中国ドラマ『胡歌版・射雕英雄伝2008』(原題・射雕英雄传)ドラマレビュー:元祖英雄伝・愛すべき江湖の先輩達よ♡【胡歌フー・ゴー】【袁弘ユエン・ホン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年4月26日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『胡歌版・射雕英雄伝2008』(原題・射雕英雄传)ドラマレビュー:元祖英雄伝・愛すべき江湖の先輩達よ♡
を紹介するよ。
 
【基本情報】
 
監督:李国立、梁勝権、呉錦源、黄偉明、林玉芬
脚本:鄧紫珊、黄浩然、欧玉娴
P:蔡藝侬
原著:金庸の同名小説
主演:胡歌、林依晨、袁弘、劉詩詩、黄秋生、徐錦江、肖栄生、梁家仁、李彧、李解、孔維、謝娜
2008年7月19日〜45分✖️50集
 
2008年胡歌版の「射雕英雄伝」だ。
古いドラマだし、なんで今更、という需要を感じないレビューではあるが。
現在てこは、”絶賛胡歌わっしょい月間”を開催中なのだ。
てこがうずうずして待機し続けてる映画「繁花」はかーわいさん(王家衛)が監督だ。
その最新予告動画が出たりして、もううずうずが止められない、そんな日々なのだ。
なので、しばらくは胡歌の、むかーーーーしのドラマや映画のレビューが続くはずだ。
そこんとこよろしく!
 
胡歌の事故はみなさんご存知だと思うが、この作品はその事故を跨いでの撮影だ。
なので途中術後の腫れなどを心配させるような痛々しいお顔を見せられたりもする。
マジモンのぶきょんちゅ(武侠沼人)以外は、おそらくは「琅琊榜」後に”追い胡歌”で観てるだろうからそこいらへんの心配はないだろうが、ガチ古参勢は気が気じゃないほどの心配だったのだよ、実のところ。
 
お蓉はアリエル・リン(林依晨)だ。
今やアラフォーでちーこガールのママだが、撮影当時は25くらいだ。
 
歴代お蓉(と言っても三作だけだが)の中では、(不本意ではあるが)いーとん姐さん(李一桐)が一番良いと思う。
次が2003李亜鵬版の周迅妃殿下だ。
アリエルはどべ、最下位だ。
お蓉と言えば、お料理上手な賢い子で、天真爛漫に見えて忖度も出来、武芸も出来、善悪の区別も上等、義理人情に厚く、さらには自分をよく見せるための小手先技など一切使用しない男前すぎる女子だ。
こんな無双女子なのだが。
アリエルは、ルックも”可愛いか、可愛くないか”と聞かれれば、そりゃ”可愛い”と答えるが、さほどでもない、実のところ。
アクションに至ってはわりとどんくさみもあり、さらには聡さが伝わって来ない。
胡歌の相方としてはインパクトに欠ける印象だ。
 
どーしようもない義弟の楊康は、うら若き【袁弘ユエン・ホン】だ♡
胡歌&袁弘コンビを堪能できる仕様となっている。
 
しかし。しかしだ。
武侠といえば、大勢の叔世代・爺世代が活躍する世界である。
本作も例外ではない。
八割が叔・爺で占められており、若手イケメンは胡歌&袁弘コンビのみだ。
 
「だいじょうぶ、イケオジ好きだから〜」
 
とか思ってるイケオジスキー達よ。
なめんなよ?
 
1990〜2010までの叔・爺世代をなめてもらっちゃ困るんだ。
今でこそ、この世代も綺麗めに整えられているが。
この時代の叔・爺たちは見た目をこれっぽちも気にしちゃいない。
真の美叔・美爺とは、生き様勝負で真価が問われるのだ。
 
この作品でも、なお”イケオジ♡”と言えるのなら真のイケオジスキーであると認定しよう。
そのようなドラマであるからして。
画面がきらきらになることは、ほぼない。
あるとしても一瞬だ。
見逃すことのないように、皆も目をカッ開いて見るがいい。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

射雕英雄伝ってどんなドラマなん?

郭靖という男子の英雄爆誕譚だ。
 
本作の場合、原作を知らなければ何の問題もないが、知っていると改編に納得いかない箇所もある。
本作の構成は、郭靖成長記と同時に
・楊康
・欧陽克
この二人を加えた、三人の男子の生き方ファイルという仕様になっている。
しかし、軸となる背景や出来事はほぼ原作通りだ。
 
北宋末期。
徽宗皇帝は金と同盟し遼を打つ。
だが宋軍は首都燕京を守る遼軍に大敗。
 
宋の奸臣童貫は、金軍に助けを乞いようやく遼を破った。
この戦で宋朝廷の腐敗を知った金は、南下への野心を燃やす。
 
1227年、金軍は宋都汴梁を陥し、徽宗・欽宗父子を捕えた。
北宋は滅び、国土の半分が金の手に落ちた。
 
この《靖康の恥》は、人々の心に深く刻印された。
 
という時代背景だ。
 
郭靖と楊康は、この《靖康の恥》を忘れないように・・・という願いがこめられた名前なのだ。
名付け親は@丘処機という道士だ。
 
郭靖のぱぱ郭嘯天は、梁山泊の英雄郭盛の子孫だ。
楊康のぱぱ楊鉄心は、名将楊再興の子孫だ。
もう名前だけで胸熱だろう。
梁山泊に集まる108人の英雄に思いを馳せるのは自由にしてくれて構わない。
 
ちなみに楊鉄心役の@翁家明は「少年楊家将」では楊業役だ。
楊家専門俳優みたいになっている。
そうですよ、みなさん。
楊ファミリーと言えば槍使い。
鉄心さんももれなく槍使いだ。
 
《靖康の恥》から三年後、この二人の義兄弟ファミリーを襲う悲劇から物語は始まる。
この元々原因を考えると。
本作では、なぜか道士の丘処機さんの行動が原因みたいにされてるが。
本来は、完顔洪烈の横恋慕が諸悪の根源であり。
その後、そんな仇とともに何年も暮らした@包惜弱のせいだ。
この女の罪は深い。↓(中の人、周海媚)
心身ともに弱く、泣いてばかりだ。
マジむかつく女だ。
いつも不幸自慢に余念がなく、子育てを真面目にして来なかった。
楊康があんなんなっちまったのは、ほぼこの女のせいと言っても過言ではない。
 
中の人、周海媚はたしか「香蜜沉沉燼如霜(霜花の姫)」のヴィランだったり「武媚娘伝奇(武則天)」の李世民の嫁だっりした女優だ。
 
と言うことはだ。
こんな女を娶ってしまった事が不幸の元凶と言う事だ。
そうは言ってもこの女の存在を無くすわけにはいかんから。
要は鉄心さんの、女の見る目がなかった・・・という話なんだな。
 
肝心の郭靖の方だが。
郭靖は草原でちーこ時代を過ごしたのだが。
本作は、この少年タームはほんのちょっとでほぼ描かれていない。
後に、回想とかでつなぎ合わせると少年時代の事が少しずつわかる、という構成だ。
この草原で出てくる大ハーンの名は鉄木真テムジンなので、後のチンギスハーンだ。
モンゴルを統一する覇者となるレジェンド男子だ。
もうこれまた名前だけで胸熱であり、モンゴルの蒼き狼に思いを馳せるのは自由にしてくれて構わない。
 
郭靖は、草原で江湖七怪を師と仰ぎ修行する毎日だが、知っての通り覚えが悪い。
ほんとはこの↑の七怪を詳しく語りたいが、誰も望んでないだろうから割愛する。
ちなみに↑の画像は六怪で五師匠が居ない図だ。
二師匠の@朱聰は本来の武器は鉄扇だが、本作は鉄製ではない気がするが、そんな話は要りませんかね。
 
郭靖は、物覚えこそ悪いが善良な清流属性の男子だ。
これから、いろんな人に出会い、出会った人皆に愛され、技を伝授され、どんすか成長して行く。
一昔前の少年ジャンプのような由緒正しき英雄譚であり、そこには”悪”が入る隙は1ミリもない王道の英雄譚だ。
観てる者が、若さゆえのフライングや、間違った選択をしてしまう郭靖を、はらはら心配しながらも全力で応援していく物語なのだ。
 
そして江湖の先輩たちを楽しんでほしいのだ。
江湖人の、直感とか感覚で生きるファジーさを味わってほしい。
江湖人の多くは、脳内が”強さ欲求義理”で埋められている。
それ以外の事は後回しだ。
そしてプロセスを無視し、見るのは結果のみだ。
そこに、想像とかロジック検証、みたいな遠回りな感覚は存在しない。
だから、目にした事実だけを見て
 
「殺されたーーーー」
 
「犯人はあいつに決まってるーーーーー」
 
「仇打つぞーーーー」
 
と全く話にならん奴らばっかりなのだ。
お蓉という楔が居なかったら、物事はもう収集がつかなかったろうし。
郭靖もあんな順調に成長しなかったはずだ。
間違いなくMVPはお蓉だ。
 
お蓉が、先輩達を口先でだますのだが。
皆が皆、ほぼ100パーだまされる先輩達が、本当に愛おしい。
 
AとBが戦ったとして、Bが勝ったとする。
CとBが戦って、Cが勝ったとする。
すなわちCはAより強いってことよ!
 
とかお蓉は言うのだが。
普通の脳みそを持った人間なら、状況にもよるだろうし、相性もあるだろうし・・・などと考えるが。
先輩達は
 
「!!!だな!!!」
 
だ。
なんて尊い人たちだろうか。
そして、かれらはほぼ自分のことしか考えていない。
さらには主観でしか物事を考えられない者がほとんどだ。
ここで、特に罪深い先輩達を紹介していこう。
 
まずはお蓉のぱぱの@黄薬師と@欧陽鋒。
左が東邪(中の人、黄秋生)
右は西毒(中の人、徐錦江)
徐錦江は「仙剣奇侠伝」にも出てまっす。
 
東邪は、自分の妻が死んだのは周伯通のせいだとして、15年も自分とこの洞窟に閉じ込めてる。
でもほんとは自分のせい。
自分が九陰真経欲しがって、嫁に暗記させたんだから。
都合よく記憶を改竄してる超愚か者だ。
自分のワガママのせいで、他人の15年をいたずらに奪う。
 
それに比べると西毒はシンプルだ(愚か者には違いないが)。
強くなる、この世で一番になる、という実にシンプルな目標のために九陰真経を手に入れたい。
その為にはどんなものをも犠牲にする覚悟だし、実際犠牲にする。
とんでもないヴィランで、不穏で邪悪で悪いことばかりしてるのだが、てこは嫌いじゃない。
 
てこが一番嫌いなのが周伯通だ。
中の人は、李彧で「宸汐緣(運命の桃花)」の霊汐のぱぱ役だった俳優だ。
 
この男はひどい。
左の女子を好きになって子も孕ませたのに捨てる、容赦無く。
その後も逃げたっきりこれっぽちも気にしないで生きてきたようだ。
15年桃花島に幽閉されて、少しは思い出したりはしてるようだが。
責任を取るつもりは全くなさげだ。
強くなるには女は邪魔だ、と、有り体に言えばそんなような事を言っている。
 
江湖七怪たちも、視野がもっすごく狭いし、目先の評判を気にする。
特に罪深いのはビッグブラザーの柯鎮悪だ。
もっすごく思い込みが激しい大哥だ。
彼の思い込みのために被る被害は甚大だ。
冒頭の丘処機とのいざこざで和尚さんはお隠れになったが、これは普通に回避できたはずだ。
まともな思考回路を持っていない愛すべきビッグブラザーである。
ビッグブラザーは訳あって盲目なのだが、原作によると初登場時の年齢は40歳くらいだ。
実写では脚色され、驚いた事にまるで爺だった・・・(2017版はもっと爺だったけど)
このビッグブラザーに引きずられて、他のメンバーも脳筋揃い。
それでも憎めないメンバー、それが江湖七怪なのだ。
 
まともな先輩も居るけどね(洪七公)
右が北丐(洪七公)で、中の人、梁家仁。
左が南帝・一灯大師の段皇帝、中の人、肖栄生。
 
↑このお二人はまぁまぁまともかな、他に比べりゃ。
段皇帝は、嫁に浮気されても、よその男の子を産んでも、見捨てることなく面倒見てきた気の毒な善良男子だ。
でも、後の事件後にそのちーこ命を救う事ができなかった事を、痛恨のエラーとしてもっすごく反省してる。
 
あとは、江湖の先輩じゃないけど、諸悪の根源である完顔洪烈。
中の人、郭亮さん。
 
ことの発端は、↑の金の皇子が、楊鉄心さんの嫁を見染めてしまった事だ。
人の嫁を奪うために、その女の夫と、義兄夫婦を屠ろうと難癖つけてきた男子だ。
その後、いろいろと苦悩してたけど
(愛されねぇ・・・なんでだ、とか、息子よ・・・とか)
まぁ、自業自得だから存分に悩み苦しめばいい。
 
で、物語の方は、郭靖の成長記を軸に進むのだが。
それに深く関わるのが、親世代が義兄弟だった楊家の息子@楊康だ。
楊康のことはあとでねっちり語るとして。
ここで言っておきたいのはしーしー姐さん(劉詩詩)の事かなぁ。
しーしー姐さん・・・ぃや流石ではあるんだけど。
例えばアクション、特に冒頭の槍ムーブなんかはしっかりしてるんだよね、乗馬も上等だし。
やっぱりこの世代の、今も尚ご活躍の女優さんって、それなりに基本スキルがしっかりしてるのはわかる。
アリエルはその点この時点では及第点はあげられない。
で、姐さんだけど。
姐さんの演技スキルは上等だけど、いかんせんキャラがウザすぎる。
まぁ、原作でもウザいはウザいけど、それなりなケジメはつけてるんだが。
本作の@穆念慈はいいとこひとつもない。
 
でもまぁ、このCPは後の「神雕侠侣」の主役となる楊過の両親だ。
しーしー姐さんが産むちーこが楊過だ。
その楊過のことを考えると、産んでくれた事に感謝したくもなるけど。
 
そして、三人の生き方ファイルの最後の三人目である欧陽克が愛したのも、この穆念慈ことしーしー姐さんだ。
姐さんもってもて案件だ。
本作は、原作を随分と改編しているが。
一番の改編は、この欧陽克がらみのタームだろう。
まぁ、原作では相当キモいが、本作でもかなりキモい。
それなのに主役の一人と言っていいほど生き様をフォーカスされている不思議だ。
楊康としーしー姐さんとこの欧陽克の三人は、それぞれがクズすぎた。
 
楊康と欧陽克は、それぞれもとからどーしよーもないほど拗ねくれてるんだが。
さらに互いに陥れようと、耳元で不穏な事を囁き合い続けるのだ。
おかげで、どっちも修復不可能なほど壊れてしまう。
この二人は、互いに愛し合えばイイのに、と思うほど似た者同士の同族だ。
この二人が愛し合えば、更なる悲劇は回避できたのになぁ、などとも思う。
そしてこの二人が、郭靖が死ぬほど嫌いなのもよく理解できる。
ぃやだよねぇ、あんなきらっきらな清流属性。
眩しくて目がつぶれちまうよ・・・
 
まぁ、でも結局はノーマルに同じ女を好きになるんだが。
メインCPが眩しいほどの善良さと、柑橘系の清々しい爽やかさを振りまいているのとの対極の、泥沼だ。
そしてそれは底なし沼だ。
全ての原因は自分にあり、その責任は当然自分で背負わなければいけない、それが道理だろう。
それなのに、最終的に彼らを通して”人生の苦しみ”みたいな事を語る仕様になっており。
なんだか同情しないといけない感じになっている。
原作では、”ようやく死んだか”みたいな扱いだったのに。
同情はしないがあまりにも可哀想な屠られ方で、とても不快だった。
 
中の人は、李解さん。
「少年楊家将」の二代太宗役で、郭靖・楊康と共演している。
 
郭靖は、全真教の丹陽子から内功の極意を学び。
洪七公から”降龍十八掌”を伝授され。
周伯通からは九陰真経の型を伝授され。
一灯大師からはその極意を学ぶ。
途中、全真教の七斗星陣みたいなのも理解したりして、要するに吸収率Maxで旅を続ける。
 
お蓉も、洪七公の弟子になったのだが、訳あって丐幇の幇主となったり。
岳飛将軍の遺書案件とか、筋は原著通りだけど脚色はもう自由に〜という感じでかなり改編しながら物語は進む。
 
全編を通じて、お蓉とはイチャコラなのだが。
どちらも健気で純粋なので嫌な感じはしない。
しかし、やはり試練タームは訪れる。
 
まずは許嫁案件だ。
郭靖はお馬鹿なので、草原にいる時に大ハーンの娘コジンを娶る約束をしてしまう。
愛など知らぬ呑気ボウイなんでね。
その後、街に来てお蓉と仲良くなる。
で、何かとコジンはやいのやいの言ってくるし、お蓉サイドもぱぱの東邪の反対などもあり。
郭靖とお蓉はラヴラヴだが、前途多難だ。
だけど、そんな事は棚上げしてとりま目の前の問題を片付けよう、というお蓉の計画だ。
 
間に、政治的な問題もぶっ込んでくる。
大ハーンがモンゴル統一という偉業を達成し、金を滅さんと画策を始める。
しかし、それは目的の一歩に過ぎない。
チンギスハーンが見ている未来は全てを掌中に収める事だ。
 
その次は、とうとうやってくる桃花島の悲劇だ。
郭靖の師匠達、江湖七怪のうち(残ってるのは六怪)五怪が屠られるという事件が起きるのだ。
事件現場が桃花島なので、脳筋のビッグブラザーや郭靖は真っ先にお蓉のぱぱ東邪を疑う。
この辺の真相も、原作とは若干違うが。
ぱぱが犯人じゃないことは確かだ。
 
そして、お蓉は西毒欧陽鋒に拉致され行方不明となるのだ。
 
クライマックスの肝は
 
・コジン結婚問題(モンゴル問題)
・お蓉拉致問題
・華山論剣
 
この三点だ。

射雕英雄伝てこ監修”イケメン備忘録”

バカ正直すぎな男子@郭靖【胡歌フー・ゴー】

お待たせの郭靖こと【胡歌フー・ゴー】だ♡
 
まずは、こんなレジェンド小説のレジェンドキャラ@郭靖を演れたことに感謝したい。
王道の英雄譚であり、NARUTOでいうところのうずまきナルトポジションだ。
努力家で善良、その思いはブレる事がなく愚直に真摯な男子だ。
ナルトがサスケを最後まで諦めなかったように、郭靖も最後まで楊康を助けたかった。
一度も見放したり軽蔑したりすることもなかった。
 
ナルトと違うのは、天涯孤独ではなく、ままも江湖七怪もそばに居て。
いつも厳しくも温かく見守ってくれる存在があった事だろう。
おかげで真っ直ぐに育った。
 
なにより、ままと七怪が傍に居てきちんと物事の善悪を教え込んだのが良かった。
そこが楊康との違いだろう。
 
婚約当時、コジンとの結婚は拒否はできない状況だったのはわかるが。
その後の、考え悩んだ末に
 
「オレは、約束通りコジンを娶るよ」
 
発言には、観てる者皆
”ぇえ〜〜〜〜〜???”
ってなったはず。
”ダメだろ、郭靖ーーーー
お蓉は?
お蓉はどうするん?”
って皆思ってた。
 
本作ではさほど描かれていないが、背景には”アンダ”の存在があるのをここで教えておこう。
原作ではそれこそねっちりと描かれているが、アンダとは義兄弟の事だ。
草原ちーこ時代に、テムジンの息子トゥルイと交わしたアンダの契り。
この契りは永遠でありその絆は深い。
許嫁のコジンは、そんなアンダであるトゥルイの妹だ。
トゥルイに
 
「コジンと結婚しないなら、アンダの縁は切る」
 
そりゃそーだ。
妹娶る約束したし。
その後のお蓉とのあれこれなんてアンダ知らないし。
でも言い訳一つできないおバカな郭靖・・・
 
こんな背景で、アンダとの約束や自分の決断へのケジメとしてお蓉を捨てる決心をした訳だ。
この選択は、お蓉には酷だしひどい話だ、とも思うが。
てこはそんな義理堅さが尊く思え、見守り隊即加入だったが。
 
お蓉・・・ほんとに好きなのに・・・
お蓉が居ないと・・・オレだめだ・・・
お蓉が居ればな・・・
 
とか。
もうほんとにおバカ♡
やってる事がおバカすぎて愛おしいってのわかりますかね。
 
お蓉って15くらいの設定だけど、中身アラフォーだよね?って思うほどの包容力だ。
お蓉が居てよかった・・・お蓉でよかった・・・
 
覚えは悪いけど高ポテンシャルってのはヒーローになる者が持つ背景だが、郭靖ももちろんそれだ。
サスケはすぐに千鳥を覚えたけど、ナルトの螺旋丸は時間がかかった、そんな感じ。
少年ジャンプフリークだった者は、皆が嬉しく微笑ましく安心して見ていける仕様だ。
その郭靖を、嫌味なく等身大で演じている若さ弾ける胡歌を皆もぜひ見てほしい。
ひゃっ♡不整脈どきっ♡
相変わらずお美しや・・・
 
1982年9月20日生まれの40歳、185㎝、70kg。
上海戯劇学院卒業。
 
仙剣奇侠伝」「琅琊榜」「旋風十一人」「那年夏天妳去了哪里」「外科風云」「猟場」「妳好,之華」「南方車站的聚會(鵞鳥湖の夜)

レジュエンド級なクズな男子@楊康【袁弘ユエン・ホン】

楊康こと【袁弘ユエン・ホン】だ♡
 
てこブログでは、すでに二回ランクイン済みだがお久しぶりのほん哥哥だ。
 
本作の役どころは、もうみなご存知だとは思うがもっすごくクズな男子だ。
原作はもっとゲスいが、本作も大概ゲスい。
このゲスさを体験すると、わりと最近レビューした「東宮」の男主のゲスさなどヌルいとさえ感じる。
こうまでゲスくなる背景がしっかり描かれていて、読者(視聴者)がそれを理解することにより、
ゲス理由が痛いほどわかるが為に憎しみきれない、そんなうまいところをついてくるキャラ設定だ。
↑これは出会いシーン、皆さんご存知の靴奪いムーブだが。
このほん哥哥(袁弘ユエン・ホンの事っすよ)の色気見てくださいよ・・・♡
この若さでこの色気。
先が思いやられるほどのポテンシャルを当時感じたのを、ありありと思い出したてこである。
てこの予想通り、今ではいい男臭撒き散らした男前に成長しておる。
そんな哥哥も、最近はぱぱ役とかするような世代となっておる・・・
 
楊康って男子は己のアイデンティティで大いに悩む男子だ。
生まれは誇り高き将軍の血統でも、育ちがよくない。
先にも述べたが、これは楊康の罪ではない。
全てはままである包惜弱の罪だ。
ままは不幸自慢する時間を、もっと子育てに使うべきだった。
可哀想に。
ある日突然
 
「あなたのぱぱは別の人よ」
 
とか言われても。
 
「いまのぱぱは実は仇なの、だから敵討ちしないと」
 
とか言われても。
そんな簡単に受け入れることはできないし、殺すとかムリじゃね。
 
そして悪縁で娶る女子もあんなだ。
お蓉みたいな子なら、楊康にもワンチャンあったかもだが。
しーしー姐さんも、どうやら出自が卑しいらしくどこまでも暗さがある。
こうゆう共依存CPの未来は暗い。
鉄心さんも女を見る目がなかったが、息子もご多聞に漏れず。
ぱぱと同じように悪い女に惚れちまったようだ。
 
原作はゲスでクズなままお隠れになるが。
本作では脚色され、少しの間だが我が子と暮らす事ができる。
最後は
 
「カルマなのだ・・・」
 
みたいな悟りまで開眼した感じでお隠れになり、なんだか感動しないといけない仕様になっていてとてもモヤる。
監督さんの意向による物だろうし、監督さんによりこんなにも違う風味になる、という面白さもあるかもしれないが。
てこ的には、さいごまでゲスで終了した2017版の楊康の方が、逆に人間味を感じた。
ちなみに2017版の楊康は、先にちょこっと書いた「東宮」の男主@陳星旭が演じている。
嫁と一緒だ・・・
まぁ、いいけど、家族円満ワッショイ・・・
ちなみに嫁は「解憂公主」での共演がきっかけらしいよ。
 
1982年8月23日生まれの40歳、181㎝、65kg。
上海戯劇学院卒業。
 
「秀麗江山之長歌行」では”妻を娶らば〜”を熱演してた。
「歩歩驚心」では辮髪ビューティーのNo.13で、しーしー姐さんと共演している。
「玲瓏」ではとうとうぱぱ役で、スパパパだった。(記事は気長に・・・)
2022/10/10〜「我們這十年」
2022/10/11〜「揺滾狂花」が配信開始した。

射雕英雄伝てこが見た感想

お約束の飛行ムーブ、胡歌版は↑こんな感じだ♡
 
本筋は原作通りだが、最後まで楊康は生きている。
ここが原作と大きく違う点だ。
冒頭で三人の男子の生き方ファイルだと書いたが。
その生き方の根っこにあるのは、それぞれの父親だ。
 
・郭靖のぱぱはすでに居ないが、心にはきっちり存在している。
故に郭靖は進むべき道筋がはっきりと見えている。
 
・楊康は二人のぱぱがいる。
鉄心さんと完顔洪烈さんだ。
故に、自分が楊康なのか、完顔康なのかがわからない。
揺れる心、いつまでも自分の道が見えない。
 
・欧陽克のぱぱは実は西毒だ。
そのぱぱに認めてもらいたい、愛されたい、そんな切実な願い。
しかしそのぱぱは類稀な変態だった・・・
自分が強くなることにしか興味が持てない、そんなダメ男子だ。
もうそんなぱぱの事なんてすっかりさっぱり切り捨てて、自分の足で立って行こう・・・
と思ってたのに・・・
 
という三人の男子の行く末を描く為に、大幅に改編したのだろう。
なので、原作にある最後のアンダとのエピソードはごっそり抜けている。
トゥルイとの涙エピソードだ。
 
アンダってのは義兄弟のことだ。
互いの持ち物を交換して・・・
死ぬまで一心同体のアンダになるんだ!
 
・・・死ぬまで
一心同体の兄弟(アンダ)に!・・・
 
のシーンはない・・・
原作で涙涙だったシーンが本作にはないのだよ、諸君。
 
でも大ハーンの死に際に英雄条件みたいなのを喋る郭靖の成長ぶりが嬉しくはある。
原作では大ハーンお隠れ時もてこは号泣だったのだが。
本作の大ハーンはあんまり魅力的ではなかった気がする。
 
もう一人のアンダ(義兄弟)楊康の忘れ形見には、郭靖が名を授ける。
過ちを改め仁義に励んでほしいと願いを込め、名は「過」字は「改之」だ。
いい名前だ。
がんばれ楊過!