中国ドラマ『回来的女児』(原題・回来的女儿)ドラマレビュー:2023迷霧劇場シリーズ第一弾☆【郭丞グォ・チェン】【代旭ダイ・シュー】【趙昱童/赵昱童チャオ・ユウトン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は、中国ドラマ『回来的女児』(原題・回来的女儿)ドラマレビュー:2023迷霧劇場シリーズ第一弾☆
を紹介するよ。
【基本情報】
監督:呂行
脚本:潘依然、田金、 陳骥
P:戴瑩(総)朱輝竜(総)張大偉(総)杜翔宇、陳美静
主演:張子楓、王硯輝、梅婷、李乃文
プラットフォーム:愛奇藝、2022年12月21日〜
50分✖️12集
2023の迷霧劇場シリーズの第一弾登場。
ちなみに2022シリーズのレビューはこちらだ。
監督さんは「無証之罪」「平凡的栄耀」などを手がけた方だ。
代旭は無証〜の時は基本、怯え顔だったのが今回はどんなか楽しみだ。
2001生まれの女子で、現在北京電影学院で学び中。
歴としたオトナ女子だが、15歳くらいの役柄もこなせる童顔ルックの持ち主だ。
幼さの残るルック(体型含め)が、孤児という幸薄さと世間知らずな役柄によくマッチしている。
もう一人重要なキャスティングである郭丞は、「陳情令」で@藍景儀だった男子だ。
地味に頑張ってる好ましい男子だ。
迷霧シリーズはわりと優秀な作品が多い印象なのでもちろん2023シリーズにも期待している。
しかし作品も多くなってきたので、コールドケース事件やサイコパスなど今までも多かったし、
もうネタも尽きているのではないか、などの心配をしつつ視聴開始だ。
注:てこブログは、大いなるネタバレを含みます。
閲覧の際は、十分にお気をつけください。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
回来的女児ってどんなドラマなん?
ある家族の闇を描いたドラマだ。
例えば2022の「八角亭謎霧」も、とある町のとある家族の問題を描いたドラマだった。
それと似たような感じかなぁ、などと思ってたが。
シンプルながらエッジの効いた展開だった。
犯人は誰、よりは、人間模様にフォーカスした仕様だ。
このドラマは全12集とコンパクトであり、無駄を極力省いた省エネ仕様なのだが。
始まってすぐの導入部分(OP前)に1〜2分のショートエピが必ずあるのだが、それが重要なファクターとなっているので、みなさんスキップなどしないように。
物語は一人の少女(17歳)が孤児院から逃げ出すエピソードから始まる。
少女は、18に成り一足お先に社会に出て働いていたが突如連絡の取れなくなってしまった先輩女子を探すために脱走したらしい。
少女が行ったのは先輩女子の働き先(家政婦として働いてたらしい)の家だ。
その家に侵入したら、昔のチラシが目に入る。
「この子を探しています」
何気なく見流したが、その後訳あって警察のお世話になり、身元確認された際に咄嗟に
「李文文です!」
と、行方不明の子供の名前を言う。
李文文になりすまして、とんとん拍子に李ファミリーに潜入成功だ。
李ファミリー家長のぱぱ@李承天、中の人、王硯輝。
オカリナのちっさい方の女子に激似の叔だ。
おどおどしてるし、気が効かなさそうだし、デキナイ男子臭がだだ漏れてる男子だが。
とりま娘が戻ってくるのをもっすごい待ってたっぽいし、優しそうではあるが。
この第一印象のまんまなはずねぇよな、っていうすねくれた古参視聴者。
ままの@廖穗芳、中の人、梅婷姐さん。
姐さんは、随分とお久しぶりな気がする。
「天盛長歌」以来な気がするけど他もあったかなぁ。
167㎝の相変わらずのイケプロポーションだ。
で、早々にこのメオトには微妙な空気が流れているのに気付くのだが。
どうやら付かず離れずの第二の男子が姐さんには居るらしい、と察する流れ。
その第二の男子が@王重江、李乃文。
あきらかズラやんなぁ。
なんでだろうか。
李パイセンの過去作「我不是薬神(神の薬じゃない)」の時は↓コレだ。
ノーズラで行けるはずのところを敢えてズラ。
そして➕ちょび髭。
もう胡散臭さ爆盛り男子の出来上がりだ。
姐さん&パイセンのノスタルジックな衣装がなにかと感慨深いのだが。
舞台となってる時代は1997年の広州近くのとある町だ。
1997年の日本といえば、スマホはまだなくガラケー時代。
まだピッチ(PHS)とかが多い時代か。
しかし、中国はポケベルが最新アイテムだったようだ。
お湯は、配給券みたいなので貰うシステムのようだし。
なかなか不便そうな時代だが、そんな日本との違いを感じるのも醍醐味の一つだ。
もう一人の李ファミリー、兄の@李文卓、中の人、杜宇森デュ・ユーセン。
彼は、ちーこの時に高熱による後遺症で脳にダメイジを負い知的問題を背負ってる男子だ。
文卓兄さんは、パイセンの子であると噂されており、ぱぱも承知のうえ自分の子として育てて来たようだ。
ヒロインは、李ファミリーの娘になりすまし、先輩女子の行方を探すのだが。
それに協力するかわいい男子を紹介しよう。
@程威【郭丞グォ・チェン】(以下チェンくんと呼ぶ)
これまた胡散臭そうな笑えるスーツ姿だが、スーツ姿はこの一瞬だけで他はケミカルウォッシュのGジャン・Gパン姿だ。
ぃや、髪の毛(爆)
チェンくんは自称アパレルバイヤーだが、実のところは無職のダメボウイだ。
先輩女子に密かに憧れてて再会を楽しみにしてたのに行方不明になって狼狽えてる、って初期設定だ。
チェンくんのぱぱままはもうお隠れになっており、おばあちゃんに育てられ従兄弟と同居している設定だ。
その従兄弟で街の警察官をしているのが@程旭【代旭ダイ・シュー】だ。
スノーマン(「無証之罪」)の時は、あんなに悪い男子だったのに。
今回は真逆の熱血正義マンか、と思わせといて〜まさかの・・・とか思ってた古参視聴者。
先輩警官は銭漪長老さま(「理想之城」参照のこと)使ってきたりして渋いっすよねぇ、なにかと。
ざっと紹介したこの主要メンバーだが、見ての通り全員胡散臭い。
明らかな”善”メンバーが0ゼロZEROという斬新なスタイルでドラマスタートだ。
・最初っから身分を偽ってるヒロイン
・あきらかこのままじゃ終わらなさそうなぱぱ
・娘が帰ってきても喜びもしないまま
・ままの昔の恋人は、実は現在進行形の不倫中であり、如何わしい健康食品販売をしてる
・なんかやらかしそうな知的問題を抱えるおにいちゃん
・脳筋で頼りにならないチェンくん
こんな背景で物語は進むのだが。
このドラマの良い点は、クライマックス依存方ではないことだ。
わずか2集で、ヒロインが失踪した自分の子ではないとままは気付くし、次の集にはままと元恋人の仲が現在進行形の不倫中であると発覚する。
こんなあっさり大事なことが発覚していいのか、という心配をよそに。
発覚した事実から派生するエピソードが衝撃的で面白すぎる。
例えばビデオ上映会エピソードだ。
やばいよ、あれは。
この事実が→ああなって→派生したあれが→こうなる!?
っていう、実に怖い展開に”ぅわー、やばいやばい”と声に出てしまってたてこだ。
さらにだ。
わずか5集には、先輩女子がぱぱに殺されてる、という事実を知る事になるのだが。
「そうだよ、私が殺したんだ。
だって悪い子だったんだもん」
と、もっすごくあっさり犯人がわかってしまう。
しかしそこから派生するのは、ヒロイン精神病院に強制入院、という衝撃的な流れだ。
さらには、上述したOPエピソードも含めつなぎ合わせると重要な点がいくつか浮かび上がってくる。
・先輩女子を殺したのはほんとにぱぱ?
・李ファミリーの失踪したちーこ女子は殺されてる?
・そのことを嫁は知ってそう?
・にいちゃんが知的問題を抱えた原因って実は〇〇?
・DNA鑑定の謎から考えるとにいちゃんのぱぱって?
この状況に立ち向かうヤングペアなのだが。
学も経験もないヤングが、
つまり何の影響力もないし信憑性のない二人が、
要するに何を言っても何をしても認めてもらえない二人が、
浅知恵で物事を切り開こうとするが切り開けない。
そんな二人が慈しみ合いながら、苦しみながらも協力しあって支え合って行く姿がいじらしくも切ない。
その対極にあるのがオトナたち、つまりはぱぱまま、不倫男子だ。
ヤングペアの純粋な”大事なものを守りたい”という心と、
オトナの汚れた”欲(性・金・ステイタスetc…)の為に”との真っ向勝負だ。
中盤を過ぎても、あっさり事実がわかり派生して行く展開の激しさは衰えることはない。
誘拐事件→実は殺しの犯人は〇〇→殺人事件→犯人はわかってたけど→実は〇〇→続く。
と、展開の衝撃度は増すばかりだ。
徐々に明かされて行くこの家族の秘密。
川から遺体発見〜からラストまでの数集は、皆が捨て身で自分の大事なものを守るための攻防戦が繰り広げられる事になる。
そんな時に助けてくれるオトナが降臨。(ようやくだ)
代旭警官の出番だぜ。(&不倫男子の弟【趙昱童/赵昱童チャオ・ユウトン】も)
よかった、今回は熱血正義男子の様だ。
この愚かな迷えるヤングたちを導いてやっておくれよ。
回来的女児てこ監修”イケメン備忘録”
丸坊主が♡な男子@程威【郭丞グォ・チェン】
てこブログ二回目登場のチェンくんこと【郭丞グォ・チェン】だ♡
前回は「且聴鳳鳴(鳳舞伝)」だったが、監督さんが陳情令繋がりの俳優を多数起用してたドラマだったし。
あまりフォーカスされてもいなかったし、なんとなくオマケ感が漂ってたのだが。
今回は良かったすねぇ、彼。
百倍くらい良い出来だったと思う。
正直こんなん出来るとは思わなかった、嬉しい誤算だ。
実は「我叫劉金鳳」にも出てるが華麗にスルーしていたもよう。(弟皇子役でサブラヴライン担当してたのに、完全にスルー)
それにしても髪の毛(爆)
ぱぱままを早くに亡くしばあちゃんに育てられ、ばあちゃんの為にもしっかり自立したいと思いながらも何もできてない男子。
従兄弟はしっかりと努力し警察官として立派に生きているのも劣等感を後押しする事となっている。
そんな頼りがいも学もない脳筋男子と、なりすましの孤児女子とのケミ感。
彼らの想いは単純だ。
彼らが見るのは、過去でも未来でもなく”今”だ。
”今”の幸せだ。
そんな彼らだって、いずれは過去を反芻し未来を夢見ため息を吐く日が来るだろう。
だからこそ彼らの”今”は尊い。
互いが互いの一番、になった時。
それまで考えてたリスクがどっかに吹っ飛んでいく瞬発力。
そんなものを感じたヤング二人だった。
若いっていいですねぇ・・・(遠い目)
よくあるダメ男子の成長譚とかでもなく、最後までダメ男子のままだが。
それまで、後悔に苛まれ逃げることばかり考え(ばあちゃんにかこつけて)てた男子だ。
そんなダメ男子の瞬発力のおかげでヒロインの命は救われる。
最後に見せてくれる1999の坊主頭に軽くノックアウトされたてこである。
わかりますかね。
スタートが1997で終わりが1999。
(判決についてはあちらの国の方が重いイメイジだったが、随分と酌量されたのだろうか。
諸事情はあれど、正当防衛であろうと、殺意が有ろうが無かろうが、その後の行動により日本ではもう少し重い刑罰になるだろう。
いずれにせよよかったよ)
ひゃ♡大晦日チェンくんだ。
1994年8月18日生まれの28歳、180cm。
映画:「我和我的祖国」(相遇にでてる)「狄仁傑之四大天王」「妳的婚礼」
今回は熱血正義マンな男子@程旭【代旭ダイ・シュー】
てこブログではもはや古参勢の【代旭ダイ・シュー】だ♡
本作は「無証之罪」と同じ監督さんの作品だ。
@無証〜では、基本怯え顔なのにもっすごいゲスさで忘れられない役柄だった。
今回はいい人ではあるが、あの時の破壊力はない。
ないが、今回もきっちり役を作り上げてきたなぁ、という印象。
代旭の役の振り幅は実に広く、しかしその都度きっちりと演じ上げれるハイスキル男子だ。
例えば、代旭が無職の脳筋頼りない男子を演ったとしても、しっくりと役に馴染むだろう、そんな俳優だ。
先輩警官(銭漪長老さま)とお肉万頭食べながら
「〇〇が怪しいと思うっす。
だから〇〇しようと思うっす。」
とドヤ顔からの!!!まじかよ、ムーブの時の長老さまとのケミ感など、
出そうと思って出せるもんじゃない、けど出せる、そんな俳優だ。
最近は、デキる弁護士とか冷徹ビジネスマンとかも演ってたり、かと思うとケチなゲーマーだったり、お笑い担当の坊(古装)とか、もうなんでもありの役幅だ。
そろそろ代旭も主役としてやってけると思うんだが。
期待したい。
あけおめ代旭だ♡
1989年10月28日生まれの33歳、180㎝、62kg。
中央戯劇学院卒業。
出番はちょっとだけどデキる男子@鄭勇【趙昱童/赵昱童チャオ・ユウトン】
㊗️てこブログお初【趙昱童/赵昱童チャオ・ユウトン】だ♡
まずはデカい、ムサい、てこドストライク男子だ♡
もう見てください↓コレ♡
んーマンダム♡
かと思うと、はい、↓コレ♡
優しさダダ漏れなこのcuteな笑顔ですわ。
あの胡散臭い不倫男子パイセンが事業で成功したのも、この男子のおかげだろうて。
こんな強面なのに、繊細で優秀な脳みそ持ちで。
もちろんこの体躯だから腕っ節も強いだろうし、それなのに情も深い。
文卓にいちゃんにも愛情持って接してるように見えるし、もう満点♡
ぇっと、↑これなんだっけ?
絶対見てるはずだ、そんな気がする。
だよねーーーー、草原の民み満載な濃いルックだもんねぇ。
きっとモブすぎて出番少ないしでスルーしたんだろうな。
お誕生日11月25日、年齢不明、188㎝、84kg。
ダイナマイトなボディ♡
上海戯劇学院卒業。
代表作:鬼吹灯之雲南虫穀、将軍在上、降竜之白露為霜、極限17:扣殺
ん?もしかして「将軍在上」かも、↑の画像。
回来的女児てこが見た感想
このメオトの抱える闇の深いことよ・・・
最初はちっさかった闇の芽が、時とともに育ち巨大な邪となってこの家族を闇の渦に巻き込んでいく。
その過程がわずか12集に余すことなく詰め込まれていてとても見応えがあった。
最初から思い直して考えてみると。
ままは飛び抜けた美人とは感じないが、あの街でなら憧れの存在に十分成り得るビジュアルであり。
そんな彼女を嫁にできる事に大きな喜びを感じていたであろうぱぱ。
この女子を自分のものに出来るのなら、たとえ他の男子との子であろうと構わない。
懐の深さに依るものではなく、自分の欲や虚栄心のために育てたのが真実だ。
そして次の子は間違いなく自分の子だ。
そうして自分を納得させ、臭いものに蓋をして生きていこうと思った矢先にちーこ娘は失踪してしまう。
残ったのは違う男子の子だけだ・・・
嫁の罪も大きい。
ままは最初っから胡散臭かったが、不倫男子の前で泣きじゃくったり、ぱぱを馬鹿にしてるくせに時には甘えて利用したりするようなシーンは不愉快だったし、キライなタイプの女子だった。
若い頃の男子とのお付き合いに関しては別に言うことはないが。
ちーこ娘の事はきちんと説明すべきだった。
しかも、その裏には”実は強盗の仕業だった”というオチまでついてる。
この顛末は、作中で詳しく説明されることはない。
そこにあるのに使われない洗濯機のシーンをぶっ込んだり。
唐突に別件の犯罪者の告白シーンをぶっ込んだり。
視聴者が、つなぎ合わせて考えなきゃならん仕様にしているのも渋い。
しかし、曖昧なところも多々ある。
例えば、失踪した先輩女子の真実はわかるようで結局わかってない。
恐喝は嘘だったようにも捉えられるが、美人コンテストに応募したり、なんといっても不倫男子パイセンとのビデオはなんだったのか。
彼女も街に出て、自分の美しさが武器になると悟って変わってしまったのか。
それでも、施設にいた時のような純粋な気持ちもあったのか、は曖昧なままだし。
なんといっても、DNA問題が片付いていない。
ままもぱぱも”何かの間違い”としか認識していないのか。
それとも真実を悟ったのか、が曖昧だ。
てこはクライマックスのカルマがまさにそれに成る、と予想してたのだがな・・・
それにしてもな・・・
キャッサバの葉っぱ・・・
ぱぱの怪演はお見事でした・・・
全編を通じて、絵面は暗く湿ったくきらきらさは1ミリもないドラマであり。
人間の心に潜む悪い芽の成長を見させられる。
気の毒やら怖いやらで落ち着かないのだが。
最後に少しだけ未来を感じさせてくれる一筋の灯りがあり、それが救いと成る。
まぁ見てくれ。