中国ドラマ『大唐流流〜宮廷を支えた若き女官』』(原題・骊歌行/驪歌行・英題・Court Lady)ドラマレビュー:CPだらけの于正ドラマ【許凱/许凯シュー・カイ】【檀健次タン・ジェンツー】【何奉天ホー・ホンティエン】【李澤鋒/李泽锋リー・ザーフォン】【周大為/周大为ジョー・ダーウェイ】【程楓/程枫チェン・フェン】【王一哲ワン・イージョー】【唐曾タン・ゼン】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり
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今日は、中国ドラマ『大唐流流〜宮廷を支えた若き女官』(原題・骊歌行/驪歌行・英題・Court Lady)ドラマレビュー:CPだらけの于正ドラマ、
を紹介するよ。
制作は2019年なのに播出されたのが2021年4月。
中華な古装ドラマをご覧になる皆様におかれましては、やれ「色彩が」とか、やれ「古臭い」などと、おっしゃられる方々もおられますが。
てこはこのドラマ、結論から言って非常に良かったと思います。
なので「前世(もしくは後世)でこんなことに」とか、
「またこんな悪さしとるんか」とか、何かと楽しめる、はず。
さらに、于正のくせに、さすが于正、と言わざるを得ない絶妙な匙加減である。
许凯クン目当ての人は(てこもだが)思いの外、彼の出番が少なくてがっかりしたかもしれんが、後から考えるとそれがまた絶妙であると言える。
加えてさすがの美術部門である。
髪型や衣装、舞台の色合いも唐時代を反映させている。
↑唐の太宗の@李世民さんである。
まぁ、本ドラマの太宗の中の人はもっとスリムであったが、そこは目をつぶるとして。
おわかりか?
この時代の男どもはハイウェストで裾を”ひらーん”とか”ばさぁー”とかしてないってこと。
だぼっとオーバーサイズが主流であった。
女性の髪型もへんちくりんに見えるが実は忠実である。
↑は敦煌・莫高窟の壁画に描かれた唐代女性の群像であるが。
ドラマを見た人は「なるほどーー」と思うだろう。
ところでこのドラマ。
製作した当時は「大唐女儿行(大唐女児行)」というタイトルであった。
それが播出時に「骊歌行(驪歌行)」に変更した。
最近、「長歌行」というのも播出されており。
しかも、そちらも李世民の”玄武門の変”からスタートする唐時代ものである。
まぎらわしい、実に。
タイトルの”骊”(驪)は音読みで〈リ・レイ〉訓読みで〈くろ(い)・くろうま〉である。
最後まで見て思うのは「大唐女儿行」のほうがしっくり来る、ってこと。
なんでこんなタイトルにしたのか、ほんとに謎である。
とか言ってたら、最新情報が入った。
タイトル改『大唐流流〜宮廷を支えた若き女官』だそうだ。
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!
骊歌行ってどんなドラマなん?
于正のすごいとこは、↑こんなキラッキラな2人を使っても”きらきらラヴ史劇”にならないところである。
橋田壽賀子センセの@渡る世間に〜に通ずるものがある。
なんの事ない日常だが、当事者には当事者の事情がありそれなりのドラマがあり。
家族がいれば其の人数分の事情があり。
兄弟喧嘩もするよね、でもそれがロイヤルファミリーだったりするんだけど。
時には世情を嘆いたり。
渡鬼でいうところの泉ピン子ポジションが主角の@傅柔(以下ふーろう)中の人、李一桐。
商売人の娘だったが訳あってコートレディいわゆる女官になるわけだが。
彼女を中心に、関係する人間模様、朝廷事情を描いている。
早いうちに相思相愛になる2人だが、许凯クン扮する@盛楚慕(以下ちゅーむー)のままんに家柄が釣り合わないと反対され、宮女として入宮することになる。
ちゅーむーは街1番のプレイボウイで遊んでばかりだったのが、ふーろうに認められたいのと、賢い彼女と釣り合うようにと、猛勉強&猛特訓で文武両道&イケメンのハイスペック男子の出来上がり。
ふーろうはその聡明さで宮廷でどんすか認められ、皇后から信頼され上級女官へ昇格。
ちゅーむーはハイスペックなんで将軍にまで上り詰め、皇帝からのご褒美でふーろうを娶りたいと思っている。
ってのが初期設定である。
目指すゴールは
イー:2人の恋の行方
アル:平和な治世なるか
すごくシンプル。
で、ふつーのラヴ史劇ならば、くっつく→事件→別離→ラヴ→事件→の∞ループなのだが。
この主角CPのラヴは非常にあっさり薄味。
30集までは、お互い仕事をきちんとしながら会えるときはラヴラヴ、ごくごくノーマル。
訳あって別れるが互いに忘れられないし、思い合ってて、それなりの切なさはあるものの、ヤキモキして心配したり、見てて切なくなるといったことはない。
そうだよね、ふつー愛だけ考えて生きてける訳じゃなし、生活があるんだから。
互いに気になりながらも、いろんな事情で誤解は解けないし、他の事情も込み入ってくるわけで。
その辺がリアルでてこが渡鬼だと言ってる所以であるが。
でもあんまりリアルよりだと、つまらなくなるので、他の事情もぶっ込んでくる訳である。
で、まずは定番の権力争いで、ここでは李世民の息子3人+後ろ盾となる家・人の細かい人間模様。
李世民と嫁、側室、そして息子や娘たち。
この辺も実に細かく、移り行くそれぞれの気持ちが手にとるようにわかる仕様となっている。
それと、関係者のラヴ、である。
この関係者ラヴラインが実に多く十数CPある。
そのせいで、主角CPの出番が削られている訳である。
一つの愛だけをしつこい豚骨味で語られるよりは、あっさり塩味だからたくさん食べれる方式である。
たまには豚骨味もいいけど、その場合は1杯(短い集数で)ね、がいいと思うのである。
で、あらすじとかみどころとか、そんなのはいつものごとくよそ様のレビューで立派なのがあるので。
てこブログでは、このラヴラインを紹介しながらイケメンをピックアップしてゆこうと思う。
ちなみに公式が発表してるCPは6組あるが、公式じゃない?CPをいれたら十数組もいる。
それと、配信当初は45集くらいだったのが結局56集に増えたという、不思議現象もあった本作品。
実は、次の話に移った時が唐突だった時が何度かあり、本来はもっと長いんではなかろうか?
喧嘩してたのにいきなり「やり直そう」とか言って抱き合ったり、とかね。
まぁ、何集か抜けてもわかるから問題ないけど。
骊歌行ラヴラインてこピックアップ
1位:ちゅーむー&ふーろう
ぃやぁ、今まで散々ディスってごめんなさい・ぺこり(李一桐ねえさん)
ぃや、@剣王朝でも少しは褒めましたがね。
てこが今まで見た彼女の出演作の中じゃこれが一番じゃなかろうか。
お美しいのはもちろんだが、うるさくないし、媚びないし、笑わない。
なので、たまーに笑うと「ぉお、かわぇえ」となる。
彼女が「ちゅーむー」と呼ぶのがツボだった。
そしてなんと言っても許凱/许凯シュー・カイである。
美しいだけでなく、演技もアクションも上等、その上今回も傷のお手当で美肌をいただきました。
強がっては見たものの、好きな女を目の前にしたら、今までの事などどーでも良くなってしまう、そんな気持ちあなたも経験ありますね?
于正はそういったわかりきったことはわざわざセリフにしないし、シーンにもしない。
だから、彼の作品にはべったべたのベタなシーンがないのである。
そしてそれを、目で、そして所作で演じれる役者じゃないと採用されないのである。
これだよ、コレ。
2人にどんな仲直りシーンがあったのかなどの描写はないのに、「仲直り済」が一眼でわかるこの笑顔。
今回も非常に素敵だった。
Coolで無骨な男も似合うが、Cuteで不器用も似合う、まぁ、このビジュアルで演技も上等なら何やっても死角なしだが。
彼の悲しみの慟哭は見るものの涙を呼ぶ。
2位:皇太子&陈吉
画像は左右逆で混乱するが(すんません)
右→@皇太子(中の人、李澤鋒/李泽锋リー・ザーフォン)
左→@陳吉(/覆水)(中の人、王一哲ワン・イージョー)
ぃや、皇太子にはちゃんと嫁いるが、こっちが本命、ほんとは(ヒミツ)
皇太子は、自分のアヴノーマルさにこれっぽちも気付いてない。
@陳吉は、、、どうだろ、こちらも気付いてなさげだが微妙。
「アレ?おれってば、こいつ(男)にこんな気持ち持つって、どゆことだろう?」みたいになる前である。
この時代特有の、こそばゆい感じにかなり萌える。
わかりますかね?
この、相思相愛になる前の気付いてないけど100パー両思い状態の危うさ&甘酸っぱさ。
しかもね、皇太子は後世でもやっぱりアヴノーマルなのである。(@ベゴニア参照の事)
後世でのパートナーも本作におられるし、後宮内にいるんだけどな(←チガウ)
気付いてないやきもきに更に萌える。
ぇっと、今度は画像縦に並べてすんません、てこブログから持ってきたんでそのままで、、、
お相手の@陳吉(/覆水)(中の人、王一哲ワン・イージョー)は、
陳吉の時と、瓜二つの覆水の時と配音が違うようなきがする。
最後までなんで瓜二つなのかわからんかったし。
敵討ちはわかるけど、ロイヤルファミリー殺してその後どうしようと思ってたのか。
あと、牢屋で皇太子を殺しきれずに渡した薬はなんだったのか。
いろいろとこの子事情はあいまいで。
しかし、日本語字幕ならきっとその辺もしっかりわかる(はず)と思うので、みんな見てね?
中の人はずっと既視感で、どっかで見た、、、だったが。
@瓔珞の続編「金枝玉葉」で爾晴の息子やってた子だねぇ。
「大唐女法医」「玉楼春」にも出てる。
播出待ちの「尚食」にも出てる模様。
3位:顔妃←玉合
一方的な片思いである、念のため。
玉にいさんは宦官だしね。
このドラマ中、最大量の愛を持っていた男(ぃや宦官)それが玉兄さんである。
そう、”愛量決定戦”なら間違いなく優勝である。
好きすぎて、愛しすぎて、
”好き”がぐるぐる回ってるうちに、ねじれたり、目が回ったりして、着地点を間違ってしまったのである。
のちに来る下剋上タイムのために積み上げられる、玉にいさんの愛がひたすらに辛く切ない、って気持ちわかる?
彼の愛が深ければ深いほど、終盤の全壊状態が悲惨になる方程式。
物語を面白くするためだけに積み上げられる、玉にいさんの愛。
于正ってなんてひどい仕打ちをするのだろうか。
しかし、そんな玉兄さんも、後世では素敵なパートナーに出会う(←チガウ②)
杜七くんというcuteなパートナーもいるし(@ベゴニア参照の事)
新聞社の社長というセレブでもある。
真ん中は@顔妃さんで、並んでも引けを取らないステータスを持ってるよ。
中の人は、程楓/程枫チェン・フェン。
@孤高の花(孤芳不自賞)とか@张若昀の「法医秦明」とか「大唐女法医」に出てるけど。
一番はやっぱりコレ「琅琊榜」でしょ。
4位:梁王→陆盈盈
床入り前に、わざわざこんなこと言ってることからわかるように、@梁王はクズの極み設定である。
@梁王ってのは、李世民の弟で、退位した上皇と共に暮らしていた訳だが。
李世民は、実の兄を殺し、皇帝を退位させて禅譲させて帝位についたわけで、退位させられた李淵と弟は”不幸自慢”をして暮らしていた、っていう設定のよう。
要は「権力もないし、反抗もしないし、生きてるのを有り難がって、大人しくくらせばいいんでしょ」の中で、上皇に甘やかされて育った、どうしようもない皇子なのである。
どうしようもないクズなのだが、一番”うるっ”ときた男、それが@梁王である。
最期に”愛”を感じて旅立てたのが救いであった。
中の人、唐曾タン・ゼン(@ベゴニア参照のこと)
5位:傅音&陆琪
ドラマ中、一番悲惨だった男かもしれない@陆琪(以下るーちー)。
るーちーんちはヴィラン家族。
ぱぱんもるーちーもいとこも悪者で、唯一妹の盈盈だけは女神だった。
話はそれるが、盈盈が順当に皇太子の嫁になってれば、一連の騒動はなかったのでは?
ロイヤルブラザーズたちの喧嘩もなかったし、ちゅーむーのおねいちゃんが死ぬこともなかったよなぁ。
ちゅーむーが体のほくろのことなんか言うから、、、
っと話をもどす。
ヴィランなので、彼らはるー家のために、悪さをいっぱいしでかしてるもんで、敵もたーくさん。
なのでその報いを受ける訳だけど。
まぁ、悪いことしてきてるけど。
まぁ、自業自得だけれど。
、、、
気の毒ーーーーーーー
于正のドラマは見てるものたちへの教訓なのかは知らんが、
「賢い女と、賢くない女」が出てきて比較検討できる仕様になっている。
本作の”賢くないグループ”のキャプテンは、断トツで皇太子妃の@孙灵淑であろうが。
5位の@傅音も班長くらいにはなれる賢くなさであった。
ビジュアルで惚れると、こゆことになるのさ、るーちーよ。
中の人は、何奉天ホー・ホンティエン。
@コウラン伝(皓鑭傳)の羽王子である。
6位:盛楚俊&孫霊薇
ちゅーむーの下の弟@盛楚俊(中の人、周大為/周大为ジョー・ダーウェイ)
そう、こないだレビューした「太陽と月の秘密〜離人心上~」(离人心上)でランクインの彼である。
正直彼見たさ、ってのもあったのに。
ぇえぇえ、今回もはちゃめちゃにかわぇえです♡
正直CPはどーでもぇえし、女の前髪も恐ろしくへんちくりんだったのもどーでもぇえのだが。
この結果は残念すぎる。
どうせなら次男の方が、、、
ひたすらに明るい男子兄弟は最後までいてほしかった。
ダブルじゃなくてトリプル婚儀がみたかったなぁ。
でも、最後に
彼の住んでた部屋が、そのままにしてあって、両親が懐かしんでるシーンがあり。
こゆとこも、芸が細かい于正なのである。
7位:周王→傅柔
はい、我らが@檀健次である。
てこブログでは、ほんとにお馴染みになってきた。
と、てこブログもたくさんあるので、彼の詳細は参照して欲しい。
コレほどまでに、影の薄い男主②も稀である。
力で我が物にしようとしないのは評価するが、少しは力ずくでもしないと印象に残らんね。
最後はビンタされてたし。
完全なる片思い。
実在したモデルがいて、恐らくそれは長孫無忌に意地悪される皇子だと思うのだが。
そもそも本作には長孫無忌は出てこんからなぁ。
辺境の領地に旅立つ装い↓
お見送りに来るどころか、今まさに婚礼の鐘がなってるという。
気の毒すぎる健次くん。
せめて、きちんとしたお別れの言葉があっても良い気もするけど、まぁ、いいかな。
彼は、このときは少しだけぽっちゃりかな。
こんくらいの肉付きの健次が一番キュートだと思うのは、てこだけではあるまい。
骊歌行てこが見た感想
非常に面白い全56集であった。
中弛みすることなく、途中スキップしたりスライダーすることなく、テンポよく最後まで見ることができる。
このドラマのいいところは、何事も”しつこくない”というところである。
恋模様のこじらせもさほどではないし、ヴィランズの陰謀も陰湿ではないし。
宮女たちの陰謀も一度は陥れられても、きっちり報復するし。
てこが一番苦手とするのは、後宮関連の陰謀である。
このウザい女どもの陰謀がとにかく嫌いで、見たくないのであるが、本作はあまりそれはない。
↓この男@厳子方/严子方(中の人、洪尧)
彼も「もう大概にしなよ〜いい加減にしないとね」ってタイミングであっさりリタイヤ。
パイレーツに戻るという。
ひとつひとつがあっさりしてる代わりに、次々と、いろんな場所でいろんな人が、物語を紡ぐ方式。
そして、恋愛一つとっても同じパターンがない。
人が違えばパターンも違う、という、言わば当たり前のことに今更ながら気付かせてくれるのが于正Pの手腕とも言えよう。
皇太子が、どんな人のどんな言葉で心が変わっていくのか、とか。
しつこくないがディテールにこだわった脚本だと思う。
”びっくりさせたら出産できるかも”とか、笑える話もあるにはあるが。
今回も于正の絶妙の塩梅の匙加減で、许凯不足感は否めないが概ね満足である。
”许凯をもっと見たい勢”を量産する体制を作ってるのではなかろうか。
現に、すぐにでも「千古玦尘」を見ようか、などと考えているてこであるからして。
皆さんも是非、于正のこの”あっさりだけど数で勝負”と次から次に起こる”スピード感”を経験してほしい。
見たら最後、ほかのドラマを見るのが結構辛くなること確実である。