中国ドラマ『バッド・キッズ 隠秘之罪~隐秘的角落』(原題・隐秘的角落)ドラマレビュー:原作《壞小孩》とどう違う?【秦昊チン・ハオ】【榮梓杉ロン・ズーシャン】【史彭元シー・ポンユエン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

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今日は、中国ドラマ『バッド・キッズ 隠秘之罪~隐秘的角落』(原題・隐秘的角落)ドラマレビュー:原作《壞小孩》とどう違う?
を紹介するよ。
 
紫金陳ズ・ジンチェン@推理之王シリーズ第2弾である。
原作《壞小孩》のレビューは↓読むがいい。(わりと荒ぶってますが、すんません)
紫金陳ズ・ジンチェン@推理之王シリーズとは、
 
アル:2014年「壊小孩」→「バッド・キッズ 隠秘之罪~隐秘的角落」←イマココ
サン:2017年「長夜難明」→「ロング・ナイト 沈黙的真相~沉默的真相」(過去レビュー参照のこと)
この3作品である。
 
ふぅ。
ようやくコンプリートである。
 
この3部作は”悲劇シリーズ”なのであるが。
著者の紫さん曰く
@無證之罪では個人の悲劇
@壞小孩では家庭の悲劇
@長夜難明では社会の悲劇を書いた、らしい。
 
で、この悲劇シリーズに共通するのは”厳良”さんである。
@長夜ロングナイトでも事件解決のデカ(刑事)だったが。
時系列としては@無証バーニングアイスよりも後の話である。
@悪童バッドキッズでは、job changeして大学教授になっている。
ということは捜査官を辞めてるので時系列は一番後ということだ。
などと書いておったのだが。(※@無証レビューより)
 
何ということか。
ドラマには大学教授の厳良は登場しない
なぜか悪童の1人が厳良に転生していた。(←チガウ)
まぁ最後の最後に理由は分かったが・・・
 
原作ではキーマンであった厳良が悪童の1人になっているということは。
事件解決のキーマンが居ない。
もしくは他の人がキーマンに成る。
という事は。
相当、原作とは違う流れになると想像できる。
 
ところで@無証は寒そうな雪景色でどんよりと暗かったが。
@悪童は夏。
夏休みの出来事で画面が明るい。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

隐秘的角落ってどんなドラマなん?

小説《壞小孩》の実写化というものの、似て非なるものだと思う、結論として。
てこは、特に原作ファンなどでもないので。
どちらがどうとかいうつもりは全くない。
なんらかの規制を回避するための改編だとは思うが。
始まりも終わりもこうも違うのなら、もう”別モノ”という扱いで構わないのではないだろうか。
 
とはいうものの。
実によく練られた改編である事は間違いない。
小説を既に読んでいても新鮮に楽しむことができる。
逆も然りであるかどうかはわからんが。
 
事の発端となる事件は小説も同じである。
3人の子供が偶然殺人事件現場をカメラに収めた事から物語は始まる。
 
この事件は小説では、
〜それは完全犯罪のはずだった〜
から始まる。
妻の実家の財産狙いで、次に妻を殺す(完全犯罪で)
で、妻が
「きっと両親は殺されたのよ
次は私かもしれないわ」
と相談しに行ったのが、元捜査官で大学教授の厳良である。
 
ドラマではこの元捜査官の大学教授は出てこない。
そして犯人の@張東昇は財産目当てじゃなくて妻と別れたくないために殺しをしてる。
粘着に完全犯罪を計画をしてはいなさそうだ。
 
なんと”犯人像の改編”という。
冷静で念入りな性格→激情型、という大胆な変わりようである。
 
さらなる大胆改編として。
3人の《壞小孩》(悪童)がドラマでは全然悪ガキじゃないという変わりよう。
道理でタイトルからして『隐秘的角落』と変わった訳だ。
このタイトルについては後で語る事とする。
 
小説では、3人とも悪童である。
厳良という名に変わった丁浩だが。
ドラマではわりと男気ある男として描写されてた厳良であるが。
小説では脳筋属性でネズミってあだ名だったし。
月普は喘息持ちじゃなくて、胃腸が弱く、食べるとすぐオナラが出ちゃう体質で。
それで普普(ブーブー)なんてあだ名だったりするんだが。
彼女の親も殺人犯で、彼女も殺人の疑いをかけられたことがあり。
それが原因で里親から見捨てられ施設に入れられている。
 
この施設を脱走してきた悪童2人に、優等生だった朱朝陽が悪の道へ引き込まれる。
と思わせといて。
〜からの、実は夜神月的な裏ボスが朱朝陽だった、
ってのが小説であったわけだが。
 
もう一つの事件として。
朝陽の腹違いの妹が転落死するという事件が起こる。
小説では、その妹ににネズミこと丁浩と普普が実に悪いことをするのだが。
この辺は流石に実写化はできないよね、ってかんじなので。
その場にネズミがいないのはいいとして。
 
そもそもは
「こらしめてやろうよ」
と普普が提案した事である。
朝陽はいじめられてる腹違いの妹を見て、初めこそ
「やめなよ・・・」
とか言ってるが、そのうち
「ざまーみろ」
になって行く。
しかし、その後妹に言われた言葉に逆上して突き落としてしまうのである。
 
ドラマはというと、
普普は
「もう朝陽おにいちゃんに意地悪をしてほしくない」
から”お願い”をした”優しい心”をもつ女の子として描かれている。
そして、腹違いの妹は自分で足を滑らせて転落した、という事になっている。
殺してはいないが、その場にいたことを、言い争いもしていたことを、
”実のぱぱには知られたくない”とビクビクしているわけである。
 
さらに、その夜神月と冷酷な殺人鬼との頭脳戦が小説の見どころであったわけだが。
犯人は冷静な殺人鬼ではなく激情型でポンコツな殺人鬼であるし。(とりま殺しちゃう)
夜神月ではなくびくついたチキンな子供であるからして。
そんな頭脳戦はない。
(まぁ、最後には実は〇〇だった、っていうオチはつく、念のため)
 
その代わりに、
・丁浩(厳良)のぱぱとの悲しい話
・人情味あふれる巡査の話
・互いに労り合う、丁浩(厳良)と普普の暮らし(不憫)
・実のままの不倫話(離婚してるから不倫じゃないけど)
・実のぱぱとの絆話(プール通い)
などを織り込み、少年たち3人の心情変化がメインに描かれている。
 
ぱぱとのプール通いのきっかけとなる甘味処でのやりとりは。
朝陽が《壞小孩》である片鱗が垣間見れる場面である。
この場面で、父親の息子に対する疑念はすっかり晴れ、2人は絆を深め合い始める。
朝陽にしてみれば、一番の思いは”ぱぱに愛されたい”であったので。
内心は
「しめしめ、うまくいった」
という気持ちと、
「やはり自分は疑われていたんだな」
という二つがせめぎあい複雑な心境であったろう。
 
残る懸念はカメラに映った事件と、施設から逃げてきたあの2人である。
この件も、正直
「もう、どうでもいい」
「なんだかんだ言ってもう親友だしな
普普のためにお金は必要だしな」
の二つがせめぎ合い複雑な心境であったろう。
 
そんな朝陽の心境の変化とは裏腹に、事件はさらに悲惨に加速して行くのである。
 
突如として、小説にはいなかった人物が登場する。
その人物の登場で歯車が狂ってゆく面々。(ほぼ全員)
とんでもないリーサル・ウェポンである。
 
小説では、朝陽が完全犯罪を画策しその肝となった”日記”という存在があった。
しかし、ドラマには日記もないし、本物の厳良(元捜査官の)もいない。
一体どんな幕引きにするのか非常に興味深い。

隐秘的角落てこ監修”イケメン備忘録”

ま、まさかの薄毛な男子@張東昇【秦昊チン・ハオ】

殺人犯@張東昇こと【秦昊チン・ハオ】
うちのハオにいさんです♡
@無証バーニングアイスではきれっきれの捜査官”厳良”だったが。
本作ではわりとポンコツな殺人犯である。
 
数学の教師で、一見優しくて穏やかそう。
しかし↑見てわかるように
”胡散臭そうな笑顔”で信用できない感じがだだ漏れである。
しかも
・・・
のぉーーーーーー(No)
薄毛である。
なんでもやるにいさんなんですよ、はぃ・・・
 
この張東昇と朱朝陽は実は似たもの同士で。
一見優等生だが、うちにクリミナルマインドを秘めている。
この似た者同士が物語が進むにつれ状況や心境が変化していき。
最終的には真逆の結末を迎える事となる。
 
これこそが製作側の意図するところではなかったかと、終わって見て思うのである。
「張東昇のようになはるなぁーーー、朝陽ーーー」
ってのがポイントだったのかもしれない。
 
で、にいさんですが。
今回もすばらしく演じきっている。
正直@無証よりも強く印象に残るのではないだろうか。
 
↓妻が家を出てく時の咽び泣きシーン。
ぐぼっぐぼって咽び泣くのだが。
ひどい顔でしょ。
そう、なんでもやるにいさんなんですよ、はぃ・・・
殿堂入りで間違いない。
 
こんな辛さや、溜めにに溜め込んだストレスが狂気につながって行き。

すっかり歯車が狂ってしまって、
計画って?何のこと?
みたいに、行き当たりばったりで次々と殺人を犯して行く。
 
小説の方も実はキレッキレの殺人者にはほど遠く、詰めの甘い殺人犯であったのだが。
ドラマはもうほんとポンコツな殺人者でる。
「お前らのせいで、俺の人生めちゃくちゃだ」
なんて言ってるけど、ほんとめちゃくちゃ。
最終的には”気の毒な人”にさえ感じてしまう現象が起こる。
 
サイコさは突き抜けてないが、ポンコツさはわりと突き抜けている斬新な殺人犯像であり。
それを見事に演じ切ったハオにいさんを、皆さんも是非見てやって下さい。
1978年5月19日生まれの43歳、181㎝、65kg。
中央戯劇学院卒業。
 
映画「スプリング・フィーバー」「ブラインド・マッサージ」「浮城谜事」「234说爱你」「妖猫传」「上海王」「革命者」
待播ドラマは「亲爱的小孩」「大博弈」(たぶん)

クリミナルマインドな男の子@朱朝陽【榮梓杉ロン・ズーシャン】

裏ボス@朱朝陽こと【榮梓杉ロン・ズーシャン】(以下ロンくん、呼び名)である。
 
ロンくんといえば「雪中悍刀行」の@徐龍象が記憶に新しい。
(ちなみにレビューは其の5まであるので読むがいい)
 
で、とりま思うのは
少年の成長は思いの外早い”って事である。
本作はほんの子供でまだちーこだったのに、@雪中では
↑@若昀と並んでもこの大きさに成長しておる。
驚いた、正直。
うかうかしてらんない。
見落とさないように留意しよう。(宣誓)
 
ぃやぁ、見事な熱演。
さすがにちーこ命の時から子役で揉まれてきただけある。
@雪中では、無邪気でしかし高ポテンシャル、善良な役を爽やかに演じておったが。
今回は内にクリミナル・マインドを秘めた少年である。
↑こんな無邪気な顔で
「媽(ママ)」
とおとぎ話をしてたかと思うと
↓こんな顔や
↓こんな顔までしよる
すごない?
天才ちゃう?
 
小説の方ほど朝陽に非道さはなく、でもしかし確実に罪なる心クリミナルマインドは持っている。
ぃや、だれでも少なからずそんな気持ちはあるにはある。
てこもちーこの時は、緑の公衆電話の赤い非常ボタンのポッチをいつも”ポチッとしたい”と思っていた。
しかし、想像するのと実際するのとでは大きく違う。
どちらがいいとは一概には言えないが。
 
その一歩を踏み出せるタイプと、踏み出せないタイプがいる。
一歩を踏み出せる人種は、良くも悪くも突き抜ける可能性がある。
これも製作陣が意図した事の一つだとてこは思っているが。
朝陽は一歩を踏み出してしまった人間であり。
しかし、それが良く転がるのか、悪く転がるのかは、朝陽の心の変化・成長に順ずるのである。
要するに、彼はこれからこの経験をいい意味で活かしていける可能性を残し。
同時に、これからも同じ過ちを繰り返すかもしれない、という危険性も残し。
「さて、どっちかな?」
で終わっている。
 
このような事が、ロンくんの変わりゆく表情と相まって想像を膨らませる事となる。
ほんとに素晴らしい演技であった。
2006年2月3日生まれの16歳。
 
映画「山河故人」「西小河的夏天」
ドラマ「大军师司马懿之军师联盟」「如懿传」「雪中悍刀行
待播は「你安全吗」
 
今後も注目したいヤングなイケメンである。

俺ってば厳良になるな男子@厳良【史彭元シー・ポンユエン】

丁浩(あだ名ネズミ)改@厳良こと【史彭元シー・ポンユエン】(以下ポンくん、呼び名)である。
 
小説では、くどいようだが頭も悪く脳筋で。
張東昇んちで居候してた時に、古いPCお下がりでもらってゲームばっかりしてた男子である。
責任感も皆無で口も軽く、話を拗らせてばかりだったあの子が。
ドラマでは、責任感もあり倫理観も持ち合わせ。
ぱぱが犯罪者だったために施設に入り教育もまともに受けてないだけで。
まともに学校行ってたら、そうとう賢かったんじゃ?って設定である。
 
何と言っても普普を労る姿が尊いため、観てる者は誰しも彼に好感を抱くはずである。
間違っても”悪童”には思えない、到底。
 
小説では丁浩も普普も死ぬが、ドラマでは死なない、2人とも。
なんとドラマのクライマックスに
「張東昇のようになはるなぁーーー、朝陽ーーー」
って叫ぶのは、ポンくんである。
 
しかも、人情巡査に
「俺ってば警官になりたい」
などと言っているではないか。
 
!!!!
これが、彼が丁浩改め”厳良”になった理由であろう。
彼がこれから真っ当に生き、やがて↓@無証バーニングアイスや@長夜ロングナイトで事件を解決する”厳良”に成長するのである。
なんという力技(ちからわざ)であろう。
という事は、時系列からすると本作が一番古い時代という事である。
言われてみればガラケーだったしな・・・
丁浩(厳良)と朝陽は対照的な為人(ひととなり)に描写されており、非常に興味深かった。
漢気あふれる彼の言動は回を追うごとに彼の魅力となっていき。
対照的に朝陽の狡さが際立ってくる絶妙な脚色だったと思う。
 
そんな大役な役柄に押され潰される事なく見事に演じ切ったポンくんに拍手を送りたい。
今後も期待したいNewカマーイケメンである。
2005年8月16日生まれの17歳。
 
映画「一生一世」「1921」「长津湖」
出演作は多くないが、これからを期待したい。

隐秘的角落てこが見た感想

タイトルについて話そうか。
小説《壞小孩》がなぜ『隐秘的角落』というタイトルになったのか。
それはドラマOPのモノトーンのアニメーションで明らかとなる。
↑逃げ惑う3体の白い姿を不気味な大きな影が追い詰めて行く。
大きな影が犯人の張東昇で逃げてるのは3人の子供であろう。
↑の画像はOPのラストシーンである。
部屋の隅っこにひとりうずくまって隠れている。
これが要するに朱朝陽であろう。
 
要するにこのドラマは”悪童たちbad kids”を描いた物ではなく、
”悪童(ひとり・朱朝陽のみ)bud kid”が必死に暗闇の隅っこに隠れてるドラマということだ。
 
で、最後に衝撃的な事実が発覚する。
それは普普からの朝陽への手紙に書かれてあった。
 
それは小説を読んだ者なら
「ぁあ、やっぱりそうなのね」
な事なのだが、ドラマだけ見た者は少なからず衝撃だったのではないだろうか。
 
少年の今後に、少しの明るさ・希望を残したかったのならそうでなかった方がいい気はするが。
ちなみに小説では9人の人間が死んでいる。
そこに丁浩と普普も含まれている。
朱朝陽だけが生き残り、ぱぱの相当額の遺産までゲットしている。
そしてその真実を知った厳良が。
”暴くべきか、暴かざるべきか”と迷い終わっている。
 
ドラマでは、人物の配置や物語の進行に随所で手が加えられてる。
展開にも大きなひねり(リーサル・ウェポン投入)を加えることにより、そんな陰惨さはいくらか和らいだ気もする。
そして、厳良の成長に希望をつなげる幾分ほっとしたラストにしている。
 
それでも朱朝陽に対する不快さは、物語が終わっても後を引くのである。
子供に不快さを感じるなんて、斬新なドラマであるとも言える。
 
映像も映画クオリティであったし、何と言っても子役の3人が秀逸であった。