だ。
なので、
 
”こまかいところはよくわからないが、今こうなっちゃってるので自分の頭の中で細かいところは想像して補充しながら見てくださいね。
ほら、こんな見せ場もありますし、楽しめるはずですよ?”
 
って仕様なのだと思う。
 
とか言いつつ、またもや疑問をぶつけると。
財政難の朝廷が顧ファミリーの財産狙いで公主と結婚させようとしていた、って話がどうも納得し難い。
公主って、隣国とかの和平とかで降嫁するのが常套だが、金持ちとはいえ商家に嫁がせるものだろうか。
 
まぁしかし、後半は胸熱な話が目白押しなんだな、実は。
てこが楽しみにしているおっさんらの胸熱バナも満載なんだな。
 
ってな感じで其の2へ続く。