中国ドラマ『飛狐外伝レガシー・オブ・ヒーロー』(原題・飞狐外传)ドラマレビュー其の1:1〜20集まで”雪山飛狐”前日譚”漢気あふれる義侠ワールドへようこそ♡【秦俊杰チン・ジュンジエ】【林雨申リン・リューシャン】【何潤東/何润东ピーター・ホー】【丁橋/丁桥ディン・チャオ】キャスト情報・あらすじ・感想※ネタバレあり

2023年6月7日

ご訪問ありがとう、てこブログへようこそ。
 
今日は、中国ドラマ『飛狐外伝』(原題・飞狐外传)ドラマレビュー其の1:1〜20集まで”雪山飛狐”前日譚、漢気あふれる義侠ワールドへようこそ♡
を紹介するよ。
 
【基本情報】
 
監督:連奕名
脚本:湯佳羽、邱懐陽(総編劇)、李鳳森、張亜鳳、孫広舟、王正、胡舒欣、唐嘉晗(編劇)、王超然、王小潔、張婧雅(聯合編劇)
P:張志煒、張磊(総制片人)許清概、祝力強、薛瑩
原著:金庸《飛狐外伝》
主演:秦俊傑、梁潔、邢菲、林雨申、何潤東、葉項明、黄夢瑩、劉瑜峰、海鈴
プラットフォーム:騰訊視頻、2022年8月31日〜
45分✖️40集
 
やって来ました、金庸センセの武侠っすよ♡
浮かれて反芻し、ようやく一心地ついたのでレビューする。
バックグラウンドとなっているのは《書剣恩仇録》という全四巻からなる清朝乾隆年間の物語だ。
 
イー:秘密結社紅花会 
アル:乾隆帝の秘密
サン:砂漠の花香妃
スー:紫禁城の対決
 
という内訳で、てこもわりと読み込んでいる小説だ。
 
本ドラマの原作である《飛狐外伝》はタイトルの通り”外伝”サイドストーリーなのだが、その元となっているのが《雪山飛狐》という一巻からなる推理小説だ。
閉じ込められた雪山山荘でのサスペンスだ。
 
サイドストーリーである《飛狐外伝》はサイドストーリーであるのに関わらず、本編よりも長い全三巻からなる多重恋愛劇だ。
本編《雪山飛狐》の前日譚に当たる。
 
《雪山飛狐》は2007にドラマ化されており、ニエぱいせん(聶遠)が飛狐こと@胡斐役であり非常に楽しみに見てたのだが。
・・・
とにかくとんでもないもっすごい駄作だったのだ。
大好物の武侠なのにも関わらず、途中リタイヤしてしまった。
原著は一冊のサスペンスなのに、40集もあるし・・・
 
そして本作の《飛狐外伝》は、原著を未だ読み切っていない。
なんせ恋愛劇だし三冊もあるんでね・・・
恋愛がきらいな訳ではなく、金庸センセの恋愛物描写はイマイチなんだ、漢気書かせたらピカイチなんだが。
 
という訳で、
本編《雪山飛狐》は原著は読んだがドラマは途中放置。
外伝に至っては、原著も読破せずにドラマを視聴開始という、なんともチグハグな感じになってしまった。
 
キャストがわりと謎だった。
なぜほー殿(何潤東ピーター・ホー)が@田帰農なのか・・・
ヒーローみゃお(@苗人鳳)、もしくは出番は少なくとも@胡一刀だろ、イメイジとしては。
よりによって田帰農とか・・・
 
で、主役の@胡斐は、俊くんこと【秦俊杰チン・ジュンジエ】だ。
出来るんだろうか、武侠、とか思ってたのだが、結果から言うと合格だ。
殺陣も見事だったし、「聴雪楼」の雪辱を果たせた感じがする。
 
しかし懸念は女子軍だ。
まずは若めの方の二人は梁潔と邢菲。
梁潔は「双世寵妃」「双世寵妃Ⅱ」で散々荒ぶった女子だ。
邢菲は↑ほどではないが「覆流年」では自分勝手で目つきが太々しかった女子だ。
熟してる方の二人は@素錦@元瞳なんだ。
三生三世十里桃花」で目ん玉取り出されてた素錦と、
三生三世宸汐緣」で悪さしまくってた元瞳だ。
 
どろどろした愛憎は極力少なくして欲しい、というてこの切実な願いだ。
どうか叶いますように・・・
 
とはいえ、基本は武侠だ。
ぶきょんちゅ(武侠沼人)にとっては、何度も涙するシーンもあるし、武侠ならではのあるあるに笑ったりできる仕様だ。
そこいら辺を熱く語りたいのである。
 
注:てこブログは、おおいなるネタバレを含みます。
閲覧の際は、十分にお気をつけください。
 
ってな感じで始めるよ、最後までよろしく!

飛狐外伝ってどんなドラマなん?

ちーこの時(産まれてほやほや)にぱぱままが殺され、四叔父に育てられた@胡斐の成長譚を軸に、数組の恋愛劇を絡めた物語だ。

【プロローグ編】

物語は、雪山での男子二人の決闘から始まる。
その二人とは
@ヒーローふー(胡一刀)
@ヒーローみゃお(苗人鳳)
 
この二人は別に仲悪くて喧嘩してる訳じゃなく、ある事がきっかけで親友になり力比べをしてる、という状況だ。
ほら、すでに見えるでしょ?
 
「愛してる」
「俺も愛してる」
「ずっと一緒な・・・」
 
という心の会話が皆にも容易に聞こえてくるはずだ。
このこの決闘は、この上ない至福の時間になるはずだった。
 
「こんな友に出会えて幸せだ」
「互いに刀を取り替えっこして、それぞれの技を一つだけ伝授し合おう」
 
ってことになり、武器を取り替えっこして教え合ってた最中に事故は起きる。
ほんの少し、大侠みゃおの振る刀が胡一刀の腕をかすった。
その後吐血する胡一刀。
 
側で箏を奏でながら戦いを見守っていた胡一刀の妻が異変に気付き、すぐさま口で毒を吸い取る。
しかし、二人はなす術なくお隠れになる。
 
「子を頼む・・・」
 
という言葉を最後に。
 
なんとも、初っ端から胸熱展開に心躍るてこだ。
殺陣は、ワイヤーくるくる系でてこ好みではないが、
ヒーローふーとヒーローみゃおの二人の大侠がイケ散らかしすぎだ♡
 
ぃやぁ、いいっすよ、俊くんのムサ叔姿♡
今まで見たドラマじゃ一番の造形じゃないだろうか。
でも早々に退場とか、残念でならないのだが。
 
対するみゃお大侠のイケ散らかしっぷりは今後も鰻登りなのだが。
線が細くて色白、なのに強い、というギャップ萌えのお手本だ。
「倚天屠龍記」(記事は気長に・・・)の@楊逍の時も艶で濡れそぼってたが。
今回はあれとはまた別の色気を使って来た♡
 
ここでのポインツは、刀を取り替えっこしてたって事だ。
つまり、ヒーローふーは己の刀が毒されており、己の刀でお隠れになったと言う事だ。
要するに、この毒は本来はヒーローみゃおを狙って塗られてた可能性が高い。
みゃお大侠を狙ってたのは一体誰なのか、それが第一の謎だ。
そして、瞬時に二人の命を落とすほどの毒は一体何で誰からの物なのか、それが第二の謎だ。
 
で、みゃお大侠は、子を頼む、と言われたのにうっかりしてて、その間にちーこ(胡斐)は行方知れずとなる。
一体なにしてたんだか・・・
後に明らかになるが、みゃお大侠はこんときヒーローふー夫妻のお墓作って悲しんでたっぽい。
そこがまた胸熱。(ずいぶん後に、かれらのお墓見た時は泣いたなぁ、思い出して)
優先順位とか考えられないのが武侠だ。
リスクを考えたら、ちーこを誰かに預けるとか無しだろう。
そのリスクとは胡家に伝わる武術テクニックを書いた教本だ。
どんな物語でも、重要アイテムになり得る教本だ。
 
いつの時代でも一緒だが、偉くなるためにはそれなりの試験(科挙)があり、
それをクリアするにはそれなりの家柄(アイデンティティ)が必要だ。
家柄も学歴もない人間が成り上がれる一番の方法が剣侠になる事だ。
剣侠の世界は単純で、強さ=権力(金)、だ。
皆が皆清廉潔白の清流属性の善人なら良いのだが、もちろん中には悪いやつも居り、
なんなら悪い奴の方が割合は多いくらいだ。
つまり、強く成れるなら手段を選ばず、非道な事もする訳で。
胡家のスタイルブックを奪うために、ちーこを狙うのは言わば当たり前のことなのに。
後から後悔してる(何故手元にちーこを置いとかなかったのか)みゃお大侠なのだ。
愛しいおバカさんなのだ♡
 
ちなみに、そんなずっ友(ずっと友達)な大侠二人の事情を知る者は、生き残りのみゃお大侠だけだし。
彼がそんな事情説明とか言い訳するはずないんで。
世の中は、ヒーローふーを殺したのはヒーローみゃお、って認識になってる。
要するに、胡斐にしてみれば親の仇がみゃお大侠だ。

【少年編:商老太対決ターム】

ちーこから少年になった@胡斐(中の人、張子豪)
大人な俊くんに似てなくもない少年男子。
なかなかな演技でしたよ。
その少年と縁あって幼馴染設定が元瞳の@馬春花(中の人、海鈴)
正直、少女役はわりとイタい感じではあるが、その数年後も彼女が演じるので(お母さんになる)まぁ良しとしよう。
彼女のぱぱは達人で(槍使い)、警備会社を営んでいるのだが。
ぱぱは、ちょっとちょっと!
ろい先輩【呂良偉/吕良伟レイ・ロイ】なんですけど!
この役のために坊主にしたんでしょうか♡
ちょっと伸びてる坊主頭がなんともcuteだ、ステキすぎる男子だ。
ちくちくを触りたい♡
 
てこ推しのイケ叔なんで、過去レビュー貼っとく。
 
ろい先輩の一番弟子が@上杉虎(「慶余年」)ですよ!
【赫子銘/赫子铭フー・ズミン】
夫の敵討ちを目論んでいる@商老体に嵌められて大変な事になってしまう。
ろい先輩よわっ・・・
早々にやられてるんだが。(それも雑魚に)
 
そのろい先輩をやっつけた雑魚ってのが、ちーこ(産まれたてほやほや)胡斐を崖から突き落とした雑魚なのだが。
崖から落とすときに、胡家スタイルブックの三ページだけを破いて持ってて。
その胡家テク三手で、ろい先輩をやっつけたのだ。
わかるかな。
つまり、捨て身で奪い取った三テクだけで今まで生き残り、それなりに成り上がってたと言う事だ。
三テクだけでこの強さなら、一冊丸ごとならどんだけ強いか計算できるよね、って武侠スタイルだ。
こういう地味にわくわくさせてくれるのが金庸センセの武侠だ。
 
その悪者雑魚のせいで二度目の崖落ちした少年胡斐。
川に流れて来た少年を助けたのは・・・
もちろんみゃお大侠だ。
胸熱展開ですよ♡
みゃお大侠は、ずっ友の息子とは気付いてないのだが。
少年も親の仇だとは気付いてないのだが。
互いに惹かれ合う運命の出会い♡
いつもは無表情の”すんっ”としたcoolフェイスの大侠が。
少年を見る目が優しく、エモさが爆盛りだ。
 
で、商老体っておばあさんは夫の仇を打とうと画策してる訳だが。
その仇こそがヒーローふーとヒーローみゃおのずっ友大侠二人組なのだが。
もともと悪者だったので大侠たちにやっつけられたのだが、都合の悪いことは置いといてとりま敵討ちに全力投球のばあさんなのだ。
みんな蒸し焼きにされそう、ってとこに颯爽と助けにくるのが少年胡斐なのだが。
ここも武侠ポインツの一つだが。
”姿が見えてない”事だ。
訳あって姿は見えないのだが、
 
「ん?この足の動きは?
ん?胡のスタイルに似ている・・・
誰だ?誰なんだ」
 
「ん?軽い・・・
こどもか・・・・
そうかあの時(川の)兄弟か?
そうなのか?」
 
とかになる訳よ!
見えてないのに!
足の動きも見えてにないのに、音で動きがわかるという。
・・・
もうっ、胸熱でしょ?
 
さらには極意を伝える、見えないのに、口頭で。
それをしっかり受け止める少年胡斐。
まさにベストカップル♡
 
ここで(どうでもいいけど)ひとつラヴが誕生している。
それがこの↓の二人だ。
元瞳のお相手は、反派の@福康安(中の人、葉項明/叶项明)
いちゃこらしてるうちに、元瞳のぱぱ(ろい先輩)はお亡くなりに。
彼女はその後しばらく出てこないが、後にとんでもない事が起きるのである。
 
そして、みゃお大侠にも・・・
(不必要だが)出会いがある・・・
・・・
そう素錦だ・・・
ナヨナヨしてる。
うじうじしてる。
なぜこんな女子に・・・

【青年編:鳳家ターム】

青年に成長した胡斐
辮髪だ。
悪くないがイマイチだ。
だって辮髪ビューティーは他に居る。(後で説明)
 
まぁ、ルックはさておき。
四叔父亡き後、一人で臥薪嘗胆の日々だった俊くんもそれなりな武術を身につけている。
街に出ようと一休みしてたとこに女子との出会いがある。
この女子が梁潔扮する@ツィイー袁紫衣(イェン・ツィイーYuán zǐyī)だ。
到着した街で、鳳家の迫害に苦しむ民を助けようといろいろと協力してるうちに彼らは互いに惹かれ合って行く
流れだ。
若くいろいろと未熟な俊くんを導いてくれる優秀な女子だし、うるさくないし、強いし。
寵妃とは打って変わって別人だ。
 
権力を傘にしたい放題の鳳家の家長が、古参の黒子さんだ。
驪歌行」「我就是這般女子」などの、肝っ玉ぱぱも良いが、黒子先輩の持ち味は何といってもヴィランだろう。
ヴィランなダーレン演らせたら天下一品であり、本作ももれなくゲスなグズオヤジを安定に演じている。
 
そして息子役が【丁橋/丁桥ディン・チャオ】だ♡
神級の辮髪ビューティーだ♡
 
彼は④爺(「夢回」)で既に辮髪ビューティーを晒しているが、今回も完璧なるお美しさだ。
さぞかしcoolな役柄だろうと思いきや。
蓋を開けてみたら、見事なまでのスネ夫だった。
 
いつも”ぱぱ、ぱぱ”うるさいし。
 
「うちのぱぱってすごいんだからっ
ぱぱに言いつけてやるっ
ぱぱなら何だって出来るんだからっ」
 
と完全なるゲスでクズなスネちゃまだったのだ。
コレ↑もっすごくかっこぇえけども、もっすごくゲスな事しよる所なのだ。
 
スネちゃまのこの行動のせいで、鳳家は民衆に逆襲を受け街に居られなくなり逃亡生活を余儀なきされる。
しかし、黒子先輩はしぶといのでこのまま終わるはずないし、
さらにはツィイーとの因縁もあるようだし、
再登場は確実だ。
 
各タームは6〜7話だが、正直な話を言うと半分くらいに省略可能だ。
どうでもいいコメディーパートがぶっ込まれたり、どうでもいい恋ゴコロ育成パートなどもわりと多い。
それでも我慢できるのは、アクションシーンが念入り仕様だし、回数も多いからだ。
まださほど強くはないが、そこそこ強い俊くんも↑のような見せ場がある。
武侠で語られるべき””を、悪との対比としてしっかりと描いているのも好ましい。
ちなみに↑は骨折中にもかかわらず、ツィイーひとりで戦わせる訳にはいかん、と助けに来た図だ。
骨折でも戦えるのが武侠だ。
覚えておくがいい。
 
このタームは出番の少ないみゃお大侠はというと。
ちゃっかり素錦を娶りちーこ女子が生まれていた。
この0歳児の@苗若蘭は、本編の《雪山飛狐》には成長した姿で登場するが、ここでは産まれてほやほやのちーこだ。
このメオトにぴったりと張り付いて何やら不穏なのが、我らがほー殿【何潤東/何润东ピーター・ホー】だ♡
ほー殿は、素錦を狙ってるんっすよ。
みゃお大侠とは、家族ぐるみの付き合いで、いわば幼馴染だ。
みゃお大侠は当代切ってのヒーローと名高い男子だし、ついでに男前でもあるし。
面と向かって戦っても勝てる気がしない、なのでこっそりワンチャン狙ってる男子だ。
 
それにしても、なんでほー殿なんだろうと思うのだ。
@呉聘「那年花開月正円」(記事は気長に・・・)は良い役で(出番は少ないけど)満足だったし、@かの者「剣王朝」ではカーリーほーを見れて(出番は少ないけど)良かったのだが。
本作は、コンプレックスを擬人化したキャラで、人の嫁をねっちり狙ってるもっすごく嫌な役だ。
ほー殿が演るくらいなのだから、さぞかしカルマや退場劇は豪勢にしてくれるんだろーなー?あ゛?と荒ぶりたい気持ちだ。
福康安なんかより、こっちにフォーカスした脚本になってる事を願うてこだ。
 
で、話は俊くんの方に戻って。
鳳家タームのせいで、片足骨折人事不詳となった俊くん。
ひどい怪我も魔法のようにさっくり治してくれる秘薬を持つ少林韋陀門へいざ出発だ。
 
ってか、既に相当書いてる。
この調子で書いてるともっすごく長いレビューになるのではなかろうか。
でもなぁ、この通り豪華キャストだし、これでも書きたいことの半分も書けてないのだが。

【少林韋陀門ターム〜義兄弟結成ターム】

まずは韋陀門に辿り着くには、9999段の階段を登らんとならん訳だが。
ツィイーは俊くん背負って登るのだが、立って背負ってると俊くんの足が階段にぶつかってしまうんで膝を付き四つん這いの形で9999段登る恐るべき根性のツィイーだ。
原作にもこんなシーンあるんだろうか、などと徒然思いつつ。
メローなBGMで盛り上がる。(てこは盛り上がらんけどな)
 
着いたら着いたで、掌門が奇しくもお隠れになっており次期門主が誰になるかで不穏な宗内だ。
このままじゃいつまで経っても治療してもらえない
どうしたら治療してもらえる?
そうだ、門主になれば権力で思うがままじゃね?
 
って事で、急遽トーナメント参戦のツィイーだ。
・・・
まじ武侠。
これが武侠。
 
で、無事門主になりさぁ治療開始、経過良好、とはならず。
いちいち困難な状況になる。
武侠とは、そんな面倒な細かい設定がわりと多いのだ。
作品によって設定は色々だが、例えばチャクラの練り方に細かいルールが設けられていたり。
技の習得にも順番が決まっていたり。
特殊なハーブが必要な場合も多い。
メオト揃ってなきゃダメ、とかもあったなぁ。
毒の種類や解毒方も、独自のルールがあったりする。
現実的な細かいルールがある一方で、呪い(まじない)的なメンタルに依存する事柄も多いのも武侠の特徴だ。
いずれにせよ武侠は奥が深いという事だ。
 
そして下界に戻る途中で、黒子先輩と遭遇する俊くんとツィイーだ。
黒子先輩をやっつけるのを当面の宿願としていた俊くんは、刀を振り下ろすがそれを止めるツィイー。
ここでツィイーは行方をくらまし、一旦退場だ。
 
下界にツィイーを探しに戻って来た俊くん。
この下界でのやり取りは、剣強として生き宗派をどう盛り上げ安穏と暮らして行くかのロールモデルを学習できる。
そのロールモデルが@周鉄鷦(中の人、陳之輝)だ。
陳先生は「説英雄誰是英雄」で、いっぺんに三本の矢を射抜いたり、夏侯惇の叔父さん(「司馬懿軍師連盟」)だった先輩だ。
本作の役どころは、周ファミリーのビッグブラザーであり。
その時々の状況を瞬時に判断し、どこの立ち位置が一番おいしいかを見極める。
権力を持つことよりも安穏と一族(宗派)が暮らしていけて、
さらにお金もあるに越したことないよね、というスタンスの人生の大先生男子だ。
陳先生の空気を読む力のおかげで、いろいろと助かった事も実は多いのだ。
 
で、ツィイーが側に居なくなったもんで、簡単に騙される俊くん。
騙されて奈落の底に落とされた先に居たのが太極拳使いの先輩だった。
さすが武侠。
これぞ武侠。
ヒーローを目指すヤングが、行く先々で出会った人からいろんな事を学び吸収し、成長して行く流れは金庸センセの全ての物語に共通する事だ。
太極拳内部でも不穏な動きは当然のことながら存在し、その影で耐え忍ぶメンツも必ず存在する。
俊くんは、弱きを助ける善良な義メンなので、もちろんスカっとする下剋上を盛り込み(太極拳極意伝承)、ついでにそこで出会った@趙半山と義兄弟の契りを交わす。
”義兄弟”
さすが武侠。
これぞ武侠。
視聴者の欲する気持ちを重々承知で、こんな鉄板を持ってくる展開は好ましすぎて浮かれるレヴェルだ。
 
俊くん事情ばかり書いているが、みゃお大侠んとこでも動きがある。
そう、このドラマは全てが絡み合う訳ではなく、複数箇所でそれぞれの事情が展開される方式を採用している。
最終的に繋がるか、と問われればそれも微妙だ。
微妙だが、ここは繋がると信じて視聴しようね、みんな。
 
みゃお大侠は、根っからの武人だ。
そして本質が英雄だ。
つまり、大義は決して疎かには出来ない質なのだ。
個人の幸せ(妻や子の幸せ)も大事だが、ずっ友の死の真相を明らかにする事も宿願だし。
何と言っても、剣侠たちのせいで世の中が不穏になり民が苦しむのを指を咥えて見てる訳にはいかない、という英雄たる見解があるのだ。
つまり、妻とちーこをほっぽって旅に出るのだ。
それに我慢できないのが素錦なのだ。
 
みゃお大侠が居なくなったのを良い事に、素錦を自宅に呼び贅沢品を与え甘やかし浮かれまくってるほー殿だ。
そのうちにみゃお大侠が死んだとかフェイクニュースを流し、うまいこと不倫関係に持ち込み、泥沼のトライアングルがここに形成された。
ほんとにここでのやり取りは苦痛以外の何者でもない。
みゃお大侠は見たいし、ほー殿も見たいが、ねばねばのどろどろの愛憎はてこの求めるものではないのだ。
でもまぁ、嫁は取られたけど、ちーこ娘は取り戻し、ぱぱとちーこ娘の生活を初めてここはひと段落。
などと安心したらおおまつがい(大間違い)だった・・・
 
実は俊くん一行は、みゃお大侠宛の紅花会からのお手紙配達を託されていた。
俊くんは亡きぱぱ(ヒーローふー)に生写しのルックだ。
つまり、みゃお大侠は俊くんを一目見さえすれば、俊くんがずっ友の忘れ形見だと100パー気付く。
今まさにその時がやって来たのだ。
手に汗握るその瞬間。
手紙を開けた時に舞う紫色の粉。
・・・
毒だ。
・・・
その毒粉は、なんとみゃお大侠を盲目にしてしまう恐ろしい毒だった。
 
また来た。
”姿を見れない”案件だ。
 
類稀なる猛毒は、毒王にしか解毒不可能だろう、という事で。
急遽俊くんは、毒王を探す旅に出ることとなる。
 
そこ(薬王谷)で出会うのが第二の女子@程霊素(中の人、邢菲)だ。
俊くんは、もう心に決めた女子が居るので(ツィイー)アウトオブ眼中だが。
この毒王女子は、もう俊くんの事好きでしょうがないみたい。
ここにもトライアングルが出来てしまうのか・・・
恋の行方はどうでもいいし興味はないが。
みゃお大侠の目が治るのかは心配だ。
 
薬王谷にもいろんな事情があり、この女子もどうやら訳ありのようだが。
とりまみゃお大侠の目を救うために都に戻る旅を始める。

飛狐外伝21〜ラストまで、は其の2で・・・

とにかくネタバレしすぎで長くなってしまった事をお詫びしたい。
 
物語はどこに向かっているのかというと、それは掌門大会だ。
この大会は、政府が管理する政府による大会であり。
政府側としては、政府(ふーダーレン@福康安)がコントロール可能な門派が勝ち残ることが理想だが。
そうなると市井の者の生活が抑圧されるので、清廉潔白な者が勝ち上がることが好ましいと紅花会は考えており。
そこには”乾隆帝VS紅花会”という根深い問題がある、という背景で。
 
・政府公認八派に入りたい〇〇派たちの画策
・謎の紅花会の実態
・ヒーローふーの死の真相
・ヒーローみゃおの家庭事情
・俊くん成長譚
・ほー殿の真の野望とは
 
などを描いて来たが。
後半はこれに加えて
 
・鳳親子(黒子先輩)復権のためのアレやコレや
・ふーダーレン@福康安の悩み・家庭事情
・ヒーローみゃおは親の仇だったよね、案件
・俊くんは一体どっちの女子を選ぶのさ、案件
・薬王谷問題
 
などを盛り込んでくる仕様で特盛全部載せ状態だ。
後半も武侠あるある満載で物語は進むので、相変わらず語りたいことは山ほどある。
 
其の2でも盛大なネタバレを積み重ねつつ。
てこ監修”イケメン備忘録”も開催し、てこが見た感想で完結としたい。