中国ドラマ『卿卿日常(きょうきょう)~宮廷を彩る幸せレシピ~』(原題・卿卿日常)ドラマレビュー其の2:男子たちだって言いたい事あるんだぞ!【白敬亭バイ・ジンティン】【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】【昌隆チャン・ロン】【劉冠麟/刘冠麟リュウ・ガンリン】【高曙光ガオ・シューガン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年8月31日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『卿卿日常』ドラマレビュー其の2:男子たちだって言いたい事あるんだぞ!
を紹介するよ。
 
其の1は、女子たちに荒ぶってたら長くなってしまったのだ。
基本情報や女子たちに荒ぶる様子は、↓其の1を読むがいい。
このドラマの主題は、女子の人権とか自由とか自立なのだが。
それは同意するし大いに応援したい。
そしてそれ(主題となっているもの)は、理想では当たり前に確立されているものであり、本来であれば全てがフェア(平等)であるべきだ。
しかしながら、古(いにしえ)から今の世まで、人間が平等であったためしはない。
生まれながらにして皆不平等なのだ。
 
見目形も、生まれながらのもので当然のことながら皆違う顔だ。
ぱぱ・ままの状況だって人それぞれだ。
貧乏人に憂いがある様に、金持ちにも憂いがあるし、金持ちだって不平等を嘆く事もある。
重要なのは、不平等の上でどう生きるかを模索し、熟考し、行動する事だ。
諦めたっていいし、諦めずに立ち向かっても良い。
それは個人の自由だ。
ただ、権利だけを当たり前に主張し、具体的な言動がないなら話は別だ。
だってそれはただの愚痴・不満だからだ。
それに、物事には必ず側面がある。
例えば、女子の生き辛さもあるが、女子由えの、女子だからこそ受けられる恩恵もあるはずだ。
 
このドラマの背景は、古の時代である事と、舞台となってる”新川”国が男尊女卑の国だ。
女子の生き辛さは今よりも酷いはずだ。
なので、そこで虐げられ自由を奪われてる女子たちが立ち上がる姿は尊いし応援したい。
しかし、女子たちだけが人権や自由や自立を声高に叫び、全勝状態なのを見るに付け、
男子たちの苦悩も感ぜずには居られない。
 
両方が声高に叫んでたら、いつまで経っても物事は前進しない。
どちらかが折れたり妥協したり歩み寄りが必要なのだ。
このドラマはほぼ女子が全勝なので、つまりその皺寄せは一手に男子が引き受けているのである。
彼らにも人権はあるはずなんでね。
 
なので其の2では、男子たちを全力で擁護したい。
 
注:てこブログは、大いなるネタバレを含みます。
閲覧の際は、十分にお気をつけください。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

卿卿日常ってどんなドラマなん?【男子編】

どんな風に紹介するのが良いかいろいろと考えた。
てこ監修”イケメン備忘録”を兼ねて、一人ずつピックアップしてゆく事にする。
中にはイケメン枠から外れる様なルックも登場するが(失礼・ぺこり)、物語を語るには外せないキャストもいるのでな、そこんとこよろしく!

No.⑥尹峥【白敬亭バイ・ジンティン】

女性うんぬんが命題のドラマだが、主人公は男子である白くんだ。
 
物語の筋は
 
ぱぱ(皇帝)は息子たちの品定めを始めた
嫁入りした八国女子たちの実家のある国とのパワーバランス
頭角を表した⑥チームVS嫡男②チーム、という背景での兄弟でのあれこれ
力でねじ伏せるのではなく、それぞれの国の特質を活かしながら改革を進める白くん
新川国ロイヤルファミリーの、ぱぱと息子(たまにままも)のあれこれ
皇太子は誰になるのか
 
という大筋の合間に、
 
・それぞれの嫁たちとのあれこれ
・女子の人権〜自由〜自立〜を叫ぶ
 
をぶっこむ仕様だ。
なので其の1で女子に荒ぶっては居たが、さほどヒロインや他の女子の出番は(後半は特に)多くない。
 
多くはないのだが・・・
・・・
↑にある様な、政治的な話を掘り下げてくれたらもっと楽しく見ることが出来たのだが。
やはりメインは女子の〜なので・・・
他国との駆け引きや、権謀術数はほぼない。
代わりに、嫁とのいちゃこらや、他のメオトのあれこれを見せられる仕様だ。
 
⑥で庶子である白くんは、今まで目立たず病弱を装い、しかし家庭教師の教えの元に虎視眈々と臥薪嘗胆の日々を過ごして来た、という設定だ。
 
なので、頭脳は明晰であり武芸の鍛錬にも余念がないし、
最初こそ胃弱で苦しんでた様子もあったが、序盤以降は痛がる素振りもなくほぼ無双だ。
 
・朝廷でのキレッキレの白くん
・デレてる白くん
・嫁にベタ惚れなために、こう言いたい、けど何も言えねぇ・・・な白くん
 
と多種多様な白くんを愛でることができるし、何と言ってもそれは白くんがハイスキル男子だからだ。
 
そして⑥少主のキャラ建てがさいこーだ。
⑥の基本は”愛”だ。
愛を持って接するから、相手の最善を導き出すために努力を惜しまないのだ。
嫁に対しても、できるだけ嫁の気持ちを尊重したい、という一念から。
結果ほぼ相手の思うままになっている。
嫁が思う様に動ける様に、影からのサポートを惜しまないし、なんといってもそれをひけらかしたり押し付けたりしない。
白くんから、嫁へのお願いって一つもないんじゃないだろうか。
嫁はああしたい、こうしたい、って欲しがり女子なのだが。
白くんはワガママ一つも言ってない。
 
兄弟に対しても愛だ。
自業自得とはいえ、ぱぱの気持ちを思うと死罪になどできるはずがない。
ちゃんと逃げ道も用意している周到さだ。
 
ふつう、ここまで出来すぎ男子だと、てこの様なすねくれものは。
胡散臭いとか、おもんない、とか言いそうになるのだが。
最後の幸せ絶頂の笑みなどを見せつけられると、ぐぅーーーっ、と口をつぐんでしまう。
そんな強烈なルックを見せつけられて、今回も撃沈です♡
 
それでも、最後まで例のあの女子(ヒロイン)が。
 
す、好きなんかじゃないもんっ、
 
とかふざけたこと言うのでイラついたり、進む様でなかなか進展しない二人の仲にうんざりしたものだが。
ようやく(たしか37集、ほぼ終わり頃)床入りの白くんにニヤニヤが止まらないてこであったのだ。
 
まとめ:⑥白くんの言いたい事
 
ボクは、君(ヒロイン)のために最善を尽くした。
それなのに君は②側室を助ける時、離婚届を持って来たよね。
君はボクのためだと言うけれど、
ボクに迷惑がかからない様にと言うけれど、
果たしてそれはボクが願う事と一致してるのか?、と思わないのだろうか。
結局君は、自分最優先女子だよな。
・・・惚れた弱みで許すけど・・・
きゃ♡不整脈どきっ♡
新年快楽!白くんです。@白敬亭微博
 
1993年10月15日生まれの28歳、183㎝、68kg。
首都師範大学音楽学院卒業。
 

「平凡的栄耀」「目標人物」「与晨同光」「八零九零」「我們的新時代」「我的助理六十歳」「長風渡」(待播含む)

No.②尹嵩【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】

てこがこよなく推している【張暁晨/张晓晨チャン・シャオチェン】だ♡
 
何度も言っている様に、てこは『張暁晨全球後援会日本支部』(非公式)の会員No.15だ。
興味のある方はぜひともhanorosesさん(会長)にコンタクトしてみて欲しい。
ちなみに②のテーマソングも採ってみよう弾いてみよう、で弾いている。
折しも、「風起隴西」がわうさんでOAされて注目され、〜からのこの超話題作出演だ。
これは流れが来たか、と思った自分を叱りたい。
 
しかし、よくもまぁ、こんなキャラ設定をしてくれたもんだ。
ふつう、ヴィランにはヴィランの事情ってもんがあるもんだ。
でも②には無い、事情が。
 
てこがヴィランズを好む理由は、まさにその事情にあるのだ。
こう成ってしまった事情。
成らざるを得なかったであろう事情。
ヴィランにはヴィランの愛があるという背景。
 
だから、ヴィランだっていいじゃない、ヴィランさいっこー、ってなるはずだったのに・・・
・・・
事情はなく、異常者?
 
いやいや・・・
よくよく思い返せば、妹が降嫁させられる時にあんなに狼狽えてたのだから。
ぱぱに認められたい、と強く願ってるのだから。
あほな同腹の弟(No.10)への偏愛ぶりもあるのだから。
それに、嫁たちのおべっか(お世辞)に簡単に気持ちよくなる単純ぶり。
結局は、簡単に離縁も受け入れたし。
 
以上のことを考慮すると、わりと単純な思考回路の持ち主なのではないだろうか。
と言う事は、彼を気持ちよく暮らさせることって実はできたのではないだろうか。
DVが恐ろしかったが、そもそも彼を怒らせなければ良いわけで。
 
「誰のおかげで飯を食い、贅沢ができると思ってるんだ」
 
このクズ発言も、この発言をさせない状況を作り出すことって、実は出来そうだ。
・・・
でも、ごめんだ。
面倒だし、第一なんでそんな下手に出ないとならんっ、ってなるよね、ふつー。
そう、どんなに考えても②を擁護する事は不可能だ。
完璧なる最悪な男だ。
・・・
こんな1ミリも救いのないヴィランって、このドラマに必要だろうか。
否。
最後の大団円を見れば、真の悪人は居なかった、って流れなのに・・・
もう快楽結局の時には、存在さえ消え失せてしまってる悲しみよ。
 
しかもなぜ最後の楽しいロイヤルファミリーの晩餐に、②側室がちゃっかり座ってるのか、
マジ意味わからんの。
あの状況で、⑤との噂もわざと流し、離縁させられた、って状況を作って宮廷を去った女子が。
なぜに皇帝と同じ席で食事できるのか。
要は”⑥嫁(皇太子妃)の親友ポジと言う事で招待されてるわけだろう?
あの女子に言いたい。
”おまいは自分の力でこの席に座ることができたんじゃない、単に友のおかげだぞ、勘違いすんなよ”だ。
 
暁晨は、こんな役でも全力で取り組み。
嫁たちの喉を締め上げたり、ばっちーーーーーんっ、とぶっ叩いたり。
ねっちりとした視線で、嫁を迎えに来たりしてる。
さらにはジェラシーむんむんな目つきで⑥を見て
 
「庶子ごときが・・・」
 
などと、憎らしい事も言ってくれる。
しかし、いくら頑張ったところで救いのないヴィランだ。
今回も主役に殴り倒されており、もはや決まり事の様に成ってる事に悲しさを隠せない。
 
こんなク○キャラの②でも、暁晨は(会長調べによると)”新境地さえ垣間見えた会心の出来だった”と言っている超ポジティブシンキングボウイだ。
暁晨はわかりやすいヴィラン仕様や、ねっちり視線はまぁ既にお手の物だし。
所作がお美しいのも、昔からの事なんで。
たいして目新しい感じはないな・・・などと思ってたのだが。
個人的に”はっ”と注目しちゃったシーンは、
⑥をこらしめようと思ってたのに、矛先が⑤に向いてしまって、図らずも⑤が罰せられる事に成ってしまった時のシーンだ。
この時の目が、文字通り”泳ぐ”のである。
わざとらしさなど1ミリも感じる事なく自然な”泳ぎ目”だ。
 
「ぇ、ぇ、ぇ・・・・まじか・・・そっち?
ぇ、ぇ、ぇ、・・・どーすっかな・・・
考えろ、考えろ自分、ぉい、考えろって・・・
ぁ、ぁ、あ゛ーーーーーーーーー」
 
って目だった。
秀逸である。
 
まとめ:②暁晨の言いたい事
 
オレってば、最悪の夫だったよな。
笑ってくれよ。
今の今まで、君らはこんなオレ様なオレを愛してくれてるもんだと思ってたんだ。
憎んでるなんてな・・・
もっと早くに、自分らの気持ちを言ってくれたら、オレも変われたかもしれないのに(てこの願望です、念のため)
ほかんとこの嫁みたいにさ・・・
必死に足掻いてくれてよかったんだぜ?
なぁ、オレひとりが悪者か?
なんでオレだけなんーーーーーーーーーーーー?
最後に復活したかったーーーーーーーーーー
暁晨は物持ちが良い。
会長調べによるとこのアーミーダウンは2013から着ているらしいよ。
 
なんと便利な事に、去年の誕生日に(彼の)
という記事を書いたので、暁晨のことを知りたければ読むが良い。

No.⑤尹岐【昌隆チャン・ロン】

其の1でてこが第二女神認定した女子の夫となるのが、この⑤だ。
 
↑の図は、嫁選抜に来た女子の似顔絵(②側室となるむかつく女子)を見て
 
「オレはこの子がいいなぁ♡なんてったってかわぇえ♡」
 
とニヤついてる図だ。
しかし思惑とは違い、真逆の男前女子が嫁になってしまうのだ。
この男子はやかましくうるさい。
ぎゃーすか騒ぐ女子みたいだ。
こーゆー騒がしい女子はてこは好まないが、男子なら話は別だ。
我慢できる。
 
実際、このCPは男女逆だとしっくりくるCPだと言える。
そう考えれば、この男子の苦しみもわかると言うものだろう。
 
言葉少ない亭主関白の夫、のような嫁なのだ。
面倒な事は拳で解決するのが手っ取り早い、そんな嫁は嫌だ、とごねてるわけだが。
もし逆だったなら、そんな夫なら嫁は最初は苦労するよね、って話だ。
 
しかし、根底には愛があるから、時間と共に
 
「あれ?怖いと思ってたのは表現するのが恥ずかしいからなの?」
 
と嫁が夫の内面に触れていく様に、この夫も嫁のことを知って行く流れだ。
ふつーのイチャコラメオトものと男女が逆に成ってるだけのパターンだと理解できる。
 
この⑤は、心ない言葉でたびたび嫁の心を傷つけるのだが。
嫁はむしゃくしゃしたら、体を動かし汗と一緒に憂いも流す男前な女子なのだ。
しかし、最初のうちはこの嫁も辛抱が効かず家出してしまったりもするが。
逆にその行動力のおかげで、夫に自国の風習を知らしめることができ、結果夫の考え方の変化のきっかけとなる。
 
要するに、⑤は
 
「嫁も可哀想だな。
自国にいたら威張って暮らせたのに、新川みたいな男尊女卑の国に嫁に出されて。
オレみたいな、出来損ないの嫁にさせられたんだな」
 
と思い、嫁の喜ぶ顔が見たい、に変わって来たのだ。
今まで知らなかった本当の自分。
今まで気付かなかったが、本当は自分はM男子だったんだ、と気付いた瞬間だ。
 
まさに凹凸がピッタリくるこの二人は奇跡のカップリングだったのだ。
 
まとめ:⑤の言いたい事
 
心の底から愛してる
これからもオレをいぢめてくれーーーーーー
何、このピンク帽♡
 
1990年3月24日生まれの32歳、177㎝、65kg。
中央戯劇学院卒業。
 
「喬家的児女」「天盛長歌(鳳凰の飛翔)」「同学両億歳」「玉楼春

No.③尹岸【劉冠麟/刘冠麟リュウ・ガンリン】

㊗️てこブログお初【劉冠麟/刘冠麟リュウ・ガンリン】だ。
 
イケメンからはズレているし(失礼・ぺこり)てこの好みからも外れている。
しかし、このドラマでの役の重要度からフォーサスせざるを得ない、そんなポジだ。
アラフォーのリンリン麟麟がなんで暁晨の弟役なんだよ。
②と③の中身をスイッチしてほしかった、と思うのはきっとてこと会長だけだろう・・・(遠い目)
 
最初こそゲスなグズ男子だが、途中からもっすごい良い人になるんですよねー、この人。
新川では、女性が商売などできる環境ではなかったのだが、
⑥白くんだけでなく③も最終的には全面的に後押ししてくれて多くの女子が自立していく。
 
女子たちへの献身的なサポートの他に、⑥白くんの後ろ盾となって何かとフォローしてくれている。
なんて良い役だろうか。
ルックだけ見たら、陰で悪さを企むヴィラン顔なのにね。
 
まとめ:③の言いたい事
 
もっと早く知りたかった
君たち(正室&側室たち)がそんな気持ちでいたなんて
反省してまっす、もっすごく
贖罪で生きて行きます
お願いだから少しは優しくして
お願いだから許して
これは今撮影中のドラマの様だ。
詳しくは微博で。
 
1981年12月19日生まれの41歳、176㎝、65kg。
北京舞踊学院卒業。
 
「竜門鏢局」「新水滸伝」「媽媽向前沖」「奇葩一家親」「十月囲城」「大漢天子3」

No.0(zero)新川主【高曙光ガオ・シューガン】

新川主である【高曙光ガオ・シューガン】だ♡
 
慶余年」の范建だ。
いいムサ叔使って来ましたよ♡
 
自らを”孤独の男”と呼ぶ拗らせ男子だ。
九つの国を統治するのは簡単ではなかったであろうし、孤独の男のぱぱとかじいちゃまたちは戦国の世を生き抜いて来た強者だったろう。
その強者たちから認められ皇太子となり今は皇帝だ。
そーとーなストレ〜スの中で生きて来たはずだ。
 
偉大なるご先祖様たちが築き上げたこの国を託す者を育て上げなければ、そんなプレッシャーの中での子育てだった。
 
そんな偉大なぱぱに認められたい、と切に願い努力して来た皇子たち。
みーんな(①も出番少ないけどきっとそう)パパコンだった。
 
子育てに”正解”はないけれど。
病気になって気弱になった時、見えてくるものがあった。
 
オレは間違っていたのかもしれない、と。
オレは、後継者を育て上げると言いつつ、自分が権力に固執してしまっていたのではないだろうか、と。
 
まとめ:0(zero皇帝)の言いたい事
 
オレが至らない点があったのは認めるけど、
・・・
言いたいことあるなら、面と向かってきちんと話してくれよ
よりによってオレが弱ってる(病気)時に後ろから冷や水かけるのやめてくれ(嫁・正室に言ってる)
ひゃ♡不整脈どきっ♡
↑は最新の「星河長明」だ。(現在視聴中)
 
1964年4月21日生まれの58歳、183㎝。
上海戯劇学院卒業。
 
過去レビュー「慶余年」「風起洛陽
これからレビューしようと思ってるのは「迷航昆侖墟」「玫瑰之戦」「星河長明」この三本だ。

卿卿日常てこが見た感想

女性の自立や自由や人権を主題とし、
 
・男尊女卑の新川国に問答無用で嫁入りさせられた女子たちのあれこれ
・ロイヤルブラザーズの皇太子席争奪戦
・他の八国との外交問題&災害問題
・ロイヤルファミリーの抱える問題
 
などを盛り込むので、話題には事欠かない。
次から次へとテンポ良く進むので苦もなく視聴できる、と言いたいところだが。
正直な話、外交や災害などはうまく事が運びすぎて興醒めするのと、
女子たちの主張が強すぎて萎えた。
 
加えて、ヒロインにそれほどの魅力を感じない、という大きな問題がある。
ヒロインは不幸自慢は盛大だが、大した努力をせずに一番幸せなポジションに居る。
これは見逃せない事だ。
 
お食事会の時のバイキング方式や、災害時に役立てて、と持って来たインスタント食品(フリーズドライ的なやつ)。
これは、おそらく原作は異世界転生とかタイムワープとかパラレルワールドとか、そんな感じなのではないだろうか。
なので原作では、現代の知識を生かして古代で輝く女子、てのがヒロインのキャラクターであり。
それなら、古代の男子が骨抜きに惚れちまうのもわからなくもない。
しかし、本作はそういう設定ではないし、そのアイディアが唐突すぎて”何もできない女子だが、ひらめきだけは天才的”という微妙なキャラクターになっている。
 
そして、最後に⑥嫁ご懐妊、で幸せ感爆盛りにして快楽結局となるわけだが。
女性の〜を命題にしているのに、メインCPの帰結が懐妊という流れはまったくもって納得できない。
幸せの形が幾通りもある様に、メオトのあり方だって幾通りもあって然りだ。
 
まだ子は出来ないのか、と圧をかけられたり、
妊娠したらしたで”男”じゃなきゃならん、とか、
散々なバイアスを感じて来たであろうに。
ここに立ち向かってこその女性〜なのではなかろうか。
 
次の世代により良い世界を、と、
次の輿入れ選抜試験を廃止して女性官僚選抜試験に変える、で終わりにすればよかったのに、と残念に思う。
 
とはいえ、非常に強いメッセージ性を持った作品であるし、
女子全勝の女子のためのドラマだと思う。