中国ドラマ『紳士探偵L 魔都・上海の事件録』(原題・绅探/紳探)ドラマレビュー:中華な明智小五郎爆誕【白宇バイ・ユー】【陳孟奇/陈孟奇チェン・メンキ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2022年9月27日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『紳士探偵L 魔都・上海の事件録』(原題・绅探/紳探)ドラマレビュー:中華な明智小五郎爆誕
を紹介するよ。
 
なんでしょう。
豆瓣では割と高評価だったこの作品。
だが、完走には時間がかかった、思いのほか。
面白くないわけではないのだが、ハマらなかった、そんな感じ。
 
前24集だが、オムニバス形式で3話で1ストーリー、8幕まである。
なので、3話で必ずオチがつくのでキリよくやめられるのである。
面白くって面白くって次もポチッとな、とかならない。
もうこんな時間だし・・・
明日も1コマから授業あるし・・・
でもやめられない・・・
とかもない。
 
まぁ、でも面白いは面白いんですよ、念の為。
 
主角である明智小五郎ポジションは【白宇バイ・ユー】である。
鎮魂」で大ブレイク。
しかし本命は「沈黙的真相ロングナイト」であり、惚れ直すべき漢前さである。
 
バディの小林少年ポジションは@尤靖茹ヨウ・ジンルー。
彼女は意外にもてこブログでは何度か言及している女優さんである。
女世子」では男装の麗人を良演しておったし。
非常目撃」でもそれなりだった。
本作でも、でしゃばりすぎず綺麗すぎずで非常に良かったと思う。
 
原題は『绅探』
邦題だが・・・
そこそこいいとは思うが・・・
が、しかし”L”はNGであると声を大にして叫びたい。
”L”はこの人だけです↓
作中でも誰も”L”って呼んでない。
みんなふつーに”luófēi”って呼んでたけど?
『紳士探偵〜羅非』で良かったのではないだろうか。
日本語読みだと”らひ”だし・・・
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
 

紳探ってどんなドラマなん?

時代背景は1930年代前半あたりの上海フランス祖界。
”祖界”とは各国(海外)の居留地のことで、当時の上海にはたくさんの祖界があったようだ。
一見ハイカラでアッパーだが、普通に市井の人間も当然いるので貧富の差も激しい。
結果いざこざや犯罪も多く、地元警察はいつも大忙しである。
 
10年前にcaptain(キャプテン)という超犯罪者とその組織を捕まえたことから”紳探”と言われるようになった@羅非は、地元警察の顧問として日々推理に励む。
そこへ、警察学校を卒業したばかりの新米デカ(刑事)@秦小曼が赴任してくる。
 
実は、羅非はcaptainに実の妹を殺された過去を持つ。
彼が新米デカ@秦小曼を助手に、事件に挑むミステリーである。
 
3集=1エピソード、合計8エピソード。
監督は鄧科/邓科ダン・クーさん。
脚本はオリジナルで各エピにより違う人のよう。
 
イー:初來乍到(新人刑事)脚本:陸宣、貢小白
アル:消失的男友(消えた恋人)脚本:九獅
サン:彼岸之花(彼岸花)脚本:取栗、郭宏翔
スー:憤怒的海棠花(怒る花海棠)脚本:取栗、汪海鳴、陳翔
ウー:連環縱火(連続放火)脚本:陸宣、貢小白
リォ:微笑的黑寡婦(微笑みの黒衣の女)脚本:九獅
チー:迷宮案(山頂の迷宮)脚本:妮娜
パー:全城危機(上海、危機一髪)脚本:九獅
 
それぞれが、わりと面白くはまとまってるのだが。
目新しいトリックもないし、ほぼ想定通りの流れである。
そして、既視感がいつもついてくる感じは否めない。
設定や見た目なんかは『SHERLOCK』や『Elementary』を思い出させるし。
脚本も『クリミナル・マインド』や『ブラックリスト』ぽいと感じてしまった。
 
レビュータイトルを”明智小五郎”にしたのは”シャーロック・ホームズ”だとあまりにも”まんま”だからである。
世界中で愛されてるホームズさんなんで仕方がないっちゃないが。
見た目ダンディ紳士、中身は偏屈オタ、でも時にお茶目、っていう設定まで一緒だと萎える。
コミ障で子供ぐらいにしかマウント取れない小五郎くらい突き抜けたキャラにして欲しかったという気持ちを込めて、である。
 
物語は綺麗に3集1セットで終結するが、例のcaptainの扱いが残念である。
「実はcaptainって牢屋にいないんじゃね?」とか
「すべての事件の背後にはcaptainの存在?」とか
「○○って実はcaptainの息子とか?」など。
captainのポテンシャルは実に高い。
実際、てこはcaptain降臨のいろんなパターンを考え尽くしたほどだ。
↑captain(中の人、周中和ジョウ・ジョンホー)
かなりのイケ叔だし、観たことある気がする(空海-KU‐KAI-?かな)
 
このドラマの肝は間違いなくcaptainであるべきであったのに。
captainとの確執を回想しながら@羅非の苦悩や深層心理を描き。
目紛しい頭脳戦を繰り広げ、○勝○敗
妹を思い出させる助手@秦小曼あたりが命の危険に晒され。
いよいよ最終決戦ラスボスcaptain降臨
・・・
などという予想は見事に外れるのである。

紳探てこ監修”イケメン備忘録”

明智小五郎のがよかったなな男子@羅非【白宇バイ・ルー】

見た目ダンディ紳士。
中身は、理屈っぽいオタでナルシーで嫌われるギリのところで可愛げ出して結果愛されキャラ、ってのを良演してた。
鎮魂のときもだったが、彼はこういった”憎めない”キャラをうまいこと演じる役者である。
イケメンすぎないとこが肝かもしれない(褒めてます、念の為)
 
しかしながら、やはり思うのは、こんな使い古されたキャラクターではなくてあくまでオリジナルなキャラが見たい。
探偵=シャーロック・ホームズ、ではなく新鮮で斬新な探偵であってほしいと思うのだ。
そして、そのNew typeな探偵を白宇が熱演、ってのがてこの望むところである。
でなければ、ホームズでもいいけど脚本にもっとひねりがあって、見てる側が唸るようなドラマであってほしい。
 
だって、これ白宇じゃなきゃ途中リタイヤになっておかしくない。
(面白いけど)優先順位は下がるよね。
まぁ、これは演者にとっては不可抗力であるし、与えられた条件下においてはきちんと仕事をしていたように思う。
1990年4月8日生まれの31歳、183㎝、65kg。
中央戯劇学院卒業。
 
すっかりお髭ワイルドがデフォルトになったが
↑お髭ないヴァージョンもよき。
立て続けにヒットを飛ばしてる彼だが、待播の「风起陇西」がことの他楽しみである。
 
鎮魂」「沈黙的真相ロングナイト」「蓬莱间」「山海情」「假日暖洋洋」「乔家的儿女」

ヴィランな男子@霍文斯【陳孟奇/陈孟奇チェン・メンキ】

【陳孟奇/陈孟奇チェン・メンキ】
チェンメンキ、なんだか洗面器みたいだけど。
めんきくんは@太古神王ですでにランクイン済みなのだ。
こんときも闇落ちのヴィランで、悲しき宦官になっちまったのだが。
本作の役どころは、インテリな精神科医。
でも、実は本人がヤバいやつだったっていうよくある設定。
ハンニバルせんせいもだったし。(元ネタ探しに事欠かないドラマとも言える)
 
もう最初っからヴィランってばれてるよね、見てる側には。
だからヴィランでもいいのだが、彼の生き様が1ミリも語られてないのでまったく感情移入できない悲しみ。
本来であればヴィランとは見る側が憎むべき存在になるはずである。
そして、しかし背負ってる哀しみを想像して憎みきれない・・・とかで悶えるわけだが。
彼自身をまったく語ってくれないので、視聴者は何の思い入れも持てないのである。
 
3集かけて1エピソードという長い尺を使いながら、ここいら辺を描ききれないとは。
海外ドラマの推理ものは基本1話完結でシーズン最終エピだけ前後編とかである。
それでも、その回のヴィランには憎悪や憐憫など様々な思いが込み上げるというに。
 
これではただの悪者で終わってしまうではないか。
それでも、医者に扮して逃げる時の残忍さはちょっとはあったが、ハンニバルせんせいには遠く及ばない。
それは、人の命などこれっぽちも重要と思ってないハンニバルせんせいの狂気を(視聴者は)知っているから
「怖っ」ってなるのである。
 
白宇と同じように、この辺は演者にとっては不可抗力であるので彼の罪ではないが。
彼も与えられた条件下の元、精一杯の演技をしてくれたと思う。

1991年7月8日生まれの30歳、183㎝、75kg。
中央戯劇学院卒業。
 
太古神王」「凤弈」
今後も応援しますよ、てこは。
がんばれめんきくん!

紳探てこが見た感想

てこ監修”イケメン備忘録”にはランク外でああるものの、@チーム羅非の一員の@ベンジャミンを紹介しとこう。
中の人は、言わずと知れた@琅琊榜の季晨ジー・チェンさんである。
(靖王の兄で汚名を着せられ・・・涙)
幼馴染らしいが、羅非と仲良すぎでちょいちょい鎮魂っててその辺の遊び心は評価したい。
 
1930年代前半といえば、満州国が建国された激動で不穏な時代。
上海でありながら世界各国の祖界があるせいで、カオスな摩訶不思議世界が広がっている。
レトロでありながらモダン。
虚構のようで現実。
東洋でありながら西洋。
嘘くさくて身を置くのは怖いが、ちょっとなら覗いてみたい。
そんな世界観は非常に見応えがあった。
 
しかし、推理とか犯罪とかミステリーという観点から言えばさほど魅力的ではない。
探偵と言うなら『SHERLOCK』や『Elementary』のほうが見応えがあるし。
推理と言うならパトリック・ジェーン(メンタリスト)には勝てないし。
プロファイルならホッジナー(クリミナルマインド)のほうが優秀だし。
ドンファンならレディントン(ブラックリスト)だし。
悪の化身ならハンニバルせんせいだし。
とキリがない。
 
ただ、中華な若手明星を売るための試みとしては悪くない。
アイドル青春ものや、ラヴ史劇なら(見るけど)てこの荒ぶりもこんなもんじゃ済まないはずである。
 
今となってはcaptainとかもどうでも良くなってるし。
橋が爆発したのか、しないのかもどっちでもいい気がする。
ただ、第2季があるなら(出来たなら)間違いなく見るとは思う。
取ってつけた”明朝の玉佩”の行方も気になるしね。
終わり方が〜という感想も見かけるが、インパクトを残して終われてよかったね、と逆に褒めたい。
「これからもみんなで事件解決していくぞーー」
「おーーー」
とか
「事件も解決、おれら付き合おう?」
「きゃっ♡」
とかだったらもっと嫌だしね。