中国ドラマ『暗夜行者』ドラマレビュー:暗い夜の秘密とは・・・【李易峰リー・イーフォン】【馮徳倫/冯德伦ファン・ダールン】【古斌グー・ビン】【宮海濱/宫海滨コン・ハイビン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
今日は、中国ドラマ『暗夜行者』ドラマレビュー:暗い夜の秘密とは・・・、
を紹介するよ。
今日紹介するドラマは[愛奇芸iQIYI]迷霧劇場シリーズの最新作だ。
このシリーズはわりと気に入っている。
過去レビューをざっと紹介しておこう。(お暇な時に読むがいい)
ほかももっとあるかもしれないので、作品一覧で見つけて欲しい。
”迷霧”などと言うと霧ヶ峰みたいな爽やかなるパライソイメイジだろうか。
それともスティーブン・キングの中編小説”霧”イメイジだろうか。
このシリーズは”霧”のようなホラーではないが、社会問題を背景にしたサスペンスが多い。
そして全12集とコンパクト設計なのも佳きだったのだが。
24集versionの時もあるので注意が必要ではある。
主役は【李易峰リー・イーフォン】である。
「青雲志Ⅱ」からの久々の古装劇「鏡·双城」をファンダムたちはそれはもう楽しみしていたのだが。
てこもだ。
しかしてこでさえも途中放置の悲しみよ。
なんとトップ駄作に選出されてしまった。(@捜狐主催の駄作ドラマ選手権)
なので2022/5/22を指折り数えて待っていた。
(汚名?)挽回の大チャンスだ。
ちなみに6/6には早くも大結局である。
あっという間だ。
2〜3日前には易峰の過去作17作が星1つという異常事態も発生し。(豆瓣電影)
やはり人気者は違うなぁ〜などと心配しているところである。
ネット水軍の仕業のようで低評価は取り消されるらしいけど。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
暗夜行者ってどんなドラマなん?
易峰が演じるのは@駱翔/骆翔。
麻薬捜査の中で殉死したとされる警官で、5年後に名前を変えて再び東南アジア最大の麻薬組織に一歩ずつ近づいていく、って流れである。
舞台となっている街は”華城”で、植民地時代の歴史的な理由から東南アジアで最大の麻薬生産地だったと説明されていた。
地名も架空だが、作中での地図もなぜかボカしている。
どんな理由かはわからない。
まぁ、でもしかし東南アジア最大の麻薬生産地といえばゴールデントライアングルだ。
ミャンマーかラオスの国境付近という事だろう。
現地人の顔を見てミャンマー人かラオス人かは識別出来ないので不明だ。
まぁ、どうでもいいかもしれないが。
ミャンマーのシャン州で使われるシャン語はチェンマイ語とにてるようだし。
看板なんかを見るとタイ語のようなのでやはりここはミャンマー(ビルマ)の方と察せられる。(たぶん)
背景はしっかりと理解してた方が何かと想像を膨らますのに有利である。
一言で言うと、覆面麻薬捜査官のリベンジ戦を描いたものである。
サスペンスなのであまり立ち入ったことは言わないようにしたい。
なので簡単に説明しよう。
5年前、@駱翔Luò xiángは身分を偽り麻薬密輸ネットワークに潜入する。
麻薬王との取引現場を抑える計画だった。
↓
失敗(疑問①)
↓
仲間を助けるために埠頭の第2倉庫に向かったが警官に打たれ海の泡と消える(疑問②)
↓
5年後、しがないタクシー運転手となっている駱翔、名前は@陳陌Chén mòに改名。
なぜか腎臓移植を待つ娘が居た。
↓
駱翔に似てるので、駱翔になりきって潜入捜査をしてくれないか。
してくれたら娘の手術代金を払ってやるよ。
って誘ってくるのが@廖永嘉Liào yǒngjiā先輩である。
(中の人、馮徳倫/冯德伦ファン・ダールン)
お髭がステキなむさ叔である。
でもとっても胡散臭い。
しかし、駱翔はしがないタクシー運転手はやっぱりまた仮初めの姿であり。
5年前の疑問①&②は恐らくは身内(警察)に内通者・協力者がいるだろうとこっそり捜査継続中であった。
・・・
?
5年も捜査してても何も進展していないのか?
という疑問は湧くが、まぁ、見よう。
整理すると。
お誘いしてきた先輩デカ(刑事)は、駱翔を陳陌だと思っている。
駱翔になりすませ、って言ってる相手が本物の駱翔なのだが。
駱翔は、捜査が行き詰まってたのもあり、その誘いを受け潜入捜査を開始する。
駱翔が駱翔に化けてる演技をすると言うことだ。
要するに
・先輩デカ(警察)には駱翔を知らないふり
・密売ネットワークでは駱翔になり切る
というめんどくさい状況となる。
先輩デカとバディを組む部下は@于升海Yú shēng hǎi
(中の人、宮海濱/宫海滨コン・ハイビン)
升海はなんと、疑問②の駱翔をなぜか撃った警官その人である。
この男も胡散臭い。
要するに駱翔をサポートする警官2人が2人とも胡散臭いのである。
そしてもう1人女の麻薬潜入捜査官がいて。(中の人、宋軼)
彼女も凄腕の捜査官で、5年前は夫婦のふりをして潜入捜査をしたいたらしい。
しかし仕事の域を超えて好きになってしまっていたのが、本人は否定しているがだだ漏れだ。
(駱翔も好きだったっぽいけど)
駱翔の誘いを待っていて、てこはこういった思考回路の女は嫌いだ。
だからこの役は男の方が良かったと思う。
全然切なくならないし正直邪魔だった、とか言っちゃいけないんですけどね。(※最後まで見たらそんなことなかったです、念のため
↓
駱翔が駱翔になりきって、再び潜入捜査。
イー:麻薬組織を殲滅することはできるのか?
アル:麻薬ネットワークに関与している警察官の正体とは?
↓
クライマックスへ
という流れである。
注:↑までは12集までのレビューである
ぃやぁ、びっくりした。
全12集だとばかり思っていて。
レビューを書きつつ視聴していたのだが。
全24集だった!知らなかった・・・
これで終わったら”とんだ茶番見せられた”って荒ぶるとこだった。
こっからが本番だった・・・
バディを組んでるデカ(刑事)コンビの2人もすごく不穏で。
いい人なのか悪い人なのかわかんないのだが。
中盤過ぎると、先輩デカの病気の奥さんへの労り方見てると、よしんば悪いことしてたとしたらそりゃこの奥さん関係でやむなし、ってところか、とか。
後輩デカもどうやら悪循環で脅されてるようだし、謎のふくよかな少年の面倒見てるし。
こっちも何らかの込み入った事情がありそう、とか。
ここへきて、先輩デカや後輩デカが悪さをしてたことを承知している副署長も怪しい、と言えば怪しい。
さらに、元締めの1人である眼鏡叔がいるのだが。
この眼鏡叔が先輩デカとただならぬ関係のようだし。
部下の↓中の人金楷傑
が、実は覆面捜査官だったりしないかな、とか思う中華ドラマ脳の視聴者。
茶園のオーナーも恐らくは元締めの1人で、と言うふうに麻薬密売組織も複雑であり。
身内(警察)も私欲が蠢き誰もが怪しい中。
1人だけ突き抜けた単純思考がいる。
それが@梁龍(古斌グー・ビン)だ。
彼は脳内が”薬・金”でほぼ占められてる男なので彼に裏切られる事はない。
その癖、チキンハートなので疑い深いし、罪深いことも躊躇なくやるぶっ壊れた男なのだ。
なので彼はもう別枠でいいのだが。
ほかの怪しげな人間は、ひとり、またひとり、とお隠れになっていく。
で、とうとうそう元締めと思われてる眼鏡叔逮捕。
↓
覆面外してはれて警官ルックに舞い戻った駱翔だが。(かっこぇえけども)
・・・
まだ22集なんだ、2集も残ってるんだよ。
・・・
ここへ来て、まだ本当の裏ボスがいるはずだ、とか。
駱翔はやっぱり死んでた疑惑が浮上。
・・・
・・・・・
はっきり言っていいですか?
しつこい
まだやるの?って感じ。
まだまだ、覆面捜査の騙し合いは続いてるって事よ。
本当の裏ボスを炙り出すために、身内同志の茶番を繰り広げる。
可哀想なのは↑前出の女潜入捜査官の彼女だ。
いいように使われて・・・
違うと言われたけど、やっぱりあなたなのよね、
と思って精一杯サポートしてきたのに。
見舞いにも来ないし。
最後の最後にやっぱり駱翔じゃない、って言われて。
・・・
気の毒過ぎる。
てこブログ史上初となる”女だけど気の毒枠”の第1号認定を彼女に捧げたいと思う。
暗夜行者てこ監修”イケメン備忘録”
最後までブレない男子@駱翔/陳陌【李易峰リー・イーフォン】
久しぶりだ、易峰のレビューを書くのは。
何と「古剣奇譚~久遠の愛~」ぶりだ。
てこは古装をわりと好むのだが、「青雲志Ⅰ&Ⅱ」も「鏡·双城」も未レビューだ。
現代劇も見てはいるが未レビューだ。
本作はずっこけてしまった(失礼・ぺこり)古装の後なので、リベンジレビューをすべく万全の体制で待機していた。
はずだった。
後回しにしないように、見ながらメモを取り、執筆しながらの視聴。
前情報をシャットアウトしていたのが仇となり12集だとばかり思っていたら24集だった。
なにかと思い込みの激しい体質なのだな、我は。
なので、これからはやはり今までのように視聴完了後に書いた方がいいと学習した次第である。
で、本作の役どころはと言うと。
”麻薬撲滅”という大きな志を持ち麻薬潜入捜査官となった男。
5年前の大捕物中に殉死したとされているが、実は生きており。
5年間タクシー運転手になりすましながら、虎視眈々と当時の状況を捜査し。
さらには麻薬王を今度こそとっ捕まえるぞ、と頑張ってる男だ。
最初こそ↑こんなださルックだが。
捜査中は麻薬の密売人だから基本はチンピラルックだ。
どや?
完璧だ。
さらには終盤制服姿まで拝むことができる。
まさに眼福だ。
このように見た目ルックは1000点満点以上だ。
しかし、思いの外見せ場などはない。
今度こそダメか・・・のはらはら感も皆無だ。
すんでのところで助けに来るヒーロー感もない。
冷酷に見えるが実は心暖かき正義あふれる警察官、ってのでもない。
唯一娘として育ててる子にだけは誠実ではあるが。
結局のところ捜査が忙しいので誰かに預けてて、攫われたことさえ気付かない。
なぜ、こんなイケズな設定なのだろうか。
せっかくの主役なのに。
もっと魅力あふれるキャラクターにしてくれればいいのに。
”辛いけど・・・大義のために・・・”
”こんな選択、いくら俺でも無理だ・・・”
みたいな切ない葛藤を見たかったのに。
終始淡々としているのだ、駱翔という男は。
しかし、その疑問も最後の最後には納得できた。
それはまとめで改めて書くが・・・
それでも、やはり作中で主人公駱翔が魅力的か?と問われれば。
それは”微妙だ”と答えるしかあるまい。
脚本もよくできているが。
やはり登場人物が多いのと、その登場人物たちの人間関係が複雑なために。
その背景を説明するために多くの尺が使われる。
その分主役は後回しな感じは否めない。
素直な背景を持っているのは娘と女捜査官だけだ。
まぁ、それこそ惚れ惚れするようなキャラなど、そうそうあるわけでもないし。
よしんばあったとしても、それに抜擢されるかも難しいわけだし。
とりま主役で不可もなく演じ切れたので良しとしたい。
次に期待しよう。
1987年5月4日生まれの35歳、181㎝、66kg。
四川師範大学電影電視学院卒業。
易峰ももう35歳か。
それもそのはず彼も我らが【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】(最新記事はこちら)と同じ《加油好男儿》出演組である。
なので同世代なのだ。
ついこないだレビューした「神薬(我不是薬神)」の王傳君もそうだ。
張暁晨&王傳君は個性派へ転身したが、易峰は安定に王道を歩んでいる。
なんとも頼もしい男だ。
これからも活躍を期待し、できる限り出演作は見ていきたいと思う明星である。
髭が見たいなぁ♡
暗夜行者てこが見た感想
このドラマは、とても多くの警察官や麻薬組織の人間が死ぬ。
いくら大義があろうとも、こんなにも人の命を軽く扱われると、こちらも狼狽える。
しかし、駱翔が麻薬捜査官になった時のエピソードを見ると、なるほど、と納得させられた。
要するにこのドラマは、
潜入麻薬捜査官のお仕事紹介ドラマだったのである。
ご丁寧に、エピローグでテロップが入る。
”こんな辛い仕事をしてくれる人の犠牲の上に、我らの平和はあるのだ”などと。(注・極訳です、念のため)
近頃は、最後にテロップ入れてこんなテイスト(政府PR)にするのが主流のようだ。
検閲対策なのかもしれんが、逆に言えばそのテイストにさえすればどんなドラマも検閲を通過できるのではないだろうか、などと考えてしまう今日この頃だ。
とにかく、駱翔が警察官でありながら仲間の警察官が犠牲となるのも見て見ぬ振りだし。
犯罪者とは言え、目の前で梁龍が人殺しをしてもスルーだ。
その割には、1人残されたちーこ命が気の毒で引き取ったりもする矛盾だ。
まさか、子連れの方が警戒されないから、とかなのであろうか。
まぁ、(多少の矛盾はあったとしても)要するにどんな状況にでも狼狽えないブレない鉄の意思を持つ者が”真の潜入麻薬捜査官”なのだ、ということだ。
そうなのか。
なら任務を完遂できたのなら、駱翔は満足なのだろうか。
否。
最後にお隠れになった方々が大集合のシーンは切なすぎて、心がざわつき、居心地が悪かった。
誰も居なくなった場所で、駱翔は何を想うのだろうか。